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KENWOOD KT-1010F 修理調整記録1

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 ・2016年2月、KT-1010Fの故障品が届きました。
 ・電源を入れても全く動作しないそうです。
 ・さて、直せるか??

Kt1010f11

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1010F \59,800(1985年発売)

Kt1010f02Kt1010f04

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・電源を入れると 表示部に周波数「1888」と表示されます。
 ・それだけです。どのスイッチを押しても全く反応ありません。
 ・電源部電圧を確認すると、電源は生きているようです。
 ・コントロールIC TC9147BP 42ピンVDD電圧=10mV。これはおかしい。
 ・TC9147BP周辺回路を調べた結果、C243 2200uF/6.3v が短絡していることを発見。
 ・C243はメモリ保持用のコンデンサです。
 ・手持ち品からボディの高さに収まる代替品を探して 1000uF/25vに交換。
 ・電源オン、表示部が正常に点灯してFM/AMとも受信できました。
 ・ネット検索したところ、ひろくん様のサイトでも全く同じ故障事例が紹介されていました。
 ・もしかしたらこの機種共通の弱点かもしれません。

Kt1010f20_2

Kt1010f21Kt1010f22Kt1010f23Kt1010f24Kt1010f25

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ようやく動作するようになったので動作チェックしました。
 ・電源コードの印字「1986」。
 ・表示部は明るく点灯し、文字欠けや文字痩せはない。
 ・オートサーチで地元FM局を受信。STEREOランプ点灯。
 ・FM/AMともこれ以上の不具合はなさそうです。

Kt1010f05Kt1010f06Kt1010f07Kt1010f08
Kt1010f01Kt1010f03Kt1010f09Kt1010f10

■調整記録------------------------------------------------------------

【本体設定】
 ・RF SELECTOR=DISTANCE
 ・IF BAND=WIDE
 ・QUIETING CONTROL=NORMAL(右端)
【VT電圧】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz →  L8調整 → 実測 2.9V ※確認のみ
 ・90MHz → TC6調整 → 実測24.9V ※確認のみ
【FM同調点調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調 80dB)受信 → T2調整 → 0.0V
【RF調整】
 ・R73右足(Sメーター代用)DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調 40dB)→ L1,L2,L4調整 → 電圧最大
 ・83MHz(無変調 40dB)→ T1 → 電圧最大
 ※L1,L2の調整は難しいのでノータッチ
【PLL検波調整】
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調 80dB)受信 → L14調整 → 0.0V
 ・83MHz(1kHz 100% 80dB)受信 → T3調整 → 歪最小
【MPX VCO調整】
 ・TP15に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR8調整 → 19.000kHz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ L20調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DET】IF=WIDE
 ・83MHz(MONO信号,400Hz,100%変調,80dB)→ VR2調整 → 歪調整
【歪調整2 MONO2】IF=WIDE
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR3調整 → 二次歪調整
【歪調整3 MONO3】IF=WIDE
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR6調整 → 三次歪調整
【歪調整4 L/R2】IF=WIDE
 ・83MHz(L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR4調整 → 二次歪調整
【歪調整5 STEREO/SUB3】IF=WIDE
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR5調整 → 三次歪調整
【歪調整6 STEREO/Narrow】IF=NARROW
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR7調整 → 歪調整
【セパレーション調整】
 ・IF=WIDE
 ・83MHz(STEREO信号,80dB)→ VR10調整 → Rch漏れ最小
 ・83MHz(STEREO信号,80dB)→ VR11調整 → Lch漏れ最小
 ・IF=NARROW
 ・83MHz(STEREO信号,80dB)→ VR9調整 → 両ch漏れ最小
【REC CAL】
 ・392Hz ※確認のみ
AM
【VT電圧】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・522kHz → L16調整 → 実測 1.8V ※確認のみ
 ・1629kHz(東海ラジオ) → TC2調整 → 実測 8.3V ※確認のみ
【RF調整】
 ・729kHz(NHK)受信  → L18調整 → 最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC3調整 → 最大

Kt1010f30Kt1010f31Kt1010f32Kt1010f40Kt1010f41
Kt1010f42Kt1010f43Kt1010f44Kt1010f45Kt1010f

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・QUIETING CONTROL 通常はNORMAL(右端)※ステレオ受信時のブレンド量を調整
 ・QUIETING CONTROL DISTANCE(左端)にするとブレンド量100%,つまりMONO受信となる
 ・RF SELECTOR 通常はDISTANCE ※電波が強すぎる場合はDIRECT
 ・SENS.LEVEL High/Low ※ミューティングレベル切替 
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。

Kt1010f46_2

Kt1010f12


PIONEER F-500 修理調整記録

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 ・2016年3月、PIONEER F-500の修理調整作業を承りました。
 ・パイオニア製パルスカウント検波を搭載したバリコンチューナーです。
 ・以前、F-700とF-500の比較一覧表を作ったことがありました。
 ・今回は調整記録をキチンと残すことを目的に作業をお引き受けしました。

Pioneer_f50008

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Pioneer F-500 ¥49,800(1979年発売)
 ・Hifi Engine PIONEER F-500 (1981)
 ・過去記事 F-700/F-500比較

Pioneer_f50002

Pioneer_f50003Pioneer_f50004Pioneer_f50005Pioneer_f50006Pioneer_f50007
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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字は1979。
 ・電源オン。周波数窓の照明点灯。二つのメーター照明点灯。
 ・各ボタンのインジケーターLED点灯。
 ・名古屋地区のFM放送局を受信OK。僅かに周波数ズレ。STEREOランプ点灯。
 ・Tメーターの振れ方がちょっと過敏。
 ・IF BAND WIDE/NARROW切換OK。REC CALトーンOK。
 ・FMで指針を移動すると「バリバリ」と凄い雑音を発する。
 ・雑音に連動してSメーターが異常な振れ方を示す。
 ・AM放送は受信OK。AMもWIDE/NARROW切換できます。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM5連、AM2連バリコン搭載
 ・PA3007:クアドラチュア検波、メーター駆動
 ・PA5001:OSC & Mixer
 ・PA5002:パルスカウント検波
 ・PA4006:MPX
 ・HA1197:AMシステム

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■修理記録------------------------------------------------------------

 ・指針を移動すると「バリバリ」と凄い雑音が発生します。
 ・移動しないときは静かです。
 ・この症状は、経験的にバリコン軸のサビ付きが原因です。
 ・バリコン回転軸を爪楊枝の先端で丹念に清掃。
 ・最後にコンタクトグリスを塗布して完了。
 ・これでバリバリ雑音は解消しました。

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■調整記録------------------------------------------------------------

 ・サービスマニュアル、回路図など未入手です。
 ・部品番号が分からないので仮番号を付しました。

F500

【FM OSC調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・基板上の12番端子にDC電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・目盛り位置76MHzに指針セット
 ・76MHz 無変調 70dB 受信 → L5調整 → Sメーター最大
 ・目盛り位置90MHzに指針セット
 ・90MHz 無変調 70dB 受信 → TC5調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・基板上の12番端子にDC電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・目盛り位置76MHzに指針セット
 ・76MHz 無変調 40dB 受信 → L1,L2,L3,L4調整 → Sメーター最大
 ・目盛り位置90MHzに指針セット
 ・90MHz 無変調 40dB 受信 → TC1,TC2,TC3,TC4調整 → Sメーター最大
【IF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・目盛り位置83MHz付近でSメーター最大位置に指針セット
 ・83MHz 100%変調 40dB 受信 → T1,T2,T3調整 → Sメーター最大
 ・Sメーターの目盛りを記録
 ・IF BAND=WIDE
 ・VR1調整 → Sメーターの目盛りをNARROW時と同じ位置に。
【FM同調点調整】※クアドラチュア検波
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → T4調整 → Tメーター中点
【パルスカウント検波調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → T5調整 → TP電圧最大
 ・TP1 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → T6調整 → 1.26MHz
 ・TP4~TP5 電圧計接続
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → VR2調整 → 電圧ゼロ
【Sメーター振れ調整】
 ・VR3調整
【ミューティング調整】
 ・VR4調整
【REC CALトーン調整】
 ・VR5 -6dB設定 ※実測332Hz
【VCO整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・TP3 周波数カウンタ接続
 ・無信号 → VR6調整 → 76Hz
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz ステレオ信号 60dB 受信 → T7,VR7調整 → 19kHz最小
 ・左右バランスに注意
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR9調整 → Lch漏れ最小
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR10調整 → Rch漏れ最小
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR8調整 → L/Rch漏れ最小
【AM OSC調整】
 ・729kHz(NHKラジオ)受信 → TA1調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信  → TCA2調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・729kHz(NHKラジオ)受信 → バーアンテナ横スライド調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信  → TCA1調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz(CBCラジオ)受信 → TA2調整 → Sメーター最大
【AM IF調整】
 ・VR11調整 → WIDE/NARROW Sメーター振れを同じ位置に調整

Pioneer_f50060Pioneer_f50061Pioneer_f50062Pioneer_f50063Pioneer_f50065

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・周波数窓とメーター照明、インジケーターLEDがイイ雰囲気を醸し出しています。

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TRIO KT-9007 修理調整記録

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 ・2016年4月、TRIO KT-9007の修理調整作業を承りました。
 ・発売当時に入手したワンオーナー品だそうです。
 ・もう40年以上前の製品です。

Kt900711

■製品情報------------------------------------------------------------

オーディオの足跡 TRIO KT-9007 \90,000(1974年発売)
Hifi Engine KENWOOD KT-8007 (1974)

Kt900701Kt900714

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字 1974。コードには所々テープ補修跡あり。
 ・FMアンテナを接続して電源オン、
 ・周波数窓の照明と二つのメーター照明が全部切れている。
 ・オレンジ色の指針だけが暗闇に浮かび上がるだけの状態。
 ・ポジションランプのうちFMランプ、MUTINGランプも切れている。
 ・STEREOランプ、AMランプ、DEVIATIONランプのみ。
 ・当方への発送前は窓照明電球はすべて点灯していたそうです。
 ・輸送中の振動が劣化電球にとどめのを刺したのでしょうか?

Kt900703Kt900705Kt900706Kt900707Kt900709

 ・照明は残念な状態ですが、FM/AMとも名古屋地区の放送局を受信しました。
 ・-0.2MHz程度の周波数ズレ。Sメーター最大点とTメーター中点が一致しない。
 ・STEREOランプの点灯状態が不安定。検波調整がズレているか?
 ・固定端子、可変端子ともに音が聴こえます。
 ・マルチパスH端子、FMDET OUT端子からも音が聴こえます。
 ・電球切れ、検波調整ズレが予想されます。

Kt900715Kt900716Kt900717Kt900718Kt900719

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・M型FMアンテナ
 ・FM4連、AM3連バリコン
 ・MURATA CERAMIC FILTER L72-0020-05×2個 セラミックフィルタ
 ・HA1156:PLL MPX用IC
 ・uPC33C:PRE AMP

Kt900720Kt900724Kt900721Kt900722Kt900723
Kt900725Kt900726Kt900727Kt900728Kt900729
Kt900730Kt900731Kt900732Kt900733Kt900734
Kt900735Kt900736Kt900737Kt900738Kt900739
Kt900740Kt900741Kt900742Kt900743Kt900744

■修理記録:電源コード交換--------------------------------------------

 ・絶縁テープで補修されたコードを保管品と交換しました。
 ・KT-5007を解体した時に部品として確保しておいたコードです。
 ・見た目は変わりませんが、製造年の印字は 1974→1975 になりました。
 ・コードストッパーは再利用しました。 ※写真は撮り忘れました。

■修理記録:周波数窓電球交換------------------------------------------

 ・周波数窓を照らす電球が4個とも切れています。
 ・電圧確認、電源回路からAC8Vが供給されています。
 ・直径10mm、8V/0.3A の電球がゴム製ホルダーに収まっています。
 ・カー用品店で入手できる12V/5WタイプのT10ウェッジ球を細工してみました。
 ・ウェッジ球の電極部分を細工して電球ホルダーにセットしバスボンドで固定。
 ・リード線がちょっと短いのですが、KT-9007にセットすると無事点灯しました。
 ・ただ明るさがちょっと暗いですね。
 ・それと点光源の位置が周波数パネルに近づいたことで明るさのムラが目立ってしまいます。

Kt900750Kt900751Kt900752Kt900753Kt900754

 ・ウェッジベースやE10などの電球ソケットが付いていればLED化も簡単なのですが、、
 ・過去の経験から同タイプの電球はKT-9007、KT-7007、サンスイTU-707に使われています。
 ・ジャンク機を入手して交換する方法が確実です。
 ・照明電球に関してはここまでとします。

Kt900772Kt900773Kt900774Kt900775Kt900777

■修理記録:ポジション電球交換----------------------------------------

 ・電源回路からAC8Vが供給されています。
 ・直径4mm、8V/50mA の麦球がソケットに収まっています。
 ・パーツショップで購入した直径3mm/8V電球に交換しました。
 ・サイズ的に小さいのでソケットにすっぽり収まってしまいました。
 ・でも明るさはちょうどよい感じです。

Kt900760Kt900761Kt900762Kt900763Kt900764

■修理記録:メーター照明電球交換--------------------------------------

 ・直径4mm、8V/11.5mA の麦球がソケットに収まっています。
 ・部品取りした手持ち中古品から適合品を探して交換。
 ・調度良い明るさになりました。

Kt900784Kt900780Kt900781Kt900782Kt900783

■調整記録------------------------------------------------------------

Kt9007

【レシオ検波調整】
 ・IF基板 1番端子(TP1)に SSGから10.7MHz直接注入
 ・IF基板L5調整 → Sメーター最大
 ・IF基板L7上段コア調整 → Tメーター中点確認
【OSC調整】
 ・IF基板 16端子 DC電圧計セット
 ・KT-9007 指針76MHz位置にセット
 ・76MHz 60dB → フロントエンドL8調整 → 電圧最大
 ・KT-9007 指針90MHz位置にセット
 ・90MHz 60dB → フロントエンドCT5調整 → 電圧最大
【トラッキング調整】
 ・IF基板 16端子 DC電圧計セット
 ・KT-9007 指針76MHz位置にセット
 ・76MHz 60dB → フロントエンド L1,L3,L4,L6 → 電圧最大
 ・KT-9007 指針90MHz位置にセット
 ・90MHz 60dB → フロントエンド CT1~CT4調整 → 電圧最大
【IF調整】
 ・IF基板 16端子 DC電圧計セット
 ・KT-9007 指針83MHz位置にセット
 ・83MHz 60dB → フロントエンドL7、IF基板L5調整 → 電圧最大
【レシオ検波調整】
 ・音声出力→WaveSpectra 接続
 ・IF基板 L7下段コア調整 → 歪最小
【MUTING TRIGGER調整】
 ・IF基板 12端子(TP4) DC電圧計セット
 ・83MHz 60dB → IF基板L11調整 → 電圧最大
【MUTING 調整】
 ・KT-9007 前面パネルMUTINGスイッチ MUTING 1
 ・83MHz 1kHz 100% 20dB → VR4調整 → MUTING作動
【AF 出力調整】
 ・KT-9007 背面 REC OUTジャックにAC電圧計接続
 ・83MHz 1kHz 100% 60dB → VR2調整 → AC1.5V
【Sメーター調整】
 ・IF基板 16端子 DC電圧計セット
 ・83MHz 1kHz 100% 60dB → L18調整 → 電圧最大
 ・83MHz 1kHz 100% 60dB → VR4調整 → Sメーター指針4.5位置
【VCO調整】
 ・KT-9007 アンテナ入力なし
 ・MPXF基板 CP(TP5) 周波数カウンタ接続
 ・MPX基板 VR2調整 → 19kHz
【DEVIATIONメーター調整】
 ・DEVIATIONスイッチON
 ・83MHz 1kHz 100% 60dB → MPX基板VR3調整 → DEV.メーター100%位置
【セパレーション調整】
 ・83MHz 1kHz 100% 60dB Lch or Rch → MPX基板VR1調整 → 漏れ信号最小
【マルチパス調整】
 ・TP6に38kHz(1mV)注入
 ・IF基板 17端子(TP7) Wavespectraで観察
 ・L12、L13調整 → 波形最大
【AM調整】
 ・OSC調整
  ・729kHz位置にセット L17 Sメーター最大
  ・1332kHz位置にセット CT8 Sメーター最大
 ・RF調整
  ・729kHz受信 バーアンテナ内コイル、L15調整 Sメーター最大
  ・1332kHz受信 CT6、CT7調整 Sメーター最大
  ・1053kHzCBC受信 L16 Sメーター最大
 ・VR6 AM Sメーター振れ調整4.5位置

■修理記録:可変出力VR交換--------------------------------------------

 ・調整完了して試聴しているときに可変出力VRを壊してしまいました。
 ・VR内部の可動部品が壊れたらしく、全く回転しなくなりました。
 ・VR内部で回路が遮断されたようで音声も全く出なくなりました。
 ・再度分解してVR部品を確認 → 直径16mm、50kΩ、Bカーブ、2連タイプ
 ・新品VRを買ってきて交換しました。
 ・音量調整は無事回復しました。
 ・ただシャフト長が少し短いので、ツマミ側の取り付け穴を加工して収めました。

Kt900785Kt900786Kt900787Kt900789Kt9007100

■修理記録:STREOランプが微妙に明滅する-------------------------------

 ・再調整後の試聴でMPX部の不具合確認。
 ・STEREO放送受信時、STEREOランプが不規則に明滅します。
 ・明滅するタイミングで「ボソッ、ボソッ」と小さなノイズが載ります。
 ・温まってくると明滅は解消します。
 ・IC10/HA1196 ソケット化して中古HA1196に交換 → 効果なし。
 ・Q16/2SC1345 → 2SC1815 交換 → 当たり!
 ・STEREOランプが安定点灯するようになり連動ノイズも解消しました。

Kt9007101Kt9007102

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・最後にKT-7007ジャンク機から部品取りしてあったサイドウッドを取り付けました。
 ・やはりサイドウッドがあると落ち着いた雰囲気になりますね。
 ・昭和の香り満載のレトロ感が堪りません。

Kt900712

KENWOOD KT-1010F 修理調整記録2

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 ・2016年5月、KT-1010Fの修理調整作業をお引き受けしました。
 ・オート選局でチューニングできない状態だそうです。
 ・以下、作業記録です。

Kt1010f08

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡  KENWOOD KT-1010F \59,800(1985年発売)

Kt1010f02Kt1010f10

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字「1986」。
 ・表示部は明るく点灯し、文字欠けや文字痩せなし。
 ・オート選局でサーチ開始すると地元FM局周波数を見事に素通り。
 ・マニュアル選局に切り換えるとFM局を受信しました。
 ・ただしTメーター表示が中点から右に1本ズレる。
 ・この状態でオートに切り換えてもSTEREOランプ点灯せず。
 ・FM同調点がズレている感じです。
 ・AMは不具合無さそう。

Kt1010f03Kt1010f04Kt1010f05Kt1010f11Kt1010f12

■調整記録------------------------------------------------------------

【本体設定】
 ・RF SELECTOR=DISTANCE
 ・IF BAND=WIDE
 ・QUIETING CONTROL=NORMAL(右端)
【FM VT電圧】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz →  L8調整 → 実測 3.0V ※確認のみ
 ・90MHz → TC6調整 → 実測25.2V ※確認のみ
【FM同調点調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調 80dB)受信 → T2調整 → 0.0V ※実5.2v
  ※T2調整ベスト値=3.1v ※0vに設定できません。
  ※同調ズレの原因はT2の容量抜けのようです。

Kt1010f20Kt1010f21Kt1010f22Kt1010f23Kt1010f35

■修理記録:検波用同調コイル交換--------------------------------------

 ・T2はLA1231Nのクアドラチュア検波同調コイルです。
 ・部品取り用に保管していたKENWOODのKT-5020基板からL19を移植しました。
 ・これでTP10~TP11 間の電圧がゼロに調整できました。
 ・これによってTメーターがピタッと中点で点灯しました。

Kt1010f41

Kt1010f35_2Kt1010f36Kt1010f41_2Kt1010f45Kt1010f46

■調整記録(続き)----------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調 80dB)受信 → T2調整 → 0.0V
【RF調整】
 ・R73右足(Sメーター代用)DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調 40dB)→ L1,L2,L4調整 → 電圧最大
 ・83MHz(無変調 40dB)→ T1 → 電圧最大
 ※L1,L2の調整は難しいのでノータッチ
【PLL検波調整】
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調 80dB)受信 → L14調整 → 0.0V
 ・83MHz(1kHz 100% 80dB)受信 → T3調整 → 歪最小
【MPX VCO調整】
 ・TP15に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR8調整 → 19kHz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ L20調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DET】IF=WIDE
 ・83MHz(MONO信号,400Hz,100%変調,80dB)→ VR2調整 → 歪調整
【歪調整2 MONO2】IF=WIDE
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR3調整 → 二次歪調整
【歪調整3 MONO3】IF=WIDE
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR6調整 → 三次歪調整
【歪調整4 L/R2】IF=WIDE
 ・83MHz(L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR4調整 → 二次歪調整
【歪調整5 STEREO/SUB3】IF=WIDE
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR5調整 → 三次歪調整
【歪調整6 STEREO/Narrow】IF=NARROW
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR7調整 → 歪調整
【セパレーション調整】
 ・IF=WIDE
 ・83MHz(STEREO信号,80dB)→ VR10調整 → Rch漏れ最小
 ・83MHz(STEREO信号,80dB)→ VR11調整 → Lch漏れ最小
 ・IF=NARROW
 ・83MHz(STEREO信号,80dB)→ VR9調整 → 両ch漏れ最小
【REC CAL】
 ・392Hz ※確認のみ

【AM VT電圧】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・522kHz → L16調整 → 実測 1.5V ※確認のみ
 ・1629kHz→ TC2調整 → 実測 8.1V ※確認のみ
【AM RF調整】
 ・729kHz(NHK)受信 → L18調整 → 最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC3 → 最大

Kt1010f

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・QUIETING CONTROL 通常はNORMAL(右端)※ステレオ受信時のブレンド量を調整
 ・QUIETING CONTROL DISTANCE(左端)にするとブレンド量100%,つまりMONO受信となる
 ・RF SELECTOR 通常はDISTANCE ※電波が強すぎる場合はDIRECT
 ・SENS.LEVEL High/Low ※ミューティングレベル切替 
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。

Kt1010f07

SONY ST-S333ESG 修理調整記録2

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 ・2016年3月、ST-S333ESGの調整作業を承りました。
 ・点検の結果、特に故障箇所は無かったので各部再調整だけ行いました。
 ・以下、作業記録です。

333esg14

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESG ¥49,800(1989年発売)
 ・1987年10月発行「SONY ES テクノロジーカタログ」
 ・Hifi Manuals ST-S333ESG 海外版サービスマニュアル

333esg02333esg04
333esg05333esg06333esg07333esg08333esg09

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・海外版SMの記述をベースにして一部アレンジ。

333esg

【FM同調点調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・IC251(LA1235)7pin~10pin間電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測665mV
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内JW8 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測21.8V
 ・76MHz → 確認のみ →  8.0V±1.0V ※調整前実測 8.2V
【トラッキング調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103  → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・TP201を短絡 ※これによってIF回路をパス
 ・TP271 電圧計セット
 ・IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測233mV
 ・CT271調整 → 歪最小 ※Wavespectraにて波形確認
 ・TP201を開放
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力40dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 → 電圧最大
 ・SSG出力40dBステレオ信号送信
  ・IFT202調整 → 電圧最大
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
 ・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
 ・SSG出力80dBモノラル信号送信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・SSG83MHz 出力20dB
 ・RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
 ・IF BAND = WIDE
  ・MUTING = ON
  ・SSG83MHz 出力25dB
  ・RV252調整 → MUTING調整
【IF NARROWゲイン調整】
 ・IF BAND = NARROW
  ・RV203調整 → NARROWゲイン調整
【Sメーター調整】
 ・RV241調整
【パイロットキャンセル】
 ・RV303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RV301 R→L ※調整後実測62dB
 ・RV302 L→R ※調整後実測64dB
【CAL TONE】
 ・Peak Level-4dB 406Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RV401 Sメーター調整
 ・RV402 AUTOSTOP調整

333esg20333esg21333esg22333esg23333esg24
333esg25333esg26333esg27333esg28333esg29
333esg30333esg31333esg32333esg33333esg34
333esg35333esg36333esg37333esg38333esg39

<調整結果>
 ・FM同調点が大きく外れていて周波数ズレ寸前でした。
 ・PLL検波調整にもズレが大きかったです。
 ・セパレーション値が大幅に改善しました。

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・各部再調整によって良好な性能を取り戻したと思います。
 ・FM/AMとも良い音です。

333esg13

SONY ST-S333ESG 修理調整記録3

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 ・2016年4月、ST-S333ESGの調整作業を承りました。
 ・偶然ですがESG記事の連投です。

333esg10

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESG ¥49,800(1989年発売)
 ・1987年10月発行「SONY ES テクノロジーカタログ」
 ・Hifi Manuals ST-S333ESG 海外版サービスマニュアル

333esg02333esg15

■調整記録------------------------------------------------------------

333esg20333esg21333esg22333esg23333esg24
333esg25333esg26333esg27333esg28333esg29
333esg30333esg31333esg32333esg33333esg34
333esg35333esg36333esg37333esg38333esg40

【FM同調点調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・IC251(LA1235)7pin~10pin間電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測545mV
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内JW8 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測21.6V
 ・76MHz → 確認のみ →  8.0V±1.0V ※調整前実測 8.1V
【トラッキング調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103  → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・TP201を短絡 ※これによってIF回路をパス
 ・TP271 電圧計セット
 ・IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測218mV
 ・CT271調整 → 歪最小 ※Wavespectraにて波形確認
 ・TP201を開放
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力40dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 → 電圧最大
 ・SSG出力40dBステレオ信号送信
  ・IFT202調整 → 電圧最大
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
 ・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
 ・SSG出力80dBモノラル信号送信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・SSG83MHz 出力20dB
 ・RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
 ・IF BAND = WIDE
  ・MUTING = ON
  ・SSG83MHz 出力25dB
  ・RV252調整 → MUTING調整
【IF NARROWゲイン調整】
 ・IF BAND = NARROW
  ・RV203調整 → NARROWゲイン調整
【Sメーター調整】
 ・RV241調整
【パイロットキャンセル】
 ・RV303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RV301 R→L ※調整後実測64dB
 ・RV302 L→R ※調整後実測68dB
【CAL TONE】
 ・Peak Level-4dB 407Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RV401 Sメーター調整
 ・RV402 AUTOSTOP調整

333esgSony_sts333esg_sche

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・FM同調点が大きく外れていていました。
 ・セパレーション値が良好です。
 ・FM/AMとも良い音です。

333esg11

YAMAHA T-9 修理調整記録1

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 ・2016年4月、YAMAHA T-9のメンテナンスを承りました。
 ・モータードライブによるプリセットチューニングが特徴の機種です。
 ・以下、作業記録です。

Yamaha_t909

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-9 ¥98,000(1979年頃)
 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-9
 ・Hifi Engine YAMAHA T-7 ※T-7回路図が参考になります。
 ・過去記事 T-9/T-7 比較一覧表

Yamaha_t902Yamaha_t911

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル、ボディともに目立つキズはありません。
 ・PAL形式のFMアンテナ端子は無事です。潰れていません。
  ※F端子と間違えて無理やり挿入すると端子が壊れます。
 ・電源スイッチオン。各インジケーター点灯。
 ・-0.2MHzほどの目盛り位置で名古屋地区のFM放送を受信。
 ・STEREOランプ点灯。REC CALトーンOK。
 ・ダイヤル指針が88MHz以上の位置に移動しない。何か引っ掛かっている?
 ・Tメータ代わりの緑色インジケータ点灯。左右の光量の違いで中点を判断。
 ・プリセットチューニングが思い通りに動かない。

Yamaha_t901Yamaha_t903Yamaha_t904Yamaha_t905Yamaha_t906
Yamaha_t910Yamaha_t911_2Yamaha_t912Yamaha_t913Yamaha_t920

■修理記録:ダイヤル指針が88MHz以上の位置に移動しない-----------------

 ・指針に繋がる配線ケーブルが2階基板の水晶発振子に引っ掛かっていました。
 ・引っ掛かりを外してOK。

Yamaha_t942Yamaha_t943Yamaha_t944

■内部記録写真-------------------------------------------------------

Yamaha_t921Yamaha_t922Yamaha_t923Yamaha_t924Yamaha_t925
Yamaha_t926Yamaha_t927Yamaha_t928Yamaha_t929Yamaha_t930
Yamaha_t931Yamaha_t932Yamaha_t933Yamaha_t934Yamaha_t935
Yamaha_t936Yamaha_t937Yamaha_t938Yamaha_t940Yamaha_t941

■調整記録-----------------------------------------------------------

【本体切替ボタンの設定】
 ・RX MODE : AUTO DX
 ・MUTE/OTS : OFF
 ・BLEND : OFF
 ・REC CAL : OFF
【検波コイル調整】
 ・入力なし状態
 ・IC110[IG03210] 20PinにDC電圧計セット(Tメーター電圧測定)
 ※20pinの代わりにすぐ右側22k抵抗足が最適ポイント
 ・T105調整 → 電圧ゼロ付近(Tメーター中点)
 ・指針を76MHz~90MHzまで移動し中点がほぼズレない事を確認
【OSC調整】
 ・ダイヤル指針を目盛り83.0MHz位置にセット
 ・SSG 83.0MHz,無変調,70dB → TCo調整  → Sメーター最大
 ※Loは調整不可のためトリマーのみで調整。
 ※83MHz付近では指針と目盛りがピッタリ合いますが、両端ではややズレます。
【RF調整】
 ・SSG 83.0MHz,70dB,無変調
 ・TC1,TC2,TC3,TC4調整 → Sメーター最大
 ・T102調整 → Sメーター最大
 ※L1,L2,L3,L4 調整が難しいのでノータッチ
【IF歪調整】
 ・SSG 83.0MHz,70dB,1KHz,100%変調 → TC101調整 → 高調波歪最小
 ・T102,T103,T104,TC101,VR102,VR103調整 → 高調波歪み最小
【VCO調整】
 ・TP19kHz に周波数カウンターを接続
 ・SSG 83.0MHz,70dB,無変調 → VR108調整 → 76KHz±10Hz
【38kHz SUB調整】
 ・SSG 83.0MHz,70dB,1KHz,100%変調,L-R → T113調整 → Lchレベル最大
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・SSG 83.0MHz,70dB,PILOT信号 → T114調整 → 19KHz漏れ最小
【セパレーション調整】
 ・SSG 83.0MHz,70dB,1KHz,100%変調,STEREO → VR105,VR106調整 → 漏れ信号最小
【Sメーター調整:最大値】
 ・SSG 83.0MHz,100dB → VR110調整 → LED全点灯
【Sメーター調整:最小値(ゼロ)】
 ・SSG 83.0MHz,0dBu → VR109調整 → LED全消灯
【デジタル周波数調整】
 ・2階基板 VR103横のTPを10kΩ抵抗を介してGND接続
 ・VR103を調整して周波数表示(小数点第一位)を微調整

T9

■半固定抵抗が壊れた!-----------------------------------------------

 ・本体右端、縦置き基板に載っている半固定抵抗を壊してしまいました。
 ・少し回しただけで可動部がバラバラに分解してしまいました。
 ・このせいでフロントパネルの周波数表示が消失しました。
 ・在庫で持っていた半固定抵抗に交換しました。
 ・周波数表示が復活しました。良かった~

Yamaha_t960Yamaha_t961Yamaha_t962Yamaha_t963Yamaha_t965

■音が出なくなった!--------------------------------------------------

 ・調整完了して試聴後、電源コードを抜いて1週間放置。
 ・動作確認のため再び通電したところ何と音が出ません?
 ・メーター動作は正常に機能しています。STEREOランプも点灯。
 ・しかし固定端子、可変端子どちらも音が出ません?
 ・検波回路やMPX回路から直接音を引き出すとちゃんと聞こえます。
 ・同調を外しても局間ノイズが聞こえません。
 ・これはミューティングが解除されない症状のようです。
 ・そういえば T-9/T-7 の過去記事で同じ経験がありました。
 ・当時の記録に倣って LC7200-23(MUTE)端子をGNDに落とすと、、
 ・正解!ミューティングが解除されて音が出てきました。
 ・でも短絡を解除すると再び音が出なくなります。
 ・さて、困った、、

Yamaha_t967Yamaha_t968

■試しにバッテリーを外してみたら--------------------------------------

 ・役に立っていないバッテリーを基板から外してみました。
 ・この状態で電源オン、、すると、、
 ・何と言うことでしょう、、MUTINGが解除され綺麗なFM音声が流れてきました。
 ・この後、電源ON/OFFを繰り返してもMUTING動作に問題ありません。
 ・技術的な因果関係は説明できませんが、とりあえず結果オーライでした。
  ・LC7200 23pin電圧 POWER OFF時 3.9V
  ・LC7200 23pin電圧 POWER ON 時 8.2V Muting ON 状態
  ・LC7200 23pin電圧 POWER ON 時 0.0V Muting OFF状態

Yamaha_t970Yamaha_t971Yamaha_t972Yamaha_t973Yamaha_t974

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・プリセットチューニング不動ですが、チューナーとしては動作しています。
 ・再調整結果は良好です。各数値が良好な値を示しています。
 ・今回はここまで。プリセットチューニングの研究は3号機、4号機で継続中。

Yamaha_t907

KENWOOD KT-880

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 ・シンセチューナーの修理調整作業を承りました。
 ・受信感度が悪いそうです。
 ・再調整だけで復活すると良いのですが、、

Kt88010

■製品情報------------------------------------------------------------

オーディオの足跡 KENWOOD KT-880 ¥45,000(1984年頃)
KENWOOD 1985年1月版カタログ
・KT-880と同じカタログに KT-3030、KT-2020、KT-1010IIが載っています。
・定価45,000円でも当時のラインナップ最下位モデルですね。

Kt88002Kt88013

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・シルバーモデル。外観に目立つキズはなく保存状態は良い。
 ・電源オン。周波数表示OK。
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信しました。
 ・ただSメーターは僅かしか点灯せず、STEREOランプは点灯せず。
 ・実際の音声にステレオ感なし。
 ・AM放送は適当なAMループアンテナで名古屋地区の放送局を受信。
 ・AMは特に問題なさそうです。

Kt88006Kt88007Kt88008Kt88014Kt88015

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・4連バリキャップ構成。調整はコイルのみ。トラッキング調整不可。
 ・LA1231N FM IF System
 ・uPC1223C FM PLL MPX
 ・LA1245 AM Tuner
 ・DLLD バランス型PLL検波
 ・DCC IF歪補正回路(簡易版)

Kt88020Kt88021Kt88022Kt88023Kt88024
Kt88025Kt88027Kt88028Kt88029Kt88030

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP9~TP10 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz →  L5調整 → 3.0V ※実測 2.9V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V ※実測24.5V
【FM検波調整】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → T2調整 → 0.0V±10mV ※LA1231N クアドラチュア検波調整
 ・TP5~TP6 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → T2調整 → 0.0V±10mV ※PLL検波調整
【RF調整】
 ・LA1231N 13ピン DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,40dB)→ L1,L2,L3調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・LA1231N 13ピン DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,40dB)→ T1調整 → 電圧最大
【MPX VCO調整】
 ・TP7 周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR4調整 → 76kHz±10Hz
【歪調整1 DET】
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz(MONO信号,400Hz,100%変調,80dB)→ VR1調整 → 二次高調波最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR2調整 → 二次高調波最小
【歪調整3 STEREO/MAIN】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR3調整 → 二次高調波最小
【SEPARATION調整】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR5調整 → 反対ch漏れ信号最小
【AM VT電圧調整】
 ・TP3 DC電圧計セット
 ・ 522kHz受信 → T6調整 → 2.6V
 ・1629kHz受信 → TC5調整 → 21V
【AM 受信調整】
 ・ 729kHz(NHK第一放送)受信 → T8調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz(CBCラジオ)受信 → T9調整 → Sメーター最大

Kt880

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・FM同調点が大きくズレていました。
 ・再調整で良い性能を取り戻したと思います。
 ・シルバーモデルのフロントマスクは精悍に見えます。

Kt88009


SANSUI TU-777

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 ・SOLID STATE STEREOPHONIC TUNER model TU-777
 ・「ソリッドステート」どこか懐かしい響きがありますね。
 ・ノスタルジックな雰囲気漂うオールド機の修理調整を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Tu77708

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SANSUI TU-777 ¥37,800(1968年3月発売)
 ・オーディオ懐古録 SANSUI TU-777 ¥37,800円 1968年
 ・Hifi Engine SANSUI TU-777 ※輸出機の回路図、TU-666サービスマニュアル

Tu77701Tu77710

 【備忘録】
   1968年:TU-777 39,800円(丸型)、TU-555 29,800円(丸型)
   1970年:TU-999 59,900円(横型)、TU-666 33,800円(丸型)
   1971年:TU-888 48,900円(横型)
  ・保有機の中では PIONEER TX-90(1969年、49,800円)が同期生でしょうか。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・周波数窓が独特の円形表示(リングサーキュラーダイヤル)で指針が回転します。
 ・本体サイズ345W×155H×334Dmm。横サイズがちょっと小さ目。ずっしり重い7.7kg。
 ・FMアンテナを接続して電源スイッチオン。スイッチレバーの感触が重厚です。
 ・POWERインジケーター点灯。周波数窓の照明点灯、メーター照明点灯。
 ・メーターは「TUNING METER」と書かれていますが Sメーターです。
 ・名古屋地区のFM放送局の受信OK。-0.5MHzほどの周波数ズレ。
 ・STEREOランプ点灯。ただし離調しても点灯したまま。
 ・MUTINGが動作しない。
 ・NOISE CANCELER の効果がよく分からない?
 ・SELECTORで FM-MONO に切り替えても STEREOランプは点灯たまま?
 ・それとRchの音が常時出ない。全くの無音。
 ・背面パネルのセパレーション調整ツマミを回しても変化なし。
 ・AM放送は背面バーアンテナで名古屋地区のAM放送局受信OK。
 ・AM放送もやはりRchの音が出ない。
 ・各部調整ズレ、Rchオーディオ回路の故障、MUTING回路故障か?

Tu77703Tu77704Tu77705Tu77706Tu77707
Tu77710_2Tu77711Tu77712Tu77713Tu77714

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・さすがサンスイ機、大きな電源トランスと電解コンデンサが目につきます。
 ・FM4連、AM3連の独立したフロントエンドユニット。
 ・回路ごとに独立した基板配置。
 ・大型IFTトランスがまるで高層ビルのように立ち並んでいます。
 ・輸出機の回路図と照合したところほぼ同じことを確認。

Tu77721Tu77722Tu77723Tu77724Tu77725
Tu77726Tu77727Tu77728Tu77729Tu77730
Tu77731Tu77732Tu77733Tu77734Tu77735
Tu77736Tu77737Tu77738Tu77739Tu77740

■修理記録:FM/AMともRchの音が出ない----------------------------------

 ・最終オーディオ回路基板は縦置きに設置されている。
 ・配線を外して基板を取り出す。
 ・トランジスタの導通チェックをしたところ、TR601(2SC693)が壊れていました。
 ・とりあえず TR601(2SC693) → 2SC1815 に交換。
 ・これで正常に音が出るようになりました。
 ・左右バランスを取るため反対ch側TR602も交換しました。
 ・外した2SC693は半球状のかわいい形状ですね。
 ・立ててみると何だか火星人みたい??

Tu777581

Tu77752Tu77750Tu77755Tu77756Tu77757

■修理記録:MUTINGが効かない------------------------------------------

 ・回路図を追ってMUTING回路を確認。
 ・IF基板上の TR207(2SC828)が導通状態でした。
 ・これを2SC1815に交換。隣のTR208(2SC828)も一緒に交換。
 ・MUTING動作は正常になりました。

Tu77760Tu77761Tu77762Tu77763

■修理記録:STEREOランプが常時点灯-----------------------------------

 ・上記修理でMUTING作動時はSTEREOランプが消灯するようになりました。
 ・でもMUTINGオフ時は離調してもSTEREOランプが点灯したまま。
 ・本体右奥にある小さな基板がSTEREOランプを駆動する回路のようです。
 ・とりあえず電解コンデンサ2個(C503 30uF/18v,10uF/18v)交換。
 ・まったく効果無しでした。
 ・トランジスタは壊れてなさそうなので調整方法の問題かもしれません。
 ・試行錯誤した調整方法は下記記録に示します。

Tu77770Tu77771Tu77773Tu77774Tu77775

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・Hifi Engine で入手したTU-666サービスマニュアルを参考にしました。

【レシオ検波調整】
 ・IF基板 2K端子 電圧計セット 0V(Tメーター代用)
 ・フロントエンド内 TP5 SSGより10.7MHz信号注入
 ・IF基板T204(上段コア)調整 → 電圧計ゼロ(Tメーター中点)
【フロントエンドOSC調整】
 ・VR202(S-meter) 足にDC電圧計セット
 ・76MHz 90dB 受信 → L105調整 → 電圧計最大(Sメーター最大振れ)
 ・90MHz 90dB 受信 → TC104調整 → 電圧計最大(Sメーター最大振れ)
【フロントエンドRF調整】
 ・VR202(S-meter) 足にDC電圧計セット
 ・76MHz 90dB 受信 → L101,L102,L103調整 → 電圧計最大
 ・90MHz 90dB 受信 → TC101,TC105,TC102,TC103調整 → 電圧計最大
 ・83MHz 90dB 受信 → L104 → 電圧計最大
【IF歪調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz 70dB 受信
 ・IF基板T201,T202,T203(各上下段コア)調整  → 高調波歪最小
【レシオ検波歪調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・IF基板T204(下段コア)調整 → 歪最小
【Sメーター調整】
 ・83MHz 90dB 受信 → T205調整 → Sメーター振れ最大位置
 ・83MHz 90dB 受信 → VR202調整 → Sメーター目盛5
【ミューティング調整】
 ・VR201 MUTING動作レベル設定
 ・信号レベルの調整というより動作範囲の調整みたいです。
 ・76MHz~90MHz区間でMUTINGが動作するように調整

 ※【SCA調整】※TU-666サービスマニュアル準拠、省略可
  ・MPX基板4A端子に67kHz信号注入
  ・TP404端子にWaveSpectra接続
  ・L402調整 → 67kHz成分最小
【19kHz調整】
 ・TP401 WaveSpectra接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → T401,L401調整 → 19kHzレベル最大
 ・TP402 WaveSpectra接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → T402調整 → 19kHzレベル最大
【38kHz調整】
 ・TP403 WaveSpectra接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → T403調整 → 38kHzレベル最大
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → 背面パネルVR調整 → 漏れ信号最小
 ・実測で左右とも約40dB/1kHzでした。

【AUTO STEREO調整】※以下の記述は試行錯誤の結果です。
 ・SELECTOR FM AUTO
 ・D501カソード側に周波数カウンタ接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → 19.00kHz確認 → T501調整 → 19kHzレベル最大
 ・VR501調整 → STEREOランプが点灯する位置へ
 ・MUTINGオフ、チューニングつまみを適当に回して離調する。
 ・VR502調整 → STEREOランプが消灯する位置へ

【AM OSC調整】
 ・729kHz(NHKラジオ)受信 → T302調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC303調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・729kHz(NHKラジオ)受信 → バーアンテナ、T301調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC301,TC302調整 → Sメーター最大
【IF調整】
 ・1053kHz(CBCラジオ)受信 → T303,T304,T305調整 Sメーター最大
【AMメーター調整】
 ・1053kHz(CBCラジオ)受信 → VR301調整 → Sメーター最大振れ位置

Tu777Sansui_tu777_schematic

■修理記録:STEREOランプが常時点灯-----------------------------------

 ・調整方法は上記記載の通りで良さそうですが、、
 ・ただ実際に使ってみるとSTEREOランプ点灯範囲の設定がとてもシビアです。
 ・そこでオレンジ色のトランジスタ2SC458を3個とも交換してみました。
 ・TR501,TR502,TR504(2SC458) → 2SC1815
 ・基板裏側に実装された電解コンデンサ交換 1uF/25V → 1uF/50V
 ・交換後、上記調整方法で再調整。
 ・スムーズに調整できるようになりました。

Tu77776Tu77777Tu77778

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・最小限の部品交換ですが、とりあえず使える状態になったと思います。
 ・音質云々は別として約50年前のレトロな雰囲気がよいですね。

 ・本体背面にアンテナ入力のアッテネータースイッチがあります。
 ・通常は[DIST.]位置で良いですが、強電界地域では[LOC.]に設定してください。
 ・[DIST.]=[DISTANCE]、 [LOC.]=[LOCAL]
 ・それからセパレーション調整VRも背面にあります。
 ・可変出力調整VRと並んでいるので操作時はご注意ください。

Tu77709

SONY ST-SA50ES

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 ・2016年6月、ST-SA50ESの故障機が届きました。
 ・オート選局できない状態だそうです。
 ・外観は悪くないので何とか復活させたい、、

Stsa50es10

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-SA50ES \40,000(1997年10月発売)

Stsa50es02Stsa50es13

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字「1997」。
 ・ボディに多少の擦り傷ですがまずまずの保存状態です。
 ・電源オン。ドットマトリクス式の表示部点灯。輝度劣化は無さそう。
 ・FMアンテナを接続してオート選局実行。
 ・76MHz~90MHz、TV1ch~3ch区間をサーチしますが地元FM局をすべて素通り。
 ・マニュアル選局では-0.1MHzの周波数でSメーターが僅かに点灯。
 ・ただしMONO受信。STEREOランプ点灯せず。
 ・検波回路の調整ズレが予想されます。
 ・AMは手持ちのループアンテナで受信できました。
 ・AMはステレオ放送対応でした。
 ・名古屋地区のCBCラジオ(1053kHz)を受信するとSTEREOランプ点灯します。
 ・メモリ登録OK。ただしメモリボタンのうち「3」「5」の反応が鈍い。

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ESシリーズの流れを汲む、とは思えない簡素な造りです。
 ・PLL回路内蔵のフロントエンドパック。
 ・LA1235:FM IFシステム
 ・LA3401:PLL FM MPX
 ・LA1247:AM Tuner
 ・MC13028AP:AM Stereo Ddecoder
 ・LC72130:AM/FM PLL Frequency Synthesizer

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■調整記録------------------------------------------------------------

【Sメーター調整】
 ・83MHz(無変調,60dB)受信 → RV221調整 → メーター表示60dB
 ※Sメーターは切替操作によってdB表示可能。
【検波調整】
 ・TP251 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → T252調整 → 0.0V ※実測252mV
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → T253調整 → 高調波歪最小
【フロントエンド調整】
 ・83MHz(無変調,40dB)→ フロントエンド内コイル調整 → Sメーター最大
 ・83MHz(無変調,40dB)→ フロントエンド内IFT調整 → Sメーター最大
 ※フロントエンド内RFコイルの調整は難しいです。触らない方が無難。
【IF歪調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → RV232調整 → 高調波歪最小
【SEPARATION調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → RV301調整 → 漏れ信号最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → RV302調整 → 漏れ信号最小
【STレベル調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)受信 → RV251調整 → STEREOランプ点灯位置へ
【AM調整】
・1053kHz(CBCラジオ)受信
 ・FE401左側コア調整 → Sメーター最大
 ・IFT401コア調整 → Sメーター最大
  ※FE401右側コア→AM OSC

Stsa50es

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・特にFM検波調整が大きくズレていました。
 ・各部再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・本機は AM受信時に STEREO ランプが点灯する貴重な機種です。
 ・名古屋のCBCラジオ(1053kHz)はまだAMステレオで放送しています。
 ・Wikiによれば、全国でAMステレオ放送を実施しているのは4局のみ。
 ・次の放送設備更新時までは続くのでしょうか、、

Stsa50es51_2

OTTO FMT-1100

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 ・OTTO製チューナーの修理調整作業を承りました。
 ・「オットー」、今は亡きSANYOのオーディオブランドです。
 ・照明窓の雰囲気がとても良い機種です。

Otto_fmt110007

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 OTTO/SANYO FMT-1100 \59,800(1973年頃)
 ・上記サイトの記述によれば「当時のラインナップの最上位機」だそうです。

Otto_fmt110001Otto_fmt110011

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源オン。青色を基調とした鮮やかな照明が点灯。電球切れは無さそう。
 ・FM/AMポジションランプ点灯。名古屋地区のFM放送を受信しました。
 ・STEREOランプ点灯。実際にステレオ感あり。
 ・固定出力/可変出力ともOK。可変VRにガリあり
 ・ミューティング動作OK。
 ・ヘッドホン端子からも音がでました。
 ・背面AMバーアンテナの取付部が破損していますがAM受信もOKです。

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ALPS製FM4連AM3連フロントエンド。
 ・デュアルゲートMOS型FETを採用した高周波2段増幅回路。
 ・IF段は専用ICとクリスタルフィルターとLCブロックフィルター。
 ・MPX回路は専用IC(LA3300)によるダブル・バランスドディモジュレーター方式。
 ・16kHzローパスフィルター搭載。
 ・ミューティングレベル可変、出力レベルコントロール機能搭載。

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■調整記録------------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・IF基板 TP1 に SSGから10.7MHz直接注入
 ・IF基板 T2調整 → Sメーター最大
 ・IF基板 TP2 周波数カウンタ接続 T1上段コア調整 → Tメーター中点
 ・IF基板 VR1調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・指針76MHz位置にセット
 ・76MHz 60dB → フロントエンドLO調整 → Sメーター最大
 ・指針90MHz位置にセット
 ・90MHz 60dB → フロントエンドTCO調整 → Sメーター最大
【トラッキング調整】
 ・指針76MHz位置にセット
 ・76MHz 60dB → フロントエンド LA,LR1,LR2 → Sメーター最大
 ・指針90MHz位置にセット
 ・90MHz 60dB → フロントエンド TCA,TCR1,TCR2調整 → Sメーター最大
【IF調整】
 ・指針83MHz位置にセット
 ・83MHz 60dB → フロントエンドIF調整 → Sメーター最大
【MPX調整】
 ・アンテナ入力なし
 ・MPX基板 TP38kHz 周波数カウンタ接続
 ・MPX基板 T3調整 → 38kHz
 ・T4,T5調整 → Lchレベル最大
【セパレーション調整】
 ・83MHz 1kHz 100% 60dB L/Rch → MPX基板VR2,VR3調整 → 漏れ信号最小
【AM調整】
 ・OSC調整
  ・729kHz(NHKラジオ)位置にセット AM OSC調整 → Sメーター最大
  ・1332kHz(東海ラジオ)位置にセット AM3 OSC調整 → Sメーター最大
 ・RF調整
  ・729kHz受信 バーアンテナ内コイル、AM RF調整 → Sメーター最大
  ・1332kHz受信 AM1,AM2調整 → Sメーター最大

Otto

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・特に故障箇所は無かったので調整作業のみ行いました。
 ・青色照明が映える周波数窓、雰囲気は抜群に良いですね。
 ・どことなくパイオニア製チューナーに似た感じです。
 ・BGM用、観賞用チューナーとして十分使えます。

Otto_fmt110008

NIKKO FM TUNER GAMMA I

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 ・2016年6月、珍しいチューナーの故障機が届きました。
 ・ニッコー FMチューナー ガンマ ワン(ローマ数字の1)
 ・この機種のことは今回初めて知りました。

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・Hifi Engine Nikko Gamma I (1978)
 ・Tuner Information Center Nikko Gamma I (1977,$400)
 ・株式会社日幸電機製作所
 ・日幸電機製作所ブログ ※過去のオーディオ製品の紹介あり

Gammai02Gammai10

 ・ネット検索してもこの機種に関する国内情報は乏しいです。
 ・Hifi Engineで海外版のサービスマニュアルとカタログを入手できました。
 ・T.I.C には詳しいレビュー記事があります。
 ・パワーアンプ(Alphaシリーズ)、プリアンプ(Betaシリーズ)とのシリーズ品のようです。
 ・セットでラックに収めるとカッコいいですね。
 ・幅19インチ(48.3cm)×高2.5インチ(6.4cm)×奥10インチ(25.4cm)、重量5.5kg
 ・アメリカ版カタログ(1978)によると当時の定価$399.95。
 ・ブラックパネル以外にシルバーパネルの製品もあったようです。
 ・当時の為替レートを1ドル200円とすると約80,000円くらいでしょうか。
 ・同時期の同クラス製品を探すと Technics ST-9030 が該当しそうです。

Nikko_brou

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ラックサイズの薄型ボディで奥行きも小さい。でも持ち上げるとずっしり重い。
 ・外観は年代相応の擦り傷、打ち傷があるものの、フロントパネルは綺麗。
 ・電源オン。周波数窓と二つのメーター照明点灯。指針も赤く点灯。
 ・しかし、TメーターもSメーターも全く振れない。
 ・固定出力、可変出力ともに全くの無音。
 ・FM DET OUT端子、マルチパスH端子も全くの無音。
 ・局間ノイズも出ない。Mutingが効いている状態か?
 ・それともFM放送局を全く受信していない状態か。

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Gammai11Gammai12Gammai13Gammai14Gammai15

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM専用5連バリコン搭載フロントエンド
 ・IF回路はWide/Narrow完全2系統
 ・Wide系 → LCフィルター+SAWフィルター+IFアンプ(HA1211)×2個
 ・Narrow系 → セラミックフィルター×4個+IFアンプ(HA1211)×3個
 ・HA11211 → FM/AM TUNER SYSTEM
 ・HA11211クアドラチュア検波 → TメーターとSメーターを駆動。AM回路は未使用。
 ・HA11211後段にレシオ検波回路(Wide/Narrowとも)。
 ・HA11223 → FM PLL MPX
 ・薄型ボディに大型フロントエンドと2階建て基板が詰め込まれている。
 ・回路構成を見ると基本性能は高そう。
 ・ただ1階基板のセパレーション調整VRの位置が悪くて調整が難しい。

Gammai20Gammai21Gammai23Gammai24Gammai25
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■修理記録------------------------------------------------------------

 ・電源部電圧確認 +13V→+13.2V、-13V→-13.2V。問題なさそう。
 ・IF基板 6番端子(IF信号入口)で10.7MHzが確認できない。
 ・どうやらフロントエンドが機能していない模様。
 ・調べてみると、フロントエンドのOSCが発振していない。

 ・OSC部供給電源確認+13.2V OK。
 ・ところが Q3(2SC1215) コレクタ電圧ゼロ。
 ・Q3の導通テストOK。トランジスタは壊れてはいない。
 ・R10(100Ω)の両端電圧+13.2V、+12.2V。これは正常値。
 ・R10の足で測定すると+12.2V。ところが Q3コレクタ足ではなぜか電圧ゼロ??
 ・R10とQ3の接合部のハンダ不良を疑ってハンダ鏝を当ててみる。
 ・何と!これで直りました。原因はR10とQ3の接合部のハンダ不良でした。

Gammai50Gammai51Gammai52Gammai53

■再び動作確認--------------------------------------------------------

 ・OSC回路が動き始めたのでもう一度動作確認。
 ・+0.2MHz程度の周波数ズレがあるものの、名古屋地区のFM局受信OK。
 ・STEREOランプ点灯。実際のステレオ感あり。
 ・Wide/Narrow切替、Hi-BLEND、Muting動作OK。インジケーター点灯OK
 ・可変出力VRに多少のガリ。
 ・FM DET OUT端子とマルチパスH端子から音声が聴こえる。
 ・更なる故障個所は無さそうです。

■調整記録------------------------------------------------------------

Nikko

Nikko_sche

【機器の設定】
 ・IF BAND=Narrow
 ・HI BLEND=OFF
【検波調整】
 ・IF基板 6番端子に SSGより10.7MHz直接注入
 ・T102調整 → Tメーター中点(クアドラチュア検波)
 ・TP~GND間にDC電圧計セット(TP=レシオ検波用Tメーター端子)
 ・T103(緑)調整 → 0.0v±50mv(レシオ検波)
【フロントエンドOSC調整】
 ・IF BAND=Narrow
 ・指針76MHz位置セット
 ・SSG76MHz 無変調 80dB → OSCコイルLo調整 → Sメーター最大
 ・指針90MHz位置セット
 ・SSG90MHz 無変調 80dB → OSCトリマTCo調整 → Sメーター最大
  ※上記調整を数回繰り返す
【フロントエンドRF調整】
 ・IF BAND=Narrow
 ・指針76MHz位置セット
 ・SSG76MHz 無変調 80dB → RFコイル RFA,RF1,RF2,RF3調整 → Sメーター最大
 ・指針90MHz位置セット
 ・SSG90MHz 無変調 80dB → OSCトリマ TCA,TCR1,TCR2,TCR3調整 → Sメーター最大
  ※上記調整を数回繰り返す
【フロントエンド IFT調整】
 ・IF BAND=Narrow
 ・指針83MHz位置セット
 ・SSG83MHz 無変調 80dB → フロントエンドIF(T1)調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整】
 ・IF BAND=Narrow 
 ・TP~GND間にDC電圧計セット(TP=レシオ検波用Tメーター端子)
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → TP電圧ゼロ(Tメーター中点確認)
 ・T103(赤)調整 → 高調波歪最小
【IF Wide調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz 1kHz 60dB 受信 → T101,R112調整 → 高調波歪最小
【Sメーター振れ調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・83MHz 無変調 60dB 受信 → R135調整 → Sメーター目盛り4.5
 ・IF BAND=Narrow
 ・83MHz 無変調 60dB 受信 → R137調整 → Sメーター目盛り4.5
【VCOフリーラン周波数調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・TP55 周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → R302調整 → 76kHz±10Hz
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz パイロット信号 60dB 受信 → R322調整 → 19kHz最小
 ・左右バランスに注意
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → R322調整 → 反対ch漏れ最小
 ・IF BAND=Narrow
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → R323調整 → 反対ch漏れ最小
 ※セパレーション調整VRは1階基板にあるので調整しづらい。
【ステレオ歪調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → R112調整 → 高調波歪最小

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・5連バリコン、Wide/Narrow切替、レシオ検波、HA11223。
 ・薄型ボディによくぞこれだけ詰め込んだものと感心します。
 ・当時は高性能実力派チューナーだったと思います。
 ・周波数窓やメーターのデザインにもう少し工夫があったら、、ちょっと残念。

Gammai06

YAMAHA CR-600

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 ・2016年5月、ヤマハ製レシーバーの修理調整を承りました。
 ・チューナー部以外の機能は正常だそうです。
 ・随分と回り道をしてしまった作業記録です。

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA CR-600 ¥95,000(1974年頃)
 ・Hifi Engine YAMAHA CR-600  ※サービスマニュアル入手可

Yamaha_cr60002Yamaha_cr60012
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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・全体に目立つキズもなくなかなかの美品です。
 ・電源オン、二つのメーターと指針部の照明電球点灯。
 ・TメーターとSメーターの動作OK。ただSメーターの振れが小さいか?
 ・チューニングつまみに触れるとAFCインジケーターが薄く点灯。
 ・指を離すとAFCインジケーターが点灯するはず、、ところがなぜか点滅します?
 ・FM局を受信するとSTEREOインジケーターが高速点滅。
 ・AFCインジケーターもSTEREOインジケーターに同期して点滅。
 ・受信時の音声はひどく歪んでいます。
 ・Wavespectraで波形を見ると点滅に同期して激しく波打っています。

Yamaha_cr60009

 ・MODE切換でMONOに設定して選局つまみに触れるとキレイな音が出る。
 ・MODE切換でSTEREOに設定すると上記の酷い歪が発生。。
 ・MUTING オフに設定すると歪音はでなくなる。
 ・これは難しい、、MUTING回路とSTEREO回路に不具合がありそう、、

■内部確認------------------------------------------------------------

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■修理記録:チューナー基板の部品交換----------------------------------

 ・輸出機用の回路図を見ながら原因を考える。

【MUTING ON時】
 ・チューニングつまみタッチ時→インジケーター薄く点灯 ※正常
 ・チューニングつまみ 開放時→インジケーター薄く点滅 ※異常
 ・MONO時、選局ツマミに触れると正常
 ・MONO時、選局ツマミを離すと異常
 ・AFCオフ→正常、AFCオン→異常

 ・AFC回路のトランジスタ交換、電解コンデンサ交換
 ・TR113,TR114,TR115(2SC458)→2SC1815 ※効果なし
 ・TR110,TR111(2SC458)→2SC1815 ※効果なし
 ・C138,C142,C143,C144(10uF/16V)→新品交換 ※効果なし
 ・C148(47uF/6.3V)→新品交換 ※効果なし
 ・C153(3.3/25V)→新品交換 ※効果なし
 ・つまりAFC動作そのものがおかしい?

 ・MUTING回路のトランジスタ交換、電解コンデンサ交換
 ・TR107,TR108,TR109,TR112(2SC458)→2SC1815 ※効果なし
 ・C128,C130(10uF/16V)→新品交換 ※効果なし
 ・C132(1uF/25V)→新品交換 ※効果なし
 ・C139(4.7uF/25V)→新品交換 ※効果なし
 ・C140(33uF/6.3V)→新品交換 ※効果なし
 ・D105,D106,D107,D109 → 交換 ※効果なし

 ・結局FM回路のすべてのトランジスタと電解コンデンサ、ダイオード交換。
 ・ところがまったく効果なし。
 ・こうなるとノイズ源はLA3311?
 ・あるいはフロントエンド内のAFC回路故障?

Yamaha_cr60070

 ・LA3311を搭載した機種を捜索。
 ・同世代の YAMAHAレシーバーCR400、YAMAHAチューナー CT-600 がヒットしました。
 ・特にCT-600のチューナー基板はCR-600と全く同じようです。
 ・部品調達のためジャンク機を探してみます。

■修理記録:チューナー基板を丸ごと交換-------------------------------

 ・ジャンク機確保のためヤフオクでCT-600を落札。
 ・ランプ切れがありましたがFM/AMとも正常に機能することを確認。
 ・受信調整して良い音で受信できるようになりました。

Yamaha_ct60001Yamaha_ct60010Yamaha_ct60008Yamaha_ct60020Yamaha_ct60023

 ・さて本題、このCT-600からLA3311を取り出してCR-600に移植しました。
 ・これで直るはず、、と思ったら、、あれ??外れでした。
 ・LA3311に繋がる38kHz調整コイルT-103をCR-600に移植 → 効果なし。
 ・最後の手段、CT-600のチューナー基板と CR-600のチューナー基板を丸ごと交換。
 ・ところが何と効果なし。
 ・つまり、CR-600のチューナー基板に故障箇所は無い、ということです。

Yamaha_cr60070_2Yamaha_cr60071Yamaha_cr60072Yamaha_cr60073Yamaha_cr60074

 ・どうやらフロントエンド(バリコンユニット)内のAFC回路が原因か?
 ・CR-600のフロントエンドを外すにはバラバラに分解する必要あります。
 ・バラすのは簡単ですが、元通りに戻せるかどうか、、ちょっと不安かも?

■修理記録:フロントエンドユニットを丸ごと交換-----------------------

 ・CR-600とCT-600のフロントエンドユニットは同型品でした。
 ・というか、CR-600のチューナー部はCT-600と全く同じでした。
 ・そこでCT-600のフロントエンドユニットを外し、CR-600へ移植。
 ・ユニットごと交換すればAFC回路の不具合も解消するはず、、

Yamaha_cr60080Yamaha_cr60081Yamaha_cr60082Yamaha_cr60083Yamaha_cr60084

 ・ところが不具合が解消しません??状況は同じです。
 ・検証のためCR-600から外したフロントエンドユニットをCT-600に移植。
 ・するとCT-600は正常に動作しました。
 ・ということは、、フロントエンドユニットも異常なしということです。

Yamaha_cr60088Yamaha_cr60091Yamaha_cr60092Yamaha_cr60093Yamaha_cr60094

■修理記録:LED基板が怪しい?-----------------------------------------

 ・フロントエンドユニット、チューナー基板とも問題無し。
 ・回路図を見ながら残った可能性を考える。
 ・チューナー基板に繋がるものといえば、、TメーターとSメーターか?
 ・基板からメーターに繋がる配線を外してみる、、
 ・やはり改善しない。
 ・残るは STEREOインジケーターとAFCインジケーターのLEDのみ。
 ・STEREOインジケーターとAFCインジケーターに繋がる配線を外してみると、、、、、、
 ・当たり!! ノイズのない綺麗なステレオ音声が聞こえてきました。

Yamaha_cr60099Yamaha_cr600100Yamaha_cr600101Yamaha_cr600103Yamaha_cr600104

 ・LEDは直径2mmの半円球。
 ・チューナー CT-600 からLEDを取り外してCR-600に移植。
 ・でも改善しない。
 ・LED自体が壊れているわけではなさそう。
 ・LEDに繋がる抵抗2個(R941/680Ω、R942/1kΩ)交換。
 ・でも改善しない。

■修理記録:電源基板が怪しい?-----------------------------------------

 ・最後の可能性はLED基板に繋がる電源基板しかありません。
 ・電源基板はチューナー基板の下にあります。
 ・再度チューナー基板を外してバラバラに分解。最下部にある電源基板を確認。
 ・LED基板に繋がる[12V]端子の電圧測定 → 10.7V ※ちょっと低い?
 ・LED基板に繋がるTR801(2SC1061)と電解コンデンサを確認。
 ・テスターで簡易確認する限りは特に不具合は無さそう。
 ・電解コンデンサ交換も改善なし。

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■修理記録:電源基板ヒューズ抵抗交換-----------------------------------

 ・電源基板には合計4個のヒューズ抵抗が使われています。
 ・このうち FR802(220Ω 1/2W)の抵抗値を測定すると780Ω。
 ・そういえばヒューズ抵抗がノイズ源だった経験は過去にもありました。
 ・これを新品に交換したところ、、
 ・AFCランプの点灯動作、STEREOランプの点灯動作が正常になりました。
 ・LED基板に繋がる[12V]端子の電圧測定 → 12.5V
 ・それとSメーターが大きく振れるようになりました。
 ・この電源12Vはチューナー基板に供給されています。
 ・やはりチューナー基板のあちらこちらに影響が出ていたようです。
 ・オシロがあればもっと早く電源異常に気付けたはず、、、

Yamaha_cr600118Yamaha_cr600120Yamaha_cr600119

■調整記録-------------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・フロントエンドとの接続端子にSSGより10.7MHz信号注入
 ・T101(上段コア)調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
 ・76MHz 90dB 受信 → Lo調整 → Sメーター最大
 ・90MHz 90dB 受信 → TCo調整 → Sメーター最大
【フロントエンドRF調整】
 ・76MHz 90dB 受信 → LA,LR1,LR2調整 → Sメーター最大
 ・90MHz 90dB 受信 → TCA,TCR1,TCR2調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 90dB 受信 → IFT → Sメーター最大
【レシオ検波歪調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz 90dB 受信 → T101(下段コア)→ 歪最小
【ミューティング調整】
 ・VR101 MUTING動作レベル設定
【38kHz調整】
 ・83MHz SUB信号 80dB 受信 → T102調整 → Lchレベル最大
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → VR102調整 → 漏れ信号最小
 ・実測で左右とも約40dB/1kHzでした。
【AM OSC調整】
 ・729kHz(NHKラジオ)受信 → T105調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → AM3調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・729kHz(NHKラジオ)受信 → バーアンテナ、T104調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → AM1,AM2調整 → Sメーター最大
【メインアンプ調整】
 ・アンプ基板 TP3~TP5 DC電圧計セット
  ・VR701調整 → 0V±0.01V
 ・アンプ基板 TP4~TP6 DC電圧計セット
  ・VR702調整 → 0V±0.01V
 ・アンプ基板 TP1~TP3 DC電圧計セット
  ・VR703調整 → 0.023V±0.005V
 ・アンプ基板 TP2~TP4 DC電圧計セット
  ・VR704調整 → 0.023V±0.005V

Cr600

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・レコードプレーヤー、CDプレーヤー、スピーカーを接続して動作確認。
 ・PHONO1、PHONO2、AUXとも問題なさそうです。
 ・TAPE入出力端子もOK。ヘッドホン端子もOK。
 ・MIC端子は未確認です。もちろんFM/AMともOK。
 ・AFCランプ、STEREOランプ正常点灯。MUTING動作OK。
 ・ボリュームやバランスにガリなし。
 ・寝室のサブシステムにちょうど良いですね。

Yamaha_cr60008

 ・それにしても随分と回り道した修理作業でした。
 ・実はオシロスコープが故障したまま、、早く新しいオシロを調達しなくちゃ、、

YAMAHA CT-600 修理調整記録

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 ・2016年7月末、古いバリコンチューナーのジャンク機を入手しました。
 ・復調回路に使われている LA3311 を部品取りする計画です。
 ・解体部品取りする前に一通り整備してみました。
 ・以下、作業記録です

Yamaha_ct60008

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA CT-600 ¥60,000(1974年頃)
 ・YAMAHA CT-600 過去記事 2008年7月
 ・1975年11月版カタログ 掲載機種 CT-X1,CT-7000,CT-800,CT-600,CT-400

Yamaha_ct60002Yamaha_ct60011

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ウッドボディはまだら模様の汚れが目立つがフロントパネルは綺麗な状態。
 ・背面パネル、AMアンテナ、端子類も破損なし。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。指針照明点灯。Tメーター照明点灯。
 ・Sメーター照明が点灯しません。電球切れか?
 ・この機種や上位機CT-800では周波数窓の照明は無く指針だけが点灯します。
 ・名古屋地区のFM放送局をすべて受信しました。僅かに周波数ズレ。
 ・AFCランプ正常点灯。STEREOランプ正常点灯。
 ・電球切れ以外は問題なさそうです。

Yamaha_ct60001Yamaha_ct60003Yamaha_ct60004Yamaha_ct60005Yamaha_ct60006
Yamaha_ct60010Yamaha_ct60012Yamaha_ct60014

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・同時期の上位機CT-800と共通のシャーシなので隙間が妙に目立つ。
 ・FM4連、AM3連のフロントエンドユニット。これはCR-600と同型品
 ・チューナー基板もCR-600のチューナー基板と同一品でした。

Yamaha_ct60020Yamaha_ct60021Yamaha_ct60022Yamaha_ct60023Yamaha_ct60024
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■調整記録-------------------------------------------------------------

 ・レシーバーCR-600サービスマニュアル参照

Ct600

【レシオ検波調整】
 ・フロントエンドとの接続端子にSSGより10.7MHz信号注入
 ・T101(上段コア)調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
 ・76MHz 90dB 受信 → Lo調整 → Sメーター最大
 ・90MHz 90dB 受信 → TCo調整 → Sメーター最大
【フロントエンドRF調整】
 ・76MHz 90dB 受信 → LA,LR1,LR2調整 → Sメーター最大
 ・90MHz 90dB 受信 → TCA,TCR1,TCR2調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 90dB 受信 → IFT → Sメーター最大
【レシオ検波歪調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz 90dB 受信 → T101(下段コア)→ 歪最小
【ミューティング調整】
 ・VR101 MUTING動作レベル設定
【38kHz調整】
 ・83MHz SUB信号 80dB 受信 → T102調整 → Lchレベル最大
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → VR102調整 → 漏れ信号最小
 ・実測で左右とも約40dB/1kHzでした。
【AM OSC調整】
 ・729kHz(NHKラジオ)受信 → T105調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → AM3調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・729kHz(NHKラジオ)受信 → バーアンテナ、T104調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → AM1,AM2調整 → Sメーター最大

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・外観は上位機CT-800同様に高級感がありますね。
 ・切れていた電球を交換して記念写真撮影。
 ・その後、CR-600への部品供給のため解体処分しました。

Yamaha_ct60007

TRiO KT-770 修理調整記録

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 ・2016年7月、シンセチューナーの修理調整作業を承りました。
 ・受信感度が悪いようです。
 ・再調整だけで復活すると良いのですが、、

Kt77007

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRiO KT-770 \49,800(1983年発売)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-770 (1984) ※製品情報のみ。

Kt77002Kt77011

■動作確認-------------------------------------------------------------

 ・外観に目立つキズはなく保存状態は良い。
 ・フロントパネルはシンプルな造りです。
 ・電源オン。周波数表示OK。文字痩せなし。
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信しました。
 ・ただSメーターは2灯目までしか点灯しない。
 ・STEREOランプ点灯しない。
 ・AM放送は適当なAMループアンテナで名古屋地区の放送局を受信。
 ・AMは特に問題なさそうです。

Kt77001Kt77003Kt77004Kt77005Kt77006

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・5連バリキャップ構成。トラッキング調整可。
 ・LA1231N FM IF System
 ・uPC1223C FM PLL MPX
 ・LA1245 AM Tuner
 ・DLLD バランス型PLL検波

Kt77020Kt77021Kt77023Kt77024Kt77025
Kt77028Kt77029Kt77030Kt77031Kt77027

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・アンテナ入力なし
 ・TP1~TP2 DC電圧計セット
 ・76MHz → L7調整 → 7.0V ※実測 2.68V
 ・90MHz → CT5調整 → 23.0V ※実測 9.8V
 ・VT電圧が低すぎる。

■修理記録:OSCトリマコンデンサ交換-----------------------------------

 ・VT電圧が低すぎる。
 ・90MHz時 CT5を回しても9V程度で変化しない。
 ・OSCトリマコンデンサCT5を新品に交換。
 ・VT電圧が大幅に上昇して規定値をクリア。

Kt77040_2Kt77041_2Kt77042_2

■調整記録:続き------------------------------------------------------

Kt770

【VT電圧】
 ・アンテナ入力なし
 ・TP1~TP2 DC電圧計セット
 ・76MHz → L7調整 → 7.0V ※実測 7.0V
 ・90MHz → CT5調整 → 23.0V ※実測 23.1V
【FM検波調整】
 ・フロントエンド内R15後足にDC電圧計セット
 ・TP1~TP2 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L10調整 → 0.0V±10mV ※LA1231N クアドラチュア検波調整
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12調整 → 0.0V±10mV ※PLL検波調整
【RF調整】
 ・LA1231N 13ピン DC電圧計セット
 ・76MHz(無変調,40dB)→ L1,L2,L3調整 → 電圧最大
 ・90MHz(無変調,40dB)→ CT1,CT2,CT3調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・LA1231N 13ピン DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,40dB)→ L5,L8調整 → 高調波最小
【歪調整】
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR2調整 → 高調波最小
【MPX VCO調整】
 ・TP5 周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR3調整 → 76kHz±10Hz
【PILOTキャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz(無変調,80dB,ステレオ信号) → VR4,L16調整 → 19kHz信号最小
 ※左右バランスに注意
【SEPARATION調整】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,ステレオ信号,80dB)→ VR5調整 → Rch漏れ信号最小
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,ステレオ信号,80dB)→ VR6調整 → Lch漏れ信号最小
【AM VT電圧調整】
 ・フロントエンドR15 DC電圧計セット
 ・ 522kHz受信 → T6調整 → 2.5V
 ・1629kHz受信 → TC5調整 → 20.0V
【AM 受信調整】
 ・ 729kHz(NHK第一放送)受信 → L19調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → CT6調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz(CBCラジオ)受信 → L24調整 → Sメーター最大

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・ご指摘の不具合は解消したと思います。
 ・シンプルなフロントパネルデザインがいいですね。
 ・作業完了しました。

Kt77008


SONY ST-5140 修理調整記録2

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 ・2016年8月、ST-5140の修理調整をお引き受けしました。
 ・以下、作業記録です。

St514010

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-5140
 ・Hifi Engine SONY ST-5140
 ・TA-1140/ST-5140 カタログ 1971年版

St514002_2St514014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルやボディに目立つキズなし。
 ・電源コードの印字は「1971」
 ・電源オン、周波数窓の照明が点灯しない。
 ・メーター照明はTメーターが橙色、Sメーターは緑色で点灯。
 ・周波数ズレは僅か。STEREOランプが点灯しない。
 ・Sメーターは正常動作。ただTメーター動作がおかしい
 ・Tメーターの針の動き方がぎこちない。
 ・出音に歪感なし。ステレオ感あり。ミューティング動作OK。
 ・周波数右端の周波数目盛りの緑色が剥げています。
 ・AMも動作OK。
【作業予定】
 ・切れた電球の交換、各部再調整

St514001St514003St514004St514005St514006
St514013St514015St514016St514017St514012

■修理記録 メーター交換、電球交換------------------------------------

 ・Tメーターの動作がおかしいのはメーター自体の故障でした。
 ・保管品からST-5150のメーターに交換しました。
 ・メーターのサイズは同じですが、デザインがちょっと違います。
 ・メーターの目盛りや文字が照明に透ける「透過タイプ」に変わりました。
 ・Tメーターだけ変えると一体感が無くなるのでSメーターも一緒に交換しました。
 ・周波数窓を照らす左右の照明電球が切れていました。
 ・保管部品から同等品8V0.3Aに交換
 ・STEREOランプ点灯しない原因も電球切れでした。
 ・保管品から同等品に交換。

St514035St514030St514031St514032St514033
St514040St514041St514042

■調整記録------------------------------------------------------------

【FMフロントエンド調整】
 ・OSC調整 CT104,L104
 ・トラッキング調整 CT101,CT102,CT103 / L101,L102,L103
 ・IFT調整 IFT101
【レシオ検波調整】
 ・T201上段コア Tメーター中央
 ・T201下段コア 高調波歪最小
【MUTING調整】
 ・T202 D212電圧最大
 ・RT201 MUTINGレベル調整
【Sメーター調整】
 ・RT202 Sメーター振れ具合調整
【MPX調整】
 ・T401 スイッチング信号調整(※SUB信号注入 → Lch出力最大へ)
 ・RT401 セパレーション調整

St514020St514021St514022St514023St514024
St514025St514026St514027St514028St514029

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・メーターを交換したので雰囲気がちょっと変わりました。
 ・現状での再調整でまずまずの性能を取り戻したと思います。
 ・それにしてもこの時期のSONY製品はデザインがイイですね。
 ・薄暗い部屋に浮かび立つ照明窓が特に美しいです。

St514011

YAMAHA T-2 修理調整記録

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 ・2016年8月、YAMAHA T-2の修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Yamaha_t205

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-2 \130,000
 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-2 \130,000(1978年頃)
 ・Hifi Engine YAMAHA T-2 (1978-81) ※サービスマニュアル入手可能
 ・取扱説明書 YAMAHAホームページのダウンロードサイトで入手可能

Yamaha_t202Yamaha_t204_2

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観に目立つキズは無く、状態はなかなか良いです。
 ・電源スイッチオン。指針とメーター照明点灯。
 ・赤く光るダイヤル指針とデジタル表示はピッタリ一致しています。
 ・IFバンド切替、MUTING動作、REC CALなど操作ボタンは問題なさそう。
 ・固定出力、可変出力とも正常。マルチパスH端子から受信音が聴こえます。
 ・基本動作に問題は無さそう、、、と思ったら、、
 ・依頼者様から事前にご指摘いただいた症状を確認しました。
   1. 10~30分ほど経過すると、2~3分出力が途切れる。
   2. 放置しておくといつの間にか回復する。
   3. しばらくするとまた音が出なくなる。

Yamaha_t201Yamaha_t210Yamaha_t211Yamaha_t212Yamaha_t208

 ・音が出ないときの症状は、
 ・周波数のデジタル表示が消失。
 ・このときSメーターは正常、Tメーターが中点をやや外れる。
 ・固定/可変端子とも音が出ないが、マルチパスH端子からはきれいな音が出る。
 ・MUTINGスイッチのON/OFF効果なし。REC CAL信号も出ない。
 ・しばらくすると正常動作に戻る。

Yamaha_t203Yamaha_t213Yamaha_t214Yamaha_t215Yamaha_t216

■修理記録:ハンダクラック補修----------------------------------------

 ・基板を確認する過程で電源回路TR240,TR241(2SD476)にハンダクラック発見。
 ・これを補修したところ60Hzに出ていたピーク波形が消滅しました。
 ・ただ、この状態でも上記不具合が発生したので原因は別にありです。

Yamaha_t2311

 ・実は当初、電源回路の回路図を見てヒューズ抵抗 FR201(150mA,10Ω)の劣化を疑いました。
 ・ヒューズ抵抗が劣化してノイズ源化している事例(YAMAHA CR-600)が最近あったからです。
 ・そう思って基板で電源回路を確認したところ、、
 ・回路図に記載のあるFR201が実装されていません。
 ・該当位置と思われるところはジャンパ線でした。

Yamaha_t220_2Yamaha_t221Yamaha_t222Yamaha_t223Yamaha_t224
Yamaha_t225Yamaha_t226Yamaha_t227Yamaha_t228Yamaha_t233

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・とりあえず正常動作している状態で各部調整してみました。

【機能設定】
 ・フロントパネルスイッチ設定
 ・RF MODE=HI SENSITIVITY
 ・IF MODE=LOCAL
 ・AUTO BLEND=OFF
【同調点調整】
 ・SSGより10.7MHz注入 → T201上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・指針を83MHzにセット
 ・83MHz 変調オフ 70dB → フロントエンド OSCトリマ調整
【トラッキング調整】
 ・76MHz mono 1kHz 50dB → RFコイル調整 → Sメーター最大
 ・90MHz mono 1kHz 50dB → RFトリマ調整 → Sメーター最大
【検波歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz mono 1kHz 60dB → T201下段コア調整 → 歪み最小
 ・83MHz mono 1kHz 60dB → VR203調整 → 歪み最小
【VCO調整】
 ・TP 19kHz に周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 60dB → VR204調整 → 19kHz±20Hz
【PLL調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz L-R 60dB → T202調整 → Lch音声レベル最大
【ステレオ歪調整1】
 ・IF MODE=LOCAL
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR201,CF201調整 → 歪み最小
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR202,CF204調整 → 歪み最小
【ステレオ歪調整2】
 ・IF MODE=DX
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → CF202,CF203調整 → Sメーター最大、歪み最小
【パイロットキャンセル歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR205,T203調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → 別基板VR402調整 → セパレーション調整
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → 別基板VR401調整 → 左右同レベル
【Sメーター調整】
 ・83MHz 無変調 80dB → VR206調整 → Sメーター振れ調整
【REC CAL調整】
 ・REC CALスイッチオン → Tメーターが中点を示すことを確認

 ●ここまで調整が終わって試聴しているときに突然音途切れ症状発生。
 ・このときPOSTアンプ入口では左右chとも正常な音声が出ている。
 ・ところがPOSTアンプ出口では左右chとも音が出ない。
 ・つまり意図しないのにMUTINGが作動した状態です。
 ・稀に音が出るときはヒドイ雑音が混じる。
 ・これはステレオ受信時も左右chとも同じ現象。
 ・左右ch共通の症状から考えられる原因は2点。
  ※POSTアンプに供給されるMUTING信号の異常。
  ※あるいはPOSTアンプ基板に供給される電源(+13V,-13V)の異常。

■修理記録:MUTING/OTS回路トランジスタ交換----------------------------

 ・TR223,226,227,228(2SA844) → 2SA1015、、効果なし
 ・TR224,225(2SC1918) → 2SC1815、、、効果なし
 ・TR217(2SA844) → 2SA1015、、効果なし
 ・TR215,216,218(2SC1918) → 2SC1815、、、効果なし
 ・MUTING回路自体に異常は無さそうです。

Yamaha_t220Yamaha_t234Yamaha_t237Yamaha_t235Yamaha_t236

■修理記録:電源回路トランジスタ交換----------------------------------

 ・こうなると残るは電源回路のTR245(2SB544)が怪しいか?
 ・TR245のコレクタ電圧を確認すると+9V~-5V辺りで不安定です。
 ・-5VでMUTING解除、+7V以上でMUTING動作。故障部品はこれですね。
 ・応急処置として基板だけ保管しているYAMAHA T-4 電源基板から 2SB544 移植。
 ・MUTING動作時のTR245コレクタ電圧変化が明確になって動作安定。
 ・交換して1週間の動作確認で問題ありません。

Yamaha_t2292Yamaha_t240Yamaha_t241Yamaha_t242Yamaha_t243

T2schematic

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・短期間の確認ですがたぶん不具合は解消できたと思います。
 ・この状態でお返ししますので依頼者様の下で動作確認をお願いします。
 ・もし不具合が再発するようであれば、再度ご連絡ください。

Yamaha_t207

KENWOOD KT-1100D 修理調整記録2

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 ・2016年8月、KT-1100Dの調整作業を承りました。
 ・この機種は発売当時に購入して長くエアチェックに使っていました。
 ・ただFPGAチューナーを使うようになって処分してしまいました。

Kt1100d05

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版
  ※KT-1100Dの他に D-3300T、KT-1010F、KT-880Fが載っています。

Kt1100d02Kt1100d04

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル、ボディとも目立つキズは無く状態はとても良いです。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示管がキレイに点灯。文字欠け、文字痩せなし。
 ・オート選局、マニュアル選局とも周波数ズレなし。
 ・Tメーター、Sメーターのセグメント点灯。STEREOランプ点灯。
 ・WIDE/NARROW切替OK。REC CAL OK。メモリボタン動作OK。
 ・各種ボタン操作に軽快に反応する。切替動作正常。
 ・手持ちの適当なAMループアンテナでAM放送の受信確認。
 ・AM放送もオート選局、マニュアル選局とも正常に受信。
 ・電源プラグを抜いてから4日後でもメモリ保持していました。

Kt1100d08Kt1100d09Kt1100d11Kt1100d12Kt1100d13
Kt1100d01Kt1100d03Kt1100d15Kt1100d16Kt1100d17

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・内部記録写真

Kt1100d20Kt1100d21Kt1100d22Kt1100d23Kt1100d24
Kt1100d25Kt1100d26Kt1100d27Kt1100d28Kt1100d29
Kt1100d30Kt1100d31Kt1100d32Kt1100d33Kt1100d35

■調整記録------------------------------------------------------------

Kt1100d

【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V ※実測 3.3V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V ※実測25.7V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V±10mV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L15調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・R67左側 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L10調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【SIGNAL METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR3調整 → ※
  ※バーグラフの点灯レベル調整
【MPX VCO調整】
 ・TP14に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR4調整 → 19.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ L25調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR3:DET調整 → 歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR4:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR5調整 → 歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz.80dB)→ VR2調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz(R信号,1kHz,80dB)→ VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz,80dB)→ VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR1調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz(mono信号,1kHz,100%変調)→ 本体左側小基板VR4調整 → 100%位置
【AM簡易調整】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・531kHz → L20調整 → 実測 2.8V 確認のみ
 ・1602kHz→ TC2調整 → 実測21.2V 確認のみ
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信  → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → Sメーター最大

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・特に故障箇所は無かったです。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。

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TRIO KT-9900 3号機

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 ・2016年7月、KT-9900(3台目)を修理調整を行いました。
 ・以下、作業記録です。

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-9900 ¥200,000
 ・オーディオの足跡 TRIO KT-9900 ¥200,000(1978年発売)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-917
 ・取扱説明書 KENWOODダウンロードサイトから入手可能
 ・1号機の記録 2015年10月4日記事
 ・2号機の記録 2015年11月15日記事

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・アンテナAに同軸ケーブルを接続して電源オン。電源オンから音が出るまで約10秒。
 ・周波数窓の照明点灯。メーター照明点灯。
 ・オレンジ色のインジケーター点灯。緑色のIFバンド表示も点灯。
 ・僅かに周波数ズレあるものの地元FM局を受信。STEREOランプ点灯。
 ・受信から数秒後にDDLインジケータ点灯。
 ・照明やインジケータ類はすべて点灯。
 ・それぞれのメーターは正常に動作している。
 ・出てくる音声にステレオ感あり。特に気になる雑音もない。
 ・マルチパスH端子からも雑音の無いキレイな音声が出ています。
 ・顕著な不具合はなさそう。

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM専用9連バリコン
 ・HA1137WでTメーター、Sメーター駆動
 ・パルスカウント検波
 ・HA11223W によるMPX
 ・HA1156W(裏面DDL基板)
 ・部品交換や改造の形跡はなさそうです。
 ・電源回路で頭が飛び出した電解コンデンサ4個が気になります。

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■修理記録:電源回路電解コンデンサ交換---------------------------------

 ・100uF/25V 4個交換

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■調整記録------------------------------------------------------------

 ・1号機、2号機の記録参照

■FM多重放送によるノイズ問題------------------------------------------

 ・【SCA調整】の項目
 ・KT-9900 L6 調整 → D4(X04-)カソード側DC電圧最大へ

 ・KT-9900 1号機では SCAスイッチが頻繁に ON/OFF を繰り返す症状がありました。
 ・KT-9900 2号機では 電圧が低すぎてSCAスイッチが作動しません。
 ・KT-9900 3号機も2号機と同じ症状でした。
 ・3台目の検証ですが、やはりNHK-FMのノイズ問題を回避できません。
 ・このノイズは電波状況が悪くて「サー」という雑音が聴こえる状況と似ています。
 ・曲間の無音時やクラシック曲のピアニシモ部分で特に気になります。
 ・大音量のロックやジャズではあまり気にならないです。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・民放FM局ではFM多重放送の問題はありません。
 ・割り切って使っていきましょう。

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SONY ST-5150D 修理調整記録3

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 ・2016年9月初め、ワンオーナーST-5150Dの調整作業をお引受しました。
 ・今後も長く使うためのメンテナンスを、というご依頼でした。
 ・以下、作業記録です。

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 ST-5150D ¥49,800円 1975年頃
  →ST-5150D 回路図

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・さすがワンオーナー品。フロントパネル、ボディとも目立つキズはありません。
 ・電源コードの印字は「1974」。コードがベタベタしています。
 ・電源オン。周波数窓と二つのメーター照明点灯。
 ・75Ωアンテナケーブルを接続してFM放送を受信確認。
 ・名古屋地区のFM局を正常に受信。
 ・+0.2MHz程度の周波数ズレ。MUTING動作OK。
 ・Sメーター最大とTメーター中央が一致しない。
 ・STEREOランプ点灯。実際にステレオ感あり。
 ・AMは背面バーアンテナで受信OK。
 ・名古屋地区のAM局を受信。特に問題なさそうです。

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■分解清掃------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル裏側に「49.6.10」と印字されていました。
 ・「昭和49年6月10日」と読めますね。
 ・周波数窓裏側に堆積していたホコリを清掃してガラス磨き。
 ・ガラス板を磨きすぎると数字や目盛りを傷つけるので注意、注意。

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■再調整--------------------------------------------------------------

 ・FM OSC調整:CT104、L104
 ・FMトラッキング調整:CT101,102,103、L101,L102,L103
 ・FMレシオ検波調整:T201上段 Tメーター中央へ
 ・FMレシオ検波調整:T201下段 高調波歪最小へ
 ・FMステレオ調整:T401 L+R信号→Lch最大へ
 ・FMセパレーション調整:RT401
 ・FM Sメーター調整:RT202
 ・FMミューティング調整:T202 → D205電圧最大へ
 ・FMミューティングレベル調整:RT201
 ・固定出力調整::RT402(Rch) / RT403(Lch)→同レベルへ
 ・AM 調整:バーアンテナ、CT301、CT302、T301、CFT301
 ・AM Sメーター調整:RT301

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・何度も書いてますが、この時期のソニーデザインは最高です。
 ・シルバーパネルに映えるグリーンイルミネーションがたまりません。
 ・各部調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・これからもご愛用ください。

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