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KENWOOD D-3300T

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 ・2015年8月、KENWOOD最後の高級機といわれるD-3300Tの調整作業を承りました。
 ・高額なシンセチューナーに触れるのは久しぶりです。
 ・以下、作業内容のご報告です。

D3300t07

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年発売)
 ・Tuner Information Center (T.I.C) KT-3300D(1987年 $525)※回路図あり
 ・取扱説明書(国内版)PDF

D3300t02

 ・KENWOOD製チューナーで D-3300T という型番はちょっと違和感ありですね。
 ・海外では KT-3300D という型番で売られていたようです。
 ・KT-3300D なら KT-1100D の上位機という位置付けになりそうなのに?
 ・国内には既に KT-3300 という廉価機があったので意図的に避けたのでしょうか?

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字 1986。
 ・外観はとても綺麗な個体です。
 ・フロントパネル、ボディ、サイドウッドともに目立つキズありません。
 ・天板の四隅に油が染みたような痕跡。水拭きでは取れません。
 ・上に載っていた機器の足跡でしょうか?
 ・黒色フロントパネル+黒色サイドウッドの組み合わせが精悍な印象です。
 ・サイドウッドと言えば茶色の木目が定番ですが黒木目もグッドです。
 ・底面に修理記録シールが貼ってありました。

D3300t01D3300t03D3300t04D3300t05D3300t06

 ・アンテナ端子A に同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・表示部は明るく点灯。照度の劣化や文字痩せは感じません。
 ・地元FM局を受信しながら点検。
 ・オートチューニングで+0.1MHzの周波数ズレ。
 ・RF SELECTOR:DISTANCE → STEREO受信OK。実際のステレオ感あり。
 ・RF SELECTOR:DIRECT  → STEREOランプ点灯せず。モノラル音声。
 ・IF BAND切替(WIDE/NARROW)切替OK。MUTING動作OK。
 ・REC CAL信号OK。
 ・プリセットメモリや他のスイッチで接触不良(タクトスイッチ不良)なし。
 ・メモリー内容は電源プラグを抜いた状態で1週間後も保持していました。

<ご指摘事項>
 ・DIRECT側で感度が悪い。
 ・RF SELECTOR:DIRECT → STEREO受信できない。受信感度要調整。
 ・アンテナA に接続した状態で アンテナB に切り替えると、、
 ・受信感度は低下するもののそのまま受信できる。
 ・アンテナB には何も接続していないのに受信できる。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・基板上にあるブラック/ゴールドのシールドケースが存在感を誇示している。
 ・これを外すとアンテナA/B切換スイッチとフロントエンドユニット。
 ・RF SELECTOR を DIRECT にすると Q1(3SK122)をスキップ。
  ※Q1(3SK122)-2nd gate=High(3.7V)→ DISTANCE
  ※Q1(3SK122)-2nd gate=Low (-4V)→ DIRECT
 ・通常はDISTANCE受信、電波が強すぎる場合はDIRECTT受信という選択。
 ・メイン基板:X05-3160-00
 ・直立基板1:X86-1020-00 A/3 ※メイン基板右後方
 ・直立基板2:X86-1020-00 B/3 ※メイン基板右後方
 ・直立基板3:X86-1020-00 C/3 ※メイン基板右後方
 ・サブ基板:X13 ※電源スイッチ後方にある小さな基板

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■アンテナ A/B:接続していない側でも受信できる件----------------------

 ・当初はアンテナ A/B 切換スライドスイッチの接触不良を疑いました。
 ・しかしスイッチの接触抵抗を測定してみると不良ありません。
 ・スイッチによるアンテナ切換は正常に行われています。

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<切換スイッチ周辺調査>
 ・背面端子からフロントエンド入口まで A/B 2本のケーブルが引き込まれている。
 ・切換スライドスイッチのすぐ隣に初段RF増幅部が配置されている。
 ・基板上で A端子まで来ているFM信号を B端子でも拾ってしまうようです。
 ・この件は故障ではないと思います。
 ・D-3300Tユーザーの皆様、如何でしょうか?

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・TICで入手したバラバラの回路図を整形して一枚物に仕上げました。
 ・さらに勉強材料として manual in PDFで英語版サービスマニュアル購入(USD7.99)。
 ・全38ページ。回路解説、きれいな回路図、部品表、調整要領などが揃っていました。
 ・以下は英語版調整要領を基にして一部アレンジした調整記録です。

D3300talgn

【本体設定】
 ・IF BAND:WIDE
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
 ・QUIETING CONTROL:NORMAL
 ※(X86),(X05),(X13):基板番号
【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz →  L5(X05-)調整 → 3.0V±0.1V
 ・90MHz → TC5(X05-)調整 →25.0V±0.1V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dBu)受信 → L12(X86-)調整 → 0.0V±10mV
 ・TP16~TP17 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dBu)受信 → L9 (X86-)調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・76MHz(1kHz,100%変調,40dBu)→ L1~4 (X05-)調整 → 電圧最大
 ・90MHz(1kHz,100%変調,40dBu)→ TC1~4(X05-)調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dBu)→ L10,L11,L22(X05-)調整 → 電圧最大
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dBu)→ L11(X86-)調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,14dBu)→ VR1(X86-)調整 → STEREOインジケータ点灯
【SIGNAL METER調整】
 ・(X13-)電源スイッチ後方の小さな基板
 ・83MHz(無変調,43dBu)→ VR3(X13)調整 → 7番目のドット(最上段)点灯
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(10Hz,100%変調,80dBf) → VR2(X13)調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MPX VCO調整】
 ・TP15に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dBf) → VR5(X05-)調整 → 76.00kHz±50Hz
【PILOT CANCEL調整1】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dBu)→ VR1(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【PILOT CANCEL調整2】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dBu)→ L20(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号,10%変調,80dBu)→ L19(X05-)調整 → 歪率最小
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR3(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR4(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR6(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR5(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR7(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整6】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR8(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整7】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR9(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整8 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR2(X86-)調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 L】
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR4(X05-)調整 → L信号もれ最小
【SEPARATION調整2 R】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR3(X05-)調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整3 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR2(X05-)調整 → R信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・REC CAL オン → VR4(X13)調整 → 左から4番目のドットが点灯する位置

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・IF BAND=WIDE、RF SELECTOR=DISTANCE、QUIETING CONTROL=NOMMAL
 ・通常は上記設定で良好に受信できると思います。
 ・FM送信所が近くて電波が強過ぎる場合は RF SELECTOR=DIRECT とします。

D3300t09

 ・さすがケンウッドの高級機種ですね。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。


OTTO FMT-1301

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 ・2015年7月初め、近くのハードオフで入手したジャンク品です。
 ・OTTO 、これは懐かしい今は亡き SANYO のオーディオブランドです。
 ・そう言えば OTTO 製オーディオ機器は当時も今も使ったことは無いかも?
 ・持ち上げるとずっしり重い、75オームF型端子、マルチパス端子など素性は良さそう。
 ・さて、内部を見るのが楽しみ。

Fmt130103

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・ネット検索で見つかる情報は皆無です。
 ・古いオーディオ雑誌(1978年)に紹介記事がありました。
 ・定価69,800円、当時としては高価な製品ですね。
 ・ちなみに電源コードの印字 1975 でした。

1978

Fmt130101Fmt130110

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルは経年の汚れ(手垢?)がこびり付いているが、目立つキズは無い。
 ・ボディ上面もホコリがこびり付いた感じで汚れているが致命傷は無い。
 ・背面:固定/可変出力端子、マルチパス端子、75Ωアンテナ端子、AMバーアンテナ。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・オレンジ色の窓照明点灯。二つのメーターも照明点灯。指針は光らないタイプ。
 ・指針と周波数目盛りとのズレは+0.2MHz程度。
 ・Sメーター最大位置とTメーター中点が一致しない。
 ・Tメーター中点の赤色ランプが周波数ロック状態を示す。
 ・STEREOランプ点灯、MUTING動作OK。
 ・出てくる音に特に違和感なし。

Fmt130106Fmt130107Fmt130108Fmt130112Fmt130113

■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・ALPS製FM4連、AM2連バリコン
 ・FM基板:TOKO製LCフィルター+IFアンプLA1222→レシオ検波
 ・MPX回路:LA3350 PLL-MPX IC
 ・AM基板:HA1138
 ・IFバンド切替機能無し
 ・電源回路の立派な電解コンデンサ。2200uF+2200uFデュアルタイプ。
 ・基板裏面を見ると配線パターンがシンプルでとても分かりやすい。

Fmt130120Fmt130121Fmt130122Fmt130123Fmt130130
Fmt130131Fmt130132Fmt130133Fmt130134Fmt130135

 ・選局ツマミとFUNCTION切替ツマミがアルミ無垢。
 ・シャーシ側面に担当者ごとの検査印。
 ・技術者一人一人が責任持って製造している様子が想像できます。

Fmt130136Fmt130137Fmt130138Fmt130139Fmt130140
Fmt130150Fmt130152Fmt130153Fmt130155Fmt130156

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・基板上に部品番号が無いものは適当に命名しました。

Fmt1301algn

【電源電圧調整】
 ・VR03調整→TP4 ※11.8V 確認のみ(IF回路)
 ・VR04調整→TP5 ※12.0V 確認のみ(MPX回路)
【レシオ検波調整】
 ・受信モード→AUTO
 ・FREQ-LOCK→OFF
 ・離調して何も受信しない状態
 ・FM-L01上段コア → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・OSCコアLo調整→76MHz Sメーター最大
 ・OSCトリマTCo調整→90MHz Sメーター最大
【FM RF調整】
 ・76MHz受信→LA,LR1,LR2→Sメーター最大
 ・90MHz受信→TCA,TCR1,TCR2→Sメーター最大
 ・上記作業を数回繰り返す
 ・83MHz受信→IF調整→Sメーター最大
【レシオ検波歪調整】
 ・受信モード→AUTO
 ・FREQ-LOCK→OFF
 ・離調して何も受信しない状態
 ・83MHz受信→FM-L01下段コア→二次高調波歪最小
【MUTING調整】
 ・83MHz受信→FM-L02調整→TP2電圧最大
【VCO調整】
 ・19kHzTPに周波数カウンタ接続
 ・VR01調整→76kHz±100Hz
【セパレーション調整】
 ・VR02調整→左右のセパレーション値最大
【AM部調整】
 ・背面バーアンテナ、AM-L01、AM-L02
 ・フロントエンド AM1,AM2,AM3

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・正面パネルのデザインは好みが分かれるところでしょうか。
 ・でもオレンジ色の照明は結構良い雰囲気です。
 ・受信能力、歪率などFM部は期待以上に優秀でした。

Fmt130104

FPGAチューナー 1号機(改)

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 ・これは2012年10月に製作した FPGAチューナー1号機です。
 ・早いものですね、、気が付けばもう丸3年が経過しました。
 ・この1号機は SDレコーダーと組み合わせて留守録専用機として活用しています。
 ・留守録といってもNHK-FM以外を選局することは無いので NHK-FM専用システムです。
 ・実に安定して稼働しており、この3年間でマシントラブルは一度もありません。

Fpga108

 ・これだけ安定しているのにわざわざ環境を変えるなんて、、と躊躇っていたのですが、、
 ・今回、最新版へのバージョンアップを思い立ち、実行しました。

■FPGAバージョンアップ------------------------------------------------

 ・最新版はセパレーション性能向上や S/PDIF 24bit化が魅力です。
 ・さらにFM補完放送の90~95MHz帯も受信可能になったそうです。
 ・登録できるFM局が4局から8局に増えています。
 ・私にはFPGAの書き換え環境と技術が無いので、 開発者の林さまにお願いしました。
 ・FPGA基板を取り外して林さまに送付、書き換わった基板が返送されてきました。

Fpga103

 ・あとは書き換わったFPGA基板をチューナー基板に合体するだけ。
 ・難しい改造は一切なし。ただしピンヘッダ設定が大幅に変わってるので要注意。
 ・そういえば「アナログ出力左右入れ替え設定」が無くなってる、、

  <登録8局>
  ・10.7MHz 実験用
  ・77.8NHz ZIP-FM
  ・78.9MHz FM三重
  ・79.5MHz Inter-FM
  ・80.7MHz FM愛知
  ・82.5MHz NHK-FM 名古屋
  ・92.9MHz 東海ラジオ(FM補完放送)
  ・93.7MHz CBCラジオ(FM補完放送)

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・登録していただいたFM局が正常に受信できることを確認しました。
 ・その後、DIPスイッチで82.5MHz(NHK-FM)にセットしてラックケースに戻しました。
 ・NHK-FMエアチェック専用機として引き続き運用していきます。
 ・林さまには大変お世話になりました。誠にありがとうございました。

Fpga106

Denon_fpga01_11

■FM補完放送----------------------------------------------------------

 ・FM補完放送も登録していただきましたが、残念ながらこの1号機では受信できません。
 ・90MHz以上を受信するには最新ファーム以外にフロントエンド部の改造が必要です。
 ・この件は2号機(改)に続く。

 ・ちなみに名古屋地区では東海ラジオとCBCラジオが現在試験放送中です。
 ・2015年10月1日午前9時からFM補完放送が正式スタートします。
 ・ONKYO T-422M

Amfm00

TRIO KT-9900

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 ・2015年8月末、あの KT-9900 の修理調整作業を承りました。
 ・言わずと知れたトリオの高級機です。

Kt990011

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-9900 ¥200,000
 ・オーディオの足跡 TRIO KT-9900 ¥200,000(1978年発売)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-917
 ・取扱説明書 KENWOODダウンロードサイトから入手可能

  ・1976年 KT-9700 ¥150,000円 初のパルスカウント検波搭載機
  ・1977年 KT-8000 ¥ 69,800円 中級機初のパルスカウント検波搭載
  ・1978年 KT-9900 ¥200,000円 パルスカウント検波回路のIC化、サンプリングホールドMPX
  ・1978年 KT-8300 ¥ 63,000円 パルスカウント検波回路のIC化

Kt990001Kt990014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・KT-9900(W460×H161×D463mm,15kg)アンプ並みの巨艦サイズ。
 ・SANSUI TU-X1(W480×H169×D450mm,16.2kg)に匹敵する大きさ。
 ・フロントパネルやボディは既に清掃済みのようでとても美しい。
 ・背面に並ぶ端子類もサビやクスミは無くキレイな状態。
 ・天板にわずかにひっかき傷がある程度で保存状態はとても良い。
 ・電源コードが3Pインレットタイプに交換されている。
 ・底面を見るとKENWOODサービスの修理シールが5枚も貼ってある。
 ・底面の放熱口を通して電源基板に並ぶ緑MUSEの電解コンデンサが見える。
 ・メーカーサービスの修理歴多数、かつ相当手が加えられた個体のようです。

Kt990041_2Kt990042_2Kt990043_3Kt990045Kt990019

 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン!
 ・周波数窓照明点灯。メーター照明点灯。DIMMER機能OK。
 ・Tメーター、Sメーター動作OK。Tメーターは中点に引き込まれる感じ。
 ・DEVIATIONメーターが常時100%以上に振り切れる。
 ・MULTIPATHメーターに切り替えると動作は正常の模様。
 ・IF BAND(NARROW,NORMAL,WIDE)切替OK。緑色インジケーター点灯。
 ・MUTING(OFF,10dB,20dB)それぞれ動作OK。橙色インジケーター点灯。
 ・DLLインジケーター点灯、STEREOインジケーター点灯。
 ・あれ? NHK-FMをしばらく聴いたところ VICSノイズを感じない?
 ・この件は再調整後に再度確認します(後述)。

Kt990003Kt990009Kt990010Kt990004Kt990005

 <ご指摘の不具合症状>
  ・DEVIATIONメーターの動作がおかしい。
  ・電源投入直後はメーター針が100%以上に振り切れ、しばらく経つと0%で静止。
  ・MULTIPATHメーターとしては正常動作している模様。
 <不具合状況>
  ・ご指摘の不具合症状を確認しました。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM専用9連バリコン、これは芸術品ですね。
 ・HA1137WでTメーター、Sメーター駆動
 ・パルスカウント検波
 ・HA11223W によるMPX
 ・HA1156W(裏面DDL基板)動作原理は?

Kt990020Kt990028Kt990041Kt990043

【取扱説明書から抜粋】
●高精度9連バリコン使用の高性能フロントエンド
発振回路内蔵、FM専用周波数直線9連バリコン、定評のあるDD-MOS FETおよびリニアリティのすぐれたJ-FET、本格的なショットキ・バリヤダイオード使用の高性能ダブルバランスドミキサー、Tuned Buffer付き発振回路等を採用した高性能フロントエンドにより、混変調、相互変調の大幅向上、さらにイメージ比、スプリアス妨害比等で高い妨害排除能力を示し、しかもきわめて高安定に働きます。

Kt990021Kt990022Kt990023Kt990024Kt990025

●DDL (Distortion Detected Loop)による完全ロック機構
オーディオ機器としてチューナーに要求されることは、放送を歪の少ない状態で、かつ安定に受信することです。本機では、歪そのものを検出していつも歪率最少点で受信する自動制御回路(DDL)を新開発し、採用しています。

Kt990043_2Kt990046Kt990047Kt990048Kt990009_2

●IF帯域3段切替方式の採用
通常の音質を重視したリスニングでは超低歪率のWIDE(広帯域)バンドで、400kHzの局間地域ではNORMAL(中帯域)で、高選択度特性によりクリアにお聞きになるときはNARROW(狭帯域)でと受信環境に応じて3段階に切り替えることができます。

Kt990030Kt990031Kt990033Kt990032Kt990004_2

●ダブルコンバート方式によるSN比の大幅な改善
第1IF周波数10.7MHzをさらに第2IF周波数1.96MHzに変換するダブルコンバート方式の採用により、相対周波数偏移が上がるため検波効率も上がり、SN比を大幅に改善しています。またダブルコンバート方式の重要な部分である第2コンバーター部にもダブル・バランスドミキサーICを用いより十分な特性をもたせ、パルスカウント検波回路を確実に駆動させています。

●パルスカウント方式による広帯域検波部
この検波方式は、周波数変調信号を一定幅のパルス信号に変換し、それを積分して出力信号を得るもので直線検波ができます。このため歪みは全くありません。また直線検波帯域が広いので、ダブルコンバート方式を用いてSN比を改善することができます。
パルスカウント検波器にはインダクタンスなどの不安定要素が不要で、しかも調整箇所がないので経年変化がほとんどなく、環境変化に対しても安定した動作が得られます。

Kt990034Kt990035Kt9900101Kt9900102Kt9900104

●新開発サンプリングホールドMPX採用
パルスカウントの技術ポリシーをさらにMPX復調部へと展開、L,Rの信号を精確にとらえ完全分離が行えるほか、実際の動作で発生するキャリア・リークなどの不要信号を抑え、音質改善のテーマに大きな新技術をもう1枚加えました。

●クリーンサブキャリア方式によるパイロットキャンセラー回路を採用し、ビートディストーションを改善
パイロットキャンセラー回路は、高域周波数特性、位相特性を犠牲にすることなく19kHzのパイロット信号を除去させることができますが、音質上の劣化をもたらすビートディストーションを悪化させる要因ももっています。本機ではクリーンサブキャリア方式の応用により、ビートディストーションを抑え音質の改善を計っています。

Kt990036Kt990037Kt990038Kt990039Kt990065

●オート・クワィティング・コントロールの採用
・電波の弱いところで良好なSN比で受信することは難しいことですが、本機には入力によって良好な受信ができるよう新開発のAUTO QUIETING CONTROL が採用されています。このスイッチのAUTOの位置でL,Rのブレンド量が自動的に変わるようになっています。

Kt990005_2Kt990007Kt990008Kt990010_2Kt990016

●便利で使いやすい機能
・90dBfまでリニアに動作する電界強度指示型SIGNALメーター
・変調度によりメーター指示が変化しないので正しいアンテナ位置を知りやすい38kHz検出型MALTIPATHメーター。FM MULTIPATH観測用端子付き
・アンテナ入力に応じて使い分けできる2段切替MUTINGスイッチ。
・エアチェックに便利なピーク検出型でdBと%表示のDEVIATIONメーター。
・2組のアンテナ端子とアンテナ切替スイッチ付。

■修理記録1:DEVIATIONメーター不調------------------------------------

 ・MULTIPATHメーターとしては動作しているのでメーター自体の故障ではない。
 ・DEVIATIONメーター駆動回路の故障か?
 ・回路図を確認すると MPX基板(X04-)IC4(JRC4558D)が怪しいか?
 ・新品の同型オペアンプに交換。これでDEVIATIONメーターの動作が正常になりました。
 ・後述調整で75kHz変調=100%にセットしました。

Kt990080Kt990081Kt990082Kt990085Kt990083

 ・オペアンプ交換のためにMPX基板を裏返そうとしましたが、、
 ・裏面で配線が絡み合って、これは面倒な作業です。
 ・基板を外すことは諦めて、45度ほど基板を傾けた状態で交換しました。
 ・この機種のメンテナンスはかなり大変です。

■調整記録------------------------------------------------------------

Kt99001Kt99002

【本体設定】
 ・MUTING:OFF
 ・MODE:STEREO
 ・IF BAND:NORMAL
【基板番号】実機
 ・X01-1290-00:J25-1613-02:フロントエンド基板
 ・X02-1150-00:J25-1614-02:IF基板
 ・X02-1160-00:J25-1618-03:パルスカウント基板
 ・X04-1110-11:J25-1626-02:MPX基板
 ・X13-2600-00:J25-1619-13:separation4
 ・X13-2610-11:J25-1615-13:DDL基板
 ・X00-2020-00:J25-1627-03:電源基板
【T METER調整(1)】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → 選局つまみを回して最適受信ポジションを探す。
【T METER調整(2)】
 ・上記最適受信ポジションにて選局つまみに手を触れた状態で。
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → L22(X02-)調整 → Tメーター中点
【DISTORTION調整】
 ・上記最適受信ポジションにて、選局つまみから手を離した状態で。
 ・IC8-6ピン=C47(TP)Wavespectra接続
  ※IC8-6ピン=HA1137W-6ピン=クアドラチュア検波出力
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → L23(X02-)調整 → 高調波歪最小
【OSC調整】※SMに記載無し
 ・周波数目盛り83MHz位置にセット。
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → OSCトリマ調整 → ※
  ※OSC部は密閉構造で、調整口は一つしか開いていません。
  ※中を覗くとトリマが見えます。
【TRACKING調整(1),(3)】
 ・周波数目盛り76MHz位置にセット。
 ・76MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → L2,L1(X01-)調整 → Sメーター最大
 ・76MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → L7,L6,L5,L4,L3(X01-)調整 → Sメーター最大
【RACKING調整(2),(4)】
 ・周波数目盛り90MHz位置にセット。
 ・90MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → TC2,TC1(X01-)調整 → Sメーター最大
 ・90MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → TC7,TC6,TC5,TC4,TC3(X01-)調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → VR1,TC8(X01-)調整 → Sメーター最大
【パルスカウント検波調整】
 ・IF基板(X02-)25ピンに周波数カウンタ接続
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → L19(X02-)調整 → 1.965MHz ※実測2.01MHz
【DDL調整(1)】
 ・R101に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)受信 → VR2(X13-2610)調整 → 96kHz ※実測102kHz
【DDL調整(2)】
 ・C17とR111の交点をGNDに落とす。
 ・R101→オシロV端子、IC13-4ピン→オシロH端子 → リサージュ波形観察
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → VR1(X13-2610)調整 → 指定波形
  ※HA1156W(FM MPX IC)本来VR1=VCO調整→ 10ピン=19kHzモニタ端子
  ※HA1156W-10ピン → 95kHzになる
【DDL調整(3) OFFSET】
 ・IC1-7ピン(R1右側)と3ピン(C1右側)を短絡。C17-R111の交点→GND。
 ・IC6-1ピン(R94左側)にDC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → VR3(X13-2610)調整 → 0V
【MPX-VCO調整】
 ・C16=HA11223W-16ピン(X04-)に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → VR2(X04-)調整 → 76kHz
【S METER調整(1)】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)受信 → L27(X02-)調整 → Sメーター最大振れ位置
【S METER調整(2)】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,74dB)受信 → VR2(X02-)調整 → Sメーター80dBf位置
【S METER調整(3)】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,14dB)受信 → VR1(X02-)調整 → Sメーター20dBf位置
【DDL MUTING調整】
 ・83MHz(無変調,35dBf on Smeter)受信 → VR3(X02-)調整 → DDL LED点灯※
  ※VR3を回してLEDを一旦消灯させ、再度逆方向に回してLED点灯位置にセット。
【MUTING調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,20dBf on Smeter)受信 → VR4(X02-)調整 → ※
  ※VR4を回して音声が消える位置にし、再度逆方向に回して音声が現れる位置にセット。
【SUB調整】
 ・83MHz(1kHz,91%変調+19kHz,9%変調,60dB,L-R)受信 → VR1,5,6(X04-)調整 → ※
  ※初めにVR1を中央にセットし、VR5,VR6を回してL信号最大位置へ。
【PILOT CANCELLER調整】
 ・83MHz(19kHz,9%変調,60db)受信 → VR3,L5(X04-)調整 → 19kHz信号最小へ
  ※Lch,Rchのバランス確認
【DISTORTION(STEREO)調整】IF BAND=WIDE
 ・83MHz(1kHz,91%変調+19kHz,9%変調,60dB,L+R)受信 → L8(X01-)調整 → 高調波歪最小
【SEPARATION(1)】IF BAND=NARROW
 ・83MHz(1kHz,91%変調+19kHz,9%変調,60dB,LorR)受信 → VR9(X04-)調整 → 反対chへの漏れ最小
【SEPARATION(2)】IF BAND=WIDE
 ・83MHz(1kHz,91%変調+19kHz,9%変調,60dB,LorR)受信 → VR8(X04-)調整 → 反対chへの漏れ最小
【SEPARATION(3)】IF BAND=WIDE
 ・83MHz(10kHz,91%変調+19kHz,9%変調,60dB,LorR)受信 → FL2(X04-)調整 → 反対chへの漏れ最小
  ※十分な効果が見られない場合はVR5とVR6を僅かに回してみる。
  ※回し過ぎると1kHzのセパレーションが悪化する。
【SEPARATION(4)】IF BAND=NORMAL
 ・83MHz(1kHz,91%変調+19kHz,9%変調,60dB,LorR)受信 → VR1(X13-)調整 → 反対chへの漏れ最小
【SCA(1)】IF BAND=NORMAL
 ・MEGURO DARC ENCODER MSG-2170でFM多重信号を生成
  ※L&R=80%、Pilot=10%、DARC=10%
  ※KT-9900の受信音にDARC信号によるノイズ確認
 ・L6調整 → D4(X04-)カソード側DC電圧最大へ
【SCA(2)】IF BAND=NORMAL
 ・MEGURO DARC ENCODER MSG-2170でFM多重信号を生成
  ※L&R=80%、Pilot=10%、DARC=10%
  ※KT-9900の受信音にDARC信号によるノイズ確認
 ・VR4調整 → IC2-7pin(X04-)電圧測定 → +電圧が-電圧に変わる位置に設定
  ※IC2-7pin電圧が+→-に変わることでSCAフィルター回路のスイッチオン。
  ※L-01Tで確かめた調整方法が使えました。
【D METER】IF BAND=NORMAL
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → VR7(X04-)調整 → Dメーター目盛100%

Kt990061Kt990062Kt990063Kt990066Kt990067
Kt990071Kt990073Kt990074Kt990075Kt990076

■FM文字多重放送(DARC)によるノイズ問題------------------------------

 ・KT-9900とL-01TはFM文字多重放送(DARC)によるノイズ問題を抱えています。
 ・回路図を見ると、L-01TとKT-9900のSCA周りの回路はほぼ同じです。
 ・2014年11月、KENWOOD L-01Tの調整を行いました。
 ・このとき、SCA調整方法をアレンジしてノイズ問題を回避できることを確認しました。
 ・L-01Tで確かめた調整方法がKT-9900でも使えるか?
 ・これが今回の作業の大きな関心事でした。
 ・最初の動作確認時、NHK-FMを聴いても不快なノイズは感じなかったです。
 ・当初はNHK-FMのVICS問題は解消したか?と思いました。
 ・でもやはりFM多重放送によるノイズ問題は存在しました。
 ・ノイズの有無はWavespectraの観察で波形ではっきり分かります。
 ・不思議にノイズが無いときもあります。
 ・ノイズがある時、ない時、その規則性がよく分かりません。
 ・放送とは無関係にVICS信号の内容や変調具合によるのかもしれません。

L01t94Kt990066_2Kt990067_2

 ・MEGURO DARC ENCODER MSG-2170 FM多重信号の変調レベルを変えながら確認。
  ・L&R=80%、Pilot=10%、DARC=10% → ノイズ発生
  ・L&R=85%、Pilot=10%、DARC= 5% → ノイズ発生しない

 ・L-01Tと同じ調整手法でVICSノイズを回避できることを確認しました。
 ・ところがこの調整後に実際のNHK-FMを聴くと大きな問題がありました。
 ・VICSノイズを感じるときは、SCAフィルターのスイッチが頻繁にON/OFFを繰り返します。
 ・このON/OFF動作が耳障りなノイズ「プチ、プチ」として数秒ごとに聴こえます。
 ・聴くに耐えないので、SCA調整はオリジナルの状態に戻しました。
 ・背後にセミの鳴き声が聴こえる方がまだマシです。

■VICS WIDE-----------------------------------------------------------

 ・調べてみると、2015年4月23日 VICS WIDEが始まっていました。
  ・VICSは「Vehicle Information and Communication System」の略。
  ・1996年にサービス開始、今年で20周年。
  ・渋滞や交通規制などの道路交通情報をリアルタイムに送信。
  ・車載器に文字・図形で表示する情報通信システムで、24時間365日稼動
  ・2015年4月23日より伝送容量を最大50KBから最大100KBへと約2倍に拡大。
  ・より高精度な渋滞回避情報の提供開始。
 ・もしかしたらVICS WIDE開始に伴って何かが変わったかも?

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・大型メーター、淡いオレンジ照明、フロントパネルのデザインは上品で高級感たっぷり。
 ・電源オンから音が出るまで約5秒。
 ・NHK-FMでは多重放送の影響がありますが、民放局は良い音で受信できています。
 ・これで修理完了と思ったところ、別の不具合発覚。

Kt990002

 ・1時間に1回あるかないかの不定期に「プチっ」という僅かなノイズが混じります。
 ・休日の午後、メーター類やLEDインジケーターとにらめっこでノイズ発生を待ちました。
 ・ノイズ発生時にメーター動作やインジケーターの明滅など顕著な反応は無いようです。
 ・念のためマルチパスH端子の音でも確認しました。
 ・やはり同じ「プチっ」とノイズが不定期に混じります。

 ・これは原因特定は難しい、、と思っていたらさらに別の不具合確認。
 ・稀にRchの音が出なくなります。このときLchの音は正常です。
 ・Rchの音が出ないときもメーター動作やインジケーターの点灯に不具合無し。
 ・IF BAND切替やアンテナ切替などを操作しているうち復旧するという症状です。
 ・さらに作業は続くことになりました。

■修理記録2:「プチッ」ノイズ----------------------------------------

 ・気になるノイズは固定出力/可変出力ともに出てきます。
 ・マルチパスH端子からも同様の「プチっ」ノイズが出てきます。
 ・回路図で確認すると、マルチパスH端子=MPX基板3番端子=1番端子。
 ・つまりパルスカウント検波で得られたコンポジット信号です。
 ・念のためもう一つ、IC8(HA1137W)6ピンのクアドラチュア検波の音を確認。
 ・かなり時間をかけて確認しましたが、ここの音には「プチっ」ノイズは確認できない。
 ・という事はノイズ源はやはりパルスカウント検波か?

 ・パルスカウント検波回路を載せた基板は本体背面に縦置きに配置されています。
 ・コネクタを外すと基板ごと簡単に外せます。
 ・取り外す前にトランジスタ脚の電圧確認。特に異常無さそうです。
 ・外した基板を眺めるとトランジスタの脚が黒くなっている。
 ・裏返してみると、IC3(HA1157W)は既に交換されてた痕跡あり。
 ・IC4(4558DD)と同じ4558DDの在庫があったのでとりあえず交換。
 ・これで様子を見ていますが、今のところノイズは出ていません。
 ・確認時間が短くてノイズに遭遇できていない可能性あります。

Kt9900101_2Kt9900102_2Kt9900103Kt9900104_2Kt9900106

■修理記録3:音切れ(Rchの音が出なくなる)---------------------------

 ・Lchの音は正常、Rchの音だけが出なくなる症状です。
 ・ということは、MPX回路で復調後のどこかに原因があるか?
 ・基板上の端子から信号を引き出しながら丹念に確認。
  ・Lch信号→ MPX基板16端子 → 35端子 → RL1 → 42端子 → Lch出力
  ・Rch信号→ MPX基板17端子 → 36端子 → RL1 → 45端子 → FIX出力
 ・調査の結果、リレーRL1(X13-)が怪しい感じです。
 ・部品取り用のTRIO KT-8300基板に同じ型番のリレーがありました。
 ・これを取り外してKT-9900に移植しました。

Kt9900107Kt9900108Kt9900109Kt9900111Kt9900113

■再試聴--------------------------------------------------------------

 ・1週間ほど動作確認しましたが不具合の再発は無さそうです。
 ・この状態でお返ししますので依頼者様の環境で動作確認をお願いします。

Kt990013

KENWOOD KT-2020 修理調整記録

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 ・2015年9月、KT-2020の調整を承りました。
 ・そういえば過去の記事では調整記録を残していなかったです。
 ・以下、作業のご報告です。

Kt202003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-2020 ¥74,800(1984年頃)
 ・輸出機 KENWOOD KT-990SD
 ・ただネット検索しても海外機の情報が乏しいです。
 ・KT-990Dは別機種です。

Kt202002Kt202009

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・AMループアンテナ付属。
 ・フロントパネルにキズは見当たらないが、天板に数箇所の塗装はげ。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。表示管がキレイに点灯。
 ・オート選局、マニュアル選局とも周波数ズレなし。
 ・Tメーター、Sメーターのセグメント点灯。STEREOランプ点灯。
 ・WIDE/NARROW切替OK。REC CAL OK。メモリボタン動作OK。
 ・各種ボタン操作に軽快に反応する。切替動作正常。
 ・RFセレクターはDISTANCE限定。LOCALは選択できない。
 ・付属AMループアンテナでAM放送の受信確認。
 ・AM放送もオート選局、マニュアル選局とも正常に受信。
 ・スライドVR式のAM IF BANDも動作を確認。
 ・AM受信で周波数表示の千の桁だけ表示薄いことを発見。

Kt202004Kt202005Kt202006Kt202008Kt202011

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・以前KT-2020の記事を書いたとき、海外の方から問合せをいただきました。
 ・「海外機KT-990SDではC104が逆になっているがKT-2020ではどうか?」
 ・今回のKT-2020もシルク印刷と実装が逆ですね。
 ・これはシルク印刷のミス、実装が正解です。

Kt202040Kt202041

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・D-3300Tの経験を踏まえて作業しました。

Kt2020_align

【VT電圧】
 ・TP1~GND DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz →  L7調整 → 3.0V±0.1V ※実測 3.3V
 ・90MHz → TC5調整 →25.0V±0.1V ※実測25.7V
【検波調整】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L13調整 → 0.0V±10mV
 ・TP5~GND DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L15調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・76MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1,L2,L3,L6調整 → 電圧最大
 ・90MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ TC1~TC4調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L5調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 上段基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MPX VCO調整】
 ・TP16に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dBf) → VR12調整 → 76.00kHz±50Hz
【PILOT CANCEL調整】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dB)→ VR8調整 → 19kHz信号最小
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dB)→ L25調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR2:DET調整 → 歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR3:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR5調整 → 歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR4調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 L】
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR10調整 → L信号もれ最小
【SEPARATION調整2 R】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR11調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整3 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR9調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz(mono信号,1kHz,100%変調,80dB)→ 上段基板VR1調整 → 100%位置
【AM簡易調整】
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L22調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信  → TC9調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L24調整 → Sメーター最大

Kt202020Kt202021Kt202022Kt202023Kt202024
Kt202025Kt202026Kt202027Kt202028Kt202030
Kt202031Kt202032Kt202033Kt202034Kt202035

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・さすがケンウッドの上位機種ですね。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。

Kt202007

VICTOR T-55

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 ・2015年8月夏休み、HOでジャンク品を買いました。税込1,080円。
 ・第一印象で VICTOR T-2020によく似ていると感じました。
 ・外観だけでなくチューニングつまみを回すときの重厚フィーリングも同じ。
 ・これはPTL検波を搭載した新機種発見か?

T5505

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 VICTOR T-55 ¥45,000(1978年頃)

T5503T5504

 <T-55の特徴 ~オーディオの足跡から引用~>
  ・上位機 JT-V77と同等のフロントエンドやIF、MPX回路を採用。
  ・新設計の広帯域検波回路搭載。
 ・つまり検波部以外はJT-V77と同等ということ。
 ・JT-V77を調べてみると検波部は PTL(Phase Tracking Loop)方式です。
 ・ということは T-55の検波回路はPTL方式ではなくて「新設計の広帯域検波回路」。
 ・「新設計の広帯域検波回路」って何でしょう?

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源オン。周波数窓の照明は上品な白色です。
 ・TメーターとSメーターはLED点灯タイプ。※要確認:LEDかフィラメント電球か?
 ・+0.3MHzの周波数ズレ。
 ・Tメーター中点とSメーター最大点が一致しない。
 ・STEREOランプ点灯、HOLDランプ点灯。MUTING動作OK。RECトーンOK。
 ・OUTPUTレベルVRに多少のガリ。
 ・AMもOK。
 ・大きな不具合は無さそうです。

T5501T5506T5507T5508T5510

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM4連、AM2連バリコン
 ・HA11211 FM-IF
 ・HA11223W PLL-MPX
 ・HA1197 AM SYSTEM

T5520T5523T5524T5525T5526
T5527T5528T5529T5530T5531

 ・基板の配置はT-2020によく似た感じです。
 ・でも検波回路はずいぶん異なります。
 ・「新設計の広帯域検波回路」とはHA11211を使ったクアドラチュア検波でした。
 ・特別な付加回路は無さそうです。
 ・残念、新種発見ならず、、でした。
 ・SメーターとTメーターはLED式でした。
 ・見た目はT-2020と似ていますが、T-2020はフィラメント電球を並べていました。

T5512T5513T5514

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・TP13-TP14間にDC電圧計セット(Tメーター電圧)
 ・83MHz受信 最適受信位置を探す
 ・T102上段コア → ±0V
【FM OSC調整】
 ・TP-12 DC電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・76MHz受信→L104調整→ 電圧最大
 ・90MHz調整→TC104調整→電圧最大
【FM RF調整】
 ・76MHz受信→L101,L102,L103調整→Sメーター最大
 ・90MHz受信→TC101,TC102,TC103調整→Sメーター最大
 ・上記作業を数回繰り返す
 ・83MHz受信→T101調整→Sメーター最大
【検波歪調整】
 ・WaveSpectraにて観測
 ・83MHz受信→T102下段コア→二次高調波歪最小
【VCO調整】
 ・TP18に周波数カウンタ接続
 ・R191調整→76kHz±100Hz
【パイロットキャンセル調整】
 ・WaveSpectraにて観測
 ・R195調整→19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整】
 ・R326調整→Rch
 ・R327調整→Lch
【REC レベル調整】
 ・R336調整→ メイン出力-6dB
【AM部調整】
 ・背面バーアンテナ、L107
 ・フロントエンド TC-AM1,TC-AM2

Victor_t55

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・性能は並みクラスですが、白く浮き上がる照明窓が上品な印象です。
 ・緑色LEDメーターがくっきり明るくて周波数窓とよい対比です。
 ・チューニングつまみの回転フィーリングがずっしり重くて高級感あります。

T5511

FPGAチューナー 2号機(改)

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 ・2015年10月、FPGAチューナー2号機(改)がほぼ完成しました。
 ・そもそも 2号機 は3年前の2012年10月、1号機に続いて製作したものです。
 ・裸基板のままあちこち改造して10.7MHzの活用方法を研究しました。
 ・実験としては多くの収穫があって有用でしたが、その後は結局放置状態に、、
 ・そんな不遇な 2号機が最新フルカバレッジ版として生まれ変わりました。

Fpga273

■FPGAバージョンアップ------------------------------------------------

 ・後述のフロントエンド基板と接続する前提で 林様にFPGAの書き換えをお願いしました。
 ・1号機の基板と一緒に林様に送付、書き換わった基板が返送されてきました。
 ・2号機用に水晶発振器(69.12MHz、@1,000円)の頒布もお願いしました。
  <登録8局>
   ・10.7MHz 実験用
   ・77.8NHz ZIP-FM
   ・78.9MHz FM三重
   ・79.5MHz Inter-FM
   ・80.7MHz FM愛知
   ・82.5MHz NHK-FM 名古屋
   ・92.9MHz 東海ラジオ(FM補完放送)
   ・93.7MHz CBCラジオ(FM補完放送)

Fpga271

■フルカバレッジ用フロントエンド基板----------------------------------

 ・私の技量ではフロントエンド部の改造作業は到底無理です。
 ・そこで港北ネットワークサービス社のフロントエンド基板(完成品)を購入しました。
 ・接続用の端子付き同軸ケーブル、電源ケーブルが付属で税込送料込み8,000円。
 ・詳しい説明書、基板固有の測定データも同梱でした。

Fpga220Fpga222Fpga223Fpga224Fpga226

■FPGAチューナー基板改造----------------------------------------------

 ・購入したフロントエンド基板を接続するためのオリジナル基板改造です。
 ・オリジナル基板のフロントエンド部を切り離すため R102,R106,C114を外す。
 ・T201 にフロントエンド基板からの同軸ケーブルをはんだ付け。
 ・旧水晶発振器(73.728MHz)取り外して新水晶発振器(69.12MHz)に交換。
 ・作業はこれだけですが、水晶発振器の取り外し作業は結構難易度が高かったです。
 ・将来的にはオリジナル設計のフルカバレッジ用基板の登場を期待します。

Fpga201Fpga203Fpga204Fpga206Fpga205

 ・はんだ作業を終えて仮配線で動作確認。
 ・DIPスイッチの切替操作で登録した8局が受信できました。
 ・この時点で試験放送中だったFM補完放送も受信OK。
 ・良かった~、ホッと一安心。

Fpga212

■The Nice Control RE2 for FPGA tuner製作-----------------------------

 ・フルカバレッジ版FPGAチューナー用コントローラです。
 ・ひろくん様から書き込み済み PIC16F886 とオリジナル基板をお譲りいただきました。
 ・指定部品を調達して組み立て完了。
 ・LCDに仮接続して動作確認、、ところが何も表示されない、、
 ・一瞬焦りましたが、基板上のVR1でLCDの濃淡調整してOK。

Fpga232Fpga233Fpga234Fpga235Fpga236

■専用ケース製作------------------------------------------------------

 ・手元に奥行15cmの1Uラックトレイが余っていたのでこれを活用しました。
 ・ラックトレイ前面にアルミL字材(12mm×12mm×1mm)でフレーム製作。
 ・スイッチを載せる基板、LCD基板、ロータリーエンコーダを載せる基板を配置。
 ・LCD基板の高さは45mmで 1Uラックにピッタリサイズです。
 ・一方ひろくん様の専用コントローラー基板は高さが50mmあります。
 ・設計通りにLCD基板の背中にセットすると残念ながら 1Uラックに収まりません。
 ・そこでラックトレイ上に他の基板と並べて平置きしました。
 ・LCD基板とはコネクタ付フラットケーブルで接続しました。

Fpga250Fpga242Fpga243Fpga251Fpga252

 ・フロントパネルはTRIO KT-990やKT-900のガラスパネルをイメージして作ってみました。
 ・といっても2枚のアクリル板を重ねただけです。
 ・1枚は2mm厚の透明アクリル板にLCD用の窓を開け、裏面に銀色のスプレー塗料を塗布。
 ・その前面に3mm厚のアクリル板(透明スモーク)を重ねました。
 ・2枚重ねて固定してからドリルでスイッチ用の穴あけ。
 ・パネル文字はイラストレーターで制作して透明フィルムシートに印刷。
 ・シートを2枚のアクリル板に挟んでセットすると文字に不思議な奥行き感を演出できます。
 ・あとLCD前面に東急ハンズで買った偏光フィルターを切って貼り付けました。
 ・LCD表示のギラツキが抑えられて落ち着いた感じになります。
 ・仕上げは SONY ST-5150 から部品取りしてあったチューニングつまみを2個並べて装着。
 ・最終的に奥行20cmの1Uラックケースに収納しました。

Fpga265Fpga260Fpga253Fpga266Fpga268

 ・穴あけ位置は見事にピッタリでしたが、LCDの窓開け位置が予定より3mmほどズレました。
 ・正面から見るとちょっと不細工ですが、でも上々の出来栄えと自画自賛です。
 ・あとはリモコン受光発光部の製作、背面パネル製作、電源周りの整理が宿題。
 ・このままでもいいかなと思いつつ、残作業を進めてみます。

Fpga262Fpga261Fpga263Fpga264Fpga270

■試聴--------------------------------------------------------------

 ・ボタン操作や選局操作は問題なし。もちろんFM性能に文句なし。
 ・10月から本放送が始まったFM補完放送もバッチリ受信OK。
 ・名古屋地区のFM補完放送は岐阜県境にある三国山から送信されています。
 ・ここは昔、RADIO-i(愛知国際放送)が79.5MHzで送信していた場所。
 ・自宅から三国山までは直線距離で約33km、電波強度はさすがにちょっと弱め。

Fpga290

SONY ST-S333ESXII 修理調整記録5

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 ・2015年9月末、ST-S333ESXIIの調整作業を承りました。
 ・特に故障箇所は無かったので各部再調整だけ行いました。
 ・以下、作業記録です。

333esxii08

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
 ・1987年10月発行 SONY ES テクノロジーカタログ
 ・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル

333esxii02333esxii04

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・天板に擦り傷。フロントパネルとサイドウッドはほぼ無傷。
 ・電源OK。FM受信OK。周波数ズレなし。AUTO選局OK。
 ・IF BAND切替OK。MUTING動作OK。STEREOランプ点灯。
 ・CAL TONE出力 OK。
 ・手持ちのループアンテナでAM受信確認OK。
 ・特に不具合は感じません。

333esxii07

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・修理調整記録4で最終オーディオ回路のLPFに新種を発見しました。
 ・今回の個体は、過去に多く見たアクティブ型でした。
 ・MPX-ICは今回もCXA1064。LA3450を搭載した個体にはなかなか遭遇しません。
 ・このシーズの定番、裏面にGNDハンダクラック多数。

333esxii10333esxii12333esxii13333esxii14333esxii15
333esxii16333esxii18333esxii20333esxii21333esxii22

■修理記録・ハンダクラック修正----------------------------------------

 ・不具合としては発症していませんが予防措置です。
 ・クラック箇所を修正しました。

333esxii11333esxii30333esxii31333esxii32

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・海外版SMの記述をベースにして一部アレンジ。

【FM同調点調整】
 ・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測615mV
 【VT電圧調整】
 ・IC803-5pin電圧測定
 ・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.6V
 ・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測8.05V
【SST回路調整】
 ・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
 ・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V
 ・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測14.0V
【トラッキング調整】
 ・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
 ・76MHz L101,L102,L103
 ・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
 ・TP201をGNDに落とす
 ・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測218mV
 ・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
 ・Wide受信、MUTINGオフ
 ・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
 ・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 電圧最大へ
  ・IFT101調整 電圧最大へ
 ・SSG出力80dBにセット
  ・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
 ・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
  ・IFT202調整 電圧計最大へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯
【パイロットキャンセル】
 ・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RT301 R→L ※調整後実測64dB
 ・RT302 L→R ※調整後実測68dB
【Sメーター調整】
 ・RT204
【MUTINGレベル調整】
 ・RT205
【CAL TONE】
 ・Peak Level-5.8dB 316Hzの波形が出ていました。-6dBに調整。
【AM調整】
 ・RT401 Sメーター調整
 ・RT402 AUTOSTOP調整

333esxii33

<調整結果>
 ・FM同調点が大きく外れていて周波数ズレ寸前でした。
 ・PLL検波調整にズレが大きかったです。
 ・セパレーション値も大幅に改善しました。

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・はんだクラック以外に顕著な不具合はありませんでした。
 ・各部再調整によって良好な性能を取り戻したと思います。
 ・FM/AMとも良い音です。

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YAMAHA T-1 修理調整記録

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 ・2015年9月末、YAMAHA T-1の修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Yamaha_t103

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ回顧録 YAMAHA T-1 ¥60,000円
 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-1 ¥60,000円(1977年頃)
 ・取扱説明書(PDF形式)
 ・回路図

Yamaha_t102Yamaha_t111

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルはキレイです。キズは見当たりません。
 ・天板後部に目立つ引っかきキズ。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。ライトグリーンの美しい照明点灯。
 ・指針の照明、メーター照明も点灯。タマ切れなし。
 ・DXインジケーター点灯、STEREOランプ点灯。
 ・さて、肝心のFMは+0.2MHzの周波数ズレ。
 ・Sメーター最大とTメーター中点が一致しない。
 ・FM音声はちょっと歪っぽい感じ。
 ・メーター針の塗装がボロボロ状態。。
 ・AMは全くの無音、局間ノイズも出ない

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■修理記録:メーター指針再塗装----------------------------------------

 ・TメーターとSメーターの指針を見ると、朱色の塗料がボロボロになった状態です。
 ・これではかっこ悪いのでメーターを分解して針を再塗装しました。
 ・分解、組み立ては慎重に、慎重に、、 ※詳しい手順と注意事項は1号機記事参照。
 ・今回はタッチペンで赤く塗りました。

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Yamaha_t135Yamaha_t136Yamaha_t137Yamaha_t105_2Yamaha_t107_2

■修理記録 AM受信-----------------------------------------------------

 ・全くの無音状態、局間ノイズも出ない。
 ・この機種のAMアンテナはFMアンテナと共用するタイプです。
 ・回路図記載の電圧値と実機を確認。特に異常値はない。
 ・TR229 2SD655 → 中古同品に交換 → 効果なし
 ・TR230 2SC1918 → 2SC1815交換 → 効果なし
 ・電解コンデンサ C260,C261,C263 → 新品交換 → 効果なし
 ・これだけ交換して効果なし。
 ・Sメーターが全く動かないのでそもそも受信できていない状態。
 ・あと残っているのは T202,T203ですが部品が無いので未交換です。

Yamaha_t121Yamaha_t122Yamaha_t129Yamaha_t140Yamaha_t142

■調整記録------------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・何も受信しない状態 → T201上段コア調整 → Tメーター中点へ
【FM OSC調整】
 ・76MHz受信 → Lo 調整 → Sメーター最大、Tメーター中点
 ・90MHz受信 → TCo調整 → Sメーター最大、Tメーター中点
【FM RF調整】
 ・76MHz受信 → LA,LR1,LR2 調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TCA,TCR1,TCR2 調整 → Sメーター最大
 ・83MHz調整 → IFT 調整 → Sメーター最大
【レシオ検波歪調整】
 ・83MHz受信 → T201下段コア調整 → 高調波歪最小
【IF歪調整】
 ・83MHz受信 → VR201,CF201,CF204調整 → 高調波歪最小
【FM-Sメーター振れ調整】
 ・83MHz受信 → VR202 → Sメーター振れ具合調整
【VCO調整】
 ・変調0% → VR204調整 → 19kHz
【パイロットキャンセル】
 ・83MHz受信 → VR203、T205、T206調整 → 19kHz漏れ信号最小、左右バランス注意
【セパレーション調整】
 ・83MHzステレオ信号受信 → VR205,VR206調整 → セパレーション最大

Yamaha_t1_algn

Yamaha_t120Yamaha_t123Yamaha_t124Yamaha_t125Yamaha_t126

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・T1の特徴は何といってもエメラルドグリーンに輝く美しい周波数窓です。
 ・メーター針を赤く塗り直した効果も絶大ですね。
 ・FMは現状でベストの状態になったと思います。
 ・一方でAMは不調のまま。申し訳ありませんがこのままお返しします。

Yamaha_t106

KENWOOD L-01T 2号機

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 ・2015年9月初め、L-01T の故障品を研究用に寄贈していただきました。
 ・漆黒パネルに映えるオレンジ照明がとても美しい機種です。
 ・これは何としても修理して使える状態にしたい!
 ・以下、修理作業の記録です。

L01t03

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年頃)
 ・Hifi engine KENWOOD L-01T 輸出機のサービスマニュアルが入手できます。
 ・KENWOOD L-01T 1号機の記録

L01t02L01t11

■故障状況------------------------------------------------------------

 ・バリコン軸を回転させるプーリーが外れている。
 ・接続部品(ギア、ワッシャー)も外れている。
 ・プーリーに巻かれていた糸も当然解けている。
 ・バリコン軸を手動で回すとTメーターとSメーターは反応しFM放送を受信する。

L01t51L01t52L01t53L01t54L01t55

■修理記録:外れた部品の復旧------------------------------------------

 ・外れた部品(ギア、ワッシャー)が同梱されていたので助かりました。
 ・まずは外れた部品をバリコン軸に組み付けます。
 ・次に外れた糸を巻き付ける。
 ・糸掛けの手順はサービスマニュアルに記載あります。
 ・多くのバリコンチューナーを分解して糸掛け方法を練習した甲斐がありました。

L01t57L01t63L01t58L01t64L01t61

■修理記録:85MHz以上が選局できない-----------------------------------

 ・不思議なことに指針が85MHzより上の周波数に移動できません。
 ・チューニングつまみは回りますが、糸がスリップして指針が動かない状態です。
 ・もう一度糸を解いてバリコン軸の回転具合を確認すると普通に回転できます。
 ・指針の動きを観察すると、指針を載せている台座が何かに引っ掛かるようです。
 ・障害物は何も無さそうなのに??

L01t71L01t70L01t72L01t73L01t80

 ・原因がよく分からないまま清掃を兼ねてフロントパネルを外してみました。
 ・フロント四隅にある丸いプラスチック蓋を外すと隠しネジがあります。
 ・正面から指針の動きを観察するとやはり何かに引っ掛かります??

L01t81L01t82L01t83L01t84L01t85

 ・照明用豆電球が載っている基板を外したところ、、原因が分かりました!
 ・電球を覆うように貼り付けてある白いアクリル板が右斜め下方向にずり落ちています。
 ・これは電球の光を拡散するためのアクリル板だと思います。
 ・両面テープで基板に貼り付けてありましたが接着力が弱まったのでしょう。
 ・ずり落ちたアクリル板が指針台座にぶつかる位置が84MHz~85MHz付近だったわけです。
 ・アクリル板を一旦剥がして再度張り直して復旧しました。
 ・これで指針がスムーズに移動するようになりました。

■再調整--------------------------------------------------------------

 ・1号機に倣って各部再調整しました。
 ・故障個所は特にありませんでした。
 ・調整ズレの修正によって良い性能を取り戻したと思います。

L01t20L01t21L01t22L01t23L01t30
L01t31L01t32L01t33L01t34L01t35

■FM多重放送によるノイズ問題------------------------------------------

 ・SCA調整は前回1号機と同じ方法で調整できました。
 ・新しい VICS WIDE でも L-01T は従前の調整方法でノイズを回避できます。
 ・KT-9900では SCAスイッチが頻繁に ON/OFF を繰り返す症状がありました。
 ・L-01TとKT-9900のSCAスイッチ回路を比較してみました。
 ・L-01T回路図に記された「SCA TUNED」回路でフィルターが一段少ないです。
 ・コイル型番は同じ。試しに取り替えてみましたが変化なしでした。

Sca_2

【L-01T】
 ・検波信号 → L10 → L11 → IC9(NJM4559)(1/2) → D36 → IC9(NJM4559)(2/2)
 ・部品番号 L10=00050-05-081
 ・部品番号 L11=0050-05-0081
 ・SCA FILTER
 ・部品番号 L12,L13,L14,L15=0048-05-081
【KT-9900】
 ・検波信号 →  →  L6 → IC2(NJM4559)(1/2) → D4 → IC(NJM4559)(2/2)
 ・部品番号 L9 =0050-05-871
 ・SCA FILTER
 ・部品番号 L1,L2,L3,L4=0048-05-871

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・漆黒のフロントパネルに映えるオレンジ照明が抜群に美しいです。
 ・フロントに目立つひっかきキズがあるのがちょっと残念、、
 ・でも中身は再調整によって良い性能を取り戻しました。
 ・インテリア兼BGM機として大切に使わせていただきます。

L01t06

TRIO KT-9900 2号機

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 ・2015年9月、KT-9900(2台目)の修理調整を承りました。
 ・FM放送が正常に受信できない状態とのこと。
 ・1号機の経験を踏まえて修理に挑戦してみました。

Kt9900203

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-9900 ¥200,000
 ・オーディオの足跡 TRIO KT-9900 ¥200,000(1978年発売)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-917
 ・取扱説明書 KENWOODダウンロードサイトから入手可能
 ・1号機の記録 2015年10月4日記事

Kt9900202Kt9900211

■動作確認------------------------------------------------------------

<ご指摘の症状>
 ・一応受信できて音声も出るが、感度が低く常時「ザー」という雑音が聞こえる。
 ・MUTING 40dBに設定すると無音になる。
 ・アンテナA/Bとも同じ症状
 ・固定/可変出力とも同じ症状。
 ・STEREO/MONOとも同じ症状。

<確認事項>
 ・アンテナAに同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・電源オンから音が出るまで約10秒。
 ・1号機(電源部の電解コンデンサ総交換済み)は約5秒でした。
 ・周波数窓の照明点灯。メーター照明点灯。
 ・オレンジ色のインジケーター点灯。緑色のIFバンド表示も点灯。
 ・僅かに周波数ズレあるものの地元FM局を受信。STEREOランプ点灯。
 ・受信から数秒後にDDLインジケータ点灯。
 ・照明やインジケータ類はすべて点灯。タマ切れなし。
 ・それぞれのメーターは正常に動作している。
 ・ただご指摘のように出てくる音が良くないです。
 ・常時「ザー」という雑音、音声は「モゴモゴ」とこもったような感じです。
 ・マルチパスH端子の音を聞いてみる雑音の無いキレイな音声が出ています。
 ・つまりパルスカウント検波回路までは正常ということ。
 ・不具合は検波回路より後段、MPX回路やオーディオ回路にありそう。

■原因調査------------------------------------------------------------

 ・マルチパスH端子の出力正常、つまりパルスカウント検波までは正常。
 ・MPX基板(X04-)上で不具合箇所を捜索。
  ・MPX基板1番端子 MPX基板入力端子 正常
  ・IC3(TC4066BP)入力 2,4,8,10ピン 正常
  ・IC3(TC4066BP)出力 1,3.9.11ピン 正常
  ・IC1(NJM4559DF)入力 5ピン 正常
  ・IC1(NJM4559DF)出力 7ピン 正常
  ・R73 左側 正常
  ・R73 右側 異常
  ・IC5(NJM4559DF)入力 6ピン 異常
  ・IC5(NJM4559DF)出力 7ピン 異常
 ・どうやら故障部品は IC5(NJM4559DF)のようです。

■修理記録 IC5(NJM4559DF)オペアンプ交換-----------------------------

 ・1号機でも苦戦しましたが、MPX基板を外す作業は相当面倒です。
 ・MPX基板(X04-)は外さず、斜めに傾けて隙間からはんだごてをそっと挿入。
 ・慎重にIC5を外してICソケット設置。
 ・手持ち在庫 NJM4559D をはめ込んで電源オン。
 ・「ザー」という雑音が消えて本来のFM音声が出てきました。
 ・第一関門クリア!

Kt9900240Kt9900241Kt9900243Kt9900244Kt9900246

 ・ハンダ面には IC5-2ピン~5ピン間に1kΩ抵抗が直付けされていました。
 ・この抵抗を外した状態では音声出力レベルが-10dBほど低くなります。
 ・ハンダ面への直付け作業は困難なので、止むを得ず上面から取り付けました。

■修理記録 IC9 C-MOS IC交換-------------------------------------------

 ・オペアンプを交換して常時聴こえる不快な雑音は消えましたが、、
 ・次の不具合はLchだけに「ザザッー、ザザッー」と不定期に混じる雑音でした。
 ・Rchの音声には雑音は混じりません。
 ・MPX基板(X04-)の出口からさかのぼってノイズ源を捜索。
 ・IC9 (TC4066BP) 入力 2ピン→正常、3ピン→正常
 ・IC9 (TC4066BP) 出力 1ピン→正常、4ピン→異常
 ・ノイズ源は IC9 (TC4066BP) か?
 ・慎重にIC9を外してICソケット設置。新品の TC4066BPをセット。
 ・ところが問題の雑音が解消しません。
 ・IC9の入力はコンポジット信号なので雑音源はスイッチング信号の方か?

Kt9900251Kt9900252Kt9900253Kt9900261Kt9900262

■修理記録 トランジスタ交換-------------------------------------------

 ・IC9 (TC4066BP) にスイッチング信号を供給する回路を点検。
 ・雑音の発生間隔が長く、かつ不定期なので粘り強く雑音発生を待ちました。
 ・雑音を出していたのは Q7 (2SA733) でした。
 ・周囲のトランジスタ4個セットまとめて交換しました。
 ・Q7,Q8 :2SA733 → 2SA1015
 ・Q10,Q11:2SC945 → 2SC1815
 ・これでLchだけの雑音は消えたと思います。

Kt9900263Kt9900264

■修理記録 電源部電解コンデンサ交換-----------------------------------

 ・電源基板で気になっていた頭が飛び出したコンデンサを交換。
 ・C22 100uF/16V → 100uF/63V
 ・電源オンから音が出るまでの時間が約2秒短縮されました。

Kt9900270Kt9900271

■修理記録 さらなる不具合--------------------------------------------

 ・修理完了、と思ってFM放送をBGMに流しながら動作確認していました。
 ・ところが次なる不具合発覚。
 ・NHK-FMでモノラルのニュース放送に切り替わるとRchの音量が小さくなる。
 ・Lchは正常な音量が出る。
 ・ステレオ全国放送に復帰すると左右から正常に音がでる。
 ・ステレオ放送中にKT-9900側でMONOに切り換えると左右から正常に聴こえる。
 ・MUTINGオフの状態で離調すると「ザー」という局間ノイズが聴こえますが、
 ・この局間ノイズがやはりRch側が極端に小さいです。
 ・ステレオ放送受信時は正常なのに、、この不具合原因が分かりません。

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・1号機の調整記録に倣って各部調整しました。

Kt99001Kt99002

■FM多重放送によるノイズ問題------------------------------------------

 ・【SCA調整】の項目
 ・KT-9900 L6 調整 → D4(X04-)カソード側DC電圧最大へ
 ・この2号機は L6を回してもD4カソード電圧がほとんど変化しません。※30mV前後
 ・L6とD4の中間にあるIC2 (NJM4559DB)の劣化を疑って交換しましたが変化なし。
 ・L-01T 2号機の L11 を L6に移植してみましたがこれも変化なし。

Kt9900265Kt9900266Kt9900267Kt9900280Kt9900281_l01t

 ・KT-9900 1号機では SCAスイッチが頻繁に ON/OFF を繰り返す症状がありました。
 ・KT-9900 2号機では 電圧が低すぎてSCAスイッチが作動しません。
 ・L-01TとKT-9900のSCAスイッチ回路を比較してみました。
 ・相違点は L-01T回路図に記された「SCA TUNED」回路でフィルターが一段少ないこと。
 ・たった2台の検証事例ですが、今のところ KT-9900ではノイズ問題を回避できません。

Sca_2

【L-01T】
 ・検波信号 → L10 → L11 → IC9(NJM4559)(1/2) → D36 → IC9(NJM4559)(2/2)
 ・部品番号 L10 = 00050-05-081
 ・部品番号 L11 = 0050-05-0081
 ・SCA FILTER
 ・部品番号 L12,L13,L14,L15 = 0048-05-081
【KT-9900】
 ・検波信号 →  →  L6 → IC2(NJM4559)(1/2) → D4 → IC(NJM4559)(2/2)
 ・部品番号 L9 = 0050-05-871
 ・SCA FILTER
 ・部品番号 L1,L2,L3,L4 = 0048-05-871

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・残念ながらNHK-FMのVICSノイズは回避できませんでした。
 ・このノイズは、電波状況が悪くて「サー」という雑音が聴こえる状況と似ています。
 ・曲間の無音時やクラシック曲のピアニシモ部分で特に気になります。
 ・大音量のロックやジャズではあまり気にならないです。
 ・「見えるラジオ」が終了した民放FM局では、そもそもノイズ問題はありません。
 ・KT-9900ではこのノイズ問題と付き合っていかなければならないようです。

Kt9900204

TRIO KT-7100 修理調整記録

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 ・2015年10月、TRIO KT-7100の修理調整作業を承りました。
 ・発売当時に購入してずっと大切に使ってこられた大切な機種だそうです。
 ・古くても愛着あるチューナーを何とか復活させたい、、
 ・以下、作業内容をご報告します。

Kt710008

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-7100 ¥39,800(1977年発売)
 ・TRIO 総合カタログ 1979年2月版

Kt710002Kt710011

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観に目立つキズはなく、フロントパネルは綺麗です。
 ・ツマミやレバーの汚れ、手垢はクリーニングで輝きを取り戻しそう。
 ・電源コードの印字「1976」
 ・電源オンOK、周波数窓の照明点灯OK、メーター照明点灯OK。
 ・FMアンテナ接続。-0.2MHz周波数ズレ。
 ・二つのメーター動作OK。SメーターMAXとTメーター中央がずれる。
 ・STEREOランプ(赤LED)点灯。
 ・各種動作を見るとFM放送を受信しているはず、、でも音が出ない。
 ・左右ともまったくの無音。
 ・背面バーアンテナでAM放送を確認。
 ・名古屋地区のAM放送周波数位置でSメーターが大きく振れる。
 ・でも音が出ない。まったくの無音。

Kt710003Kt710004Kt710005Kt710006Kt710007

 ・FM/AMともまったく音が出ない。
 ・ミューティングが効いたままか?それともオーディオ回路故障か?

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM4連、AM2連バリコン
 ・HA1137 FM IF SYSTEM (クアドラチュア検波)
 ・HA1156 FM MPX
 ・HA1197 AM SYSTEM
 ・メーター照明電球が眩しいほど明る過ぎる。

Kt710020Kt710022Kt710025Kt710026Kt710029

■修理記録:電源部ダイオード交換---------------------------------------

 ・二つのメーター動作 → 正常
 ・HA1137 6ピン クアドラチュア検波出力 → 正常
 ・HA1156 4ピン Lch音声出力 → 正常
 ・HA1156 5ピン Rch音声出力 → 正常
 ・HA1197 12ピン AM音声出力 → 正常

 ・受信動作は正常です。音声信号を辿って不具合箇所を捜索しました。
 ・音声出力端子直前の Q10,Q11(2SK30A)のソース端子まで正常音声が聴こえる。
 ・音声出力端子直前の Q10,Q11(2SK30A)のドレイン端子から音が出ていない。
 ・ゲート電圧を測るとどちらも-13.6V、これはおかしい。
 ・このマイナス電圧を辿ると電源回路に行き当たりました。
 ・原因はダイオードD12が故障して導通状態だったことでした。
 ・D12を交換したところ Q10,Q11が正常動作し音声端子から音が出るようになりました。

Kt710060Kt710061Kt710062

■修理記録:メーター照明電球交換---------------------------------------

 ・内部確認で気になったのはメーター照明が眩しいほどに明る過ぎること。
 ・電球を外してみると仕様 8V/0.3W に対して 6.3V/1W の球が取り付けられていました。
 ・ここは電球が交換されているようです。
 ・左右の照明窓電球とメーター電球は合計3個が数珠繋ぎの配線です。
 ・メーター電球を手持ちの 8V/0.3Wに交換しました。
 ・電球3個の明るさが同等になって落ち着いた照明雰囲気になりました。

Kt710040Kt710044Kt710041Kt710042Kt710043

■お詫び--------------------------------------------------------------

 ・上記作業後、汚れが気になったのでパネルを分解してガラス板の内側を磨きました。
 ・周波数や目盛りが印字されたアクリル板も外して汚れを落としました。
 ・慎重に作業を進めたのですが、、
 ・指針先端を軽く拭いたところ、中央部の赤色塗料が剥がれてしまいました。
 ・塗料の下は穴開き構造で、赤色塗料は薄い膜のように張り付いていただけでした。
 ・結果的に指針中央部の穴を通して周波数目盛りが見えるようになりました。
 ・私の不注意で誠に申し訳ありません。
 ・どうにも修復のしようがないのでこのままとさせていただきます。

Kt710050Kt710051Kt710052Kt710006_2

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・1号機の記録に倣って各部調整しました。

Trio_kt7100algn

 ・検波調整コイルL9(下段:Tメーター中点)
 ・検波調整コイルL9(上段:歪調整)
 ・フロントエンド調整
 ・VR1:VCO調整 → TP(19kHz)
 ・VR2:セパレーション調整
 ・周波数ズレ、受信感度、歪率、セパレーションが向上しました。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・4連バリコン+HA1137(クアドラチュア検波)+HA1156(PLL MPX)。
 ・余計な付属回路が無い超シンプル構成ですがFM放送はこれで十分楽しめます。
 ・電球を交換したことによって照明窓が落ち着いた雰囲気になりました。
 ・シルバーパネルと暖色系照明がよくマッチしています。
 ・この雰囲気がオールドチューナーの魅力ですね。

Kt710009

 ・思い出の詰まった大切な機種なのに指針を痛めてしまい誠に申し訳ありません。
 ・重ねてお詫び申し上げます。

KENWOOD KT-1100D 修理調整記録

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 ・2015年10月末、KT-1100Dの再調整を承りました。
 ・この機種は発売当時に購入し、長くエアチェック用に使った経験があります。
 ・当時はSONY 333シリーズ、DA-F9000、そしてこの KT-1100Dがお気に入り機種でした。
 ・でもFPGAチューナーを使うようになってシンセ機はほとんど処分しました。
 ・KT-1100Dの内部写真や調整記録を残していなかったので良い機会をいただきました。
 ・以下、作業記録です。

Kt1100d18

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・取扱説明書 PDF形式
 ・KENWOOD カタログ(1986年11月版) D-3300T/KT-1100D/KT-1010F/KT-880F
 ・KENWOOD カタログ(1987年9月版) KT-1100D/KT-V990/KT-V880

Kt1100d02Kt1100d04

■動作確認-------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル左上にある「KENWOOD」のロゴが立体型のバッジタイプです。
 ・立体バッジではなくて普通の白文字印刷のタイプもあります。
 ・外観は経年の汚れがありますが目立つキズは無さそうです。
 ・背面の音声出力端子が破損しています。
 ・電源オン。表示部は文字欠けや文字痩せもなく明るさ十分です。
 ・FMアンテナを接続して受信テスト。
 ・FMは-0.1MHz周波数ズレ。Tメーターが中点ではなく右に1本ずれる。
 ・IF BAND切替OK。RF SELECTOR切替OK。TEST TONE OK。
 ・ズレた周波数で受信するもののその他の動作は大丈夫そうです。
 ・AMループアンテナ接続。AM放送は特に問題なさそう。

Kt1100d10Kt1100d11Kt1100d12Kt1100d13Kt1100d15

■音声出力端子修理-----------------------------------------------------

 ・Lch端子の内側プラスチックまで割れています。
 ・部品取り用 PIONEER F-120D の基板に同じ形の端子がありました。
 ・これを移植して修理完了。

Kt1100d20Kt1100d21Kt1100d23Kt1100d25Kt1100d26

■内部確認+調整記録-------------------------------------------------

Kt1100d40Kt1100d41Kt1100d42Kt1100d43Kt1100d44
Kt1100d45Kt1100d46Kt1100d47Kt1100d48Kt1100d49
Kt1100d51Kt1100d52Kt1100d53Kt1100d54Kt1100d55

・サービスマニュアルは未入手ですが、D-3300TKT-2020の調整方法を流用できます。

【VT電圧】
 ・TP7~GND DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V ※実測 3.14V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V ※実測25.82V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V±10mV ※実測0.63v
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12調整 → 0.0V±10mV ※実測-0.28v
【RF調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L5調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ VR1調整
【SIGNAL METER調整】
 ・電源スイッチ後方の小さな基板
 ・83MHz(無変調,43dBu)→ VR3調整 → 最上段ドット点灯
【TUNING METER調整】
 ・電源スイッチ後方の小さな基板
 ・83MHz(10Hz,100%変調,80dB) → VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MPX VCO調整】
 ・TP19 に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR4調整 → 19kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,100%ステレオ変調,80dB)→ L25調整 → Lch最大
【歪調整1 DET】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR3:DET調整 → 高調波歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR4:MONO調整 → 2kHz歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR6:MONO3調整 → 3kHz歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,100%ステレオ変調,80dB)→ VR5:ST-L調整 → 高調波歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,100%ステレオ変調,80dB)→ VR7:SUB調整 → 高調波歪最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,100%ステレオ変調,80dB)→ VR2:DET調整 → 高調波歪最小
【SEPARATION調整1 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz(R信号,1kHz,100%ステレオ変調,80dB)→ VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz,100%ステレオ変調,80dB)→ VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整2 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(1kHz,100%ステレオ変調,80dB)→ VR1調整 → 左右信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・電源スイッチ後方の小さな基板
 ・83MHz(mono信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR4調整 → 100%点灯位置

【AM簡易調整】
 ・VT電圧 522kHz → L20 → TP9電圧 → 2.3V
 ・VT電圧 1629kHz → TC2 → TP9電圧 → 21.2V
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信  → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → 音質チェック

Kenwood_kt1100d_sche

■試聴-----------------------------------------------------------------

 ・久しぶりにKT-1100Dの音を聴きました。やはりイイですね。
 ・RF SELECTOR を DISTANCE に設定すると微弱FM局の電波もよく拾います。
 ・特に他機種では入感しないコミュニティFM局がいくつも聴こえます。
 ・FM受信性能は抜群に良いです。

Kt1100d19

LUXMAN T-530

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 ・2015年11月初め、LUXMAN T-530の調整作業を承りました。
 ・実機を見るのは初めてなので興味津々です。
 ・以下、作業内容をご報告します。

T53008

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 LUXMAN T-530 ¥78,000
 ・オーディオの足跡 LUXMAN T-530 ¥78,000(1982年6月発売)
 ・Hifi Engine Luxman T-530 ※海外版サービスマニュアル

T53002_2T53011_2

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・操作ボタンの色や形状がこの時期のラックスっぽい印象です。
 ・フロントパネルはほぼ無傷ですが木製ボディにキズが多いのがちょっと残念。
 ・アナログチューナーと同様に、フロント両端に電球を配置した構造でした。
 ・この照明によってフロントパネルの文字が青く浮かび上がります。
 ・インジケーターはすべて赤色LED。Sメーターは赤色7連LED。
 ・白い周波数表示は十分に明るく文字痩せなし。
 ・FMの受信周波数帯は76.1MHz~89.9MHzです。
 ・AMは手持ちのループアンテナを接続して受信確認。
 ・FM/AMとも特に問題は無さそうです。

T53009T53004T53006T53012T53013

■C.A.T.システム / Computer Analized Tuning System--------------------

 ・受信状態に応じてコンピューターが4つの機能を自動切替し最適組合せを実現する機能。
 ・通常は C.A.T.ボタンは押さない状態(インジケータ点灯)で使用。
 ・C.A.T.ボタンを押した状態(インジケータ消灯)でC.A.T.システムオフ。
 ・C.A.T.システムオフのとき4つの機能は手動で個別選択できる。

T53003_2

【Antenna Attenuator】アンテナアッテネーター
 ・6連バリコン相当の6バラクター構成により強電界における妨害排除能力を高める機能
 ・スイッチオンによ4連フロントエンドパックに加えてアンテナ側2連が起動する。
 ・強い電波の近接局がある場合に有効
【IF Selector】IF帯域切替
 ・Wide(400kHz)とNarrow(300kHz)の2段切替機能
【C.S. Filter】アンチバーディーフィルター
 ・不要な高域成分をカットし隣接局からの妨害波によるビート障害を排除する機能
  ※おまけ「C.S.」の意味は?
  ・サービスマニュアルに「C.S.Filter(Anti-Birdie Filter)」と記載あります。
  ・LUXMANカタログに「Anti-Birdie Filter (Clean Sound Filter) 」と記載あり。
  ・つまり、C.S.Filter=アンチバーディーフィルター=Clean Sound Filter
【High Blend】ハイブレンド
 ・受信強度に応じてステレオセパレーションを調整する機能

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・4連相当フロントエンドパック+アンテナ側に外付け2連=6連相当
 ・LA1235 FM IF SYSTEM クアドラチュア検波
 ・LA3390 PLL MPX DEMODULATOR
 ・LA1245 AM TUNER

 ・VR101:FM Signai LED
 ・VR102:FM Muting
 ・VR103:AM Signal LED
 ・VR104:VCO
 ・VR105:FM Stereo Separation
 ・VR301:Test Tone

 ・CT101:FM Tracking(High End)
 ・CT102:FM Tracking(High End)
 ・CT103:AM Tracking(1400kHz)
 ・CT104:AM Tracking(1400kHz)

 ・IFT :FM Stereo Distortion
 ・L101:FM Tracking(Low End)
 ・L102:FM Tracking(Low End)
 ・L103(Left):FM Distortion
 ・L103(Right):FM Center
 ・L104:AM Tracking(600kHz)
 ・L105:AM IF
 ・L106:AM IF
 ・L107:AM Tracking(600kHz)

 ・F106:FM Stereo Carrier Leak
 ・F107(Black):FM Stereo Carrier Leak

T53020T53021T53022T53023T53024
T53025T53026T53027T53028T53029
T53030T53031T53032T53033T53034
T53035T53036T53040T53041T53042

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・海外版サービスマニュアルに日本語で書かれた調整手順が掲載されています。

Luxman_t530align

●FM部
 ・C.A.T.オフ、Mutingオフ
【FM同調点調整】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・83MHz mono 1kHz 100%変調 60dB → L103(IC側)調整 → 電圧ゼロ
【FM同調点調整】
 ・音声出力にWaveSpectar接続
 ・83MHz mono 1kHz 100%変調 60dB → L103(逆側)調整 → 歪最小
【VCO調整】
 ・TP5 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 60dB → VR104調整 → 19kHz±10Hz
【セパレーション調整】
 ・Mutingオン
 ・音声出力にWaveSpectar接続
 ・83MHz stereo 1kHz 100%変調 60dB → VR105調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・フロントエンドユニット内IFT調整→ ステレオ歪最小
 ・上記作業を数回繰り返す
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・Mutingオン
 ・音声出力にWaveSpectar接続
 ・83MHz stereo 1kHz 100%変調 60dB → F106,F107(黒)調整 → 漏れ信号最小
【ミューティング調整】
 ・Mutingオン
 ・83MHz mono 1kHz 20dB → VR102調整 → 音が出る位置に
【Sメーター調整】
 ・83MHz mono 1kHz 50dB → VR101調整 → SメーターLED全灯
【テストトーン調整】
 ・音声出力にWaveSpectar接続
 ・83MHz mono 1kHz 50dB → OUTPUTレベル記録
 ・test tone オン → VR301調整 → 上記レベル-6dB ※実測474kHz
【フロントエンド調整】
 ・C.A.T.オフ、Antenna att.オン
 ・LA1235 13ピンにDC電圧計セット →Sメーター電圧
 ・76.1MHz mono 1kHz 50dB → L101,L102,※L103,L104,L105調整 → Sメーター最大
 ・89.9MHz mono 1kHz 50dB → CT101,CT102,CT103,CT104,CT105調整 → Sメーター最大
 ・上記作業を数回繰り返す。
  ※L103,L104,L105の調整は難しいので触らない方が無難。
  ※C.A.T.オフ、Antenna att.オンにしないとアンテナ側2段が動作しない。

【C.A.T.システム動作確認】
 ・サービスマニュアルにC.A.T.システムの動作確認について解説がありました。
 ・SGは1台しかないので希望信号をNHK-FMとし SGで妨害信号を生成してミックス。
 ・パッシブ型の2分配器を逆接続して混合器代わりにしました。
 ・82.50MHz NHK-FM 約60dB前後を受信。
 ・82.65MHz SGから信号強度を変えながら妨害電波送信。

Cat_driveT53070T53071T53072

 ・この実験で一覧表にある「希望信号60dB」における動作がほぼ再現されました。
 ・動作確認表の「FULL CAT」の状態になるとインジケーターがフル点灯します。
 ・「受信不能」とは妨害電波の音が聞こえる状態になることです。
 ・コンピューター制御はシーケンス通りに動作しているようです。

●AM部
【VT電圧】
 ・TP1 DC電圧計セット
 ・受信周波数 603kHz → L107調整 → 2V
 ・受信周波数1404kHz → CT104調整 → 7V
【RF調整】
 ・603kHz 1kHz 30%変調 → L104調整 → Sメータ最大
 ・1404kHz1kHz 30%変調 → CT103調整 → Sメーター最大
【IF調整】
 ・1053kHz CBCラジオを聴きながら L105,L106調整 → 歪感最小
【Sメーター調整】
 ・1053kHz CBCラジオを聴きながら VR103調整 → SメーターLED

T53054T53055T53050T53052T53053

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・FM受信性能や音質は並クラスかな?と思います。
 ・でも照明によって浮かび上がる青色文字が上品な感じです。
 ・インジケーターの赤色LED、特にSメーターの赤色7連LEDがやや目立ち過ぎかも。
 ・C.A.T.システムについて大変勉強になりました。

T53007

YAMAHA T-2

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 ・2015年11月初め、YAMAHA T-2の修理調整作業を承りました。
 ・ついに T-2 に触れる機会が巡ってきました。
 ・以下、作業の記録です。

Yamaha_t205

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-2 \130,000
 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-2 \130,000(1978年頃)
 ・Hifi Engine YAMAHA T-2 (1978-81)
 ・取扱説明書 YAMAHAホームページのダウンロードサイトで入手可能

Yamaha_t202Yamaha_t204

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・薄型なのに持ち上げるとずっしり重い。重量感あるボディです。
 ・外観に目立つキズは無く、状態はなかなか良いです。
 ・電源スイッチオン。指針とメーター照明点灯。
 ・あれ?周波数のデジタル表示が点灯しない?
 ・と思ったら、放送局を受信したときだけデジタル表示が出現するようです。
 ・赤く光るダイヤル指針とデジタル表示はピッタリ一致しています。
 ・IFバンド切替、MUTING動作、REC CALなど操作ボタンは問題なさそう。
 ・固定出力、可変出力とも正常。マルチパスH端子から受信音が聴こえます。
 ・基本動作に問題は無いようです。
 ・Tメーター、Sメーターの指針の塗装がボロボロに劣化している点が気になります。

Yamaha_t207Yamaha_t208Yamaha_t209Yamaha_t210Yamaha_t211
Yamaha_t212Yamaha_t213Yamaha_t214Yamaha_t215Yamaha_t216

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・底板を外すと部品実装面が見える「逆さま構造」です。
 ・フロントパネルとボディは一体構造でした。
 ・ボディとフロントパネルの分解方法はサービスマニュアルに載っています。
 ・フロントエンド横にある小さな基板の下にデジタル表示用の基板が隠れています。
 ・7連バリコン+Wide/Narrow IF+レシオ検波+LA3350

Yamaha_t220Yamaha_t219Yamaha_t221Yamaha_t223Yamaha_t224
Yamaha_t225Yamaha_t226Yamaha_t228Yamaha_t229Yamaha_t230
Yamaha_t231Yamaha_t232Yamaha_t233Yamaha_t235Yamaha_t236
Yamaha_t280Yamaha_t281Yamaha_t282Yamaha_t283Yamaha_t284

■修理記録:メーター指針塗装------------------------------------------

 ・塗装ボロボロの指針は130,000円の高級機に相応しくありません。
 ・そこでメーターを分解して指針を再塗装しました。
 ・以前 YAMAHA T-1の指針を塗装した赤色のエナメル塗料を使いました。
 ・キレイに塗装できたのですが、指針の背景が黒色なので指針が目立ちません。
 ・蛍光オレンジ色にした方が良かったかも?

Yamaha_t240Yamaha_t250Yamaha_t251Yamaha_t252Yamaha_t253
Yamaha_t254Yamaha_t255Yamaha_t256Yamaha_t257Yamaha_t258

■修理記録:指針電球交換----------------------------------------------

 ・メーター指針再塗装のためにボディを外して初めて気が付きました。
 ・光るダイヤル指針は二つの電球によって構成されており、一方がタマ切れでした。
 ・電球一つでも指針に違和感は無かったのですが、気が付いた以上は放置できません。
 ・指針の照明は光の屈折を利用した凝った造作になっています。
 ・ジャンク箱から同等仕様(14.5V/80mW)の電球を見つけて交換しました。
 ・この電球に繋がる電解コンデンサ3個が劣化状態だったのでこれも交換しました。

Yamaha_t260Yamaha_t261Yamaha_t262Yamaha_t263Yamaha_t264
Yamaha_t265Yamaha_t266Yamaha_t267Yamaha_t268Yamaha_t208_2
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■調整記録------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルスイッチ設定
 ・RF MODE=HI SENSITIVITY
 ・IF MODE=LOCAL
 ・AUTO BLEND=OFF

T2align

【同調点調整】
 ・何も受信しない状態 → T201上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・90MHz 変調オフ 70dB → フロントエンド OSCトリマ調整 → Tメーター中点
【トラッキング調整】
 ・76MHz mono 1kHz 50dB → RFコイル調整 → Sメーター最大
 ・90MHz mono 1kHz 50dB → RFトリマ調整 → Sメーター最大
【検波歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz mono 1kHz 60dB → T201下段コア調整 → 歪み最小
 ・83MHz mono 1kHz 60dB → VR203調整 → 歪み最小
【VCO調整】
 ・TP 19kHz に周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 60dB → VR204調整 → 19kHz±20Hz
【PLL調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz L-R 60dB → T202調整 → Lch音声レベル最大
【ステレオ歪調整1】
 ・IF MODE=LOCAL
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR201,CF201調整 → 歪み最小
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR202,CF204調整 → 歪み最小
【ステレオ歪調整2】
 ・IF MODE=DX
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → CF202,CF203調整 → Sメーター最大、歪み最小
【パイロットキャンセル歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR205,T203調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → 別基板VR402調整 → セパレーション調整
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → 別基板VR401調整 → 左右同レベル
【Sメーター調整】
 ・83MHz 無変調 80dB → VR206調整 → Sメーター振れ調整
【REC CAL調整】
 ・REC CALスイッチオン → Tメーターが中点を示すことを確認

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・重厚な薄型ボディ、赤いデジタル表示、高級感漂うチューナーです。
 ・受信感度、音質とも良好で、とても聴きやすい音です。
 ・ただ照明効果がシンプルなのでインテリアとしてはちょっと物足らないかも。
 ・良い機会をいただき、ありがとうございました。

Yamaha_t206

 ・YAMAHA T-1~T-9 一覧表 ※6年かかってようやく完成しました。


PIONEER F-717

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 ・2015年11月、部品取り用に PIONEER F-717 動作未確認機(2号機)を入手しました。
 ・実は当時、同型 F-717故障機(1号機)の修理作業を進めていました。
 ・修理用の部品を調達するためにこの2号機を手に入れました。
 ・部品取りの前に動作確認のため一通り調整したところ、、
 ・何と正常動作品になりました。
 ・以下の文章は、1号機と2号機の作業記録を合体したメモです。

Pioneer_f71706

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 PIONEER F-717 ¥59,800(1987年発売)
 ・オーディオ懐古録 PIONEER F-717 ¥59,800(1987年発売)
 ・Hifi Engine PIONEER F-91 輸出機のサービスマニュアルあり

Pioneer_f71702Pioneer_f71711

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・正面パネルやボディに目立つキズはないものの全体に汚れた感じです。
 ・電源コードの印字:1978
 ・FM用75Ω端子はA/Bの2系統。
 ・FMアンテナA端子に同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・蛍光表示部は正常に点灯。文字痩せ、文字欠け無く輝度も十分。
 ・オートチューニングでは名古屋地区のFM局の周波数で正常に停止します。
 ・Sメーターのレベル表示OK。STEREOランプ点灯。MUTING動作OK。
 ・手持ちの適当なAMループアンテナを接続してAMチェック。
 ・AM局もSメーターが振り切れる状態で受信OK。
 ・動作未確認機でしたがFM/AMとも受信できました。

Pioneer_f71703Pioneer_f71704Pioneer_f71705Pioneer_f71712Pioneer_f71713

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・基板上にシールドケースが並んでいます。
 ・ハンダ付けされたシールドケースのフタを外してみました。
 ・振動対策でしょうか、ケース内部はホットボンドが充填されています。
 ・それからPIONEERオリジナルIC PA5008が3個も配置されています。
 ・海外版SMの調整要領には記載されていないVRやコイルが多数あります。
 ・複雑な回路なので実機と回路図で勉強しました。

Pioneer_f71721Pioneer_f71722Pioneer_f71726Pioneer_f71725Pioneer_f71727
Pioneer_f71728Pioneer_f71730Pioneer_f71729Pioneer_f71731Pioneer_f71732
Pioneer_f71733Pioneer_f71734Pioneer_f71735Pioneer_f71723Pioneer_f71724

 ・IC102 PA5008 IF AMP
 ・IC108 PA5008 IF CONTROL & DET
 ・IC201 PA5008 DDD
 ・IC202 PA5007 DDD
 ・VR101 MONO DIST ADJ
 ・VR102 S-METER
 ・VR103 MUTING
 ・VR104 S-MTERE
 ・VR106 NARROW DIST
 ・VR107 MONO DIST ADJ
 ・T103a IC108/PA5008 DET
 ・T103b IC108/PA5008 DIST
 ・VR201 ONLY DIST
 ・VR202 MONO DIST
 ・VR203 DC BALANCE
 ・VR204 L-R SEPARATION
 ・VR205 R-L SEPARATION
 ・VR206 38kHz ADJ
 ・VR207 PILOT ADJ
 ・VR208 L-R SEPARATION
 ・VR209 R-L SEPARATION

Pioneer_f91_sche

■回路研究 ARTS:Active Real Time Tracing System---------------------

Pioneer_f71707

~海外版サービスマニュアルの回路説明より抜粋~
 ・WIDEフィルターの特徴:歪は少ないが選択度が低下する。
 ・NARROWフィルタの特徴:歪は多いが選択度は高い。
 ・一般的なチューナーはWIDEとNARROWのフィルターを状況に応じて切り換える。
 ・そこでF-91では ARTSを採用し、フィルターはNARROWのみとした。
 ・ARTS = Active Real Time Tracing System
 ・ARTS とは NARROWフィルターの中心周波数を受信信号に追随させる方式である。
 ・これによって歪と選択度の両方を性能を向上させた。

F91_block_diagram
F717_align3

 ・ブロック図に示された信号の流れを実機写真に書き込んでみました。
 ・黄色矢印は音声系の流れ、青色矢印は制御系の流れを示します。
 ・IF信号を13.45MHzに変換してNARROWフィルターを通し、再度10.7MHzに戻す。
 ・フロントパネルに小さく印字してあるだけなので気に留める人は少ないでしょうね。

Pioneer_f71740Pioneer_f71741Pioneer_f71742Pioneer_f71744Pioneer_f71780
Pioneer_f71783Pioneer_f71782Pioneer_f71784Pioneer_f71785Pioneer_f71786

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・SMにはRF調整、信号系の同調点調整、MUTING調整、REC LEVEL調整しか載っていません。
 ・そこでブロック図、回路図、回路解説を頭に入れて調整手順を組み立ててみました。
 ・正しい方法かどうか分かりませんが記録として残します。

●FM部調整
【VT電圧調整】
 ・TP33電圧計セット
 ・90MHz → 実測値  L3調整 → 23.5V
 ・76MHz → 実測値  7.4V ※確認のみ
【RF調整】
 ・TP22(=IC108 PA5008-10ピン)電圧計セット ※Sメーター電圧確認
 ・90MHz 60dB受信 → TC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大へ
 ・76MHz 60dB受信 → L1,T1,L2調整 → 電圧最大へ
【制御用検波調整】
 ・TP24~TP26 電圧計セット ※R181両端=Tメーター出力
 ・83MHz 60dB受信 → T103a(右)調整 → ±0V
 ・TP25(=IC108 PA5008-12ピン)WaveSpectra接続 ※クアドラチュア検波出力
 ・83MHz 60dB受信 → VR101調整 → MONO歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → T101,102調整 → MONO歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → T103b(左)調整 → MONO歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → VR106調整 → MONO歪最小
【IF VCO調整】
 ・TP29 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 60dB受信 → L118 調整 → 13.45MHz
 ・TP27 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 60dB受信 → 10.7MHz ※確認のみ
【IF歪調整】
 ・TP15(=IC201 PA5008-12ピン)WaveSpectra接続
 ・83MHz 60dB受信 → VR107調整 → MONO歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → T105,T106,T107,T108,T109,T104調整 → MONO歪最小
【検波歪調整】
 ・83MHz 60dB受信 → シールドケース内T201調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → VR201,VR202調整 → 高調波歪最小
【38kHz調整】
 ・TP19 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 60dB(無変調)受信 → VR206調整 → 38kHz
【PILOT CANCEL調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 60dBステレオ受信 → VR207調整 → 19kHz漏れ最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 60dBステレオ受信 → VR204,VR209調整 → L-R調整
 ・83MHz 60dBステレオ受信 → VR205,VR208調整 → R-L調整
【Sメーター調整】
 ・VR104(=IC108 PA5008 10ピン)→ Sメーター点灯レベル調整
 ・VR102 ※VR104との関係がよく分からない
【ミューティング調整】
 ・83MHz 18dB受信 → VR103調整 → ミューティング動作位置へ
【REC LEVEL調整】
 ・REC CAL オン → 出力レベル確認(実測339Hz)→ VR302調整 → 出力レベル-6dB
 ・実測339Hz

●AM部調整
【VT電圧調整】
 ・TP33 電圧計セット
 ・522kHz → L301調整 → 2V±0.3V
 ・1629kHz → TC301調整 → 19.5V±0.5V
【受信調整】
 ・TP35 電圧計セット
 ・VR301を中央位置にセット
 ・729kHz 受信 → T301調整  → 電圧最大へ
 ・1332kHz受信 → TC302調整 → 電圧最大へ
 ・603kHz 100dB受信 → VR301調整 →4.9V±0.1V ※注意:5.2V以上にしないこと

F717_align

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・部品取りのつもりが思いがけず正常動作品に生まれ変わりました。
 ・代わりに本来修理対象だった1号機を部品取り機として保管することにします。
 ・今回は新しい発見があってとても勉強になりました。
 ・貴重な機会をいただいたことに感謝いたします。

Pioneer_f71709

Victor FX-711

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 ・2015年11月、電源が入らないVictor FX-711の修理を承りました。
 ・FX-711の修理はたぶん3台目ですが、前2台はずいぶん昔のことでした。
 ・今回はキチンと記録を残すことも目的として作業を進めました。
 ・以下、作業内容の報告です。

Fx71114

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 VICTOR FX-711 ¥49,800(1987年頃)
 ・オーディオ懐古録 Victor FX-711 ¥49,800
 ・Hifi Engine JVC FX-1100 サービスマニュアル、回路図あり
 ・FX-711 取扱説明書 PDF形式

Fx71101Fx71104

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字は「1988」
 ・ボディには細かい擦り傷多いです。
 ・背面アンテナ端子は2系統あります。
 ・配線して電源オン、、残念ながら電源が入りません。
 ・まずは電源部の修理から着手しました。

■修理記録:電源基板--------------------------------------------------

 ・電源基板は既に数個の電解コンデンサとダイオードが交換済みでした。
 ・各部電圧確認

【J705 端子電圧確認】※修理前
 ・J705-1(Fr):-4.5V
 ・J705-2(Fr):-4.5V
 ・J705-3(LOGIC +5V):0V
 ・J705-4(LOGIC GND):0V
 ・J705-5(-35V):-4.1V
 ・J705-6(-35V):+4.7V

Fx71141Fx71150Fx71151Fx71152Fx71153

 ・(LOGIC +5V)に電圧が出ていないのでMPUが動作しない。
 ・調べてみると ICプロテクター2個(CP801,CP802)が断線していました。
 ・CP801,802(ICP-N5)はトランジスタのような形をした2本足の部品です。
 ・パーツリストの部品名ICP-N5を頼りにネット検索すると鈴商通販サイトがヒット。
 ・ICプロテクタはヒューズような役割ですから、そもそも断線した原因が別にあるはず。
 ・そう思ってさらにトランジスタやダイオードを一つずつチェック。
 ・ダイオードD810がショート状態になっていました。
 ・D810交換、続いて ICプロテクタ―2個(CP801,CP802)交換。
 ・電源オン!、、表示管が点灯しWELCOMEメッセージが流れました。
 ・各部電圧は正常値になりました。

Fx71154Fx71156Fx71157Fx71158Fx71159

【J705 端子電圧確認】
 ・J705-1(Fr):-4.5V → -26.1V
 ・J705-2(Fr):-4.5V → -26.1V
 ・J705-3(LOGIC +5V):0V → +5.7V
 ・J705-4(LOGIC GND):0V → 0V
 ・J705-5(-35V):-4.1V → -34.6V
 ・J705-6(POWER):+4.7V → 0.2V (OFF時+4.7V)
【メイン基板 電源部】
 ・Q801-E電圧(+30V):+28.6V
 ・Q803-E電圧(+12V):+11.7V
 ・Q805-E電圧(+ 5V):+ 5.1V
 ・Q808-E電圧(-12V):-12.8V

■再び動作確認--------------------------------------------------------

 ・電源ボタンによるON/OFF動作が正常になりました。
 ・蛍光管表示部は文字痩せ、文字欠けはなくキレイに光っています。
 ・FMアンテナはA/Bの2系統。早速同軸ケーブルを接続して動作確認。
 ・オート選局で名古屋地区のFM放送局を受信しました。
 ・アンテナA/B切替、RF切替、IF BAND切替、MUTING、REC CAL音など動作OK。
 ・STEREOランプ点灯。電波強度はメーターではなくdB数値で表示するタイプです。
 ・表示は50dB~60dBと実際よりもやや低めの値を示します。
 ・メモリ登録動作OK。メモリ選局動作OK。
 ・英数字や記号で放送局名を登録できる機能も確認。
 ・手元にあった適当なループアンテナでAM受信確認。
 ・名古屋地区のAM放送局を正常に受信しました。
 ・FM/AMとも大きな不具合は無さそう、、、と思ったら、、

 ・快調にNHK-FMを聴いていたところ、突然受信感度が大きく低下しました。
 ・50dB~60dBだった表示が20~30dBまで低下しSTEREOランプが明滅しています。
 ・STEREOランプの明滅に合わせて音声がブツブツ途切れます。
 ・電波の強弱に合わせてMUTINGがON/OFFして音声が途切れるようです。
 ・MONO受信に切り替えるとモノ音声では受信OK。
 ・原始的な方法ですがボディを軽くトントンと叩いたら、、感度が戻りました。
 ・さらにトントンすると、、不具合が再発しました。
 ・FM受信が不調になった時もAM受信に切り替えるとAMは正常動作です。

Fx71105Fx71106Fx71107Fx71108Fx71109

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・5連バリキャップ+PLL検波
 ・LA1266:AM/FM TUNER SYSTEM
 ・LA3450:MPX-IC
 ・特徴である光伝送

Fx71120Fx71122Fx71123Fx71124Fx71125
Fx71126Fx71127Fx71128_2Fx71129Fx71130
Fx71131Fx71132Fx71133Fx71134Fx71135
Fx71136Fx71137Fx71138Fx71139Fx71140

■修理記録:トリマコンデンサ交換--------------------------------------

 ・VT電圧を調整しようとしてOSCトリマTC105に触れた瞬間、感度低下が発生しました。
 ・OSCトリマTC105をグリグリ何度も回すと感度低下は発生しなくなりました。
 ・次にRF部の受信調整をしようとTC101~TC104に触れたところ、
 ・特にTC102とTC103はセラミックドライバが軽く触れただけで感度低下が発生。
 ・ひろくん様の修理記録を参考にして TC101~TC105計5個を青色10pFタイプに交換しました。
 ・交換した後で下記調整作業をしたところ受信感度は安定しています。
 ・トントン攻撃にもびくともしません。

Fx71170Fx71171Fx71172Fx71173Fx71175

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・英文サービスマニュアルの調整方法を一部アレンジして調整しました。
 ・フロントパネルスイッチ設定
 ・RF MODE=DX
 ・IF BAND=WIDE
 ・MUTING=OFF

Fx711algn

●FM部
【VT電圧】
 ・TP101 DC電圧計セット
 ・受信周波数 76MHz → L151調整 → 7.5V±0.1V
 ・受信周波数 90MHz → TC105調整 → 22.0V±0.1V
 ・上記作業を数回繰り返す
【RFトラッキング調整】
 ・76MHz 1kHz 100%変調 40dB → L103,L104,L105,L106調整 → dB表示最大
 ・90MHz 1kHz 100%変調 40dB → TC101,TC102,TC103,TC104調整 → dB表示最大
 ・上記作業を数回繰り返す
【IFT調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 40dB → T101調整 → dB表示最大
【PLL検波 VCO調整】
 ・TP104 周波数カウンタ接続
 ・受信バンド切替 → AM
 ・何も受信しない状態 → T208粗調整 → 10.7MHz±0.01MHz
 ・何も受信しない状態 → T208微調整 → 10.7MHz±0.01MHz
 ・受信バンド切替 → FMに戻す
【FM dB表示調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 70dB → VR602調整 → 表示74dB
 ・83MHz 1kHz 100%変調 30dB → VR601調整 → 表示24dB
 ・上記作業を数回繰り返す
【モノラル歪調整:WIDE】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz 100%変調 70dB → T204(黒)調整 → モノラル歪最小
【ステレオ歪調整:WIDE】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz stereo変調 70dB → T202(黒)調整 → ステレオ歪最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【ステレオ歪調整:NARROW】
 ・IF BAND=NARROW
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz stereo変調 70dB → T201(黒)調整 → ステレオ歪最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【FM同調点調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・TP103 DC電圧計セット
 ・83MHz 1kHz 100%変調 70dB → T206調整 → 0V±1.5mV
【MUTINGレベル調整】
 ・MUTING=ON
 ・83MHz 1kHz 100%変調 20dB → VR604調整 → MUTING作動確認
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → VR401調整 → Rch > Lchもれ最小
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → VR402調整 → Lch > Rchもれ最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → VR403調整 → 19kHzもれ最小
 ・左右chのバランスに注意
【REC CAL調整】
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → 通常受信で出力レベル記録
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → VR404調整 → 上記記録-6dBに設定
 ・TONE 427Hz

●AM部
【VT電圧】
 ・TP102 DC電圧計セット
 ・受信周波数 522kHz → L302調整 → 1.8V±0.1V
 ・受信周波数1629kHz → TC302調整 → 22.0V±0.1V
 ・上記作業を数回繰り返す
【トラッキング調整】
 ・ 729kHz(NHK第一)受信 → L301調整 → 感度最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC301調整 → 感度最大
 ・上記作業を数回繰り返す
【AM dB表示調整】
 ・999kHz 90dB送信 → VR603調整 → ※AMのdB値は適当です。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・再調整によって良い性能を取り戻しました。
 ・本機が示す電波強度はかなり正確な値を示しています。
 ・受信環境を測るリファレンス機として使えそうです。

Fx71116

Raspberry Pi2 with Durio Sound PRO

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謹賀新年

・2016年が皆様にとって素晴らしい年になりますように。
・私は今年もマイペースでジャンク修理に励みます。
・よろしくお願いいたします。

----------------------------------------------------------------

 ・ラズベリーパイを使ったミュージックサーバーの構築記録です。
 ・用意したのはRaspberry Pi2 modelB と Durio Sound PRO。
 ・Durio Sound Pro はRaspberry Pi2 の背中に載せるオーディオ拡張ボードです。
 ・DACは PCM5102A搭載。こんなに小さくても192kHz/24bitに対応したハイレゾ仕様。
 ・2015年10月初め、スイッチサイエンスに Durio Sound PRO の在庫が復活していました。
 ・これはチャンス! またすぐ完売になる、と思って速攻注文。
 ・と、勢いで確保したものの、多忙のため着手できず。
 ・年末休暇を利用してようやく娘に頼まれていた自宅の音楽環境が整いました。

Pi60

■Durio Sound Pro 製品情報--------------------------------------------

 ・Durio Sound PROスイッチサイエンス
 ・Durio Sound PRO Gravitech LLC

Pi11Pi12Pi13Pi14Pi15

 ・トランジスタ技術2015年9月号で紹介されていたボードです。
 ・整流回路と電源IC搭載でAC:7~12V、DC:9~15Vの電源が使用可能。
 ・Raspberry Piにも電源を供給できる。
 ・電源入力用DCジャック内径1.3 mm、外径3.5 mm
 ・DCジャックの極性はセンタープラス、センターマイナスのどちらでもOK。
 ・注意:ACとDCの両方に電源をつなぐと壊れる。どちらか一方のみ使用。
 ・電源回路が省略されたBASIC版もあり。
 ・電源は9V/2A仕様のスイッチングACアダプターを使いました。

Pi20Pi21Pi22Pi23Pi24

■Volumio導入~設定-------------------------------------------------

 ・Raspberry Pi2 modelB+32GB CLASS10 MicroSDカード。
 ・もったいないな~と思いつつ、手元の余剰カードはこれしか無かった。
 ・導入~設定方法は多くの先人が公開しているネット情報を参考にさせていただきました。
 ・インストール後に確認したところ、Volumioのシステムは1.5GBほどしか使っていないです。
 ・ドライバー選択:Settings → I2S driver → Hifiberry
 ・Volumio起動まではスムーズに進みました。

■Volumio設定でNASがマウントできない件--------------------------------

 ・Volumioの設定で自宅のBuffalo製NASがマウントできない。
 ・NASにはもう10年以上に渡って音楽ファイルを貯めこんであります。
 ・これがマウントできないと意味が無い、、、
 ・ネット上で解決策を探してあれこれ試行するも全部ダメ。
 ・そうこうするうちシステムがクラッシュしたのか、、Piの応答がなくなる。
 ・SDカードを再フォーマットしてimgファイルを焼き直し。
 ・同じ失敗を何回か繰り返した末、、、Piファームウェア更新で解決しました。

 ・SSHクライアントTera Term起動
 ・Host:192.168.1.116  ※VolumioのIPアドレス
 ・User name:root
 ・Passphrase:volumio

 ・root@volumio:~#

 sudo apt-get update
 sudo apt-get install binutils
 sudo apt-get install rpi-update
 sudo rpi-update
 reboot

 ・再起動後、カーネル3.12.32 → 4.1.15
 ・当初の苦戦が嘘のよう、、NASがあっさりとマウントできました。
 ・Pi自体のアップデートとVolumioのアップデートはこまめに見ておいた方がよいです。

Volumio_teraterm01

【メモ:一度書き込んだSDカードの再利用方法@WindowsPC】
 ・Win用 SD Formatter ではパーテーションが削除できない。
 ・そこでSDカードをボイスレコーダーに挿入してフォーマット。
 ・デジカメでもいいかも?※未確認
 ・さらにSD Formatter で上書きフォーマット。
 ・イメージファイルを Win32DiskImager で再度書き込み。

■MPDクライアント----------------------------------------------------

 ●MPoD:iPhone用無料アプリ
 ●MPaD:iPad用有料アプリ360円 

 ・Web UIもいいのですが操作のためにいちいちパソコンを起動するのは面倒です。
 ・そこで娘が買い替えて不要になったiPhone5S (iOS9.2) をリモコン代用品に仕立てました。
 ・iPhoneアプリ(MPoD)からアルバム検索や曲検索などが操作できます。
 ・これは便利、、パソコン不要で超楽チン快適操作が可能になりました。
 ・有料版MPaDは試していませんが、リモコンサイズのiPhoneで十分な感じです。

Pi61

【文字化け問題】
 ・MPoD上で日本語のタイトルやアーティスト名は正しく表示されしたが、、
 ・ただ日本語が文字化けするアルバムが何枚かありました。
 ・文字化けしていても音楽は正常に再生可能です。
 ・昔リッピングした時に取得したCD情報の文字コードの問題でしょうか?
 ・解決策として文字化けするデータをfoobar2000のPlaylistに読み込んでタグ情報を再取得。
 ・これで文字化けが解消しました。

【MPoDの日本語表示】
 ・数字、ABCの順で表示され、さらに大文字、小文字の順に表示される。
 ・日本語は、Aグループの最後にひらがな→カタカナ→漢字の順で表示される。
 ・The Beatles は B のグループに表示される。

【MPoDでアルバムアートを表示】
 ・MPoDでは音楽ファイルにタグ付けされたアルバムアートは表示できないようです。
 ・代わりにMPoDでアルバムアートを表示する方法を探しました。
 ・アルバムアートを付けていなかったファイにnもこの機会に画像を用意しました。

Pi1001Pi1011Pi1021Pi1031_2

 ●参考サイト
 ・NASの音楽ファイルと同じフォルダに画像をファイル名 cover.jpg で保存。
 ・画像ファイルをhttpサーバを使って MPoDに送り出す。
 【操作方法】
  ・Tera TermでVolumio へ SSH 接続
  ・コマンド実行
   ln -s /var/lib/mpd/music/var/www/covers
  ・SSH終了

  ・MPoD → Settings → Fetch local cover art → ON
  ・MPoD → Connection → Advanced → LOCAL COVER ART
  ・URL: http://192.168.1.116/covers ※当家の場合
  ・Cover Filename: cover.jpg

  ・MPoD → Settings → Refresh local cache
  ・MPoD → Settings → Reload missing covers

Pi105Pi106Pi107Pi108Pi109

 【Various Artists のアルバムアートが表示されない件】
  ・不思議なことにコンピレーションアルバムではアルバムアートが表示できません。
  ・他のアルバムでは表示できるのに、、何故でしょう??
  ・あれこれ弄っているうちに見つけた解決方法です。
  ・表示できない理由と表示できる理由は不明ですが、、私の環境ではこれでOKでした。

   ※Various Artists のアルバムをPlaylistに登録して実際に再生する。
   ※再生しながら Setting → Reload missing covers を実行する。
   ※アルバリスト表示 → 一度スクロールして画面から外す → 再スクロール → これで表示OK
   ※表示できない場合は  Setting → Reload missing covers を繰り返す。

 ・Setting → Clear cover art cache を実行すると再び表示されなくなります。注意。

■自作ケースに詰め込む------------------------------------------------

 ・100円ショップでケースに使えそうなものをいろいろ買ってきました。
  ・コレクションケース
  ・ブックエンドT型ミニ
  ・クラフトケース・ペンスタンド
  ・ティッシュケース

Pi40Pi71Pi91Pi81

【ブックエンド型Piスタンド】
 ・セリアで買った小型のブックエンド(2本セット)です。
 ・基板固定用の取付穴を開けるだけで加工は超簡単。
 ・実験用の仮設台として良さそうです。でも「ケース」とは呼べないですね。

Pi72Pi73Pi74Pi76Pi78

【Piケース】
 ・ダイソーで買ったコレクションケース(EL-10 W141×D69×H59mm)です。
 ・RCA端子→直径10mm穴、3.5mm端子→直径6mm穴。
 ・電源と有線LANケーブルを通す穴は四角形に切り抜きました。
 ・Pi本体の HDMI端子、電源用USB端子は使わないので穴あけ不要。
 ・設計図もないまま現物合わせで穴を開けてあっという間に完成。
 ・特に音声出力端子の出っ張り具合は完璧にピッタリでした。偶然ですが、、
 ・このままでは密閉構造になるので放熱対策として底面に10mm間隔で通気口を設置。
 ・穴あけの完成度は最悪、、でもコードを繋ぐと見栄えは上々。

Pi41Pi42Pi43Pi45Pi46
Pi50Pi51Pi53_2Pi54Pi55

 ・ペンスタンドやティッシュケースも使えそうなので2号機3号機で加工してみます。

Pi80Pi82Pi84Pi90Pi92

■使用感など--------------------------------------------------------

 ・AirPlay対応なのでAppleTVがなくてもスマホやタブレットの音楽を飛ばせます。
 ・家内が契約しているAmazomプライムの音楽配信もスピーカーから流れてきました。
 ・最初は情報表示用のディスプレイとリモコン受光部も付けようと思っていましたが、、
 ・考えてみたら、サーバー棚の奥に設置するので表示部やリモコンは不要でした。
 ・オーディオ機器としてラックに飾るなら表示部やリモコンがあるとカッコいいです。
 ・久しぶりに良い家族サービスができました。

Pi63

KENWOOD KT-3030

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 ・2015年11月、KENWOOD KT-3030の修理調整を承りました。
 ・以下、作業内容をご報告します。

Kt303000

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-3030 ¥120,000(1984年頃)
 ・オーディオ懐古録 KENWOOD KT-3030 ¥120,000
 ・KENWOODカタログ(1985年1月版) KT-3030 / KT-2020 / KT-1010II / KT-880
 ・Hifi Engine  KENWOOD KT-1100SD

Kt303002Kt303006
Kt303007Kt303008Kt303009Kt303010Kt303012

■動作確認------------------------------------------------------------

<依頼者様からお聞きした不具合状況>
 ・FM放送受信中に「ザザッ」と雑音が入る。
 ・FM放送受信中にときどき音が消える。
 ・すぐに音が戻るときもあれば、数秒~数分かかるときもある。

<確認事項>
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・電源投入直後は周波数などを表示する蛍光管表示部全体の輝度が不安定。
 ・しばらく時間が経つと明るく安定する。
 ・ただ周波数の「小数点」「FM」「MHz」が表示されない。
 ・この状態でAUTO選局を開始すると蛍光管表示部全体の輝度が明滅する。
 ・どこか放送局を受信して停止すると輝度は明るい状態で安定する。
 ・いつの間にか周波数の「小数点」「FM」「MHz」が表示されている。

 ・名古屋地区のFM放送局はすべて受信OK。周波数ズレなし。
 ・SIGNALメーター点灯。Tメーター動作OK。DEVIATIONメーター点灯。STEREOランプ点灯。
 ・RF SELECTOR DIRECT/DISTANCE切替に伴って表示切替OK。
 ・IF BAND 切替スライドVRに伴ってWide/Narrow表示切替OK。
 ・MUTING動作OK、REC CALトーンOK。
 ・固定/可変出力とも出音確認。可変VRにガリ無し。
 ・マルチパスH端子からもFM音声確認。
 ・メモリ登録動作OK。電源プラグを抜いて1週間後もメモリ保持していました。

 ・動作確認中にご指摘の「ザザッ」という雑音を確認。
 ・「ザザッ」という雑音が数回聞こえた後、一瞬音が消える症状も確認。
 ・音が消えている間はSIGNALメーターの表示が消失、STEREOランプも消灯。
 ・音が消えている間はマルチパスH端子の出力は「ザー」という局間ノイズになる。
 ・音が出ない理由はMUTINGが効いているから。MUTINGオフにすると局間ノイズでした。
 ・音が出ない時間は数秒くらいでした。
 ・その後数回に渡って音が出なくなる(MUTINGが作動する)症状を確認しました。
 ・受信感度が低下 → MUTING作動 → 音が出なくなる。

 ・電源コードの印字「1995」。電源コードは別製品に交換済みのようです。
 ・底板にKENWOODサービスの修理記録シール「02.01.17」

Kt303013Kt303040Kt303041Kt303050

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・カタログには性能を誇示する「カタカナ用語」が並びますね。
 ・実機で確認しながらその機能を読み解きました。

【ダイレクト・リニア・レセプション・サーキット】
 ・バリキャップ12個を使ったパラレルツイン回路+MOS-FET
 ・OSC周波数対VT電圧特性を全周波数に渡って直線(リニア)にする

【DLLD:ダイレクト・リニア・ループ・ディテクタ】
 ・IF信号をダイレクトに直線化して閉ループ検波器で検波。
 ・閉ループ内の歪補正回路でVCOの非直線歪を打ち消す

【DCC:ディストーション・コレクティング・サーキット】
 ・IF段の2次~4次歪までキャンセルする機能

【DPD:ダイレクト・ピュア・デコーダー】
 ・38kHzの純粋な正弦波で検波出力と掛け算する方式。
 ・38kHz方形波で問題になる114kHzや190kHzの高調波成分を含まない。

Kt303020Kt303021Kt303022Kt303023Kt303024
Kt303025Kt303026Kt303027Kt303028Kt303029
Kt303030Kt303031Kt303032Kt303033Kt303034

 ・IC13 AN7418 FM Stereo Multiplex Demodulator
 ・VR1:DET DIST.
 ・VR2:2ND MONO DIST.
 ・VR3:2ND L ONLY DIST.
 ・VR4:3RD MONO DIST.
 ・VR5:3RD SUB DIST.
 ・VR6:4TH MAIN 10k DIST.
 ・VR7:4TH L ONLY 10k DIST.
 ・VR8:W2 BAND DIST.
 ・VR9:N1 BAND DIST.
 ・VR10:N2 BAND DIST.
 ・VR11:PILOT CANCEL
 ・VR12:VCO
 ・VR13:SEPARATION Lch
 ・VR14:SEPARATION Rch
 ・VR15:SEPARATION W2
 ・VR16:SEPARATION N1
 ・VR17:SEPARATION N2
 ・VR18:SIGNAL LEVEL
 ----------------------------
 ・VR1:DEVIATION
 ・VR2:T.CENTER

■修理記録:蛍光管表示部の接触不良----------------------------

 ・蛍光管表示部と基板との接合部をルーペ観察するとハンダクラック発見。
 ・接合箇所のハンダをすべてやり直しました。
 ・小数点もキチンと表示されるようになりました。

Kt303040_2Kt303041_2Kt303042Kt303043

■修理記録:「ザザッ」という雑音と音が消える症状----------------------

 ・不具合発生時はSIGNALメーターのレベル表示がすべて消える。
 ・マルチパスH端子からは「ザーッ」という局間ノイズしか聞こえない。
 ・つまり感度を失っている、全く受信していない状態になっています。

Kt303070

 ・経験的にフロントエンド内トリマコンデンサの接触不良を疑いました。
 ・試しにOSCトリマTC6に軽く触れたところ不具合症状が再現されました。
 ・このTC6をグリグリと30回ほど回したところ不具合が発生しなくなりました。
 ・原因はTC6の接触不良と思われます。
 ・RF部のトリマコンデンサTC1~TC5にも同様の軽い接触不良がありました。
 ・今回は交換していませんが、サービスマニュアルにトリマ容量の記載がありました。
 ・TC1,TC3,TC4,TC5(白色)= 11PF
 ・TC2,TC6(青色)= 7PF

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・輸出機KT-1100SDのサービスマニュアルをベースにして一部アレンジしました。
 ・D-3300Tで確認した調整方法とほぼ同じです。
 ・IF BAND スイッチ記号:(左端)N2 ← N1 ← (中央) → W2 → W1(右端)

Kt3030algn

【本体設定】
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
 ・IF BAND:W1(右端位置)
【VT電圧】
 ・TP1~TP2 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz →  L6調整 → 3.0V ※実測 2.4V
 ・90MHz → TC6調整 →24.0V ※実測20.3V
【検波調整】
 ・TP7~TP8 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → L21調整 → 0.0V
【RF調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・76MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1~L5調整 → 電圧最大
 ・90MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ TC1~TC5調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L11,L12調整 → 電圧最大
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→L14,L18調整 → 電圧最大
【MPX VCO調整】
 ・TP9に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR12調整 → 76.000kHz
【PILOT CANCEL調整1】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dB)→ VR11調整 → 19kHz信号最小
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dB)→ L26 調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ L28調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DET】
 ・83MHz(MONO信号,400Hz,100%変調,80dB)→ VR1調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR2調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR4調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO/L】
 ・83MHz(L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR3調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO/SUB】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR5調整 → 歪率最小
【歪調整6 STEREO/MAIN】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR6調整 → 歪率最小
【歪調整7 STEREO/L】
 ・83MHz(L信号,10kHz,90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整8 W2】
 ・IF BAND=W2
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR8調整 → 歪率最小
【歪調整9 N1】
 ・IF BAND=N1
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR9調整 → 歪率最小
【歪調整10 N2】
 ・IF BAND=N2
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR10調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 W1】Super Wide
 ・IF BAND=W1
 ・83MHz(R信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR13調整 → Lchもれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR14調整 → Rchもれ最小
【SEPARATION調整2 W2】Wide
 ・IF BAND=W2
 ・83MHz(R/L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR15調整 → もれ最小
【SEPARATION調整3 N1】Narrow
 ・IF BAND=N1
 ・83MHz(R/L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR16調整 → もれ最小
【SEPARATION調整4 N2】Super Narrow
 ・IF BAND=N2
 ・83MHz(R/L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR17調整 → もれ最小
【SIGNAL METER調整】
 ・83MHz(無変調,70dB)→ VR18調整 → 7番目のドット(最上段)点灯
【TUNING METER調整】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz100%変調)→ 2階基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MODULATION METER調整】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz100%変調)→ 2階基板VR1調整 → ※
  ※MODURATIONメーター100%位置で点灯

Kt1100sd_sche_s

■修理記録:セパレーション調整用VR交換--------------------------------

 ・上記調整でVR13,14を回しても最適値に決めきれない状態でした。
 ・セパレーション調整用VR13、VR14(502:5kΩ)を新品に交換しました。
 ・交換後はセパレーション最適値がピタッと決まりました。

Kt303060Kt303061

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・通常RF=DISTANCE。FM送信塔に近くて電波が強すぎる場合はRF=DIRECT。
 ・通常IF BAND= WIDE側(右端)。近接局の影響がある場合は順次NARROW側へ調整。
 ・RF=DISTANCEにすると通常は入感しないコミュニティFM局や遠距離局も受信できます。
 ・受信感度は抜群に良いです。

Kt303003

■おまけ--------------------------------------------------------------

 ・本機が掲載された カタログの中面に当時のFM-TOKYOのスタジオ風景写真が載っています。
 ・使われている機材を見ると時代を感じます。

ROTEL RT-1220

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 ・2015年9月、ヤフオクで昭和の香り漂うオールドチューナーを入手しました。
 ・こういう古い機種をつい買ってしまいます。
 ・忙しくて着手できなかったのですが、年末休暇でようやく整備できました。

Rt122008

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 ROTEL RT-1220 ¥59,000(1973年頃)
 ・Hifi Engine ROTEL RT-1220  ※輸出機のサービスマニュアルあり

Rt122001Rt122011

 ・1970年代前期、ということは PLL MPX-IC が登場する以前の機種です。
 ・SONYならST-5130、TRIOならKT-8005辺りが同級生でしょうか。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は擦りキズ、打ちキズ多数あってちょっと残念な状態です。
 ・チューニングつまみの外周部にもキズ多数あります。
 ・周波数窓の汚れが酷い。分解清掃でキレイなるか?
 ・背面を見ると固定出力端子、可変出力端子、マルチパスH/V端子が並んでいます。
 ・アンテナ端子が独特の形状です。これはちょっと使いにくい。

Rt122003Rt122004Rt122005Rt122006Rt122007

 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン。
 ・緑色の照明窓、二つのメーター照明が点灯。指針はオレンジ色に点灯。
 ・FM局の受信確認。Tメーター中点とSメーター最大点が大幅にズレている。
 ・Tメーター中点と地元放送局は0.3MHzほどのズレ。
 ・STEREOランプは点灯するのでタマ切れではないが、動作がおかしい。
 ・FM局受信中はSTEREOランプは点灯しない。しかし離調すると時々点灯する。

Rt122011_2Rt122013Rt122014Rt122015Rt122016

 ・MUTINGは2段階(10uV/30uV)切替式。MUTING自体は動作している。
 ・MPXフィルターON、高域がわずかに減衰することを確認。
 ・可変出力VRにガリ。
 ・AMは問題なさそう。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・フロントエンド、FM-IF基板、MPX基板、MUTING基板、AM基板が整然と並んでいます。
 ・FM5連バリコンとAM3連バリコンが前後に連結。
 ・FMバリコンのシールドケースは外せない構造でした。
 ・MURATA製セラミックフィルター、レシオ検波。
 ・LA3300 FM Multiplex Stereo Decoder FM復調機能を備えたIC。
 ・PLL化される以前の19kHzと38kHzコイルで同調するタイプです。

Rt122020Rt122021Rt122022Rt122024Rt122025
Rt122030Rt122031Rt122032Rt122033Rt122034
Rt122035Rt122036Rt122037Rt122038Rt122039
Rt122040Rt122041Rt122042Rt122043Rt122044

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・海外版サービスマニュアルに基づいて一部アレンジ。

Rotel_rt1220sche2

【FM検波調整】
 ・何も受信しない状態 → T101上段コア調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・76MHz受信 → Lo 調整 → Sメーター最大
 ・90MHz調整 → TCo調整 → Sメーター最大
【FM ANT,RF調整】
 ・76MHz受信 → LA,LR1,LR2,LR3調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TCA,TCR1,TCR2,TCR3調整 → Sメーター最大
 ・上記作業を数回繰り返す
【FM検波歪調整】
 ・WaveSpectraにて観測
 ・83MHz受信 → フロントエンドIF調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz受信 → T101下段コア調整 → 高調波歪最小
【FM MPX調整】
 ・83MHz SUB信号 → L301(黒,黄)調整 → Lch出力レベル最大
 ・83MHz L/R信号 → VR301調整 → 左右のセパレーション最大
 ※TPに周波数カウンタを接続すると38kHzが観測できる
【FM AUTO調整】
 ・83MHz STEREO信号 → VR101(IF基板)調整 → ※
 ※40dB以上でSTEREO、40dB以下でMONOに切り替わるように。
【FM Sメーター調整】
 ・83MHz 60dB受信 → VR801調整  → 目盛8位置
【FM MUTING調整】
 ・83MHz 60dB受信 → L801 調整 → MUTING作動範囲を受信周波数に対して左右対称に設定
 ・83MHz 20dB受信 → VR802調整 → MUTINGスイッチ10uV位置で作動するように設定
 ・83MHz 35dB受信 → VR803調整 → MUTINGスイッチ30uV位置で作動するように設定

Rt122050Rt122051Rt122052Rt122053Rt122055

【AM OSC調整】
 ・600kHz受信 → T202調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信→ CT3 調整 → Sメーター最大
【AM ANT,RF調整】
 ・600kHz受信 → T201,L003(バーアンテナ)調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信→ CT1,CT2 調整 → Sメーター最大
【AM 歪調整】
 ・1000kHz受信 → T203,204調整 → 歪最小

Rotel_rt1220_align

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・他社製チューナーとはちょっと異なる独特のデザインです。
 ・フロントパネルを分解清掃した結果、美しい照明が蘇りました。
 ・パネルやつまみのキズがちょっと残念ですが、遠目では分からないでしょう。
 ・各部再調整によって FM/AMとも不満なく受信できます。
 ・このレトロ感満載の雰囲気を大切にしたいです。

Rt122009

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