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KENWOOD KT-7020 修理調整記録3

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 ・2019年1月初め、部品取り用にKT-7020の寄付をいただきました。
 ・寄付は大歓迎です。ありがたく頂戴いたします。
 ・以下、整備記録です。

Kt702007


■製品情報----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD KT-7020
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-7020 AM/FM Stereo Tuner (1989-92)


Kt702002Kt702009

■動作確認----------------------------------------------------------

 ・経年の汚れがあるものの外観に目立つキズは無い。
 ・FMアンテナとAMループアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数表示部が明るく点灯。輝度劣化や文字欠けはない。
 ・ただ選局ツマミの回転フィーリングがちょっと重い
 ・周波数ズレなし。RF切替(DISTANCE/LOCAL)OK、IF切換(WIDE/NARROW)OK。
 ・TメーターとSメーターを表す表示もOK、STEREOランプ点灯。
 ・DEVIATIONバー点灯OK、REC CALトーンOK。
 ・TV受信機能は確認不能。
 ・FM/AMとも受信機能は生きています。

Kt702001Kt702003Kt702004Kt702005Kt702008
Kt702010Kt702011Kt702012Kt702013Kt702014

■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・過去記録にもある通り、KT-7020とKT-V990の内部構成はほとんど同じ。
 ・特に不良個所や改造箇所は見当たりません。
 ・オリジナル状態のようです。

Kt702041Kt702042Kt702043Kt702044Kt702045
Kt702051Kt702052Kt702053Kt702054Kt702055

■調整記録------------------------------------------------------------

【本体設定】
 ・IF BAND:WIDE
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
【VT電圧】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 実測 3.1V
 ・90MHz → TC1調整 → 実測25.1V
【検波調整】
 ・TP5~TP6 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調)受信 → L9調整 → 0.0V
 ・TP7~TP8 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調)受信 → L12調整 → 0.0V
【RF調整】
 ・D40 アノード側 DC電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz → L1,L4,L7,L10,L17調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
 ・83MHz(19kHz信号,20dB)→ VR1調整 → STEREOインジケータ点灯
【MPX VCO調整】
 ・TP19~20 周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調) → VR3調整 → 19.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号)→ L33調整 → Lch最大
【歪調整 DET】
 ・83MHz(MONO信号)→ VR3調整 → 歪率最小
【歪調整 MONO】
 ・83MHz(MONO信号)→ VR4調整 → 歪率最小
 ・83MHz(MONO信号)→ VR6調整 → 歪率最小
【歪調整 ST-L】
 ・83MHz(L信号)→ VR5(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号)→ VR7調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整】
 ・83MHz(R信号)→ VR4調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz(L信号)→ VR5調整 → R信号もれ最小
【AM VT電圧調整】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・ 531kHz → L26調整 → 実測 1.5V
 ・1602kHz → TC2調整 → 実測 8.5V
【AM RF調整】
 ・ 600kHz → L27調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → TC3調整 → Sメーター最大

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・故障個所は無かったです。
 ・調整によって特に受信感度が大幅に向上しました。
 ・高調波歪補正、セパレーション特性も大きく改善しました。
 ・貴重な部品取り機としてこのまま保管します。

Kt702006


 ※今回はイメージ通りに表示されています。
 ※記事投稿時のコツがやっと分かりました。


TRIO KT-7700 修理調整記録4

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 ・2018年12月初め、音が出ないというKT-7700を寄付していただきました。
 ・故障品の寄付は大歓迎です。
 ・以下、修理記録です。

Kt770003_1

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-7700 ¥78,000(1976年)
 ・TRIO KT-7700/KT-7500 カタログ 1976年5月版
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-8300 ※輸出機 型番注意!

Kt770001_1Kt770012_1

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観はとてもキレイな個体で目立つキズはほとんどない。
 ・FM同軸アンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓と3つのメーターを照らすオレンジ色の照明が点灯。電球切れ無し。
 ・Narrow、MPXfilter の赤色LEDインジケーター点灯。
 ・地元のFM放送局周波数付近でSメーターが大きく振れる。
 ・しかしこのときTメーターがまったく動かない。
 ・STEREOランプ点灯しない。
 ・固定/可変端子とも音声が出ない。
 ・MULTIPATH H端子も音声がでない。
 ・ところがMULTIPATH V端子からはFM放送が聞こえる。
 ・FM同調点を検出できないのでMUTINGが解除されない状態か?

■修理記録:IC11 NJM4558交換-----------------------------------

【検波調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・アンテナ入力なし → VR 4調整 → Tメーター中点
 ・IF BAND=WIDE
 ・アンテナ入力なし → VR12調整 → Tメーター中点
 ・Tメーター不動なので、まずはVR4とVR12を回してみると、、
 ・残念ながらVR4、VR12ともにTメーターは全く反応しない。
 ・しかし検波回路周辺から信号を直接拾ってみると音声信号が聞こえる。
 ・つまり検波回路は正常ということ。
 ・回路図を見ながら原因を考える。
 ・原因はTメーターを駆動するオペアンプIC11:NJM4558TAの故障か?
  ・部品交換 IC11:NJM 4558TA → 4558DD
 ・正解!交換によって Tメーターが左右に振れるようになった。
 ・リレー動作音が聞こえて固定/可変端子ともにFM音声が出てきた。
 ・基板を見渡すと同じCANタイプのオペアンプがあと3個。
 ・せっかくの機会なので、残る3個とも交換。
  ・IC13:NJM 4558TA → 4558DD
  ・IC10:NJM 4558T → 4558DD
  ・IC14:NJM 4558T → 4558DD
 ・交換後丸一日連続運転して不具合が無いことを確認。
 ・これで直ったか??


Kt770051Kt770052Kt770053Kt770054Kt770067

■修理記録:L11 コンデンサ追加-----------------------------------

 ・上記修理でオペアンプ交換後約2日間は正常に動作していました。
 ・ところが、FM放送受信中に突然Tメーターが中点を外れ音が出なくなった。
 ・同調点を外れてミューティンが作動した状態。
 ・入手直後に確認した症状とまったく同じです。
 ・ということは当初の不調原因はオペアンプではなかった?
 ・再び原因を考える → 残された可能性は L11内蔵コンデンサーの劣化。
 ・L11を基板から取り外して底面を確認するもコンデンサーが見えない。
 ・金属製カバーを外してみると内側にコンデンサー発見。
 ・このコンデンサーを慎重に取り除き、L11本体を再度基板に取り付け。
 ・ハンダ面から温度補償型コンデンサーを追加。
 ・容量は試行錯誤の結果39pFがベストと判明
 ・検波回路の調整をやり直して受信可能状態になりました

Kt770071Kt770073Kt770074Kt770076Kt770078

■修理記録:インジケーターLED交換-------------------------------------

 ・3個並んだインジケーターが点灯しない。
 ・ヤフオクで「鉄道模型用」として売られていたLEDを入手。
 ・平ぺったい形状ですが突起部は丸くてサイズはピッタリでした。
 ・ゴム製ホルダーに収めれば正面から見ても違和感ありません。

Kt7700101Kt7700103Kt7700104Kt7700105Kt7700107

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・正常動作するようになったので各部調整しました。

Trio_kt7700_alig

【検波調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・アンテナ入力なし → VR 4調整 → Tメーター中点
 ・IF BAND=WIDE
 ・アンテナ入力なし → VR12調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
 ※OSCトリマ調整孔が背面にありますが、隙間が狭いのでこれを回すのは難しい
【フロントエンドRF調整】
 ・TP1(R77右足)→ DC電圧計セット
 ・IF BAND=NARROW
 ・76MHz 60dB 受信 → RFコイル6個調整 → 電圧最大
 ・90MHz 60dB 受信 → RFトリマ6個調整 → 電圧最大
【検波調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・アンテナ入力なし → VR 4調整 → Tメーター中点
 ・IF BAND=WIDE
 ・アンテナ入力なし → VR12調整 → Tメーター中点
【IFトリガー調整】
 ・TP1(R77右足)→ DC電圧計セット
 ・83MHz 60dB 受信 → L11調整 → 電圧最大
 ・83MHz 0dB 受信 → L10調整 → 電圧最大(※L10 フロントエンド内)
【IFトリガーレベル調整】
 ・83MHz 60dB 受信 → VR2調整 → 電圧DC1.8V
 ・アンテナ入力なし→ VR1調整 → 電圧DC0.6V
【Sメーター振れ調整】
 ・83MHz 80dB 受信 → VR3調整 → Sメーター目盛り5
【MUTING調整】
 ・MUTING=1
 ・83MHz 16dB 受信 → VR9調整 → MUTING作動
【VCO調整】
・周波数カウンタをTP2接続
 ・アンテナ入力なし → VR 7調整 → 19kHz
【OUTPUTレベル調整】
 ・FM DET OUT端子にAC電圧計セット
 ・76MHz 1kHz 100%変調 60dB 受信 → VR10調整 → 電圧AC300mV
【セパレーション調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz ST信号 60dB受信 → VR 5調整 → Lch信号最小
 ・83MHz ST信号 60dB受信 → VR 6調整 → Rch信号最小
【ステレオ歪調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz ST信号 60dB受信 → L10調整 → 高調波歪最小
【DEVIATIONメーター調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 60dB 受信 → VR 8調整 → Dメーター目盛り100%

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・TメーターとSメーターが大きく振れて気持ちよく受信できます。
 ・トリオ独特のオレンジ色照明窓がとても美しいですね。
 ・今回も良い勉強になりました。

Kt770010_1

ONKYO Integra T-455nII 修理調整記録

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 ・2019年3月、T-455nIIの故障品が届きました。
 ・そういえば10年前に入手した同型機が放置したままでした。
 ・この機会に修理調整方法を再検討した記録です。

T455nii03

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 ONKYO Integra T-455nII ¥69,800 (1975年発売)
 ・前回記事 2009年10月11日

T455nii02T455nii10

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル、ボディともキズはほとんど見当たらない。
 ・側面を固定するネジも光沢があって外観はとても綺麗。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓と二つのメーター照明が点灯、白い文字盤が浮き上る。
 ・緑色やオレンジ色の照明窓とは違った上品な印象です。
 ・さて、名古屋地区のFM局を受信しようとすると、、
 ・Sメーターは大きく振れるが、Tメーターの動き方がおかしい。
 ・Tメーターは中央より左側のみでわずかに振れる程度で中点に届かない。
 ・Sメーター最大点付近でTUNEDランプ(赤色)点灯。
 ・選局つまみから指を離すとLOCKEDランプ(緑色)点灯。
 ・FM音声は聞こえるがSTEREOランプ点灯しない。実際のステレオ感もない。
 ・マルチパスH端子からはモノラル音声が聞こえる。
 ・背面バーアンテナで名古屋地区のAM局を受信。
 ・AMは特に問題なさそうです。

T455nii04T455nii05T455nii06T455nii07T455nii08
T455nii12T455nii14T455nii15T455nii16T455nii18

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM5連、AM2連バリコン搭載のフロントエンド。
 ・電源トランス横の基板はクリスタルロック回路。
 ・NormalL(Wide)/Narrow切換 → ウルトラリニアディテクター(レシオ検波)
 ・HA1156 PLL MPX
 ・HA1151 AM TUNER SYSTEM


T455nii21T455nii22T455nii23T455nii24T455nii25
T455nii26T455nii27T455nii28T455nii29T455nii30
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T455nii36T455nii37T455nii38T455nii39T455nii40
T455nii41T455nii42T455nii43T455nii44T455nii45
T455nii46T455nii47T455nii48T455nii50T455nii51

■修理記録:検波コイル------------------------------------------------

 ・Tメーターの挙動がおかしい件の対策です。
 ・クリスタルロック基板上のL703,L704
 ・L703 (NIT515 P) → Primary
 ・L704 (NIT515 S) → Secondly
 ・このレシオ検波回路でTメーターを駆動している。
 ・L703を取り外して裏面を確認 → 内蔵コンデンサーが見える。
 ・この内蔵コンデンサーの劣化が怪しいです。
 ・試しに以前から保管しているT-455nIIのL703を取り外して移植。
 ・これによって Tメーターの動き方が正常になり中点に設定できた!
 ・Tメーター不調はL703内蔵コンデンサーの劣化が原因でした。

T455nii50T455nii51T455nii52T455nii53T455nii54

■調整記録------------------------------------------------------------

T455nii00

【クリスタルロック基板調整】
 ・クリスタルロック基板 R716~R743間にDC電圧計セット
 ・SSG 10.7MHz 90dB 無変調 → メイン基板 R101 に注入
 ・L703(粗調整),L704(微調整)→ 電圧ゼロ
【Tメーター調整】
 ・R740調整 → Tメーター左右振れ具合調整
 ・R739調整 → LOCK時のTメーター中点調整
【OSC調整】
 ・SSG76MHz → Lo調整 → Sメーター最大
 ・SSG90MHz → TCo調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・SSG76MHz → LA,LR1,LR2調整 → Sメーター最大
 ・SSG90MHz → TCA,TCR1,TCR2調整 → Sメーター最大
 ・SSG83MHz → IF調整 → Sメーター最大
【narrowレベル調整】
 ・IF selector=normal
 ・SSG83MHz → Sメーターの振れ位置記録
 ・IF selector=narrow
 ・SSG83MHz → R103調整 → メーター振れ位置を揃える
【レシオ検波調整】
 ・R201両端 DC電圧計セット
 ・SSG83MHz → L106(手前)調整 → 電圧ゼロ
 ・SSG83MHz → L106(奥側)調整 → 高調波歪最小
【IFレベル調整】
 ・R117調整
 ・調整方法が分かりません。とりあえず最大位置に設定。
【ミューティング調整】
 ・SSG83MHz 1kHz 20dB → R134調整 → ミューティング作動位置へ
【Sメーター調整】
 ・SSG83MHz → R137調整 → Sメーター指針
【VCO調整】
 ・TP19kHz → 周波数カウンタ接続
 ・SSG83MHz無変調 → R218調整 → 19kHz
 ※19kHzが安定しない
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → R285調整 → 漏れ信号最小
【AM OSC調整】
 ・SSG 600kHz → AMTCo調整
 ・SSG1400kHz → L110 調整
【AM RF調整】
 ・SSG 600kHz → バーアンテナ内コイル調整 → Sメーター最大
 ・SSG1400kHz → AMTCA調整 → Sメーター最大
【AM Sメーター調整】
 ・SSG 1000kHz → R153調整 → Sメーター振れ具合調整

T455_quartlock2T455nii55T455nii60T455nii61

■修理記録:19kHzが安定しない-----------------------------------------

 ・調整過程のVCO調整で19kHzが安定しない。
 ・ステレオ受信中も19kHzが揺れ動き、大きく外れるたびにSTEREOランプ消灯する。
 ・HA1156周辺の電解コンデンサ交換 → ※効果なし
 ・故障例が多い2SK30A交換 Q117 2SK30A → 2SK246 ※効果なし
 ・こうなるとHA1156が怪しい?
  ・真っ黒になった足を丹念に磨く → ※効果なし
  ・HA1156 → HA1156W交換 → ※効果なし
 ・HA1156-1ピン 電源11.56vが微妙に揺れ動くことを発見
  ・これは電源回路の不具合か??
  ・電源回路のトランジスタ、電解コンデンサ交換 → ※効果なし
 ・クリスタルロック基板の部品交換
  ・トランジスタ、電解コンデンサー総交換 → ※効果なし
 ・これは困った、、どこかのトランジスタがノイズを発している感じ?
  ・HA1156のVCC 12Vラインに繋がるトランジスタを順に交換 → ※効果なし
 ・大量の部品交換でも症状が改善しない??
  ・最終的に C209 470pF スチロールコンデンサー交換 → 当り!!
  ・ようやく19kHzの揺れが収まり、STEREO受信が安定しました。

T455nii82T455nii83T455nii85T455nii91T455nii96

■分解記録:レシオ検波回路--------------------------------------------

 ・修理過程で Ultra Liner Detector と記されたシールドケースを分解してみました。
 ・内部に手を加えてはいません。記念写真だけ撮っておきました。

T455nii71T455nii72T455nii73T455nii74T455nii75

■修理記録:操作レバー交換--------------------------------------------

 ・フロントパネルに並ぶ6個の操作レバーは黒いプラスチック部品です。
 ・オリジナル状態を重視する場合はこのままがベストなのですが、、
 ・実はSONY製チューナー ST-5000シリーズのツマミ部品がジャストフィットします。
 ・過去に解体処分したST-5150/5150Dのパーツに交換しました。
 ・とても精悍な印象に変わったと思います。

T455nii100T455nii101T455nii102T455nii103T455nii104

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・無用の部品交換をたくさんしてしまいました。
 ・でもそのおかげでWaveSpectraで見る波形がとても綺麗です。
 ・外観もイイ感じに仕上がりました。

T455nii09

YAMAHA CT-800 修理調整記録2

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 ・2019年3月初め、CT-800の修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Ct80003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA CT-800 ¥68,000(1973年頃)
 ・取扱説明書 日本語版 PDF形式
 ・Hifi Engine Yamaha CT-800 FM/AM Stereo Tuner
 ・Hifi Engine Yamaha CR-800 FM/AM Stereo Receiver (1974)
 ※CT-800に関する資料は見つかりませんが、チューナー基板はCR-800とほぼ同じです。
 ※CR-800の回路図や調整方法がそのまま使えます。

Ct80001 Ct80014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル下部にちょっと目立つ擦り傷。
 ・白木のウッドボディは年季が入って深い味わいを感じる。
 ・背面端子類も綺麗な状態、これは清掃済みでしょうか。
 ・FMアンテナを接続して動作確認開始。
 ・電源オン、周波数指針部と二つのメーター照明点灯。球切れなし。
 ・多少の周波数ズレがあるもの、名古屋地区のFM局を受信。
 ・メーター指針の塗装が剥げている。
 ・指針を左右に移動するとき、動き方がちょっとぎこちない。
 ・84MHzを超える辺りで「ガタン!」と何かを乗り越えるような異常な感触?
 ・指針の移動を繰り返していたら、突然、指針がまったく動かなくなった、、
 ・これはバリコン糸が切れたか、外れたか??
 ・十分な動作確認もできないまま内部確認へ。

Ct80004 Ct80005 Ct80006 Ct80009 Ct80010
Ct80011 Ct80015 Ct80016 Ct80018 Ct80020

■修理記録:糸の張り替え---------------------------------------------

 ・やはり糸が切れていました。
 ・切れた糸は黄色くて固い素材、これは工事現場でよく見かける「水糸」です。
 ・それと過去に撮影したCT-800の写真と比較するとプーリーへの巻き方が違う。
 ・これは明らかに糸の交換歴がありますね。
 ・とにかく糸を交換しないことには何も始まらない、、、
 ・保管している部品取り用ジャンクチューナーから糸を外してCT-800に移植。
 ・指針移動のぎこちなさが解消され、全区間スムーズに動くようになりました。

Ct80053 Ct80051 Ct80052 Ct80055 Ct80057

■動作確認(再)------------------------------------------------------

 ・FM受信確認の続き。
 ・Sメーター、Tメーターの動作OK。
 ・メーター指針の塗装がボロボロ状態が気になる。
 ・STEREOランプ点灯、その他インジケーターも点灯。
 ・固定、可変端子ともOK。
 ・マルチパスH端子からも音声が聞こえる。
 ・背面のAMバーアンテナで名古屋地区のAM局を受信。
 ・指針と目盛り大幅なズレ。729kHzのNHK放送を目盛り900kHz付近で受信。
 ・AM受信時のSメーターがほとんど振れない。
 ・AM音声がちょっと小さい。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM4連、AM3連バリコン搭載フロントエンド
 ・FM基板はオリジナル状態のようです。
 ・ただしAM基板の電解コンデンサとトランジスタはすべて交換済み。

Ct80021 Ct80022 Ct80023 Ct80024 Ct80025
Ct80026 Ct80027 Ct80028 Ct80029 Ct80030
Ct80031 Ct80032 Ct80033 Ct80034 Ct80035
Ct80038 Ct80040 Ct80042 Ct80043 Ct80044

■修理記録:AM回路----------------------------------------------------

 ・AM基板のトランジスタはすべて2SC1815。
 ・CR-800のAM回路図で本来のトランジスタ型番を確認。
 ・TR301,TR303,TR306,TR307 → 2SC460
 ・TR302,TR304,TR305 → 2SC454
 ・本来の 2SC460,2SC454 がすべて2SC1815に交換済み。
 ・対策として上記トランジスターをすべて 2SC1675 に再交換しました。
 ・以下の再調整によってSメーターが振れて音量も多少改善しました。

Ct80035 Ct80036 Ct80037    

■修理記録:指針再塗装------------------------------------------------

 ・Tメーター、Sメーターともに指針の塗装がボロボロ状態です。
 ・メーターカバーを慎重に分解。
 ・養生には「付箋」をジャストサイズに切って張り付けると便利です。
 ・ボロボロになった塗装片をデザインカッターの先端で慎重に剥離する。
 ・蛍光オレンジ色の水性塗料で再塗装。
 ・とても良い感じに仕上がりました。

Ct80063 Ct80064 Ct80065 Ct80067 Ct80070

■調整記録------------------------------------------------------------

【電源回路】
 ・TP 12v → 電圧計セット
 ・VR 12v → 調整 → 12V
【レシオ検波調整】
 ・フロントエンドとの接続端子にSSGより10.7MHz信号注入
 ・T101(上段)調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
 ・76MHz 90dB 受信 → Lo調整 → Sメーター最大
 ・90MHz 90dB 受信 → TCo調整 → Sメーター最大
【フロントエンドRF調整】
 ・76MHz 90dB 受信 → LA,LR1,LR2調整 → Sメーター最大
 ・90MHz 90dB 受信 → TCA,TCR1,TCR2調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 90dB 受信 → IF調整 → Sメーター最大
【モノラル歪調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz 90dB 受信 → T101(下段)調整 → 歪最小
【Sメーター調整】
 ・VR102 Sメーター振れ調整
【ミューティング調整】
 ・VR101 MUTING動作レベル設定
【ステレオ歪調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz 90dB 受信 → T104 → 歪最小
 ・83MHz 1kHz 90dB 受信 → フロントエンドIF調整 → 歪最小
【38kHz調整】
 ・83MHz SUB信号 80dB 受信 → T102調整 → Lchレベル最大
 ※位相に注意。間違えるとセパレーションが逆になる。
【パイロットキャンセル調整】
 ・83MHz ST変調 → T105調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST変調 → T106調整 → Lch漏れ信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → VR103調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → VR104調整 → Rch漏れ信号最小
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz 受信 → T302調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz 受信 → VC7 調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz 受信 → バーアンテナ、T301調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz 受信 → VC5,VC6調整 → Sメーター最大

Ct800

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・AM受信時の音量がちょっと小さ目なのが難点ですが、、
 ・FM受信は問題なさそうです。
 ・メーター指針の再塗装によって老朽機の感じが無くなりました。
 ・白木のウッドケースがイイ雰囲気ですね。

Ct80012

YAMAHA T-70

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 ・2019年4月初め、YAMAHA T-70の調整作業を承りました。
 ・STEREOランプが点灯しないそうです。
 ・以下、作業記録です。

Yamaha_t7010

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-70 ¥62,000(1983年頃)
 ・Hifi Engine Yamaha T-70 AM/FM Stereo Tuner (1981-83)

Yamaha_t7001Yamaha_t7004

■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字:1982
 ・フロントパネルやボディに目立つキズ無し。
 ・FMアンテナ端子がPAL型。PAL→F変換プラグを介してアンテナ接続。
 ・電源オン、ブラックマスクに赤色LED表示が精悍な印象を醸し出しています。
 ・オート選局で名古屋地区のFM放送局の受信チェック。
 ・すると放送周波数よりも0.1MHz低い周波数で放送を受信。
 ・ズレた周波数でシグナルメーター点灯、STEREOランプ点灯。
 ・マニュアル受信で本来の放送周波数にセットするとモノラルで受信。
 ・FM同調点がズレているようです。

Yamaha_t7002Yamaha_t7005Yamaha_t7006Yamaha_t7007Yamaha_t7008

■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・4連バリキャップ搭載フロントエンドパック
 ・DX/LOCAL切換(WIDE/NARROW)
 ・レシオ検波
 ・IG03210=LA2300
 ・LA3380 MPX用
 ・LA1245 AM用

Yamaha_t7021Yamaha_t7022Yamaha_t7023Yamaha_t7024Yamaha_t7025
Yamaha_t7026Yamaha_t7027Yamaha_t7028Yamaha_t7029Yamaha_t7030
Yamaha_t7031Yamaha_t7032Yamaha_t7033Yamaha_t7034Yamaha_t7035
Yamaha_t7036Yamaha_t7037Yamaha_t7038Yamaha_t7039Yamaha_t7040

■イニシャルステーションのセット方法----------------------------------

 ・電源オン時に受信する放送局を「イニシャルステーション」と呼んでいます。
 ・あらかじめFM放送局をメモリー登録しておく。
 ・電源オン時に受信したいFM放送局を受信する。
 ・MEMORYボタンを長押しする。
 ・MEMORYボタンが点滅し始めたら指を離す。

■調整記録-----------------------------------------------------------

T70

【VT電圧調整】
 ・フロントエンドB2端子 → 電圧計セット
 ・76MHz → OSCコイル調整 → 3.0V
 ・90MHz → OSCトリマ調整 → 21.0V
【RF調整】
 ・IG03210 15ピン → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz → フロントエンド内コイル調整 → 電圧最大
 ・90MHz → フロントエンド内トリマ調整 → 電圧最大
【レシオ検波調整】
 ・TM~NVCC → 電圧計セット
 ・83MHz → T102調整 → 電圧0V ※実測+1.2V
 ・83MHz MONO → VR103,VC101調整 → モノラル歪最小
【VCO調整】
 ・VR104の足に周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → VR104調整 → 76kHz
 ※サービスマニュアルの方法では上手く測定できない
【MPX調整】
 ・83MHz SUB信号 → T103調整 → Lch信号レベル最大
【ステレオ歪調整】
 ・83MHz ST信号 → T1,T101,VR101,VR102調整 → 高調波歪最小
【パイロット信号キャンセル】
 ・83MHz ST信号 → T104,VR107調整 → 19kHz信号最小
【セパレーション調整】
 ・83MHz ST信号 → VR105調整 → Rch信号最小
 ・83MHz ST信号 → VR106調整 → Lch信号最小
【FM CSL調整】
 ・TP1-TP2 ダイオードを介して接続
 ・83MHz受信 → VR401調整 → 表示 30.0
【REC CAL】
 ・342kHz -5dB 確認のみ
【AM調整】
 ・受信範囲:518kHz~1615kHz
 ・VR108の足に電圧計セット
 ・ 729kHz(NHK第一放送受信)→ T105調整 → 電圧最大
 ・1332kHz(東海ラジオ受信)→ VC102調整 → 電圧最大
 ・1053kHz(CBCラジオ受信)→ VR108調整 → シグナルメーター調整

Yamaha_t7041Yamaha_t7042Yamaha_t7043Yamaha_t7044

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・特に故障箇所は無かったです。
 ・再調整だけで良い性能を取り戻したと思います。
 ・DX/LOCALを切り換えできますが、DXモードでは高調波歪が高めです。
 ・セパレーションも悪化するので「常時LOCALモード」での受信をお勧めします。

Yamaha_t7011

ONKYO Integra T-425AT

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 ・2019年4月、ONKYO T-425ATの修理調整作業を承りました。
 ・受信中にSTEREOランプが点滅して不安定になってきたそうです。
 ・以下、作業記録です。

Onkyo_t425at09

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 ONKYO Integra T-425AT ¥49,800(1998年頃)
 ・Hifi Engine Onkyo T-4711 Synthesized AM/FM Stereo Tuner (1996-99)

Onkyo_t425at02 Onkyo_t425at12

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字 1996
 ・シャンパンゴールドのボディが美しい。
 ・外装に目立つキズは見当たらない。
 ・電源コードを接続すると内部でリレー作動音が聞こえる。
 ・通電と同時に表示部は「0:00」が点滅する。
 ・内蔵時計の時刻設定モードのようですが、本体ボタンでの設定方法が分からない?
 ・たぶんリモコンで設定するのでしょう。
 ・背面にスイッチ連動サービスコンセント3個あり。
 ・タイマー機能がありそうです。

Onkyo_t425at03 Onkyo_t425at04 Onkyo_t425at05 Onkyo_t425at06 Onkyo_t425at08

 ・時刻設定はパスして電源スイッチオン、オレンジ色の表示部が点灯。
 ・FM周波数は下三桁まで表示。例えば82.5MHzのNHK-FM → 82.500MHz
 ・オート選局モードで名古屋地区のFM放送局を受信。
 ・STEREOランプ点灯。実際のステレオ感あり。
 ・IF BAND切替(Normal/Narrow)OK。
 ・選局モードは3種類。オート選局、プリセット選局、ファイン選局。
 ・ファイン選局(Fine Tuning)モードにすると0.025MHz単位で周波数が変化する。
 ・例:82.450MHz → 82.475MHz → [82.500MHz] ← 82.525MHz ← 82.550MHz

Onkyo_t425at13 Onkyo_t425at14 Onkyo_t425at15 Onkyo_t425at16 Onkyo_t425at17

 ・手持ちのAMループアンテナを接続して名古屋地区のAM放送を受信。
 ・オート選局モードで受信OK。
 ・名古屋のCBCラジオ(1053kHz)を受信するとSTEREOランプ点灯。
 ・おお、、AMステレオ対応機だ!!

Onkyo_t425at061

 ・1時間ほど経過したときご指摘の不具合症状が発生!
 ・STEREOが点滅するようになり受信音が不安定になった。
 ・そのまま放置すると音が出ない状態に。
 ・これは同調点が外れてMUTINGが作動した状態みたいです。
 ・このときFine Tuningモードにして同調点を変えてみると、、
 ・82.500MHzのNHK-FMを82.475MHzでクリアに受信可能。STEREOランプも点灯
 ・原因はFM同調点のズレですね。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・金属シールドに納まった5連バリキャップのフロントエンド。
 ・Normal(Wide)/Narrow切り替え式IF回路
 ・LA1235 クアドラチュア検波
 ・LA3401 PLL MPX
 ・LA1266 FM IF Amp AM Tuner
 ・MC13028AP AM STEREO
 ・基板裏面に実装部品があるかと思って裏返したら、、何も無かったです。

Onkyo_t425at20 Onkyo_t425at21 Onkyo_t425at22 Onkyo_t425at23 Onkyo_t425at24
Onkyo_t425at25 Onkyo_t425at26 Onkyo_t425at27 Onkyo_t425at28 Onkyo_t425at29
Onkyo_t425at30 Onkyo_t425at31 Onkyo_t425at32 Onkyo_t425at33 Onkyo_t425at34
Onkyo_t425at35 Onkyo_t425at36 Onkyo_t425at37 Onkyo_t425at38 Onkyo_t425at39
Onkyo_t425at40 Onkyo_t425at41 Onkyo_t425at46 Onkyo_t425at47 Onkyo_t425at48

■輸出機T-4711との比較------------------------------------------------

 ・Hifi Engineで見つけた T-4711は外観がそっくりです。
 ・ボディサイズが同一で発売時期も重なる。
 ・T-4711回路図とT-455AT実機を比較しました。
 ・T-4711はFMアンテナ端子がA/B の2系統。T-455ATは1系統のみで部品の実装なし。
 ・でもT-455ATの基板上には別系統のアンテナ端子のシルク印刷あり。
 ・T-4711はRDS対応。フロントパネルにも専用スイッチあり。
 ・T-455ATの基板上にRDSのシルク印刷あり。ただし部品実装なし。
 ・逆にT-4711回路図にはAMステレオ用ICの記載がない。
 ・やはり主要回路は輸出機 T-4711 と同一でした。
 ・同時入手した英語版取扱説明書を読むと、時刻やタイマー設定はリモコン必須。

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧調整】
 ・P004 電圧計セット
 ・90MHz C026調整 → 24.0V ※調整前実測22.6V
 ・76MHz L006調整 → 4.0V ※調整前実測 3.8V
【FM同調点調整】
 ・P101 電圧計セット
 ・83MHz受信 → L101調整 → DC電圧ゼロ ※調整前実測524mV
【FMトラッキング調整】
 ・P102 電圧計セット
 ・76MHz L001,L002,L003,L004調整 → 電圧最大
 ・90MHz C002,C008,C011,C014調整 → 電圧最大
 ・83MHz L005,L007調整 → 電圧最大
【FM検波調整】
 ・P101 電圧計セット
 ・音声出力をWaveSpectraで確認
 ・83MHz受信 → L101調整 → DC電圧ゼロ ※再確認
 ・83MHz受信 → L102調整 → 高調波歪最小
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=Normal
 ・83MHz ST信号 → R201調整 → 漏れ信号最小
 ・IF BAND=Narrow
 ・83MHz ST信号 → R202調整 → 漏れ信号最小
【Sメーター調整】
 ・本体正面 DISPLAYボタン長押し → 電波強度dB表示
 ・83MHz 50dB受信 → R102調整 → 表示が50dB付近を示すように調整
 ・83MHz 99dB受信 → R191調整 → 表示が99dB付近を示すように調整
 ※あくまで参考程度、厳密な調整は無理です
【MUTINGレベル調整】
 ・83MHz 20dB受信 → R101調整 → MUTING作動位置へ
【AM調整】
 ・P004 電圧計セット
 ・522kHz → L151(黒)調整 → VT電圧 2.4V
 ・ 729kHz(NHK)受信 → L151(黄)調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz(CBC)受信 → L152調整 → Sメーター最大
 ・R151調整 → 電波強度dB表示調整

Onkyo_t425at00

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・外観は古臭さを感じませんが、これでも1996年頃の製品です。
 ・ざっと23年前、、さすがに調整箇所はズレますね。
 ・まだまだ現役で使えます。

Onkyo_t425at10

PIONEER TX-910 修理調整記録

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 ・2019年5月連休、TX-910の修理調整作業を承りました。
 ・日本初、モトローラ社製PLL-MPX IC MC1310を搭載した記念すべき機種です。

Pioneer_tx91003

■製品情報------------------------------------------------------------

オーディオの足跡 PIONEER TX-910 ¥75,000(1973年頃)

オーディオ懐古録 PIONEER TX-910 ¥70,000(発売時)、¥75,000(1941年)

Hifi Engine Pioneer TX-9100 AM/FM Stereo Tuner (1973-75)

Pioneer_tx91002Pioneer_tx91013

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観はとても綺麗な状態で、目立つキズは見当たりません。
 ・電源オン、指針がオレンジ色に点灯。
 ・青色照明に浮かぶ周波数窓が美しい。
 ・二つのメーター照明も点灯。
 ・名古屋地区のFM局を受信OK。わずかに周波数ズレ。
 ・Tメーター中点とSメーター最大点が一致しない。
 ・Sメーター最大点から大きくズレた位置でSTEREOランプ点灯。
 ・MUTING動作OK。
 ・背面バーアンテナで名古屋地区のAM局を受信。
 ・AM受信は問題なさそう。
 ・ヘッドホン端子Lchからブーンという雑音。
 ・この雑音はFM/AMともに発生する。
 ・しかし固定/可変出力端子からは出てこない。
 ・ヘッドホン回路の問題か?

Pioneer_tx91004Pioneer_tx91005Pioneer_tx91006Pioneer_tx91008Pioneer_tx91009
Pioneer_tx91014Pioneer_tx91015Pioneer_tx91016Pioneer_tx91017Pioneer_tx91018

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・フロントエンドのシールドカバーは頑丈にハンダ付けされています。
 ・CF×2 → TA7060P×2 → CF×2 → TA7060P → TA7061AP → レシオ検波
 ・IF BAND切替(Wide/Narrow)なし
 ・PA1310P(MC1310P):PLL-MPX IC
 ・HA1138:AM Tuner

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Pioneer_tx91025Pioneer_tx91026Pioneer_tx91027Pioneer_tx91028Pioneer_tx91029
Pioneer_tx91030Pioneer_tx91031Pioneer_tx91032Pioneer_tx91033Pioneer_tx91034
Pioneer_tx91035Pioneer_tx91037Pioneer_tx91039Pioneer_tx91040Pioneer_tx91041

■修理記録:ヘッドホン回路--------------------------------------------

 ・Lchのみノイズが聞こえる聞こえる
 ・ヘッドホン音量をゼロにしてもノイズが聞こえる。
 ・FM/AMとも同じ雑音が聞こえる。
 ・背面の固定/可変出力端子からは聞こえない。
 ・ヘッドホン回路から出てくる音を調べてみるとLchレベルが低い。
 ・Lch側の電解コンデンサとトランジスタを順番に交換。
 ・不調原因は Q1:2SC1344 でした。2SC1815 に交換したところで不具合解消。
 ・ついでにすべての電解コンデンサとトランジスタを交換しました。
  ・Q1,Q2:2SC1344 → 2SC1815
  ・Q3,Q4:2SC1384 → 2SC1815
  ・C3,C4:1uF/25v → 1uF/50v
  ・C5,C6:220uF/16v → 220uF/16v
  ・C1:3.3uF/50v → 3.3uF/50v
  ・C2:100uF/10v → 100uF/25v
  ・C7:470uF/25v → 470uF/25v

Tx90091Tx90092Tx90093Tx90095Tx90097

■調整記録------------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・アンテナ入力なし → T4上段コア調整 → Tメーター中点
 ・83MHz → → T4下段コア調整 → 歪率最小
【OSC調整】(フロントエンド底面から)
 ・IF基板17番端子 → DC電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・76MHz → T5調整 → 電圧最大
 ・90MHz → TC5調整 → 電圧最大
【RF調整】(フロントエンド底面から)
 ・IF基板17番端子 → DC電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・76MHz → T1,T2,T3,T4調整 → 電圧最大
 ・90MHz → TC1,TC2,TC3,TC4調整 → 電圧最大
 ・83MHz → T6調整 → 電圧最大
【ミューティング調整】
 ・83MHz 70dB → VR3調整 → MUTING作動点をTメーターで左右対称
 ・Muting スイッチ1
 ・83MHz 20dB → VR4調整 → MUTING作動位置
 ・Muting スイッチ2
 ・83MHz 35dB → VR6調整 → MUTING作動位置
【Sメーター調整】
 ・83MHz → VR5調整 → Sメーター最大振れ
【VCO調整】
 ・MPX基板 2番端子=(PA1310-10pin)→ 周波数カウンタ接続
 ・83MHz ST信号 → VR1調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST信号 → VR2調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【AM OSC調整】
 ・IF基板 14番端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・ 600kHz受信 → T2調整 → 電圧最大
 ・1400kHz受信 → TC3調整 → 電圧最大
【AM RF調整】
 ・IF基板 14番端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・ 600kHz受信 → T1,バーアンテナ内コイル調整 → 電圧最大
 ・1400kHz受信 → TC1,TC2調整 → 電圧最大

Tx910

 ※AM VR1:GAIN CONTROL
 ※AM VR2:OUTPUT LEVEL CONTROL
 ※AMのVR1、VR2の調整方法がイマイチ分かりません?

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・ウッドケースに包まれて優しく浮かび上がる青い照明窓。
 ・オレンジ色の指針と赤いSTEREOランプが絶妙なアクセントです。
 ・薄暗い部屋でボーっと眺めていると幸せな気分に浸れます。

Pioneer_tx91010

SONY ST-S555ESX 修理調整記録2

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 ・2019年5月、調子が悪いという555ESXが届きました。
 ・STEREOになったりならなかったりだとか。
 ・以下、作業記録です。

555esx08

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S555ESX ¥74,000(1986年発売)

 ・オーディオ懐古録 SONY ST-S555ESX FM STEREO/FM AM TUNER ¥74,000(1986)

 ・Hifi Engine SONY ST-S800ES AM/FM Stereo Tuner (1988)

555esx02555esx17

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示部は文字痩せ、文字欠けなく輝度も十分です。
 ・オート選局で名古屋地区のFM放送局を受信しました。
 ・周波数ズレなし。ただしSTEREOランプ点灯しない。
 ・WIDE/NARROW切替、MUTING切替、REC CALトーンなど動作OK。
 ・メモリ登録OK。その後電源オフでも1週間保持することを確認。
 ・付属のAMループアンテナで名古屋地区のAM放送局を受信。
 ・問題はFM受信時にSTEREOランプが点灯しないこと。

555esx03555esx04555esx05555esx06555esx07
555esx01555esx14555esx11555esx12555esx13

■内部確認------------------------------------------------------------

555esx20555esx21555esx22555esx23555esx24
555esx25555esx26555esx27555esx28555esx29
555esx30555esx31555esx32555esx33555esx34
555esx35555esx36

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・まずはサービスマニュアルに従って各部調整作業を行いました。
【FM同調点調整】
 ・IC206:LA1235 7~10pin間 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・SSG83.0MHz 変調OFF 80dB → IFT208調整 → 電圧0V±20mV ※実測-630mV
【VT電圧調整】
 ・IC804 10ピン電圧計セット
 ・90.0MHz → L105調整 → 21.0V±0.2V ※実測21.2V
 ・76.0MHz → 8.0V±1.0V 確認のみ ※実測8.2V
【RF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・IC206:LA1235 13pin電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・SSG76.0MHz → L101,L102,L103,L104調整 → 電圧最大
 ・SSG90.0MHz → CT101,CT102,CT103,CT104調整 → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING=OFF
 ・音声出力端子をWaveSpectraで確認
 ・TP202 電圧計セット
 ・TP201を短絡 ※IF回路をパス
 ・SSG83.0MHz 80dB送信 → IFT207調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測-2.3V
 ・SSG83.0MHz 80dB送信 → CT201 調整 → 高調波歪最小
 ・SSG83.0MHz 80dB送信 → IFT205調整 → 高調波歪最小
 ・TP201を開放
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC206:LA1235 13pin電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・RT201、RT202 時計回り一杯に回す
 ・SSG83.0MHz出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
  ・IFT202調整 → 電圧最大
 ・RT201、RT202 回転範囲の中央位置に回す
 ・SSG83.0MHz出力80dBモノラル信号送信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
 ・SSG83.0MHz出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
【MUTINGレベル調整】
 ・MUTING = ON
 ・IF BAND = WIDE
  ・SSG83.0MHz 出力25dB → RT204調整 → MUTING作動
 ・IF BAND = NARROW
  ・SSG83.0MHz 出力25dB → RT203調整 → MUTING作動
【Sメーター調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・SSG83.0MHz無変調80dB → RT206調整 → エレメント全点灯位置
【VCO調整1】
 ・TP302 周波数カウンタ接続
 ・SSG83.0MHz無変調 → RT301調整 → 76kHz±100Hz
【VCO調整2】
 ・IC302 9ピン電圧計セット
 ・SSG83.0MHz パイロット信号のみ → RT305調整 → 0V±0.5V ※調整難しい
【パイロットキャンセル】
 ・SSG83.0MHzステレオ変調 → RT302、L301 19kHz信号漏れ最小 
 ・左右chのバランス確認
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・SSG83.0MHzステレオ変調 → RT303 R→L ※調整後実測61.8dB
 ・SSG83.0MHzステレオ変調 → RT304 L→R ※調整後実測60.2dB
【AM VT電圧調整】
 ・IC804 10ピン(代用 JW41)電圧計セット
 ・1602kHz → OSCトリマ調整 → 22.0V±2.0V ※実測23.5V
 ・ 531kHz → OSCコア調整 → 1.8V±0.1V 確認のみ ※実測4.0V
【AM RF調整】
 ・SSG 603kHz → RFコア調整 → Sメーター最大
 ・SSG1395kHz → RFトリマ調整 → Sメーター最大
 ・SSG 999kHz → IFT401調整 → Sメーター最大
【CAL TONE】
 Peak Levelに対して -6dB 392Hzの波形が出ていました。

555esx

<調整結果>
 ・FM同調点が大きく外れていて周波数ズレ寸前でした。
 ・PLL検波調整にズレが大きかったです。
 ・STEREOランプ点灯、セパレーション値も大幅に改善しました。

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・故障個所は無かったです。
 ・各部再調整によって良好な性能を取り戻したと思います。
 ・FM/AMとも良い音です。

555esx10

SONY ST-5130後期型 修理調整記録

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 ・2019年3月末、ヤフオクで後期型ジャンク品を入手しました。
 ・ウッドケースをST-5000Fに流用する目的でした。
 ・以下、整備記録です。

St513003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-5130 ¥69,800(1972年頃)
 ・製品カタログ 1971版
 ・Hifi Engine SONY ST-5130 AM/FM Stereo Tuner (1971-74)

St513002St513014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ウッドケースは擦り傷が多いがそんなに酷くはない。
 ・フロントパネルに目立つキズは無く保存状態は良好。
 ・照明窓の内側に大量のホコリが積もっているが分解清掃すればキレイになりそう。
 ・とりあえず入手時の状態のまま電源オン。
 ・緑色照明が浮かび上がる、、でもガラス内部のホコリのせいで美しくない。
 ・若干の周波数ズレがあるものの名古屋地区のFM放送を受信。
 ・TメーターとSメーターは正常に振れている。
 ・STEREOランプが点灯しない。
 ・背面バーアンテナで名古屋地区のAM局を受信。

St513009St513010St513011St513008St513013
St513015St513016St513018St513020St513019

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・経年の埃を吹き飛ばして内部清掃。
 ・フロントパネルを分解清掃。
 ・パネル内側に「47 12 7」の印字、昭和47年(1972年)12月か?
 ・銀色のフレーム、ガラス板をピカピカに清掃。

St513021St513022St513026St513027St513028
St513029St513030St513031St513032St513034

■修理記録:STEREOランプ交換-----------------------------------------

 ・STEREOランプが点灯しない、でも実際のステレオ感はある。
 ・調べてみるとステレオ分離は正常で単純な電球切れでした。
 ・大量に確保してある電球を移植して修理完了。

St513071St513072St513073St513074St513075

■調整記録-----------------------------------------------------------

5130

【FMフロントエンド調整】
 ・OSC調整 → CT105,L105
 ・トラッキング調整 → CT101,CT102,CT103,CT104 / L101,L102,L103,L104
 ・IFT調整 → IFT101
【レシオ検波調整】
 ・T201上段コア → 検波調整
 ・T201下段コア → 高調波歪調整
【MUTING調整】
 ・T202 → D209電圧最大
 ・RT202 → MUTINGレベル調整
【Sメーター調整】
 ・RT201 → FM Sメーター調整
【MPX調整】
 ・T401 → スイッチング信号調整(※SUB信号注入 → Lch出力最大)
 ・RT401 → セパレーション調整
【AM調整】
 ・OSC調整 → CT302,T301
 ・トラッキング調整 → CT301,L801(バーアンテナ内コイル)
 ・RT301 → AM Sメーター調整

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・今回はウッドケースが欲しかっただけですが、意外に正常動作品でした。
 ・オールドチューナーは美しい照明窓が最大の魅力ですね。
 ・以下の改造を施して保管品とします。

St513004

■改造記録:FMアンテナ端子交換---------------------------------------

 ・FMアンテナ端子はF型ですが、端子サイズが微妙に小さいのが難点。
 ・そこで端子を通常品に交換しました。
 ・同軸ケーブルの接続安定感が大幅アップします。
 ・ついでに他の端子もパネルから外してピカピカに磨きました。

St513064St513065St513066St513062St513063

■改造記録:メーター交換----------------------------------------------

 ・ST-5130オリジナルのメーターは照明を透過しないタイプです。
 ・同時期のST-5150では照明透過タイプのメーターが使われています。
 ・サイズと取り付け方法は同じなのでST-5150のメーターと交換。
 ・ちなみにST-5150Dのメーターには「MULTIPATH」の文字があるので使いません。
 ・ST-5130の電球は表面が緑色塗装されているので、電球ごと交換した方が良いです。

St513042St513044St513046St513048St513008

Aurex ST-510

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 ・2019年5月、オーレックスのチューナーを寄付していただきました。
 ・オールドチューナーの寄付は大歓迎です。
 ・以下、一通り整備した記録です。

Aurex_st51007

■製品情報------------------------------------------------------------

Aurex_st51002Aurex_st51010

 ・オーディオ懐古録 Aurex ST-910 ※カタログ中にST-510の情報あり

 <上記カタログより引用>
 ・Aurex ST-510 AM/FMステレオチューナー 66,000円
 ・FM独立5連バリコン、PCC-IC使用の最高級仕様チューナー
 ・オールFET構成、独立5連バリコン使用のフロントエンド
 ・セラミックフィルター(8素子)使用の中間周波数増幅段
 ・AFCをかけたままでも細かい選局ができるナローバンドAFC付
 ・連続可変ミューティングレベル
 ・マルチパス検出端子付
 ・ディスクリート4ch放送に備えてアダプター接続用MPX-OUT付
 ・実測データシート付

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・前面パネルに多少のキズがあるがそんなに目立たない。
 ・F型端子にアンテナを接続して電源オン。
 ・二つのメーターと周波数目盛りが青い照明に浮かび上がる。
 ・オレンジ色の指針照明も点灯。FM/AMポジションランプ点灯。
 ・照明の雰囲気的は同時期のパイオニア製品に似ている。
 ・名古屋地区のFM局を受信して動作確認。
 ・Sメーターは大きく振れるがTメーターは右側に振れたままでほとんど動かない。
 ・Sメーター最大位置でSTEREOランプ点灯。
 ・ミューティング動作OK。動作レベル調整用VRも動作している。
 ・FM/AM切替ボタンが外れやすい。
 ・背面バーアンテナで名古屋地区のAM放送受信
 ・Sメーターが大きく振れて受信OK。
 ・Tメーターの動作がおかしいです。

Aurex_st51001Aurex_st51003Aurex_st51004Aurex_st51005Aurex_st51006
Aurex_st51011Aurex_st51012Aurex_st51013Aurex_st51014Aurex_st51015

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM5連、AM3連独立フロントエンド
 ・MURATA製セラミックフィルター → レシオ検波
 ・PLL-MPX IC:MC1310P
 ・PIONEER TX-910で PA1310Pを見ましたが、ようやくMC1310Pに巡り会えました。

Aurex_st510342
Aurex_st51020Aurex_st51021Aurex_st51022Aurex_st51023Aurex_st51024
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Aurex_st51035Aurex_st51036Aurex_st51037Aurex_st51038Aurex_st51039
Aurex_st51040Aurex_st51041Aurex_st51042Aurex_st51043Aurex_st51044

■調整記録------------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・アンテナ入力なし → T1上段コア調整 → Tメーター中点
 ・83MHz → → T1下段コア調整 → 歪率最小
【OSC調整】
 ・76MHz → L05調整 → Sメーター最大
 ・90MHz → TC5調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・76MHz → L01,L02,L03,L04調整 → Sメーター最大
 ・90MHz → TC1,TC2,TC3,TC4調整 → Sメーター最大
 ・83MHz → L06調整 → Sメーター最大
【Sメーター調整】
 ・83MHz → T2調整 → Sメーター最大
【ミューティング調整】
 ・IF基板 D13 → 電圧計セット
 ・83MHz 70dB → T3調整 → 電圧最大
 ・83MHz 70dB → VR01調整 → MUTING作動点をTメーターで左右対称
【VCO調整】
 ・MPX基板 MC1310-10pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz ST信号 → VR02調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST信号 → VR01調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → T6調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC8調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz受信 → T4,T5調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC6,TC7調整 → 電圧最大

Aurex_st51000

 ※T1とVR01調整によってTメーターの動作が正常になりました。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・Tメーターの故障かと思ったら、再調整によって正常動作になりました。
 ・PIONEER機に似た印象の青い照明がなかなかイイですね。
 ・MC1310Pを発見したことが大きな収穫でした。

Aurex_st51008

KENWOOD L-01T 修理調整記録7

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 ・2019年5月、L-01Tの修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

L01t03

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年頃)
 ・Hifi engine KENWOOD L-01T FM Stereo Tuner (1980-82)


L01t02L01t06

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン。
 ・オレンジ色照明点灯、球切れなし。いつ見ても惚れ惚れする美しさ。
 ・名古屋地区のFM放送局を受信チェック。
 ・Sメーター最大点でTメーター中点を示す。メーター動作は正常。
 ・STEREOランプ点灯してFM音声は聞こえるが、、不規則な雑音が混入する。
 ・マルチパスH端子からも同じ雑音が聞こえる。
 ・これはパルスカウント検波回路のLPF不良が怪しいです。

■修理記録:フィルター交換--------------------------------------------

 ・故障例の多い FL3 (LPF:250kHz)の不調を疑って中古動作品に交換。
 ・混入する雑音の様子がかなり変わった感じ、、でも雑音が解消しない。
 ・続いて故障例のある FL1 (LPF:3.5MHz)を動作品に交換。
 ・雑音の様子はほとんど変わらない。
 ・初めてのケースですが FL2 (HPF:0.9MHz)も動作品に交換。
 ・これによって雑音が綺麗に解消しました。
 ・結局、FL2とFL3の故障だったようです。

L01t50L01t51L01t69L01t70L01t72
L01t56L01t59L01t58L01t64L01t66

■調整記録------------------------------------------------------------

【FMフロントエンド】
 ・OSC調整83MHz → OSC coil
 ・トラッキング調整76MHz → L1,L2,L3,L4,L5,L6
 ・トラッキング調整90MHz → TC1,TC2,TC3,TC4,TC5,TC6
 ・IFT調整 → L17,L19,L21 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・LA1231Nクアドラチュア検波調整 → L6調整 → Tメーター中央
【ミューティング調整】
 ・83MHz 20dB受信 → VR2調整 → MUTING作動
【WIDE GAIN調整】
 ・Narrow受信 → Sメーターレベル記録
 ・Wide受信 → VR1調整 → Narrow受信時と同レベルに
【Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → VR3調整
【第2IF調整】
 ・83MHz受信 → L8調整 → TP=1.96MHz ※実測1.71MHz
【VCO調整】
 ・83MHz無変調 → VR6調整 → TP(R117) → 76kHz
【Pilotキャンセル】
 ・83MHz ST受信 → VR7,L16調整 → 19kHz漏れ最小へ
【ステレオ歪調整】
 ・83MHzST受信 → フロントエンドL21調整 → 高調波歪最小へ
【SCA調整】
 ・MEGURO DARC ENCODER MSG-2170でFM多重信号を生成
  ※L&R=80%、Pilot=10%、DARC=10%
 ・L10,L11調整 → D36カソード側DC電圧最大へ
 ・VR5調整 → IC9-1pin電圧測定 → +電圧が-電圧に変わる位置※
  ※+7.5V→安定して-6.6Vを示す位置
 ・IC9-1pin電圧が+→-に変わることでSCAフィルター回路のスイッチオン
【ノイズアンプ調整】
 ・離調状態 → VR4調整 → Q6(2SC2785)エミッタ電圧 → 8V
【SUB調整】
 ・83MHz L-R信号受信 → VR8調整 → Lch最大
 ・同上  → VR9調整 → RchレベルをLchと同じに揃える
【セパレーション調整】
 ・83MHzST受信 → Wide VR10→Rch、VR11→Lch
 ・83MHzST受信 → Narrow VR1(X13-2690基板)

Image

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・フィルター内蔵コンデンサーの劣化が雑音原因となることが多いです。
 ・中古部品に交換したので耐久性に不安はありますが、、、
 ・漆黒のフロントパネルに映えるオレンジ照明が抜群に美しいですね。

L01t04

■おまけ:フィルター実験---------------------------------------------

 ・今回取り外したFL1,FL2,FL3を私が持っている実験機L-01Tに移植してみました。
 ・FL1,FL2,FL3の内部コンデンサーを除去し、温度補償型コンデンサーを直付け。
  ・FL3:68pF,68pF,33pF
  ・FL2:22pF
  ・FL1:12pF
 ・FL1(12pF)とFL2(22pF)は適当な容量ですが、今のところノイズなく動作しています。
 ・今後コンデンサ容量を変えながら実験を続けます。

L01t67L01t81L01t82L01t83L01t84

KENWOOD KT-1100D 修理調整記録7

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 ・2019年5月、KT-1100Dの修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Kt1100d03_20190707124701

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版

Kt1100d02Kt1100d09_20190707124901

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル、ボディとも目立つキズは無く外装の状態は良い。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示管点灯。文字欠けや輝度劣化は見られない。
 ・オート選局実行、名古屋地区の放送局を正常に受信。
 ・上り方向、下り方向ともに周波数ズレなし。
 ・Tメーター、Sメーターのセグメント点灯。
 ・RF切替(DISTANVCE/DIRECT)OK。
 ・WIDE/NARROW切替OK。REC CAL OK。メモリボタン動作OK。
 ・手持ちの適当なAMループアンテナでAM放送の受信確認。
 ・AM放送はオート選局、マニュアル選局とも正常に受信。
 ・電源プラグを抜いてから7日後でもメモリ保持。
 ・再調整だけで復活しそうな予感です。

Kt1100d04_20190707125501Kt1100d05_20190707125501Kt1100d06_20190707125501Kt1100d10_20190707125501Kt1100d11_20190707125501

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V ※実測 3.1V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V ※実測24.8V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V±10mV ※実測-30mVV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12調整 → 0.0V±10mV ※実測-320mV
【RF調整】
 ・R67左側 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L10調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【SIGNAL METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR3調整 → ※
  ※バーグラフの点灯レベル調整
【MPX VCO調整】
 ・TP14に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR4調整 → 19.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ L25調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR3:DET調整 → 歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR4:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR5調整 → 歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz.80dB)→ VR2調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz(R信号,1kHz,80dB)→ VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz,80dB)→ VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR1調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz(mono信号,1kHz,100%変調)→ 本体左側小基板VR4調整 → 100%位置
【AM簡易調整】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・522kHz → L20調整 → 実測 1.5V 確認のみ
 ・1629kHz→ TC2調整 → 実測 8.0V 確認のみ
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → Sメーター最大


Kt1100d

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・特に故障個所は無かったです。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。

Kt1100d07_20190707124701

Victor FX-711 修理調整記録5

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 ・2019年6月、FX-711の修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Fx71103

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 VICTOR FX-711 ¥49,800(1987年頃)
 ・オーディオ懐古録 Victor FX-711 ¥49,800
 ・Hifi Engine JVC FX-1100
 ・FX-711 取扱説明書 PDF形式

Fx71102Fx71106

■動作確認-------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字 ○1991
 ・フロントパネルは綺麗な状態、ボディにはちょっと目立つキズがある。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示部が明るく点灯。輝度劣化や文字欠けは見当たらない。
 ・オートサーチで名古屋地区のFM局を受信OK。STEREOランプ点灯
 ・上り方向、下り方向ともにオート受信OK。
 ・ただし受信感度が極めて低い。
 ・REC CALトーンOK。
 ・AM オートサーチで名古屋地区のAM局受信OK

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・電解コンデンサーがすべて交換済みでした。
 ・トランジスタやICに放熱板が取り付けてあります。

Fx71120Fx71121Fx71122Fx71123Fx71124
Fx71125Fx71126Fx71127Fx71128Fx71129
Fx71130Fx71131Fx71132Fx71133Fx71134

■調整記録-------------------------------------------------------------
●FM部
【VT電圧】
 ・TP101 DC電圧計セット
 ・受信周波数 76MHz → L151調整 → 7.5V±0.1V
 ・受信周波数 90MHz → TC105調整 → 22.0V±0.1V
 ・上記作業を数回繰り返す
【RFトラッキング調整】
 ・VR602 → 電圧計セット ※Sメーター電圧測定
 ・76MHz 40dB → L103,L104,L105,L106調整 → 電圧最大
 ・90MHz 40dB → TC101,TC102,TC103,TC104調整 → 電圧最大
 ・上記作業を数回繰り返す
【IFT調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 40dB → T101調整 → 電圧最大
【PLL検波 VCO調整】
 ・TP104 周波数カウンタ接続
 ・受信バンド切替 → AM
 ・何も受信しない状態 → T208粗調整 → 10.7MHz±0.01MHz
 ・何も受信しない状態 → T208微調整 → 10.7MHz±0.01MHz
 ・受信バンド切替 → FMに戻す
【FM dB表示調整】
 ・83MHz 70dB → VR602調整 → 表示70dB
 ・83MHz 30dB → VR601調整 → 表示30dB
 ・上記作業を数回繰り返す
【モノラル歪調整:WIDE】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → T204(黒)調整 → モノラル歪最小
【ステレオ歪調整:WIDE】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → T202(黒)調整 → ステレオ歪最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【ステレオ歪調整:NARROW】
 ・IF BAND=NARROW
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → T201(黒)調整 → ステレオ歪最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【FM同調点調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・TP103 DC電圧計セット
 ・83MHz 70dB → T206調整 → 0V±1.5mV
【MUTINGレベル調整】
 ・MUTING=ON
 ・83MHz 20dB → VR604調整 → MUTING作動確認
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → VR401調整 → Lchもれ最小
 ・83MHz 70dB → VR402調整 → Rchもれ最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → VR403調整 → 19kHzもれ最小
 ・左右chのバランスに注意
【REC CAL調整】
 ・83MHz 70dB → 通常受信で出力レベル記録
 ・83MHz 70dB → VR404調整 → 上記記録-6dBに設定
 ・TONE 460Hz
●AM部
【VT電圧】
 ・TP102 DC電圧計セット
 ・受信周波数 522kHz → L302調整 → 1.8V±0.1V 実測1.7V
 ・受信周波数1629kHz → TC302調整 → 22.0V±0.1V 実測18.5V
 ・上記作業を数回繰り返す
【トラッキング調整】
 ・VR603 → 電圧計セット ※Sメーター電圧測定
 ・ 729kHz(NHK第一)受信 → L301調整 → 電圧最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC301調整 → 電圧最大
 ・上記作業を数回繰り返す
【AM dB表示調整】
 ・999kHz 90dB送信 → VR603調整 → ※AMのdB値は適当

Fx711

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・WaveSpectraで見る基準音の波形がとてもキレイです。
 ・電源コンデンサー全交換の効果でしょうか。

Fx71104

YAMAHA TX-900 修理調整記録1

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 ・2019年6月、TX-900の修理調整作業を承りました。
 ・カラフルな表示部が印象的なチューナーです。


Tx90008

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA TX-900 ¥49,800(1987年発売)
 ・Hifi Engine Yamaha TX-900 AM/FM Stereo Tuner (1986-90)

Tx90002Tx90011

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ボディ後部に目立つ擦り傷あり。それ以外はまずまずのコンディション。
 ・電源コードはメガネ式のコネクタタイプ。
 ・F型端子にアンテナを接続して動作確認スタート。
 ・電源投入OK。表示部にカラー液晶点灯。カラフルで表示量が多い。
 ・オート選局で名古屋地区のFM局受信OK。マニュアル選局OK。周波数ズレなし。
 ・STEREOランプ点灯。IF BAND(Wide/Narrow/Super Narrow)切換OK。
 ・手持ちのループアンテナを接続してAM受信確認。
 ・オート選局で名古屋地区のAM局受信OK。マニュアル受信もOK。
 ・どうやら故障個所は無さそう。

Tx90003Tx90004Tx90005Tx90006Tx90007
Tx90010Tx90012Tx90013Tx90014Tx90015

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM4連バリキャップ
 ・IF BAND切換:WIDE / NARROW / SUPER NARROW
 ・広帯域レシオ検波
 ・LA3450:PLL FM MPX Stereo Demodulator
 ・LA1245:AM Electronic Tuner

Tx90020Tx90021Tx90022Tx90023Tx90024
Tx90025Tx90026Tx90027Tx90028Tx90029
Tx90030Tx90032Tx90033Tx90034Tx90035

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・TUNING MODE:AUTO
 ・IF BAND:WIDE
 ・HI BLEND:OFF
 ・MODE:AUTO STEREO
 ・オーディオ出力をWaveSpectra接続
【電圧確認】
 ・+12 → +12.5V±0.5V → ※実測+12.3V
 ・+5.5 → + 5.5V±0.5V ※実測+5.4V
 ・+30 → +30V+0,-3V → ※実測+28.5V
 ・FM受信時 FB → +12V ※実測+12.7V
 ・AM受信時 AB → +12V ※実測+12.7V
【レシオ検波調整】
 ・IF BAND:WIDE
 ・NVcc~S OUT DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし → T107調整 → 0.0V
 ・83.0MHz 1kHz 100% → 電圧計ゼロを確認
【VT電圧調整】
 ・VT~GND DC電圧計セット
 ・90.0MHz アンテナ入力なし → T108調整 → 25.0V±0.2V ※実測22.3V
 ・76.0MHz アンテナ入力なし → 確認のみ → 7.1V
【RF調整】
 ・VR104の足 DC電圧計セット(※Sメーター電圧)
 ・76.0MHz 1kHz 60dB受信 → L101,L102,L103調整 → 電圧最大
 ・90.0MHz 1KHz 60dB受信 → VC101,VC102,VC103調整 → 電圧最大
【モノラル歪調整】
 ・83.0MHz 1kHz → VC104,VR105調整 → Mono歪最小
【ステレオ歪調整】
 ・IF MODE:WIDE
 ・83.0MHz 1kHz ST → T104,T105,T106,VR101,VR102調整 → STEREO歪最小
【セパレーション調整】
 ・IF MODE:WIDE
 ・83.0MHz 1kHz ST → VR107調整 → L→R漏れ信号最小
 ・83.0MHz 1kHz ST → VR108調整 → R→L漏れ信号最小
【パイロット信号キャンセル調整】WIDE
 ・83.0MHz 1kHz ST → VR106,T112調整 → 19kHz成分最小
 ・左右chのバランスに注意
【シグナルメーター調整】
 ・83.0MHz 1kHz ST → VR104調整 → レベルメーター点灯調整
【IF オフセット調整】
 ・TP~Eを短絡
 ・82.98MHzの表示が「29.8」という表示に変わる。
 ・VR109調整 → 「29.4」→「30.0」と表示されるように調整
 ・調整後はTP~Eを開放
【参考:調整用設定】
 ・TP~E 短絡を短絡するとメモリ内容が調整用周波数に設定される
 ・p1/P11 AM630kHz
 ・p2/P12 AM1080kHz
 ・p3/P13 AM1440kHz
 ・p4/P14 FM76.0MHz
 ・p5/P15 FM83.0MHz
 ・p6/P16 FM84.0MHz
 ・p7/P17 FM86.0MHz
 ・p8/P18 FM90.0MHz
 ・p9/P19 FM78.00MHz/Fine Tuning
 ・p10/P20 FM88.00MHz/Fine Tuning
【AM部:VT電圧確認】
 ・VT~GND DC電圧計セット
 ・1620kHz受信 → OSCコイル調整 → 電圧=23.4V ※確認のみ
 ・ 531kHz受信 → 電圧=3.2V ※確認のみ
【AM部:RF,IF調整】
 ・1053kHz受信(名古屋CBCラジオ)→ RFコイル調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz受信(名古屋CBCラジオ)→ VR103調整 → Sメーター最大

Tx900

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・VT電圧が低めだったので規定値に合わせました。
 ・RF調整によって受信感度が大幅に向上しました。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。

Tx90009

Accuphase T-107

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 ・2019年6月初め、アキュフェーズT-107の故障機が届きました。
 ・何だか不思議な挙動をするそうです。
 ・さて、直せるのか??

Acct10709

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Accuphase T-107 ¥99,800(1985年7月発売)
 ・製品カタログ Accuphase T-107 ¥99,800

Acct10702Acct10714
Acct10704Acct10703Acct10705Acct10706Acct10707
Acct10715Acct10716Acct10717Acct10718Acct10719

■動作確認------------------------------------------------------------

 ●依頼者様からお聞きした不具合状況
  1) 数日間電源コードを抜いた後、電源コードを接続するとすべて正常に動作する。
  2) ただ、稼働後10分程度で突然シグナルメーターが0になり音声出力がなくなる。
    このとき周波数は表示されていて選局ボタンも利く
  3) さらに時間が経過すると、周波数表示が消え、選局ボタンも利かなくなる
    押したボタンとは別のボタンの赤インジケータが点く
  4) 電源を落とし電源コードを抜き、数日間放置すると 1)の状態に戻る
    1、2日程度では戻らない
 ●当方での確認状況
 ・電源コードとFMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数の数字が点灯しない。UP/DOWNボタンを押しても反応なし。
 ・これは教えていただいた症状(3)の状態ですね。
 ・この後電源コードを抜いて1週間放置、再度確認しましたが状況は同じでした。
 ・もう(1)の状態には戻らないようです。

Acct10700

■内部確認------------------------------------------------------------

Acct10720Acct10721Acct10722Acct10723Acct10724
Acct10725Acct10726Acct10727Acct10728Acct10729
Acct10730Acct10731Acct10732Acct10733Acct10734
Acct10735Acct10736Acct10737Acct10738Acct10739
Acct10740Acct10741Acct10742Acct10743Acct10744

 ・電源部電圧確認
  ・IC101(78M05) + 5.6V
  ・IC102(78M15) +14.8V
  ・IC106(TC9147BP) 42pin (VDD) +4.96V、電源OFF時 +2.2V
 ・電源電圧は良さそうですが、VT電圧が出ていない
 ・T-107の底面には点検口が無いので部品交換は面倒です。
 ・フロントパネルを外し、基板を裏返して配線を確認。
 ・iPadで写真を撮って手書きアプリでメモを書き込み。

T107011

■修理記録:部品交換など---------------------------------------------

 ・IC106(TC9147BP)の周辺で気になった電解コンデンサ、トランジスタ交換 
  ・C116,117:470uF/6.3v → 470uF/25v
  ・C121:10uF/25v → 10uF/50v
  ・C122:2.2uF/35v → 2.2uF/50v
  ・C123:0.1uF/50v → 0.1uF/50v
  ・C124:1uF/50v → 1uF/50v
  ・C127:3.3uF/50v → 3.3uF/50v
  ・Q106:2SC2458/GR → 2SC1815/GR
 ・以上の部品を一気に交換して基板を組み直し通電確認 → 残念ながら効果なし。

Acct10750Acct10751Acct10752Acct10753Acct10754
Acct10764Acct10760Acct10761Acct10762Acct10763

■修理記録:X101水晶振動子交換-------------------------------------

 ・IC106:TC9147BP は SANSUI TU-S707Xでも使われています。
 ・TU-S707Xのサービスマニュアルに基準周波数の調整方法が記載されています。
  ・TC9147BP 36pin(TEST)~42pin(VDD) をショートする
  ・TC9147BP 24pin(O/5) 周波数カウンタ接続
  ・トリマコンデンサ調整 → 25.00kHz

 ・ところがTC9147BP 24pin で 25kHzが確認できません。
 ・周波数カウンターにでたらめな数値が表示されます。
 ・そこで横向きに設置されているX101(7.2MHz)に指で軽く触れたところ、、
 ・何と、T-107が突然動作し始めました。
 ・周波数表示が出現してFM放送を受信します。
 ・Sメーターが大きく振れてSTEREOランプ点灯、正常動作です。
 ・これで直ったのかな??と思ったら、、
 ・数分後にSメーターが振れなくなり音声出力が消える、、その後周波数表示も消える、、
 ・最初に依頼者様にお聞きした症状(1)~(4)がここで確認できました。
 ・こうなると X101(7.2MHz)の故障か、あるいはTC9147BP自体の故障か?
 ・部品取り機(SANSUI TU-S707X)の水晶発振子とTC9147BPを取り外す。
 ・まずは水晶発振子を T-107 に移植したところ、
 ・何と! T-107が正常動作を始めました。
 ・18時間連続動作、電源コードを抜いて48時間放置、その後の確認でもOKです。
 ・水晶発振子の故障は初体験です。

Acct10764Acct10765Acct10766Acct10767

■調整記録------------------------------------------------------------

【本体設定】
 ・MUTING OFF
 ・FILTER OFF
【VT電圧】
 ・J138~GND DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → OSCコイル調整 → 3.0v
 ・90MHz → OSCトリマ調整 → 20.0v
【RF調整】
 ・76MHz 40dB → RFコイル調整 → Sメーター最大
 ・90MHz 40dB → RFトリマ調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 40dB → IFT調整 → Sメーター最大
【検波調整】
 ・D8後方端子 電圧計セット
 ・83MHz 80dB → T2調整 → 0v ※T2を左右に回して0vの中間位置に設定
【IF GAIN調整】
 ・83MHz 80dB → VR1調整 → NORMAL/NARROWでSメーター振れ同じ
【SIGNAL METER調整】
 ・83MHz 20dB → VR2調整 → Sメーター= 20
 ・83MHz100dB → VR3調整 → Sメーター=100
【MUTING調整】
 ・MUTING ON
 ・83MHz 20dB → VR4調整 → MUTINGオン
【STEREO歪調整】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(ST,80dB)→ フロントエンド内IFT調整 → 高調波歪最小
【SEPARATION調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・83MHz(R/L信号,1kHz 80dB)→ VR5調整 → もれ信号最小


17330_0

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・回路図やその他資料が入手できないのでちょっと苦戦しました。
 ・でもその分とても勉強になりました。
 ・シャンパンゴールドのフロントパネルがカッコイイです。
 ・メモリーボタンのサビがちょっぴり残念、、

Acct10711

TRIO KT-700 修理調整記録1

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 ・2019年5月末、KT-700を寄付していただきました。
 ・以下、一通り整備した記録です。

Kt70006

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-700 ¥39,800(1982年頃)

Kt70002Kt70009

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ボディに目立つ傷はない。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓の照明点灯、指針照明も点灯。
 ・KT-900/KT-990と同様に上品な照明です。
 ・名古屋地区のFM放送局を-0.3MHzの位置で受信。
 ・ズレた位置でTメーター代用のLOCKランプ点灯。
 ・LED表示のSメーター点灯するが、最大点灯位置とLOCKランプ点灯位置がズレる。
 ・STEREOランプ点灯しない。
 ・手持ちの適当なAMループアンテナでAM受信をテスト。
 ・名古屋地区のAM放送局を受信、周波数ズレわずか。
 ・FM回路の調整ポイントが大幅にズレている感じです。

Kt70003Kt70004Kt70005Kt70010Kt70012

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル接合部の破損なし。KT-900の修理用に使えます。
 ・フロントエンドはFM3連AM2連の小さなバリコンユニット。
 ・IF BAND(Narrow/Wide)切り替えなし。
 ・TR7020 クォドラチャー検波、メーター駆動、RECトーン
 ・HA12016 MPX
 ・HA1197 AMシステム
 ・上位機KT-990/KT-900はパルスカウント検波ですが、KT-700はクアドラチュア検波。

Kt70020Kt70021Kt70022Kt70023Kt70024
Kt70025Kt70026Kt70027Kt70028Kt70029
Kt70030Kt70031Kt70032Kt70033

■調整記録------------------------------------------------------------

 【FMフロントエンド調整】
 ・TR7020-2ピン → 電圧計セット ※Sメーター電圧確認
 ・OSC調整 → Lo調整不可のためTCoで83MHzに合わせる。
 ・RF調整 → 空芯コイルはノータッチ。TCa,TCrfで83MHzに合わせる。
 ・IFT調整 → Sメーター電圧最大
 【検波調整】
 ・L1調整 → 同調点調整 ※TR7020-3~11ピンの間に直列に入る抵抗R13両端電圧ゼロ
 ・L2調整 → 高調波歪み最小
 【MPX部調整】
 ・VR3 → VCO調整 → VR3 → 76kHz ※R44左側
 ・VR2 → セパレーション調整
 【AM部調整】
 ・フロントエンド内 AMTC1,AMTC2
 ・HA1197近辺 L6,L7,L8

Kt700

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・調整箇所が大幅にズレていましたが故障個所は無かったです。
 ・ボディサイズがKT-900と同じ、フロントパネルも流用できます。
 ・部品取り機として活用させていただきます。

Kt70007

KENWOOD KT-6050 修理調整記録1

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 ・2019年6月、KT-6050の修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Kt605003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-6050 ¥45,000(1993年頃)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-6050 AM/FM Stereo Tuner (1993-95)

Kt605013Kt605011

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字1994。
 ・フロントパネル、ボディともに目立つキズはない。
 ・A/B 2系統のF型FMアンテナ端子。
 ・電源オン。表示部点灯。しかし全体的に表示が薄い。。
 ・部分的な輝度劣化というよりも表示部全体が暗い感じ。
 ・オート選局で名古屋地区のFM放送局を受信。
 ・上り方向、下り方向ともに周波数ズレなく受信OK。
 ・シグナルメーター点灯、Tメーターもセンターを示す。
 ・STEREOランプ点灯。実際のステレオ感あり。
 ・付属AMループアンテナで名古屋地区のAM放送の受信テスト。
 ・上り方向、下り方向ともに周波数ズレなく受信。
 ・特に名古屋のCBCラジオ(1053kHz)を受信するとSTEREOランプ点灯。
 ・AMステレオ回路は正常動作しています。

 ・FM/AMとも特に問題なさそう、、と思ってFM放送を聞いていたら、、
 ・何故かFM受信中に勝手に上り方向に周波数が動き出す、、
 ・オート選局が勝手に作動したようです。
 ・次の放送局を見つけられず、76~90MHz間でずっと周波数が動き続ける状態に。
 ・マニュアル選局に切り替えてFM局周波数に合わせてもSメーターが反応しない。
 ・この状態でAM受信に切り替えると、、
 ・何とAM放送も受信できなくなっていた、

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FMフロントエンド=5連バリキャップ
 ・LA1267:FM/AM Tuner
 ・LA3450:PLL FM MPX
 ・MC13022A:AM STEREO DECODER
 ・ハンダ面を見ると面実装部品がビッシリ並んでいます。
 ・これが故障したら特定と交換はほぼ困難でしょう。

Kt605020Kt605021Kt605022Kt605023Kt605024
Kt605025Kt605026Kt605027Kt605028Kt605029
Kt605030Kt605031Kt605032Kt605033Kt605034
Kt605040Kt605041Kt605044Kt605042Kt605043

■修理記録:OSCトリマコンデンサ交換----------------------------------

 ・FM/AMとも受信感度を失うという状況です。
 ・試しにFMのVT電圧を測定
  ・76MHz → 3V
  ・90MHz → 16~18V ※本来は25V前後のはずが安定しない 
  ・TC1(7pF)OSCトリマコンデンサ交換 → 効果なし
 ・これは電源回路の問題か?

Kt605022Kt605045Kt605046

■修理記録:電源回路電解コンデンサ交換-------------------------------

 ・電源回路のトランジスタ、電解コンデンサーを点検したところ、
 ・C301 470uF/25v が導通状態であることを発見。
 ・これを同容量の新品に交換したところVT電圧が安定。
 ・輝度が低いと感じていたFL管が明るく点灯するようになりました。
 ・もっと早く気付くべきでした。

Kt605033Kt605052Kt605053

■調整記録----------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・アンテナ入力なし
 ・TP6~TP7 → DC電圧計セット
 ・76MHz → L42調整 → 3.0V±0.1V
 ・90MHz → TC1調整 → 25.0V±0.2V
【FM同調点調整】クアドラチュア検波
 ・TP1~TP2 → DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L35調整 → 0.0V±30mV
【PLL検波調整】
 ・TP4~TP5 → DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L37調整 → 0.0V±15mV
【RF調整】
 ・VR17 → DC電圧計セット → Sメーター電圧
 ・83MHz受信 → L6,L7,L9,L11,L15調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・VR17 → DC電圧計セット → Sメーター電圧
 ・83MHz受信 → L15,L40調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
 ・83MHz(1kHz,ST信号,20dB)→ VR 1調整 → dB表示=20dB、最下段セグメント点灯
 ・83MHz(1kHz,ST信号,70dB)→ VR17調整 → dB表示=70dB、最上段セグメント点灯
 ※dB表示切替はリモコン必要
【歪調整1 WIDE MONO】
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR6調整 → 歪率最小
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR5調整 → 歪率最小(2nd)
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR9調整 → 歪率最小(3rd)
【歪調整2 NARROW MONO】
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小(2nd)
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR4調整 → 歪率最小(3rd)
【歪調整3 WIDE STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR12調整 → 歪率最小
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR 8調整 → 歪率最小
【歪調整4 NARROW STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR11調整 → 歪率最小
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR10調整 → 歪率最小
【PILOTキャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz(ST信号) → VR16調整 → 19kHz信号最小
 ※左右バランスに注意
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・83MHz(1kHz,ST信号)→ VR14調整 → Rch漏れ信号最小
 ・83MHz(1kHz,ST信号)→ VR15調整 → Lch漏れ信号最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・83MHz(1kHz,ST信号)→ VR13調整 → 反対ch漏れ信号最小
【AM VT電圧調整】
 ・TP6~TP7 → DC電圧計セット
 ・1602kHz受信 → L33(赤)調整 → 14.0V
 ・ 531kHz受信 → 2.5V ※確認のみ 2.4V
【AM 受信調整】
 ・999kHz受信 → L33(黒)調整 → シグナルメーター最大
【AM AUTO STOP調整】
 ・999kHz 20dB受信 → VR2調整 → dB表示=20dB、最下段セグメント点灯

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・不調原因の特定に時間がかかりましたが、復旧して良かったです。

Kt605005

Technics ST-8080 修理調整記録1

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 ・2019年7月末、ST-8080、通称 80T の修理調整作業を承りました。
 ・FMが受信できなくなったそうです。
 ・思い入れがある製品との事ですから何とか復活させたい、、
 ・以下、作業記録です。

St808007

■製品情報-------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Technics ST-8080(80T) ¥50,000(1977年頃)
 ・Hifi Engine Technics ST-8080 AM/FM Stereo Tuner (1976-79)

■動作確認-------------------------------------------------------------

 ・シリアリナンバー:FA7214D126 → 1977年2月14日製造
 ・フロントパネルやボディに目立つキズはない。
 ・75Ω同軸ケーブル接続端子がF型でなく、バラ線を接続するタイプ。
 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓にオレンジ照明点灯、、しかし左端部がやや暗い。電球切れか?
 ・まずはFM放送の受信チェック。
 ・名古屋地区のFM放送を受信してみると、
 ・MUTINGオンの状態ではどのFM局も受信できない。
 ・MUTINGオフにすると-0.3MHzの指針位置でFM局を受信できます。
 ・Tメーターは中点を示すがSメーターはほぼゼロの位置で不動。
 ・当然STEREOランプも点灯しない。

St808001St808008St808003St808004St808005

 ・背面のAMバーアンテナで名古屋地区のAM放送局受信を試みる。
 ・AMはSメーターが振り切れるほど受信感度良好、周波数ズレもほとんどなし。
 ・問題はFM回路の調整ズレのようです。

St808002St808009St808010St808011St808012

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・FM4連、AM2連バリコン搭載フロントエンド → CFフィルタ×4
 ・AN217:FM 2 Steps IF Amplifire & AM Converter
 ・AN377:FM IF Amplifier & Detector
 ・AN363:FM Mutiplex PLL Demodulator

St808020St808021St808022St808023St808024
St808025St808026St808027St808028St808029
St808030St808031St808032St808033St808034

■修理記録:窓照明用電球交換-------------------------------------------

 ・周波数窓左端が暗い原因は電球切れでした。
 ・ヒューズ型電球 6.3V/0.25A、電源電圧AC6.3V
 ・同型の手持ち在庫がなかったので 3個とも 8V品に交換しました。
 ・6.3V/0.25A → 8V/0.3A

St808040St808041St808042St808043St808044

■調整記録-------------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・アンテナ入力なし
 ・T101(赤)調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・76MHz受信 → L5 調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → CT4調整 → Sメーター最大
【FM RF調整】
 ・76MHz受信 → L1,L2,L3調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → CT1,CT2,CT3調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → T1調整 → Sメーター最大
【検波歪調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz受信 → T101(緑)調整 → 高調波歪最小
【Sメーター振れ調整】
 ・83MHz受信 → VR102調整 → Sメーター振れ調整
【ミューティング調整】
 ・83MHz 20dB → VR101調整 → ミューティング作動
【VCO調整】
 ・TP302 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → VR301調整 → 19kHz±30Hz
【ステレオ歪調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → フロントエンドT1調整 → 高調波歪最小
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → VR302,L301調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chバランス注意
【サブキャリアキャンセル調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → CT401調整 → 38kHz信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → VR402調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → VR401調整 → -6dB
【AM OSC調整】
 ・600kHz → L202調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → CT202調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・600kHz → L201(バーアンテナ内)調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → CT201調整 → Sメーター最大
【AM IFT調整】
 ・1000kHz → T201,T202調整 → Sメーター最大

St8080

 ※電球切れ以外に故障個所は無かったです。
 ※再調整によって良い性能を取り戻したと思います。

■試聴-----------------------------------------------------------------

 ・この時期のテクニクス製品はガンメタパネルに橙色照明がイイ感じですね。

St808006

PIONEER TX-910 修理調整記録2

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 ・2019年5月初め、ヤフオクで格安ジャンク品のTX-910を入手しました。
 ・見るからにボロボロの状態でしたが、手持ちのTX-710と合体復活できるかも??
 ・以下、GWから夏休みまでの作業記録です。

Tx91011

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 PIONEER TX-910 ¥75,000(1973年頃)
 ・オーディオ懐古録 PIONEER TX-910 ¥70,000(発売時)、¥75,000(1941年)
 ・Hifi Engine Pioneer TX-9100 AM/FM Stereo Tuner (1973-75)


Tx91002Tx91013

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・全体にヤニ汚れ、ホコリを被ってかなり汚れた状態。
 ・スイッチツマミが1個欠損。背面パネルを固定するネジが茶色く錆びている。
 ・フロントパネルに目立つキズは無いが全体に茶色っぽいヤニ汚れ。
 ・ウッドケースはヤニがしみ込んで光沢感ある飴色状態、、これは気持ち悪い、、
 ・一般的には粗大ゴミと呼ばれるレベルかもしれません。、
 ・電源オン、照明窓の青色照明と指針やポジションランプが明滅する??
 ・それとボディ内部から異音(ジーーーという音)が聞こえる、、
 ・これはヤバい、、急いで電源オフ、電源プラグを抜く。
 ・まずは電源周りの調査から始めましょう。

Tx91003Tx91004Tx91005Tx91006Tx91007
Tx91014Tx91015Tx91016Tx91017Tx91018

■修理記録:電源スイッチ----------------------------------------------

 ・底板を外し、電源基板が見える状態で慎重に電源オン。
 ・青色照明が明滅、指針やポジションランプも明滅。
 ・ジーという異音の発生源を探ってみると、何と電源スイッチでした。
 ・スイッチ内部から異音が聞こえます。
 ・電源スイッチの内部接点が接触不良を起こしているようです。
 ・部品取り用TX-710の電源スイッチを移植しようとしたところ、何と形状が違って移植不可。
 ・スイッチを分解清掃しようと試みましたが、、分解が難しそうです。
 ・仕方ないのでON/OFF動作を100回くらい繰り返したところで通電してみると、、
 ・接点が復活したらしく照明電球の明滅現象が解消しました。
 ・異音も消えて動作しているので、とりあえずこのままとします。

Tx91050Tx91051Tx91052Tx91053

■動作確認2----------------------------------------------------------

 ・動作確認再開。
 ・名古屋地区のFM局を受信OK。わずかに周波数ズレ。
 ・Tメーター中点とSメーター最大点が一致しない。
 ・Sメーター最大点から大きくズレた位置でSTEREOランプ点灯。
 ・MUTING動作OK。
 ・背面バーアンテナで名古屋地区のAM局を受信。
 ・AM受信は問題なさそう。
 ・固定/可変出力端子から音出しOK、しかしLchの音がちょっと小さめ。
 ・ヘッドホン端子の音出しOK。
 ・外観の酷さに比べれば動作状況は上出来な感じです。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・外観は酷いヤニ汚れですがシールドケースの効果で基板と部品はキレイな状態。
 ・フロントエンドのシールドケースはハンダ付けされておらず、簡単に外せました。
 ・CF×2 → TA7060P×2 → CF×2 → TA7060P → TA7061AP → レシオ検波
 ・IF BAND切替(Wide/Narrow)なし
 ・PA1310P(MC1310P):PLL-MPX IC
 ・HA1138:AM Tuner

Tx91020Tx91021Tx91022Tx91023Tx91024
Tx91025Tx91026Tx91027Tx91028Tx91029
Tx91030Tx91031Tx91032Tx91033Tx91034
Tx91035Tx91036Tx91037Tx91038Tx91039
Tx91040Tx91041Tx91042Tx91043Tx91044

■調整記録------------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・アンテナ入力なし → T4上段コア調整 → Tメーター中点
 ・83MHz → → T4下段コア調整 → 歪率最小
【OSC調整】(フロントエンド底面から)
 ・IF基板17番端子 → DC電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・76MHz → T5調整 → 電圧最大
 ・90MHz → TC5調整 → 電圧最大
【RF調整】(フロントエンド底面から)
 ・IF基板17番端子 → DC電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・76MHz → T1,T2,T3,T4調整 → 電圧最大
 ・90MHz → TC1,TC2,TC3,TC4調整 → 電圧最大
 ・83MHz → T6調整 → 電圧最大
【ミューティング調整】
 ・83MHz 70dB → VR3調整 → MUTING作動点をTメーターで左右対称
 ・Muting スイッチ1
 ・83MHz 20dB → VR4調整 → MUTING作動位置
 ・Muting スイッチ2
 ・83MHz 35dB → VR6調整 → MUTING作動位置
【Sメーター調整】
 ・83MHz → VR5調整 → Sメーター最大振れ
【VCO調整】
 ・MPX基板 2番端子=(PA1310-10pin)→ 周波数カウンタ接続
 ・83MHz ST信号 → VR1調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST信号 → VR2調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【AM OSC調整】
 ・IF基板 14番端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・ 600kHz受信 → T2調整 → 電圧最大
 ・1400kHz受信 → TC3調整 → 電圧最大
【AM RF調整】
 ・IF基板 14番端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・ 600kHz受信 → T1,バーアンテナ内コイル調整 → 電圧最大
 ・1400kHz受信 → TC1,TC2調整 → 電圧最大
 ※AM VR1:GAIN CONTROL
 ※AM VR2:OUTPUT LEVEL CONTROL
 ※AMのVR1、VR2の調整方法が相変わらず分かりません?

■修理記録:MPX基板LPF交換--------------------------------------------

 ・上記調整後もやはりLchの音量が小さい。
 ・音の経路に沿ってMPX基板を調べてみると、
 ・F2:LPF(赤い箱型の部品) 直前までは左右chとも正常。
 ・LPF直後からLch側の音量が小さくなります。
 ・これはLPFの故障が原因でしょう。
 ・部品取り機TX-710のMPX基板を見ると、TX-910とは全く異なる形式です。
 ・でも最終オーディオ回路には同じ型番のLPFが載っていました。
 ・これを外してTX-910に移植、これにて解決。
 ・適当なLPFを自作しようかとも思いましたが、オリジナル状態がキープできました。

Tx91060Tx91061Tx91062Tx91063Tx91064
Tx91065Tx91066Tx91067Tx91068

■修理記録:外観の仕上げ----------------------------------------------

 ・フロントパネルとリアパネルのヤニ汚れを徹底的に洗浄。
 ・部品取り機TX-710の綺麗なパーツ、ネジ類をすべてTX-910に移植。
  ・フロントパネルの銀色フレーム、スイッチノブ
  ・背面パネルのアンテナ端子基板、マルチパス端子基板、音声出力端子基板
  ・ウッドケース、底板
  ・各部を留める黒色ネジ、銀色ネジなど
  ・使えるパーツはすべて移植してTX-710は廃棄処分

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・ちょっと時間がかかりましたが、満足できる綺麗なTX-910に仕上がりました。
 ・この時期のパイオニア製チューナーは青色照明が絶品です。
 ・ウッドケースに包まれて優しく浮かび上がる青い照明窓、、
 ・橙色の輝く指針と赤いSTEREOランプが絶妙なアクセント。
 ・薄暗い部屋でボーっと眺めているだけで幸せな気分に浸れます。

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Tx91000

SONY ST-S555ESX 修理調整記録3

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 ・2019年7月、555ESXの修理調整作業を承りました。
 ・ちょっと苦戦した作業の記録です。


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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S555ESX ¥74,000(1986年発売)
 ・オーディオ懐古録 SONY ST-S555ESX FM STEREO/FM AM TUNER ¥74,000(1986)
 ・Hifi Engine SONY ST-S800ES AM/FM Stereo Tuner (1988)

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・左右にサイドウッド無し。ボディやフロントパネルに目立つキズは無い。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示部は文字痩せ、文字欠けなく輝度も十分。
 ・さて、オート選局で名古屋地区のFM局を受信しようとしたら、
 ・上り方向、下り方向ともに周波数が自動で変化しない。
 ・UP/DOWNボタンを押すたびに0.1MHzずつ周波数が変わる。
 ・マニュアル選局で名古屋地区のFM放送局を受信。
 ・STEREOランプ点灯するが、しかし聴感上のステレオ感なし。
 ・FM受信時に左右の音量が異なる、Lchの音がかなり小さい。
 ・Sメーターのシグナルバーは常時フル点灯。離調時もフル点灯。
 ・常時「MULTIPATH」インジケーターが点灯。
 ・Sメーターとマルチマスメーターを切り換えるタクトスイッチが反応しない。
 ・AMでもオート選局できない。
 ・AMでもシグナルインジケーターがフル点灯状態
 ・AM受信時は左右の音量レベルは同じです。
 ・これはかなり重症な予感、、、

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・基板を見ると、ほとんどのジャンパー線やリード線に錆び(緑青)が出ている。
 ・保管状態がかなり悪かったようです。
 ・過去の調整記録に倣って各部調整した結果、動作確認以外に次々に問題点が判明。
  →IF BAND切換スイッチは作動するが、実際は常時NARROW受信状態
  →IC206:LA1235 13pin電圧計セット→※Sメーター電圧が確認できない
  →IC206:LA1235 7~10pin間 電圧計セット →※FM同調点が確認できない
  →IC206 LA1235 11pin=14.8V OK、しかしLA1235が全く機能していない
  →19kHzパイロット信号に反応してSTEREランプ点灯するが、左右分離できていない

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■修理記録:WIDE/NARROW切換回路----------------------------------------

 ・WIDE/NARROW切換スイッチは作動してインジケーターも点灯する。
 ・しかし常時NARROW受信状態です。
 ・音を聞いてWIDE/NARROWを判別することはほぼ不可能ですが、
 ・両者の違いは、WaveSpectraで高調波ノイズの形を見て違いで判別しました。
 ・WIDE/NARROW切替回路を調査したところ、腐食した R227:1kΩを発見。
 ・テスターで測定すると無限大、これを新品の抵抗1kΩに交換。
 ・WIDE/NARROW切替で波形の違いが確認できるようになりました。

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■修理記録:破損した部品交換------------------------------------------

 ・上記R227の部品不良があったので、ダイオードやトランジスタを1個ずつチェック。
 ・その作業中、D210、D627 の足にテスター棒の先端を当てたところ、、
 ・なんと、ダイオードの本体ガラス部分が割れてしまいました。
 ・速攻で交換しましたが、劣化によって部品はかなり脆くなっているようです。

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■修理記録:LA1235交換-------------------------------------------------

 ・本機には2個のLA1235が使われています。用途は
 ・IC206:IFアンプ、Sメーター駆動、ミューティング
 ・IC207:IFアンプ、マルチパス検出
 ・調査の結果、IC206 LA1235が全く機能していません。
 ・新品の LA1235 を入手して交換したところ、、
  →オート選局できるようになった
  →FM同調点の調整ができるようになった
  →Sメーター電圧が確認できるようになった
 ・ついでにIC207も交換しましたがこちらは効果なし、つまりIC207は正常でした。

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■修理記録:メーター切換スイッチ--------------------------------------

 ・Sメーターとマルチパスメーターの切換ボタンが動作しない。
 ・これはフロントパネルのタクトスイッチ不良と思い、サクッと新品スイッチに交換。
 ・ところが、、やはり切換できません。
 ・これはタクトスイッチ故障ではなく、切換回路自体の問題のようです。
・回路図を頼りにスイッチ回路を追うと、IC602:MMB84013Bの電圧変化がおかしい。
 ・IC602:MB84013B、回路図ではHD14013BP。
 ・ネット通販で 4013を探したところTC4013BPを入手できたので交換。
 ・IC602:MB84013B → TC4013BP
 ・これによってSメーターとマルチパスメーターの切換と動作が正常になりました。
 ・両者のインジケーターも正常に切り替わって点灯します。

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■修理記録:ステレオ分離----------------------------------------------

 ・IC301:uPC1223Cは38kHzスイッチング信号抽出だけを担っています。
 ・本機のステレオ分離回路は、ロジックICが多数組み合わされた複雑な構成です。
 ・たぶんこの回路が後継機333ESシリーズの CXA1064(LA3450)に集積されたと想像します。

  ・IC301:uPC1223C
  ・IC302:HD14046BP
  ・IC305:MB84027B
  ・IC306:uPD4030BC(型番読み取り不能のため、過去の修理器の型番を記載)
  ・IC307:uPD4030BC( 同上 )
  ・IC315:LC4066B ( 同上 )
  ・IC316:LC4066B ( 同上 )
  ・IC317:LC4066B ( 同上 )

 ・各ICに供給される電源電圧に異常なし。
 ・IC各足の電圧測定の結果、怪しそうなIC306とIC307を交換。
 ・IC306:uPD4030BC → TC4030BP
 ・IC307:uPD4030BC → TC4030BP
 ・この結果、モノラル受信時の左右音声が同レベルになりました。
 ・しかしまだステレオ分離できず。
 ・続いて電圧変化がおかしいIC304交換。
 ・IC304:MB84027B → TC4027BP
 ・当たり! これでステレオ分離が正常に出来るようになりました。
 ・結局、MPX回路で壊れていたロジックICは3個(IC304,306,307)でした。

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■備忘録:NEC uPD4030BC同等品------------------------------------------

 ・NEC  uPD4030BC
 ・沖   MSM4030BRS
 ・JRC  NJU4030B
 ・東芝  TC4030BP
 ・松下  MN4030B
 ・三菱  M4030BP
 ・ローム BU4030B
 ・RCA  CD4030B

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IC206:LA1235 7~10pin間 電圧計セット
 ・SSG83.0MHz 変調OFF 80dB → IFT208調整 → 電圧0V±20mV
【VT電圧調整】
 ・IC804 10ピン電圧計セット
 ・90.0MHz → L105調整 → 21.0V±0.2V
 ・76.0MHz → 8.0V±1.0V 確認のみ
【RF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・IC206:LA1235 13pin電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・SSG76.0MHz → L101,L102,L103,L104調整 → 電圧最大
 ・SSG90.0MHz → CT101,CT102,CT103,CT104調整 → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING=OFF
 ・音声出力端子をWaveSpectraで確認
 ・TP202 電圧計セット
 ・TP201を短絡 ※IF回路をパス
 ・SSG83.0MHz 80dB送信 → IFT207調整 → 電圧ゼロ
 ・SSG83.0MHz 80dB送信 → CT201 調整 → 高調波歪最小
 ・SSG83.0MHz 80dB送信 → IFT205調整 → 高調波歪最小
 ・TP201を開放
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC206:LA1235 13pin電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・RT201、RT202 時計回り一杯に回す
 ・SSG83.0MHz出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
  ・IFT202調整 → 電圧最大
 ・RT201、RT202 回転範囲の中央位置に回す
 ・SSG83.0MHz出力80dBモノラル信号送信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
 ・SSG83.0MHz出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
【MUTINGレベル調整】
 ・MUTING = ON
 ・IF BAND = WIDE
  ・SSG83.0MHz 出力25dB → RT204調整 → MUTING作動
 ・IF BAND = NARROW
  ・SSG83.0MHz 出力25dB → RT203調整 → MUTING作動
【Sメーター調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・SSG83.0MHz無変調80dB → RT206調整 → エレメント全点灯位置
【VCO調整1】
 ・TP302 周波数カウンタ接続
 ・SSG83.0MHz無変調 → RT301調整 → 76kHz±100Hz
【VCO調整2】
 ・IC302 9ピン電圧計セット
 ・SSG83.0MHz パイロット信号のみ → RT305調整 → 0V±0.5V ※調整難しい
【パイロットキャンセル】
 ・SSG83.0MHzステレオ変調 → RT302、L301 19kHz信号漏れ最小 
 ・左右chのバランス確認
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・SSG83.0MHzステレオ変調 → RT303 R→L 
 ・SSG83.0MHzステレオ変調 → RT304 L→R 
【AM VT電圧調整】
 ・IC804 10ピン(代用 JW41)電圧計セット
 ・1602kHz → OSCトリマ調整 → 22.0V±2.0V 
 ・ 531kHz → OSCコア調整 → 1.8V±0.1V 確認のみ
【AM RF調整】
 ・SSG 603kHz → RFコア調整 → Sメーター最大
 ・SSG1395kHz → RFトリマ調整 → Sメーター最大
 ・SSG 999kHz → IFT401調整 → Sメーター最大
【CAL TONE】
 Peak Levelに対して -4dB 392Hzの波形が出ていました。

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■試聴---------------------------------------------------------------

 ・ICがいくつも壊れていたり、ジャンパ線や部品のリード線が錆びていたり、、
 ・この個体はかなり劣悪(高温多湿など)な環境で保管されていたようです。
 ・とりあえず復旧しましたが、未交換の部品もかなりダメージを受けているかも?
 ・ちょっと心配です。


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