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SANSUI TU-S707X DECADE 修理調整記録2

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 ・2019年8月、TU-S707X DECADEの修理調整を承りました。
 ・DECADE は 07シリーズの10周年記念モデルです。
 ・以下、作業記録です。

S707xd09

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SANSUI TU-S707X DECADE ¥54,800(1984年発売)
 ・Hifi Engine TU-S77X Quartz PLL Digital Synthesizer Tuner (1983-84)

S707xd02S707xd11

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル、ボディ、サイドウッドとも目立つキズは無い。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数表示が点灯。文字痩せや輝度劣化は感じない。
 ・オート選局モードでは上り下り方向とも76MHz~90MHz間で周波数が変化するだけ。
 ・マニュアル選局モードで放送局周波数に合わせても受信不可。
 ・この状態でモノラル受信に切り換えてみると、、FM放送が聞こえました。
 ・シグナルメーター点灯しない。STEREOランプ点灯しない。
 ・IFバンド切換 WIDE/NARROWとも受信状況に変化なし
 ・RF切換 DX/LOCAL LOCALにすると感度低下し音声がノイズに塗れる。
 ・REC CALトーン OK。
 ・AMは手持ちの適当なループアンテナを接続して確認。
 ・オート選局で名古屋地区のAM放送を正常受信しました。
 ・問題点は、、
 ・FMフロントエンドの受信感度低下、同調点ズレが原因のような気がします。

S707xd01S707xd03S707xd04S707xd05S707xd06
S707xd08S707xd12S707xd13S707xd14S707xd10

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・DECADEモデルでは基準周波数を調整するTC1が省略されています。
 ・使われている部品が微妙に違いますが基本的にTU-S707Xと同じ。

S707xd20S707xd21S707xd22S707xd23S707xd24
S707xd26S707xd27S707xd28S707xd29S707xd30
S707xd31S707xd32S707xd33S707xd34S707xd35
S707xd36S707xd37S707xd38S707xd39S707xd40
S707xd41S707xd42S707xd43S707xd44S707xd45

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・最近のTU-S707X調整記録に倣って各部再調整したところ、いきなりVT電圧に異常あり。
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内[VT-GND] → DC電圧計セット
 ・90MHz → TC5調整 → 23.0V ※実測 15.6V
 ・76MHz → L5調整 → 3.0V ※実測 3.0V
 ・TC5を調整してもVT電圧は変化なし。
 ・原因は TC5(OSCトリマコンデンサー)の容量抜けですね。

■修理記録:TC5交換---------------------------------------------------

 ・OSCトリマコンデンサーの容量抜けは定番の故障箇所です。
 ・フロントエンドユニットを外してOSCトリマコンデンサを交換
 ・新品の青色(10pF)に交換。
 ・以下の再調整作業により正常動作になりました。

S707xd51S707xd52S707xd53S707xd54S707xd58

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内[VT-GND] → DC電圧計セット
 ・90MHz → TC5調整 → 23.0V
 ・76MHz → L5調整 → 3.0V
【フロントエンド調整】
 ・IC3[HA12412] 13pin → DC電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz受信 → TC1,TC2,TC3,TC4調整 → 電圧最大
 ※本来は76MHz → L1,L2,L3,L4ですが、調整困難のため83MHzのみで調整
 ・83MHz受信 → T1調整 → 電圧最大
【WIDE GAIN調整】
 ・IC3[HA12412] 13pin → DC電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・IF BAND=NARROWに切り替え → 電圧値測定
 ・IF BAND=WIDEに戻して電圧測定 → VR2調整 → NARROW時と同じ電圧
【FM同調点の調整】
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → T2 IC側コア調整 → 0V±30mV
 ・83MHz受信 → T2 IC反対側コア調整 → 高調波歪最小
 ・上記作業を数回繰り返す
【FM LOCKED LEVEL調整】
 ・83MHz 30dB受信 → VR4調整 → 本体正面[LOCKED]橙色LEDが全灯する位置
【REC LEVEL調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz 80dB受信 → ピークレベル確認
 ・REC CALモード切替 → VR5調整 → -6dB ※404Hz
【VCO調整】
 ・TP1~TP4 → 電圧計セット
 ・83MHz 無変調60dB受信 → VR105調整 → 0V±0.05V
 ・TP3 → 周波数カウンター接続
 ・83MHz 無変調60dB受信 → L101調整 → 304.000kHz
【PILOT OFFSET調整】
 ・TP2~TP5 → 電圧計セット
 ・83MHz 無変調60dB → VR104調整 → 0V±0.1V
 ・83MHz ST信号60dB → ステレオランプ点灯を確認
【PILOT CANCEL調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraに接続
 ・83MHz ST信号60dB → L100, VR103L調整 → Lch 19kHz最小
 ・83MHz ST信号60dB → VR106,VR103R調整 → Rch 19kHz最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraに接続
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz ST信号60dB → VR102L調整 → 反対ch漏れ信号最小
 ・83MHz ST信号60dB → VR102R調整 → 反対ch漏れ信号最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectraに接続
 ・83MHz ST信号60dB → VR101L調整 → 反対ch漏れ信号最小
 ・83MHz ST信号60dB → VR101R調整 → 反対ch漏れ信号最小
【MUTING LEVEL調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraに接続
 ・83MHz ST信号25dB → VR3調整 → ステレオランプ点灯し音声が出る位置へ
【AUTO STOP LEVEL調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraに接続
 ・83MHz ST信号30~35dB → VR1調整 → オートサーチが有効な位置へ
【AM VT電圧調整】
 ・ 531kHz → T1調整 → 1.4V
 ・1629kHz → TC1調整 → 19.3V
【AM RF調整】
 ・LA1245-16ピン → 電圧計セット ※AM Sメーター電圧
 ・ 603kHz受信 → T2調整 → 電圧最大
 ・1395kHz受信 → TC2調整 → 電圧最大
 ・ 999kHz受信 → T3調整 → 電圧最大
【AMその他調整】
 ・AM VR1調整 → 選局時のオートストップレベル調整
 ・AM VR2調整 → 本体正面[LOCKED]橙色LED点灯レベル調整

Tu707xd

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・OSCトリマコンデンサーの容量抜けは定番の故障箇所です。
 ・他に故障個所がなくて良かったです。

S707xd07

KENWOOD KT-1100D 修理調整記録8

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 ・2019年7月、KT-1100Dの修理調整作業を承りました。
 ・修理不能としてKENWOODサービスから返却されたそうです。
 ・学生時代に購入した思い出の品とのこと、これは何とか直したい。
 ・以下、作業報告です。

Kt1100d03_20190923122801

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版

Kt1100d02_20190923123101Kt1100d09_20190923123101

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル、ボディとも目立つキズは無く外装の状態は良い。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示管点灯。文字欠けや輝度劣化は見られない。
 ・オート選局で名古屋地区のFM放送局を受信しようとすると、、
 ・上り方向、下り方向ともに放送周波数を通過して受信できない。
 ・通過するときにTメーター、Sメーターのセグメントは点灯する。
 ・しかし中点から右に一本ズレた位置の赤いバーがフル点灯。中点を示さない。
 ・マニュアル選局では放送周波数±0.2MHz範囲でモノラル受信できる。
 ・ステレオ受信不可。STEREOインジケータ点灯せず。
 ・セグメントがフル点灯するのでSメーターとしては機能している模様。
 ・RF切替(DISTANVCE/DIRECT)OK。
 ・WIDE/NARROW切替OK。REC CAL OK。メモリボタン動作OK。
 ・手持ちの適当なAMループアンテナでAM放送の受信確認。
 ・AM放送はオート選局、マニュアル選局とも正常に受信。

Kt1100d501

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V ※実測 2.8V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V ※実測23.8V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L9調整 → 0.0V±10mV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L12調整 → 0.0V±10mV

 ※VT電圧OK。
 ※L9調整で電圧ゼロに設定できない → L9故障

■修理記録:検波回路基板交換-------------------------------------------

 ・L9が載っている検波回路基板を取り外す。
 ・検波回路基板のハンダ面にアクセスするにはシャーシを分解する必要あります。
 ・この検波回路基板はKT-7020やKT-V990とほぼ同じものです。
 ・部品取りして保管していたKT-7020の検波回路基板をそのまま移植。
 ・組み立てて通電すると、L9調整が出来るようになりました。
 ・取り外した基板はL9を補修して次回別の修理に利用します。

Kt1100d51Kt1100d53Kt1100d54Kt1100d57Kt1100d58

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V ※実測 2.8V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V ※実測23.8V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L9調整 → 0.0V±10mV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L12調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・R67左側 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz → L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz → L10調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz 30dB → VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・83MHz → 本体左側小基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【SIGNAL METER調整】
 ・83MHz → 本体左側小基板VR3調整 → ※
  ※バーグラフの点灯レベル調整
【MPX VCO調整】
 ・TP14 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR4調整 → 19.00kHz±50Hz

 ※ここまで順調に調整できたが、VCO調整で異常発見。
 ※TP14で19kHzが確認できない。なぜか 1.8kHz を示す??
 ※VR4を回しても変化なし。
 ※ステレオ分離できずSTEREOインジケータも点灯しない。

■修理記録:MPX回路調査と修理-----------------------------------------

 ・LA3350 の各足の電圧測定。
 ・LA3350 1pin(Vcc) を確認すると何と0v。なんと電圧が全くかかっていない。
 ・すぐ横にあるIC11(NEC 78L12)3端子レギュレーターから12vが出ていません。
 ・IC11を指で触ってみると、火傷するほど物凄く熱い!!
 ・ホント、飛び上がるほど熱かったです、、
 ・電源を切って回路調査したところ、IC11横の C92(220uF/16v)が短絡していました。
 ・C92 220uF/16v → 220uF/25v 交換
 ・これでLA3350が動き出し、TP14で19kHzが観測できるようになりました。

Kt1100d60Kt1100d61Kt1100d62

■調整記録------------------------------------------------------------

【MPX VCO調整】
 ・TP14 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR4調整 → 19.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz SUB信号 → L25調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO,1kHz,80dB)→ VR3:DET調整 → 歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO,1kHz,80dB)→ VR4:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO,1kHz,80dB)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R,1kHz,80dB)→ VR5調整 → 歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB,1kHz,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz.80dB)→ VR2調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz → VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz → VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz → VR1調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz(mono信号,1kHz,100%変調)→ 本体左側小基板VR4調整 → 100%位置

 ※次なるトラブル、ステレオ分離後のRchの音量レベルがやや小さい。

■修理記録:オペアンプ交換--------------------------------------------

 ・次なるトラブルは左右の音量レベルが異なること。
 ・ステレオ分離後のRchの音量レベルがやや小さい。
 ・IC9,10 (4560D) → 4558DD → これによって音量レベルが同一になりました。
 ・ついでに同じ型番のIC5,IC6も交換
 ・IC5,6 (4560D) → 4558DD 交換

Kt1100d63Kt1100d64Kt1100d65Kt1100d66

■調整記録------------------------------------------------------------

Kt1100d_20190923122901

【AM簡易調整】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・522kHz → L20調整 → 実測 1.5V 確認のみ
 ・1629kHz→ TC2調整 → 実測 8.0V 確認のみ
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → Sメーター最大

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・同調できない原因は検波基板 L9内部コンデンサーの容量抜け。
 ・STEREOランプが点灯しない原因はMPX回路 C92短絡でした。
 ・左右の音量レベル差は IC9,10の不調でした。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。

Kt1100d04_20190923122801

YAMAHA T-7 修理調整記録4

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 ・2019年9月初め、YAMAHA T-7の修理調整作業を承りました。
 ・久しぶりに見るブラックモデルです。

T703

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-7 NATURAL SOUND AM/FM STEREO TUNER ¥69,800円
 ・Hifi Engine Yamaha T-7 Natural Sound AM/FM Stereo Tuner (1980-82)

T702T710

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・純正AMループアンテナ付属。
 ・PAL-F変換プラグを介してFMアンテナを接続して電源オン。
 ・赤い指針点灯、しかし指針両側の黄色いチューニングインジケーターが点灯しない。
 ・名古屋地区のFM局付近に合わせるとSメーターインジケーター点灯。
 ・およそ+0.2MHzの位置でFM放送を受信。
 ・微妙なダイヤル操作によってSTEREOランプが点灯することがある。
 ・ただしLchの音が出ない。MONO受信時もLchの音が出ない。固定/可変とも同じ。
 ・AMループアンテナで名古屋地区のAM局を受信。
 ・やはりLchの音が出ない。

T701T704T705T706T708
T709T711T712T713T714

■修理記録:フラットケーブル直結---------------------------------------

 ・ボディを開けた状態で電源オン。
 ・すると、つい先ほどまで受信できていたFM放送が全く受信できない??
 ・Sメーターインジケーターが点灯しない、、全く音が出ない??
 ・調べてみると、基板とフロントパネルを接続するフラットケーブルが抜けていました。
 ・基板側に設けられたコネクタのロック機構が壊れているようです。
 ・コネクタを取り外し、ケーブルを基板に直結しました。

T740T741T742T743

■修理記録:チューニングインジケータ-----------------------------------

 ・回路図と実機を確認し、チューニングインジケーターに繋がる回路を調査。
 ・電圧を測定しながら怪しそうなトランジスタ、電解コンデンサを順番に確認。
 ・壊れていたのはTR39 2SC2021 でした。
 ・TR39(基板の印刷)=TR139(回路図の番号)
 ・TR39 2SC2021 → 2SC1815 
 ・これで指針両サイドにチューニングインジケーターが出現しました。

T750T752T753T755T757

■修理記録:OTS動作不良------------------------------------------------

 ・次なる不具合は OTS機能 が動作していないこと。
 ・本来は OTS オンで選局ツマミに触れるとチューニングインジケーターが暗くなるはず。
 ・ところが選局ツマミに指で触れてもインジケーターは明るく点灯したまま。
 ・OTS オフではインジケーターの輝度が連続的に変化して最適同調点が分かります。
 ・つまりAFC回路は正常に動作しているようなので、タッチセンサー回路の不具合か??
 ・回路図で選局ツマミに繋がるトランジスタ(TR24,TR25,TR26,TR27)を順にチェック。
 ・TR27 2SC2021 不良発見 → 2SC1815 交換
 ・これでOTS機構が正常動作するようになりました。

<参考>MUTE/OTSスイッチの使い方
 ・このスイッチを ON にすると MUTING 回路が動作します。
 ・T-7では同調点のドリフトを防ぐためAFC回路が組み込まれています。
 ・AFC回路によって近くの強い受信電波に自動同調します。
 ・AFCは同調点を保持するには有効ですが、最適同調点が分かりません。
 ・T-7では選局ツマミに触れることでAFC回路を一時的にオフにします。
 ・AFCが解除された印にTメーターインジケーターが少し暗くなります。
 ・この状態で最適同調点(左右の輝度が同一になる点)を探します。
 ・同調したら指を離すとAFC回路が作動し、インジケーターが明るく点灯します。
 ・電波の弱い放送局を受信するには OFF/MULTIPATH に切り替えます。
 ・OFF/MULTIPATH のポジションではAFCは強制解除された状態になります。

■修理記録:Lchの音が出ない--------------------------------------------

 ・VCO調整OK、STEREOランプ点灯するので38kHz抽出はできている。
 ・順番に調べた結果、IC105 uPD4066C の故障を発見。
 ・IC105 uPD4066C → TC4066BP 交換
 ・これによってLchの音が出るようになりました。

T760T761T762T763

■調整記録--------------------------------------------------

【本体スイッチ設定】
 ・FUNCTION = FM
 ・RX MODE = AUTO DX
 ・MUTE/OTS = OFF
 ・BLEND = OFF
 ・REC CAL = OFF
【検波調整】
 ・IC111 20pin(またはR282)-GND → 電圧計セット
 ・ダイヤル指針83MHz付近にセット → T103調整 → 電圧ゼロ
【FM OSC調整】
 ・IC102 (LA1231) 13pin → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC1調整 → 電圧最大
 ※OSCコイルL7の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
 ・IC102 (LA1231) 13pin → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → フロントエンドTCA,TCR1,TCR2調整 → 電圧最大
 ※RFコイルL1~L5の調整が難しいため83MHzのみで調整
【Mono歪調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → TC101調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・IC113 1pin-14pin → 2.2MΩを介して直結
 ・これにより強制ステレオモードになり本体ステレオランプ点灯
 ・R226(19kHz TP)→ 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR108調整 → 19kHz±10Hzに。
【ST SUB調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz SUB → T112調整 → Lchレベル最大
【Stereo歪調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR101 VR102 VR103,T102調整 → 高調波最小
【Pilot Cancel調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → T113,VR109調整 → 19jHz漏れ信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR105調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST → VR106調整 → Rch漏れ信号最小
【シグナルインジケーター点灯調整】
 ・83MHz 100dB → VR112調整 LED全点灯
 ・83MHz 0dB → VR111調整 LED全消灯
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → T110調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → AMOSC調整 → シグナルメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz受信 → T109調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → AMANT調整 → シグナルメーター最大
【プリセットチューニング上限位置調整】
 ・90.5MHz受信 → プリセット5に登録
 ・80MHz付近でプリセット5を押し指針移動開始
 ・このとき90.2MHz付近で自動停止するようにVR113を調整する
【プリセットチューニング下限位置調整】
 ・75.5MHz受信 → プリセット1に登録
 ・80MHz付近でプリセット1を押し指針移動開始
 ・このとき75.8MHz付近で自動停止するようにVR114を調整する

■試聴-----------------------------------------------------------------

 ・選局ツマミを指で回して FM/AMともクリアに受信できるようになりました。
 ・ただしモータードライブによる自動選局機能は不安定です。
 ・上手くメモリー登録できたり、できなかったり、、
 ・引き続き勉強します。

T707

TRIO KT-5300

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 ・2019年8月末、ウッドケース付きのKT-5300を寄付していただきました。
 ・ウッドケースのおかげでステキな高級機に見えます。
 ・以下、整備記録です。

Kt530007

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・KT-5300 AM-FMステレオチューナー ¥29,800円
 ・外観は KT-7700、KT-5500 に似た印象はです。
 ・本機に関するネット情報はほとんどありません。
 ・1979年トリオ総合カタログから抜粋。

Trio_kt5300_20191013152001
Kt530002Kt530010

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は経年の汚れがあるものの、目立つキズはない。
 ・F型端子がないので300Ω端子にFMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓の照明点灯、二つのメーター照明点灯。球切れはない。
 ・名古屋地区のFM放送を受信。+0.3MHz程度の周波数ズレ
 ・Tメーター中点とSメーター最大点が一致しない。
 ・Sメーター最大点付近でSTEREOランプ点灯。
 ・MUTING動作OK。
 ・背面バーアンテナで名古屋地区のAM局を受信。
 ・Sメーターがほとんど振れない。
 ・FMは調整ズレ、AMは何か故障個所がありそうな予感。

Kt530001Kt530003Kt530004Kt530005Kt530006
Kt530009Kt530011Kt530012Kt530013Kt530014

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM3連、AM2連のフロントエンドユニット → CF×2個 → QD検波
 ・KB4402 FM IF Amp ※HA1137W 同等品のようです。
 ・HA1156 FM STEREO DEMODULATOR
 ・HA1197 AM Tuner
 ・VR1 Sメーター
 ・VR2 VCO調整
 ・入門機らしく、とてもシンプルな構成。セパレーション調整VRもない。

Kt530020Kt530021Kt530022Kt530023Kt530024
Kt530025Kt530026Kt530027Kt530028Kt530029
Kt530030Kt530031Kt530032

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・使われているICのうち HA1156と HA1197の足が真っ黒に変色。
 ・硬めの歯ブラシでゴシゴシ磨いてみました。
 ・磨いた結果、HA1197でAM受信感度が大幅に向上。
 ・HA1156では有意な効果なし。

■調整記録------------------------------------------------------------

【Tメーターオフセット調整】
 ・アンテナ入力なし → T5上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・76MHz受信 → T3調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → CT1調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・76MHz受信 → T1,T2調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → CT3,CT2調整 → Sメーター最大
 ・この調整作業を数回繰り返す。
【IFTコア調整】
 ・83MHz受信 → T4調整 → Sメーター最大
【検波調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraに接続
 ・83MHz受信 → T5下段コア調整 → 高調波歪最小
【Sメーター振れ調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整 → Sメーター振れ具合調整
【VCO調整】
 ・TP1 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → VR2調整 → 19kHz
【AM調整】
 ・ 600kHz受信 → アンテナ内コイル、T6調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → CT5,CT4調整 → Sメーター最大

Kt530000

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・調整ポイントが少なくてセパレーション調整もありません。
 ・それでもFM/AMとも不満なく受信できます。
 ・ウッドケースに納まると豪華に見えるから不思議、、

Kt530008

■ウッドケース---------------------------------------------------------

 ・ウッドケースに納まると高級機に見えるから不思議、、

Kt530050Kt530055Kt530054Kt530053Kt530056
Kt530052

TRIO KT-9900 実験機

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 ・2019年9月、KT-9900の故障機を寄付していただきました。
 ・長く連れ添ったワンオーナー機とのこと。
 ・上手く修理できたらVICSノイズの実験機にしようという計画です。

Kt990008

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-9900 ¥200,000
 ・オーディオの足跡 TRIO KT-9900 ¥200,000(1978年発売)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-917 ※輸出機

Kt990002Kt990010

■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・フロントパネルやボディに目立つキズは無く外観の状態はとても良い。
 ・底面にはメーカーサービスによる修理歴シールが見当たらない。
 ・電源オン、照明電球点灯、球切れなし。
 ・IF BAND切換インジケーター(緑色LED)点灯OK
 ・名古屋地区のFM放送局を受信しようとすると、、
 ・Sメーターは大きく振れるが、Tメーターは中点付近でほとんど動かない。
 ・MUTING OFF でモノラル受信OK。
 ・DEVIATION/MULTIPATHメーターが動かない。
 ・MUTING 20dBf、40dBfではMUTING解除されず音が出ない。
 ・DDLインジケータ点灯しない。STEREOランプ点灯しない。
 ・IF BAND=NORMAL、NARROWでは不定期な雑音があるが、WIDEでは雑音なし。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・足が真っ黒に変色したICやトランジスタ多数あり。
 ・電源回路基板では劣化した電解コンデンサー多数(液漏れ、スリーブ後退)
 ・前オーナーが手を加えた補修跡を確認。

Kt990021Kt990024Kt990025Kt990026Kt990050
Kt990027Kt990029Kt990030Kt990031Kt990032
Kt990057Kt990058Kt990060Kt990061Kt990063

■修理記録:IF回路の清掃----------------------------------------------

 ・まずは硬めの歯ブラシと爪楊枝でICやトランジスタの足を大掃除。
 ・特にIF回路の IC2,3,4 (LA1222)の真っ黒な足を磨いたところ、
 ・NORMAL/NARROW受信時の雑音が消えました。

Kt9900261

■修理記録:Tメーターが動かない---------------------------------------

 ・TメーターはIC8:HA1137WのQD検波の同調点と連動しています。
 ・過去にTメーターが動かない事例があり、そのときはHA1137Wの故障が原因でした。
 ・今回もHA1137Wが怪しいか?と思って以下を点検。
  →IC8:HA1137W 7~10ピン 電圧計セット ※QD検波の同調点確認
  →L22調整 → 電圧ゼロ OK
  →IC8:HA1137W 6ピン → WaveSpectraに接続
  →L23調整 → 高調波歪最小 OK
 ・何と!、HA1137Wは正常に動作している!!!

Kt9900501

 ・しかしTメーターに繋がるIF基板20番、21番端子には信号が出ていない。
 ・なぜ??回路図上は他に部品は無いし?
 ・そこでいつも見ている輸出機KT-917回路図とKT-9900実機を詳しく照合しました。
 ・KT-917回路図には記載のない部品がいくつか実装されていました。
 ・Q10(2SK68/J-FET),D8,D9,R83,R92,R93
 ・この差異については今回の作業で初めて気が付きました。

 ・KT-917回路図に記載のないQ10(2SK68)を取り外して単体チェック → 異常なし。
 ・Q10(2SK68)を外したまま電源オン、、、すると、
 ・Tメーターが左右に大きく振れるようになりました。
 ・Q10(2SK68)の接続先 → SWITCH回路基板10番端子、DDL回路基板4番端子。
 ・まずSWITCH回路基板の各部品で電圧確認。
 ・怪しそうな部品は、Q6(2SC945)、Q9(2SA733)、IC4(HA1457)
 ・Q6(2SC945) → 2SC1815交換 ※効果なし
 ・Q9(2Sa733) → 2SA1015交換 ※効果なし
 ・IC4(HA1457)→ HA1157W交換 ※当たり!!
 ・HA1457の足が真っ黒に変色していました。

Kt917scheKt990070Kt990071Kt990072Kt990074

 ・IC4(HA1457)→ HA1457W この交換によって
  →Tメーターが左右に大きく振れる。
  →DEVIATION/MULTIPATHメーターも振れる。
  →MUTINGが正常動作。
  →DDLインジケーター点灯。
  →STEREOランプ点灯。
 ・最初に確認した不具合現象がすべて解消しました!!!

 ・よし、これで直った!と思ったら、、
 ・通電後数時間すると DDL インジケーターが点灯しなくなる不具合が発生。
 ・電源オフにして放置。翌日電源オンで正常動作する。
 ・しばらくするとまた点灯しなくなる、、繰り返しです。
 ・一難去ってまた一難、DDL回路に不具合がありそう。

■修理記録:DDL回路のHA1457交換---------------------------------------

 ・DDL回路基板にはHA1457が4個(IC1,6,8,14)使われています。
 ・部品が密集しているので足の劣化具合が直接観察できません。
 ・HA1457を1個ずつ外して確認。
 ・どれも足は真っ黒に変色していました。
 ・すべてのHA1457をHA1457Wに交換。
 ・DDLインジケーターが安定点灯するようになりました。
 ・他の基板で使われているHA1457も全数交換しようと思います。

Kt990081Kt990083Kt990085Kt990086Kt990088

 ・KT-9900以外の機種でもHA1457の劣化現象が顕著です。
 ・硬めの歯ブラシで磨くと復活するときもありました。
 ・実はHA1457Wを大量入手してあります。

■今後の予定----------------------------------------------------------

 ・電源回路の劣化した電解コンデンサー交換
 ・HA1457全数交換
 ・各部再調整
 ・NHK-FM VICSノイズ対策
 ・続く、、、


YAMAHA T-9 修理調整記録2

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 ・2019年9月、YAMAHA T-9のメンテナンスを承りました。
 ・発売当時に購入されたワンオーナー品との事。
 ・とても綺麗な外観から大切に扱われていたことが伺えます。
 ・以下、作業記録です。

T906

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-9 ¥98,000(1979年頃)
 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-9
 ・Hifi Engine YAMAHA T-9 FM Stereo Tuner (1979)

T902T909

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・PAL-F変換プラグを介して同軸アンテナ線を接続、電源オン。
 ・赤い指針と左右のチューニングインジケーター点灯。
 ・-0.2MHzほどの目盛り位置で名古屋地区のFM放送を受信。
 ・デジタル表示は正しい周波数を示す。
 ・各機能のインジケーター点灯。STEREOランプ点灯。
 ・シグナルメーターの点灯が少ない。
 ・OTS機能作動OK、REC CALトーンOK。
 ・手動選局OK。続いてモータードライブの自動選局をテスト。
 ・放送局のメモリー登録できましたが、、自動選局動作が微妙、、
 ・指針の移動が途中で止まってしまうことがある。

T903T904T905T910T911

■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・電圧確認
  +B → +17.2v
  -B → -18.6v
   9B → + 9.7v
  +9 → + 9.7v

T920T921T922T923T924
T925T926T927T928T929
T930T931T932T933T934
T935T936T937T938T940

■修理記録:指針の引っ掛かり-----------------------------------------

 ・上り方向に指針を移動するとき、81MHz付近で引っ掛かるような現象がある。
 ・原因は、指針に繋がる4芯コードが基板の角にちょうど引っ掛かるようです。
 ・対策として薄いプラ板を加工してカバーを作ってみました。
 ・ダイヤルスケール裏側に両面テープで固定。これで引っ掛かりは解消です。

T970T971T972T973T974

■調整記録-----------------------------------------------------------

【本体切替ボタンの設定】
 ・RX MODE : AUTO DX
 ・MUTE/OTS : OFF
 ・BLEND : OFF
 ・REC CAL : OFF
【検波コイル調整】
 ・IC110[IG03210] 20Pin → 電圧計セット(Tメーター電圧)
  ※20pin代用ポイント → すぐ右側22k抵抗
 ・電波入力なし → T105調整 → 電圧ゼロ(Tメーター中点)
 ・指針を76MHz~90MHzまで移動し中点がほぼズレない事を確認
【OSC調整】
 ・ダイヤル指針 → 目盛り83.0MHz位置にセット
 ・83.0MHz,無変調,70dB → TCo調整 → Sメーター最大
  ※Loは調整不可のためトリマーのみで調整。
  ※83MHz付近では指針と目盛りがピッタリ合いますが、両端ではややズレます。
【RF調整】
 ・83.0MHz,70dB,無変調 → TC1,TC2,TC3,TC4,T102調整 → Sメーター最大
  ※L1,L2,L3,L4 調整が難しいのでノータッチ
【IF歪調整】
 ・83.0MHz,70dB,1KHz,100%変調 → TC101調整 → 高調波歪最小
 ・同上 → T102,T103,T104,TC101,VR102,VR103調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・TP19kHz → 周波数カウンター接続
 ・83.0MHz,70dB,無変調 → VR108調整 → 19KHz
【38kHz SUB調整】
 ・83.0MHz,70dB,1KHz,100%変調,SUB信号 → T113調整 → Lchレベル最大
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・SSG 83.0MHz,70dB,PILOT信号 → T114調整 → 19KHz漏れ最小
【セパレーション調整】
 ・83.0MHz,70dB,1KHz,100%変調,ST → VR105,VR106調整 → 反対信号漏れ最小
【Sメーター調整】
 ・83.0MHz,100dB → VR110調整 → LED全点灯
 ・83.0MHz, 0dB → VR109調整 → LED全消灯
【デジタル周波数調整】
 ・2階基板 VR103横のTPを10kΩ抵抗を介してGND接続
 ・VR103調整 → 周波数表示(小数点第一位)を微調整
【プリセットチューニング上限位置調整】
 ・90.5MHz受信 → プリセット5に登録
 ・80MHz付近でプリセット5を押し指針移動開始
 ・このとき90.2MHz付近で自動停止するようにVR113を調整する
【プリセットチューニング下限位置調整】
 ・75.5MHz受信 → プリセット1に登録
 ・80MHz付近でプリセット1を押し指針移動開始
 ・このとき75.8MHz付近で自動停止するようにVR114を調整する

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・内部充電池は安全のため外しておきました。
 ・プリセットチューニングは不安定ですが、チューナーとしては動作しています。

T907

SONY ST-S333ESA 修理調整記録1

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 ・2019年10月初め、333ESAブラックモデルのワンオーナー品が届きました。
 ・久しぶりに通電したら動作不調だったとのこと。
 ・以下、作業記録です。

333esa07

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESA ¥55,000(1991年発売)
 ・Hifi engine SONY ST-770ES? FM Stereo / FM-AM Tuner (1991-92)

333esa02333esa11

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観に目立つキズは無く、大切に扱われていたようです。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示部点灯。文字欠けや輝度劣化は感じられない。
 ・IF BANDやRF切替などボタン操作に応じてインジケーター点灯OK。
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信するとすべて素通りして受信不可。
 ・上り方向、下り方向ともにオート選局不可。
 ・マニュアル受信でモノラルなら受信OK。
 ・ただ受信感度が弱く、Sメーターが下から2~3セグメント点灯する程度。
 ・続いてAMループアンテナを接続して名古屋地区のAM局をテスト受信。
 ・AMはオート選局で名古屋地区のAM放送局を受信OK。
 ・REC CALトーン OK。
 ・問題はFM受信感度の低下ですね。

333esa03333esa04333esa05333esa06333esa09
333esa12333esa13333esa14333esa15333esa16

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・そういえば 333ESA の内部を見るのは久しぶり、、
 ・オーディオクラスの電解コンデンサ―が大量に使われています。
 ・ただ、部品番号と部品配置は 333ESG と全く同じ、TPも同じです。
 ・MPX IC:CXA1064

333esa20333esa21333esa22333esa23333esa24
333esa25333esa26333esa27333esa28333esa29
333esa30333esa31333esa32333esa33333esa34
333esa35333esa36333esa37333esa38 

■修理記録:ハンダ修正------------------------------------------------

 ・ハンダ面を確認すると音声出力端子とアースバーにハンダ割れを発見。
 ・これは333シリーズ定番の不具合箇所です。
 ・不良個所のハンダを盛り直して修正。
 ・音声端子のハンダにアクセスするには背面パネルを外すと作業が楽です。

333esa40333esa43333esa45333esa46333esa47

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・IC251(LA1235)7pin~10pin → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ ※実測 0.95V
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内JW8 → 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測21.5V
 ・76MHz → 確認のみ → 8.0V±1.0V ※調整前実測 8.2V
【トラッキング調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)→ 電圧計セット
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103 → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・TP201を短絡 ※これによってIF回路をパス
 ・TP271 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測348mV
 ・CT271調整 → 歪最小 ※Wavespectraにて波形確認
 ・TP201を開放
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)→ 電圧計セット
 ・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
 ・83MHz 40dBモノラル信号受信
  ・IFT201調整 → 電圧最大
 ・83MHz 40dBステレオ信号受信
  ・IFT202調整 → 電圧最大
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
 ・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
 ・83MHz 80dBモノラル信号受信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
 ・83MHz 80dBステレオ信号受信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・83MHz 20dB受信 → RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
 ・IF BAND = WIDE
  ・MUTING = ON
  ・83MHZ 25dB受信 → RV252調整 → MUTING作動位置へ
【IF NARROWゲイン調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・83MHz 80dB受信 → RV203調整 → NARROWゲイン調整
【Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → RV241調整 → Sメーター点灯レベル調整
【パイロットキャンセル】
 ・83MHz ST信号受信 → RV303,L301調整 → 19kHz信号漏れ最小 ※左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・83MHz ST信号受信 → RV301 R→L ※調整後実測72dB
 ・83MHz ST信号受信 → RV302 L→R ※調整後実測66dB
【CAL TONE】
 ・Peak Level-6dB 398Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RV401 Sメーター調整
 ・RV402 AUTOSTOP調整

333esa

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・故障個所は無かったです。
 ・不調原因はFM同調点の大幅なズレでした。
 ・その他の調整ポイントも大きく外れていました。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。

333esa08

PIONEER TX-8800II 修理調整記録1

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 ・2019年10月、TX-8800II×2台セットの修理調整作業を承りました。
 ・2台とも直せるか、それともニコイチ合体となるか、、
 ・実はさらに3台目が加わり、結果的に「サンコイチ」になりました。
 ・以下、作業記録です。

Tx880003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TX-8800II 1976年 46,800円
 ・Hifi engine TX-8500mkII 1977年 $300


Tx880002Tx880011

■動作確認------------------------------------------------------------

【1号機】
 ・フロントパネルやボディは比較的キレイな状態。
 ・電源オン、周波数窓の照明点灯。
 ・-0.4MHzの周波数ズレで名古屋地区のFM放送を受信。
 ・Sメーター、Tメーター大きく振れる。
 ・MUTING動作OK、REC CALトーンOK。
 ・WIDE/NARROW切替インジケーター点灯しない。
 ・STEREOインジケーター点灯しない。実際のステレオ感なし。
 ・AM放送は受信不良。全周波数区間でSメーターが全く動かない。
 ・局間ノイズも出ない。
【2号機】
 ・外装は全体にちょっと汚れた感じ。
 ・電源オン、周波数窓の照明点灯。
 ・-0.2MHzの周波数ズレで名古屋地区のFM放送を受信。
 ・Sメーター、Tメーター大きく振れる。
 ・MUTING動作OK、REC CALトーンOK。
 ・WIDE/NARROW切替インジケーター点灯。
 ・STEREOインジケーター点灯しない。ステレオ感も無し
 ・名古屋地区のAM放送周波数付近でSメーターが振れるが、音が出ない。
 ・両機ともそれぞれ難ありの状態ですね。

■内部確認------------------------------------------------------------

【1号機】
 ・WIDE/NARROWインジケータ電球、STEREOインジケーター電球が取り外されている。
 ・-0.2MHzの周波数ズレでFM受信OK。
 ・STEREOインジケーターは点灯しないが、波形を見るとSTEREO分離はできている。
 ・WIDE/NARROWインジケーター点灯しないが、波形を見ると切換動作OK。
 ・MUTING動作OK。REC CALトーンOK。
 ・輸出機TX-8500IIのサービスマニュアルに従ってFM回路の調整ポイント確認。
 ・FM受信は大丈夫そうです。
 ・一方AMは受信不可。AM用IC(HA1197)の故障か?
【2号機】
 ・Sメーター最大点とTメーター中点が一致しない。
 ・FM放送は受信できるもののRchの音が出ていない。
 ・さらにLchの高調波歪が異常に大きい。
 ・REC CALトーンもRchの音が出ていない。
 ・音が出ない原因はミューティング用IC(PA1002)の故障です。
 ・PA1002への入力信号は正常ですが、Rchの出力がありません。
 ・AMも音が出ない。こちらもAM用IC(HA1197)の故障のようです。

Tx880020Tx880021Tx880022Tx880023Tx880024
Tx880025Tx880026Tx880027Tx880028Tx880029
Tx880030Tx880031Tx880032Tx880033Tx880034
Tx880035Tx880036Tx880037Tx880038Tx880014

■3号機入手----------------------------------------------------------

 ・AM用IC(HA1197)が載っていそうなジャンクチューナーを捜索。
 ・機種リストをメモにして近所のハードオフへ、、
 ・偶然にも2軒目のジャンクコーナーにTX-8800IIそのものがありました。
 ・動作未確認のジャンク機ですが安かったので部品取り目的に確保。
 ・自宅で通電したところ、照明電球が取り外されていました。
 ・照明無しでもFM/AMとも受信OK、メーター動作も正常でした。
 ・狙い通りAM用ICが移植できます。

■合体記録------------------------------------------------------------

 ・1号機をベース機としてフロントパネル、ツマミ類を分解徹底洗浄。
 ・2号機からWIDE/NARROW電球、STEREO電球を移植。
 ・3号機からAM用IC(HA1197)、音声端子、マルチパス端子、ボディを移植。 
  ・PA3001(HA11225):クアドラチュア検波
  ・PA1001(KB4437):PLL-MPX
  ・PA1002:オーディオアンプ、ミューティング
  ・HA1452:オーディオ2chアンプ
  ・HA1197:AMシステム
  ・PA2002:電源部

Tx880050Tx880051Tx880052Tx880053Tx880054
Tx880055Tx880056Tx880057Tx880058Tx880059

■調整記録-----------------------------------------------------------

 ・MUTING → OFF
 ・IF BAND → NARROW
 ・FUNCTION → FM MONO
【FM OSC調整】
 ・37番端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・90MHz受信 → TCO調整 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → LO調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
 ・37番端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・90MHz受信 → TCA,TCR1,TCR2調整 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → LA、LR1、LR2調整 → 電圧最大
【FM IF調整】
 ・VR 1 → 時計回り一杯に回す
 ・VR10 → 反時計回り一杯に回す
 ・IF BAND → NARROW
 ・37番端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz,40dB受信 → フロントエンドITF,T2調整 → 電圧最大
【FM同調点調整】
 ・IF BAND → WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz受信 → T3下段コア調整 → Tメーター中点
 ・83MHz受信 → T3上段コア調整 → 高調波歪最小
【Sメーター調整】
 ・IF BAND → WIDE
 ・83MHz,100dB,100%受信 → VR2調整 → Sメーター4.8
 ・83MHz,100dB, 30%受信 → VR2調整 → Sメーター2.5
【NARROWレベル調整】
 ・IF BAND → WIDE → 信号レベル記録
 ・IF BAND → NARROW → VR1調整 → 同レベルに
【MUTING調整】
 ・IF BAND → WIDE
 ・MUTING → ON
 ・83MHz,20dB受信 → V9調整 → MUTING作動位置へ
【VCO調整】
 ・34番端子 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz,ST信号受信 → VR4調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,ST信号受信 → VR3調整 → パイロット信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・IF BAND → WIDE
 ・83MHz,ST信号受信 → VR5調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・IF BAND → NARROW
 ・83MHz,ST信号受信 → VR6調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC LEVEL調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・IF BAND → WIDE
 ・83MHz,ST受信 → 信号レベル記録
 ・REC CAL オン → VR7調整 → 記録値より-6dB
【AM調整】
 ・600kHz 受信 → AM2,AM1調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → T4,バーアンテナ内コイル調整 → Sメーター最大

Tx8800ii

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・ニコイチの予定が、結果的にサンコイチ(三個一)になりました。
 ・まるで新品のような良い個体が出来上がったと自画自賛。

Tx880004

TRIO KT-9900 実験機

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 ・2019年9月、KT-9900の故障機を寄付していただきました。
 ・長く連れ添ったワンオーナー機とのこと。
 ・上手く修理できたらVICSノイズの実験機にしようという計画です。

Kt990008

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-9900 ¥200,000
 ・オーディオの足跡 TRIO KT-9900 ¥200,000(1978年発売)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-917 ※輸出機

Kt990002Kt990010

■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・フロントパネルやボディに目立つキズは無く外観の状態はとても良い。
 ・底面にはメーカーサービスによる修理歴シールが見当たらない。
 ・電源オン、照明電球点灯、球切れなし。
 ・IF BAND切換インジケーター(緑色LED)点灯OK
 ・名古屋地区のFM放送局を受信しようとすると、、
 ・Sメーターは大きく振れるが、Tメーターは中点付近でほとんど動かない。
 ・MUTING OFF でモノラル受信OK。
 ・DEVIATION/MULTIPATHメーターが動かない。
 ・MUTING 20dBf、40dBfではMUTING解除されず音が出ない。
 ・DDLインジケータ点灯しない。STEREOランプ点灯しない。
 ・IF BAND=NORMAL、NARROWでは不定期な雑音があるが、WIDEでは雑音なし。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・足が真っ黒に変色したICやトランジスタ多数あり。
 ・電源回路基板では劣化した電解コンデンサー多数(液漏れ、スリーブ後退)
 ・前オーナーが手を加えた補修跡を確認。

Kt990021Kt990024Kt990025Kt990026Kt990050
Kt990027Kt990029Kt990030Kt990031Kt990032
Kt990057Kt990058Kt990060Kt990061Kt990063

■修理記録:IF回路の清掃----------------------------------------------

 ・まずは硬めの歯ブラシと爪楊枝でICやトランジスタの足を大掃除。
 ・特にIF回路の IC2,3,4 (LA1222)の真っ黒な足を磨いたところ、
 ・NORMAL/NARROW受信時の雑音が消えました。

Kt9900261

■修理記録:Tメーターが動かない---------------------------------------

 ・TメーターはIC8:HA1137WのQD検波の同調点と連動しています。
 ・過去にTメーターが動かない事例があり、そのときはHA1137Wの故障が原因でした。
 ・今回もHA1137Wが怪しいか?と思って以下を点検。
  →IC8:HA1137W 7~10ピン 電圧計セット ※QD検波の同調点確認
  →L22調整 → 電圧ゼロ OK
  →IC8:HA1137W 6ピン → WaveSpectraに接続
  →L23調整 → 高調波歪最小 OK
 ・何と!、HA1137Wは正常に動作している!!!

Kt9900501

 ・しかしTメーターに繋がるIF基板20番、21番端子には信号が出ていない。
 ・なぜ??回路図上は他に部品は無いし?
 ・そこでいつも見ている輸出機KT-917回路図とKT-9900実機を詳しく照合しました。
 ・KT-917回路図には記載のない部品がいくつか実装されていました。
 ・Q10(2SK68/J-FET),D8,D9,R83,R92,R93
 ・この差異については今回の作業で初めて気が付きました。

 ・KT-917回路図に記載のないQ10(2SK68)を取り外して単体チェック → 異常なし。
 ・Q10(2SK68)を外したまま電源オン、、、すると、
 ・Tメーターが左右に大きく振れるようになりました。
 ・Q10(2SK68)の接続先 → SWITCH回路基板10番端子、DDL回路基板4番端子。
 ・まずSWITCH回路基板の各部品で電圧確認。
 ・怪しそうな部品は、Q6(2SC945)、Q9(2SA733)、IC4(HA1457)
 ・Q6(2SC945) → 2SC1815交換 ※効果なし
 ・Q9(2Sa733) → 2SA1015交換 ※効果なし
 ・IC4(HA1457)→ HA1157W交換 ※当たり!!
 ・HA1457の足が真っ黒に変色していました。

Kt917scheKt990070Kt990071Kt990072Kt990074

 ・IC4(HA1457)→ HA1457W この交換によって
  →Tメーターが左右に大きく振れる。
  →DEVIATION/MULTIPATHメーターも振れる。
  →MUTINGが正常動作。
  →DDLインジケーター点灯。
  →STEREOランプ点灯。
 ・最初に確認した不具合現象がすべて解消しました!!!

 ・よし、これで直った!と思ったら、、
 ・通電後数時間すると DDL インジケーターが点灯しなくなる不具合が発生。
 ・電源オフにして放置。翌日電源オンで正常動作する。
 ・しばらくするとまた点灯しなくなる、、繰り返しです。
 ・一難去ってまた一難、DDL回路に不具合がありそう。

■修理記録:DDL回路のHA1457交換---------------------------------------

 ・DDL回路基板にはHA1457が4個(IC1,6,8,14)使われています。
 ・部品が密集しているので足の劣化具合が直接観察できません。
 ・HA1457を1個ずつ外して確認。
 ・どれも足は真っ黒に変色していました。
 ・すべてのHA1457をHA1457Wに交換。
 ・DDLインジケーターが安定点灯するようになりました。
 ・他の基板で使われているHA1457も全数交換しようと思います。

Kt990081Kt990083Kt990085Kt990086Kt990088

 ・KT-9900以外の機種でもHA1457の劣化現象が顕著です。
 ・硬めの歯ブラシで磨くと復活するときもありました。
 ・実はHA1457Wを大量入手してあります。

■今後の予定----------------------------------------------------------

 ・電源回路の劣化した電解コンデンサー交換
 ・HA1457全数交換
 ・各部再調整
 ・NHK-FM VICSノイズ対策
 ・続く、、、


YAMAHA T-9 修理調整記録2

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 ・2019年9月、YAMAHA T-9のメンテナンスを承りました。
 ・発売当時に購入されたワンオーナー品との事。
 ・とても綺麗な外観から大切に扱われていたことが伺えます。
 ・以下、作業記録です。

T906

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-9 ¥98,000(1979年頃)
 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-9
 ・Hifi Engine YAMAHA T-9 FM Stereo Tuner (1979)

T902T909

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・PAL-F変換プラグを介して同軸アンテナ線を接続、電源オン。
 ・赤い指針と左右のチューニングインジケーター点灯。
 ・-0.2MHzほどの目盛り位置で名古屋地区のFM放送を受信。
 ・デジタル表示は正しい周波数を示す。
 ・各機能のインジケーター点灯。STEREOランプ点灯。
 ・シグナルメーターの点灯が少ない。
 ・OTS機能作動OK、REC CALトーンOK。
 ・手動選局OK。続いてモータードライブの自動選局をテスト。
 ・放送局のメモリー登録できましたが、、自動選局動作が微妙、、
 ・指針の移動が途中で止まってしまうことがある。

T903T904T905T910T911

■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・電圧確認
  +B → +17.2v
  -B → -18.6v
   9B → + 9.7v
  +9 → + 9.7v

T920T921T922T923T924
T925T926T927T928T929
T930T931T932T933T934
T935T936T937T938T940

■修理記録:指針の引っ掛かり-----------------------------------------

 ・上り方向に指針を移動するとき、81MHz付近で引っ掛かるような現象がある。
 ・原因は、指針に繋がる4芯コードが基板の角にちょうど引っ掛かるようです。
 ・対策として薄いプラ板を加工してカバーを作ってみました。
 ・ダイヤルスケール裏側に両面テープで固定。これで引っ掛かりは解消です。

T970T971T972T973T974

■調整記録-----------------------------------------------------------

【本体切替ボタンの設定】
 ・RX MODE : AUTO DX
 ・MUTE/OTS : OFF
 ・BLEND : OFF
 ・REC CAL : OFF
【検波コイル調整】
 ・IC110[IG03210] 20Pin → 電圧計セット(Tメーター電圧)
  ※20pin代用ポイント → すぐ右側22k抵抗
 ・電波入力なし → T105調整 → 電圧ゼロ(Tメーター中点)
 ・指針を76MHz~90MHzまで移動し中点がほぼズレない事を確認
【OSC調整】
 ・ダイヤル指針 → 目盛り83.0MHz位置にセット
 ・83.0MHz,無変調,70dB → TCo調整 → Sメーター最大
  ※Loは調整不可のためトリマーのみで調整。
  ※83MHz付近では指針と目盛りがピッタリ合いますが、両端ではややズレます。
【RF調整】
 ・83.0MHz,70dB,無変調 → TC1,TC2,TC3,TC4,T102調整 → Sメーター最大
  ※L1,L2,L3,L4 調整が難しいのでノータッチ
【IF歪調整】
 ・83.0MHz,70dB,1KHz,100%変調 → TC101調整 → 高調波歪最小
 ・同上 → T102,T103,T104,TC101,VR102,VR103調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・TP19kHz → 周波数カウンター接続
 ・83.0MHz,70dB,無変調 → VR108調整 → 19KHz
【38kHz SUB調整】
 ・83.0MHz,70dB,1KHz,100%変調,SUB信号 → T113調整 → Lchレベル最大
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・SSG 83.0MHz,70dB,PILOT信号 → T114調整 → 19KHz漏れ最小
【セパレーション調整】
 ・83.0MHz,70dB,1KHz,100%変調,ST → VR105,VR106調整 → 反対信号漏れ最小
【Sメーター調整】
 ・83.0MHz,100dB → VR110調整 → LED全点灯
 ・83.0MHz, 0dB → VR109調整 → LED全消灯
【デジタル周波数調整】
 ・2階基板 VR103横のTPを10kΩ抵抗を介してGND接続
 ・VR103調整 → 周波数表示(小数点第一位)を微調整
【プリセットチューニング上限位置調整】
 ・90.5MHz受信 → プリセット5に登録
 ・80MHz付近でプリセット5を押し指針移動開始
 ・このとき90.2MHz付近で自動停止するようにVR113を調整する
【プリセットチューニング下限位置調整】
 ・75.5MHz受信 → プリセット1に登録
 ・80MHz付近でプリセット1を押し指針移動開始
 ・このとき75.8MHz付近で自動停止するようにVR114を調整する

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・内部充電池は安全のため外しておきました。
 ・プリセットチューニングは不安定ですが、チューナーとしては動作しています。

T907

SONY ST-S333ESA 修理調整記録1

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 ・2019年10月初め、333ESAブラックモデルのワンオーナー品が届きました。
 ・久しぶりに通電したら動作不調だったとのこと。
 ・以下、作業記録です。

333esa07

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESA ¥55,000(1991年発売)
 ・Hifi engine SONY ST-770ES? FM Stereo / FM-AM Tuner (1991-92)

333esa02333esa11

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観に目立つキズは無く、大切に扱われていたようです。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示部点灯。文字欠けや輝度劣化は感じられない。
 ・IF BANDやRF切替などボタン操作に応じてインジケーター点灯OK。
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信するとすべて素通りして受信不可。
 ・上り方向、下り方向ともにオート選局不可。
 ・マニュアル受信でモノラルなら受信OK。
 ・ただ受信感度が弱く、Sメーターが下から2~3セグメント点灯する程度。
 ・続いてAMループアンテナを接続して名古屋地区のAM局をテスト受信。
 ・AMはオート選局で名古屋地区のAM放送局を受信OK。
 ・REC CALトーン OK。
 ・問題はFM受信感度の低下ですね。

333esa03333esa04333esa05333esa06333esa09
333esa12333esa13333esa14333esa15333esa16

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・そういえば 333ESA の内部を見るのは久しぶり、、
 ・オーディオクラスの電解コンデンサ―が大量に使われています。
 ・ただ、部品番号と部品配置は 333ESG と全く同じ、TPも同じです。
 ・MPX IC:CXA1064

333esa20333esa21333esa22333esa23333esa24
333esa25333esa26333esa27333esa28333esa29
333esa30333esa31333esa32333esa33333esa34
333esa35333esa36333esa37333esa38 

■修理記録:ハンダ修正------------------------------------------------

 ・ハンダ面を確認すると音声出力端子とアースバーにハンダ割れを発見。
 ・これは333シリーズ定番の不具合箇所です。
 ・不良個所のハンダを盛り直して修正。
 ・音声端子のハンダにアクセスするには背面パネルを外すと作業が楽です。

333esa40333esa43333esa45333esa46333esa47

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・IC251(LA1235)7pin~10pin → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ ※実測 0.95V
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内JW8 → 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測21.5V
 ・76MHz → 確認のみ → 8.0V±1.0V ※調整前実測 8.2V
【トラッキング調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)→ 電圧計セット
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103 → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・TP201を短絡 ※これによってIF回路をパス
 ・TP271 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測348mV
 ・CT271調整 → 歪最小 ※Wavespectraにて波形確認
 ・TP201を開放
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)→ 電圧計セット
 ・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
 ・83MHz 40dBモノラル信号受信
  ・IFT201調整 → 電圧最大
 ・83MHz 40dBステレオ信号受信
  ・IFT202調整 → 電圧最大
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
 ・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
 ・83MHz 80dBモノラル信号受信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
 ・83MHz 80dBステレオ信号受信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・83MHz 20dB受信 → RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
 ・IF BAND = WIDE
  ・MUTING = ON
  ・83MHZ 25dB受信 → RV252調整 → MUTING作動位置へ
【IF NARROWゲイン調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・83MHz 80dB受信 → RV203調整 → NARROWゲイン調整
【Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → RV241調整 → Sメーター点灯レベル調整
【パイロットキャンセル】
 ・83MHz ST信号受信 → RV303,L301調整 → 19kHz信号漏れ最小 ※左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・83MHz ST信号受信 → RV301 R→L ※調整後実測72dB
 ・83MHz ST信号受信 → RV302 L→R ※調整後実測66dB
【CAL TONE】
 ・Peak Level-6dB 398Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RV401 Sメーター調整
 ・RV402 AUTOSTOP調整

333esa

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・故障個所は無かったです。
 ・不調原因はFM同調点の大幅なズレでした。
 ・その他の調整ポイントも大きく外れていました。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。

333esa08

PIONEER TX-8800II 修理調整記録1

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 ・2019年10月、TX-8800II×2台セットの修理調整作業を承りました。
 ・2台とも直せるか、それともニコイチ合体となるか、、
 ・実はさらに3台目が加わり、結果的に「サンコイチ」になりました。
 ・以下、作業記録です。

Tx880003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TX-8800II 1976年 46,800円
 ・Hifi engine TX-8500mkII 1977年 $300


Tx880002Tx880011

■動作確認------------------------------------------------------------

【1号機】
 ・フロントパネルやボディは比較的キレイな状態。
 ・電源オン、周波数窓の照明点灯。
 ・-0.4MHzの周波数ズレで名古屋地区のFM放送を受信。
 ・Sメーター、Tメーター大きく振れる。
 ・MUTING動作OK、REC CALトーンOK。
 ・WIDE/NARROW切替インジケーター点灯しない。
 ・STEREOインジケーター点灯しない。実際のステレオ感なし。
 ・AM放送は受信不良。全周波数区間でSメーターが全く動かない。
 ・局間ノイズも出ない。
【2号機】
 ・外装は全体にちょっと汚れた感じ。
 ・電源オン、周波数窓の照明点灯。
 ・-0.2MHzの周波数ズレで名古屋地区のFM放送を受信。
 ・Sメーター、Tメーター大きく振れる。
 ・MUTING動作OK、REC CALトーンOK。
 ・WIDE/NARROW切替インジケーター点灯。
 ・STEREOインジケーター点灯しない。ステレオ感も無し
 ・名古屋地区のAM放送周波数付近でSメーターが振れるが、音が出ない。
 ・両機ともそれぞれ難ありの状態ですね。

■内部確認------------------------------------------------------------

【1号機】
 ・WIDE/NARROWインジケータ電球、STEREOインジケーター電球が取り外されている。
 ・-0.2MHzの周波数ズレでFM受信OK。
 ・STEREOインジケーターは点灯しないが、波形を見るとSTEREO分離はできている。
 ・WIDE/NARROWインジケーター点灯しないが、波形を見ると切換動作OK。
 ・MUTING動作OK。REC CALトーンOK。
 ・輸出機TX-8500IIのサービスマニュアルに従ってFM回路の調整ポイント確認。
 ・FM受信は大丈夫そうです。
 ・一方AMは受信不可。AM用IC(HA1197)の故障か?
【2号機】
 ・Sメーター最大点とTメーター中点が一致しない。
 ・FM放送は受信できるもののRchの音が出ていない。
 ・さらにLchの高調波歪が異常に大きい。
 ・REC CALトーンもRchの音が出ていない。
 ・音が出ない原因はミューティング用IC(PA1002)の故障です。
 ・PA1002への入力信号は正常ですが、Rchの出力がありません。
 ・AMも音が出ない。こちらもAM用IC(HA1197)の故障のようです。

Tx880020Tx880021Tx880022Tx880023Tx880024
Tx880025Tx880026Tx880027Tx880028Tx880029
Tx880030Tx880031Tx880032Tx880033Tx880034
Tx880035Tx880036Tx880037Tx880038Tx880014

■3号機入手----------------------------------------------------------

 ・AM用IC(HA1197)が載っていそうなジャンクチューナーを捜索。
 ・機種リストをメモにして近所のハードオフへ、、
 ・偶然にも2軒目のジャンクコーナーにTX-8800IIそのものがありました。
 ・動作未確認のジャンク機ですが安かったので部品取り目的に確保。
 ・自宅で通電したところ、照明電球が取り外されていました。
 ・照明無しでもFM/AMとも受信OK、メーター動作も正常でした。
 ・狙い通りAM用ICが移植できます。

■合体記録------------------------------------------------------------

 ・1号機をベース機としてフロントパネル、ツマミ類を分解徹底洗浄。
 ・2号機からWIDE/NARROW電球、STEREO電球を移植。
 ・3号機からAM用IC(HA1197)、音声端子、マルチパス端子、ボディを移植。 
  ・PA3001(HA11225):クアドラチュア検波
  ・PA1001(KB4437):PLL-MPX
  ・PA1002:オーディオアンプ、ミューティング
  ・HA1452:オーディオ2chアンプ
  ・HA1197:AMシステム
  ・PA2002:電源部

Tx880050Tx880051Tx880052Tx880053Tx880054
Tx880055Tx880056Tx880057Tx880058Tx880059

■調整記録-----------------------------------------------------------

 ・MUTING → OFF
 ・IF BAND → NARROW
 ・FUNCTION → FM MONO
【FM OSC調整】
 ・37番端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・90MHz受信 → TCO調整 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → LO調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
 ・37番端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・90MHz受信 → TCA,TCR1,TCR2調整 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → LA、LR1、LR2調整 → 電圧最大
【FM IF調整】
 ・VR 1 → 時計回り一杯に回す
 ・VR10 → 反時計回り一杯に回す
 ・IF BAND → NARROW
 ・37番端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz,40dB受信 → フロントエンドITF,T2調整 → 電圧最大
【FM同調点調整】
 ・IF BAND → WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz受信 → T3下段コア調整 → Tメーター中点
 ・83MHz受信 → T3上段コア調整 → 高調波歪最小
【Sメーター調整】
 ・IF BAND → WIDE
 ・83MHz,100dB,100%受信 → VR2調整 → Sメーター4.8
 ・83MHz,100dB, 30%受信 → VR2調整 → Sメーター2.5
【NARROWレベル調整】
 ・IF BAND → WIDE → 信号レベル記録
 ・IF BAND → NARROW → VR1調整 → 同レベルに
【MUTING調整】
 ・IF BAND → WIDE
 ・MUTING → ON
 ・83MHz,20dB受信 → V9調整 → MUTING作動位置へ
【VCO調整】
 ・34番端子 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz,ST信号受信 → VR4調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,ST信号受信 → VR3調整 → パイロット信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・IF BAND → WIDE
 ・83MHz,ST信号受信 → VR5調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・IF BAND → NARROW
 ・83MHz,ST信号受信 → VR6調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC LEVEL調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・IF BAND → WIDE
 ・83MHz,ST受信 → 信号レベル記録
 ・REC CAL オン → VR7調整 → 記録値より-6dB
【AM調整】
 ・600kHz 受信 → AM2,AM1調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → T4,バーアンテナ内コイル調整 → Sメーター最大

Tx8800ii

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・ニコイチの予定が、結果的にサンコイチ(三個一)になりました。
 ・まるで新品のような良い個体が出来上がったと自画自賛。

Tx880004

SONY ST-S333ESXII 修理調整記録9

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 ・2019年9月、333ESXIIのメンテナンスを承りました。
 ・以下、作業記録です。

333esx203

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
 ・SONY ES テクノロジーカタログ 1987年10月発行
 ・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル

333esx202333esx207_20191117131501

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・サイドウッド欠品。天板後方に目立つキズ(補修痕あり)。
 ・オート選局で名古屋地区FM局を受信OK。周波数ズレなし。
 ・上り方向、下り方向ともに受信OK。
 ・IF BAND切替OK。MUTING動作OK。STEREOランプ点灯。
 ・CAL TONE出力 OK。
 ・手持ちのループアンテナでAM受信確認OK。
 ・FM/AMとも基本動作は問題なさそうです。
 ・ただ、電源スイッチ下にある PROGRAM 設定つまみがグラグラです。
 ・たぶん固定用のナットが緩んでいるようです。

■修理記録:PROGRAM設定つまみのがたつき-------------------------------

 ・グラグラの原因はシャーシに固定する六角ナットが緩んでいたことでした。
 ・ナットを締め直してがたつきは解消しました、、が、、、
 ・PROGRAM設定スイッチ側面を見ると、ネジが食い込んだ痕跡があります。
 ・そういえば、ボディを開けたとき気になったのは、、
 ・サイドウッドが無いのにサイドウッド固定用の長いネジが使われていたこと。
 ・サイドウッドが無い状態で長いネジを使ったらどうなるか?
 ・右側面の2本のネジと左側後方のネジは幸いにも内部部品に干渉することはない。
 ・しかし左側前方はちょうどPROGRAM設定スイッチ側面に当ってしまいます。
 ・無残な姿になったPROGRAMスイッチですが、インジケーターは点灯します。
 ・幸いスイッチとしては機能しているようです。
 ・もし機能不全の場合はジャンク品から丸ごと移植するしかないですね。

333esx2552
333esx260333esx261333esx262333esx263333esx264
333esx250333esx251333esx252333esx253333esx254
333esx255333esx256333esx257333esx258333esx259

■修理記録:ハンダクラック修正----------------------------------------

 ・音声出力端子とアースバーにハンダクラック多数あり。
 ・特に不具合症状は出ていませんが修正しました。

333esx270333esx271333esx272333esx273

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測-428mV
 【VT電圧調整】
 ・IC803-5pin電圧測定
 ・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.4V
 ・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測 8.2V
【SST回路調整】
 ・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
 ・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V 実測1.0mV
 ・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測14.0V
【トラッキング調整】
 ・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
 ・76MHz L101,L102,L103
 ・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
 ・TP201をGNDに落とす
 ・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測-386mV
 ・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
 ・Wide受信、MUTINGオフ
 ・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
 ・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 電圧最大へ
  ・IFT101調整 電圧最大へ
 ・SSG出力80dBにセット
  ・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
 ・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
  ・IFT202調整 電圧計最大へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯
【パイロットキャンセル】
 ・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RT301 R→L ※調整後実測68dB
 ・RT302 L→R ※調整後実測64dB
【Sメーター調整】
 ・RT204
【MUTINGレベル調整】
 ・RT205
【CAL TONE】
 ・Peak Level-3.7dB 333Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RT401 Sメーター調整
 ・RT402 AUTOSTOP調整

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルを分解清掃したので表示部がくっきり見えます。
 ・イイ感じに仕上がりました。

333esx205

SONY ST-S333ESXII 修理調整記録10

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 ・2019年10月、続けて333ESXIIのメンテナンスを承りました。
 ・以下、作業記録です。

333esxii03

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
 ・SONY ES テクノロジーカタログ 1987年10月発行
 ・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル

333esxii02333esxii09

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・受信動作は正常だが、出てくる音が歪んでいるそうです。
 ・早速電源とアンテナを接続して動作確認。
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信できます。
 ・シグナルメーター点灯、STEREOランプ点灯、IF BAND切換OK。
 ・MUTING動作OK、REC CALトーンOK、メモリ登録動作OK、
 ・受信動作は正常ですが、出てくる音が明らかに歪んでいます。
 ・AM放送は受信動作正常、出てくる音も正常です。

333esxii04333esxii05333esxii06333esxii10333esxii11

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・多くの電解コンデンサーが交換済み。
 ・ハンダ面を見るとR245に並列にチップコンデンサ(容量不明)追加
 ・これはIFT205内蔵コンデンサーの容量抜け対策のようです。

333esxii20333esxii21333esxii22333esxii23333esxii24
333esxii25333esxii26333esxii27333esxii28333esxii29
333esxii30333esxii32333esxii33333esxii82333esxii85

■修理記録:音が歪む----------------------------------------

Sts333esxii_before

 ・WaveSpectraで基準音を再生すると酷い高調波歪が載っています。
 ・音声出力端子から遡って音声信号を拾い出し歪源を探す。
  ・IC301 CXA1064 18pin:Lch信号出力 → 歪あり
  ・IC301 CXA1064 20pin:Rch信号出力 → 歪あり
  ・IC301 CXA1064 23pin:検波信号入力 → 正常
 ・これは IC3:CXA1064自体の故障のようか?
 ・CXA1064=LA3450
 ・部品取り用に保管しているVictor FX-711からLA3450を取り外して移植。
 ・結果は正解、キレイな音が出るようになりました。
 ・CXA1064の故障は初体験です。

333esxii51333esxii52333esxii53333esxii55333esxii50

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測-38mV
 【VT電圧調整】
 ・IC803-5pin電圧測定
 ・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.2V
 ・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測 8.0V
【SST回路調整】
 ・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
 ・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V 実測1.0mV
 ・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測14.0V
【トラッキング調整】
 ・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
 ・76MHz L101,L102,L103
 ・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
 ・TP201をGNDに落とす
 ・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測-98mV
 ・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
 ・Wide受信、MUTINGオフ
 ・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
 ・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 電圧最大へ
  ・IFT101調整 電圧最大へ
 ・SSG出力80dBにセット
  ・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
 ・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
  ・IFT202調整 電圧計最大へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯
【パイロットキャンセル】
 ・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RT301 R→L ※調整後実測62dB
 ・RT302 L→R ※調整後実測60dB
【Sメーター調整】
 ・RT204
【MUTINGレベル調整】
 ・RT205
【CAL TONE】
 ・Peak Level-3.9dB 323Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RT401 Sメーター調整
 ・RT402 AUTOSTOP調整

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・最近はICの故障事例が増えている気がします。
 ・製造から30年、さすがに寿命を迎えつつあるのでしょうか、、

333esxii07


TRIO KT-8300 修理調整記録

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 ・2019年10月、KT-8300の修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Kt830003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-8300 ¥63,000(1978年発売)
 ・Hifi engine Kenwood KT-815 AM/FM Stereo Tuner (1979-80)

Kt830002Kt830014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓の照明点灯。インジケーターLED点灯。
 ・名古屋地区のFM放送受信OK。STEREOランプ点灯。
 ・Sメーター最大点とTメーター中点が一致しない。
 ・MUTING動作OK。
 ・大きな問題はなさそうです。

Kt830005Kt830006Kt830007Kt830008Kt830009

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・パルスカウント検波部:HA1137W+MC1496+TR4010
 ・MPX:HA11223W

Kt830020Kt830021Kt830022Kt830023Kt830024
Kt830025Kt830026Kt830027Kt830028Kt830029
Kt830030Kt830031Kt830032Kt830033Kt830035

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・マルチパスV端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TCo調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
 ・マルチパスV端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TCA1,TCA2,TCR1,TCR2調整 → 電圧最大
【Tメーター調整1】
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz M0NO → T2調整 → Tメーター中点
【Tメーター調整2】
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz M0NO サーボロックON → VR10調整 → Tメーター中点
【Sメーター調整】
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz MONO → VR4調整 → Sメーター「目盛り4.8」
【WIDE GAIN調整】
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz MONO NARROW受信 → Sメーター目盛り位置を確認
 ・83MHz MONO WIDE受信 → VR1調整 → SメーターNARROWと同じ位置
【DISTORTION調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz MONO → L8(フロントエンド内)調整 → 歪最小
【パルスカウント検波調整】
 ・R91左足 → 周波数カウンタセット
 ・SSG 83MHz 無変調 60dB
 ・83MHz受信 → T6調整 → 1.96MHz
【MUTING調整】
 ・SSG 83MHz 1kHz 30dB
 ・83MHz MONO → VR2調整 → MUTING開始位置確認
【VCO調整】
 ・R97後足 → 周波数カウンタ接続
 ・SSG 83MHz 無変調 60dB
 ・83MHz受信 → VR5調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・SSG 83MHz 60dB Pilot信号
 ・83MHz ST受信 → VR6調整 → 19kHz信号最小
【WIDE セパレーション調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz WIDE Rch → VR7調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・83MHz WIDE Lch → VR8調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【NARROW セパレーション調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz NARROW L/R → VR9調整 → 反対chへの漏れ信号最小

Kt8300

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・特に故障個所はなかったです。上記再調整だけで復活しました。
 ・フロンパネルを分解清掃したのでフロントマスクが輝いています。

Kt830010

SANSUI TU-S707X 修理調整記録5

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 ・2019年10月、SANSUI TU-S707Xの故障品が届きました。
 ・さて、直せるか??

S707x03

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SANSUI TU-S707X ¥54,800(1984年発売)
 ・オーディオ懐古録 SANSUI TU-S707X ¥54,800
 ・Hifi Engine TU-S77X ※回路図あり

S707x02S707x12

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・FM/AMとも周波数が表示される。輝度OK。文字瘠せなし。
 ・UP/DOWNボタンに反応して周波数が上下に変化する。
 ・RFセレクタ、IF切換に応じてインジケーター点灯。
 ・REC CALトーンOK。メモリ登録OK。
 ・名古屋地区のFM局を受信すると、、
 ・シグナルインジケーターが弱々しく点灯。STEREOランプ点灯しない
 ・FM同調点がズレている感じ?
 ・AM放送は正常に受信します。


S707x04S707x05S707x08S707x09S707x10

■修理記録:OSCトリマコンデンサ交換-----------------------------------

 ・VT電圧測定
  ・76MHz → 1.8v
  ・90MHz → 9.1v
 ・フロントエンド内のOSCトリマコンデンサTC5を回しても変化なし。
 ・これはこの機種定番のTC5の故障ですね。
 ・ユニット自体を取り外し、10pFの新トリマに交換しました。
 ・今回はPanasonic製のトリマコンデンサーを使ってみました。

S707x50S707x51S707x52S707x53S707x54
S707x55S707x56S707x57S707x58S707x59

■調整記録------------------------------------------------------------

【本体正面・機能切替ボタン設定】
 ・FM MODE=MONO
 ・IF BAND=WIDE
 ・RF MODE=DX
【VT電圧確認】
 ・フロントエンド内[VT-GND]に直流電圧計接続
 ・90MHz時の電圧 → TC5調整 → 23.0V
 ・76MHz時の電圧 → 3.1V
【フロントエンド調整】
 ・IC3[HA12412] 13pin-GNDに直流電圧計接続
 ・SSG 83MHz、1kHz、100%変調、50dB
 ・受信周波数83MHzの位置でトリマコンデンサTC1,TC2,TC3,TC4調整 → 電圧最大値
 ・上記作業を数回繰り返す
  ※コイルL1,L2,L3,L4の間隔調整は難しいのでパス。
【IFTコイル調整】
 ・IC3[HA12412] 13pin-GNDにDC電圧計接続
 ・SSG 83MHz、1kHz、100%変調、30dB
 ・フロントエンド内IFTコイル調整 → 電圧最大値
 ・RF基板上の[T1]を調整 → 最大電圧
 ・IF BAND=NARROWに切り替え → 電圧値測定
 ・IF BAND=WIDEに戻して電圧測定 → VR2[WIDE GAIN]調整 → NARROW時と同じ電圧
【FM同調点の調整】
 ・[TP1-TP2] DC電圧計接続
 ・無信号状態でT2のIC側コアを調整 → 電圧=0V±30mVに。※調整前約580mV
 ・SSG 83MHz、1kHz、100%変調、60dB
 ・T2のIC反対側コアを調整 → 二次高調波最小
 ・上記作業を数回繰り返す
【FM LOCKED LEVEL調整】
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、30dB
 ・VR4[FM SIGNAL]を調整 → 本体正面[LOCKED]オレンジ色LEDが全灯する位置
【REC Level】
 ・VR5調整 460kHz -6dB
【本体正面・機能切替ボタン設定】
 ・FM MODE=STEREO
【VCO フリーラン周波数調整】
 ・SSG 83MHz、無変調、60dB
 ・TP1-TP4にDC電圧計接続 → VR105[OFFSET VCO]調整 → 電圧=0V±0.05V
 ・TP3[VCO]-GNDに周波数カウンター接続 → L101調整 → 304.000kHz
【PILOT OFFSET調整】
 ・SSG 83MHz、無変調、60dB
 ・TP2-TP5に直流電圧計接続 → VR104[PILOT OFFSET]調整 → 電圧=0V±0.1V
 ・SSG 83MHz、60dB、19kHzPILOT信号ON → ステレオランプ点灯を確認
【PILOT CANCEL調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・SSG 83MHz、60dB、19kHzPILOT信号ON
 ・本体正面のステレオランプ点灯を確認。
 ・L100、VR103L調整 → Lch波形観察 → 19kHz信号最小
 ・VR106、VR103R調整 → Rch波形観察 → 19kHz信号最小
【IF BAND=WIDE セパレーション調整】
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、70dB、Rchのみ信号、PILOT信号ON
 ・VR102L調整 → ※調整後実測62.2dB
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、70dB、Lchのみ信号、PILOT信号ON
 ・VR102R調整 → ※調整後実測64.2dB
【IF BAND=NARROW セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、70dB、Rchのみ信号、PILOT信号ON
 ・VR101L調整 → ※調整後実測62.2dB
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、70dB、Lchのみ信号、PILOT信号ON
 ・VR101R調整 → ※調整後実測62.2dB
【MUTING LEVEL調整】右側RF基板
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、25dB、ステレオ信号、PILOT信号ON
 ・VR3[MUTE]を調整 → ステレオランプ点灯し信号が出る位置へ
【AUTO STOP LEVEL調整】右側RF基板
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、30~35dB、ステレオ信号、PILOT信号ON
 ・VR1[FM.STOP]を調整 → オートサーチが有効な位置へ
【AM調整】
 ・LA1245-16ピン → AM Sメーター電圧測定
 ・ 729kHz NHKラジオ受信 → T2調整 → 電圧最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC2調整 → 電圧最大
 ・AM VR1調整 → AM STOP LEVEL
 ・AM VR2調整 → AM SIGNAL

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・トリマコンデンサー交換と再調整で復活しました。
 ・やはりTU-S707Xはイイですね。

S707x06

KENWOOD KT-1100D 修理調整記録9

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 ・2019年11月、KT-1100Dの修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Kt1100d04_20191222143901

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版

Kt1100d02_20191222144001Kt1100d07_20191222144001

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示管点灯。文字欠けや輝度劣化は見られない。
 ・オート選局で名古屋地区のFM放送局を受信しようとすると、、
 ・上り方向、下り方向ともに放送周波数を通過して受信できない。
 ・通過するときにTメーター、Sメーターのセグメントは点灯する。
 ・しかし中点から右に二本ズレた位置の赤いバーがフル点灯。
 ・マニュアル選局では放送周波数±0.2MHz範囲でモノラル受信できる。
 ・ステレオ受信不可。STEREOインジケータ点灯せず。
 ・RF切替(DISTANVCE/DIRECT)OK。WIDE/NARROW切替OK。REC CAL OK。
 ・AM放送はオート選局、マニュアル選局とも正常に受信。

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・当初は 修理調整記録8 と同じ検波回路のL9故障を予想しました。
 ・でも調べてみたところL9は生きていました。
 ・再調整によって規定値に設定したところ不具合が解消しました。

Kt1100d24_20191222143901

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V±10mV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・R67左側 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L10調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【SIGNAL METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR3調整 → ※
  ※バーグラフの点灯レベル調整
【MPX VCO調整】
 ・TP14に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR4調整 → 19.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ L25調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR3:DET調整 → 歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR4:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR5調整 → 歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz.80dB)→ VR2調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz(R信号,1kHz,80dB)→ VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz,80dB)→ VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR1調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz(mono信号,1kHz,100%変調)→ 本体左側小基板VR4調整 → 100%位置
【AM簡易調整】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・522kHz → L20調整 → 実測 1.5V 確認のみ
 ・1629kHz→ TC2調整 → 実測 8.0V 確認のみ
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → Sメーター最大

Kt1100d40

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・特に故障個所は無かったです。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。


Kt1100d03_20191222143901

TRIO KT-7500 修理調整記録2

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 ・2019年11月、KT-7500の修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Kt750003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-7500 ¥48,000(1975年発売)
 ・1976年5月発行 トリオ総合カタログ
 ・hi-fi engine KENWOOD KT-7300 輸出機サービスマニュアル
 ※型番注意
  ・国内機 KT-7500 → 輸出機 KT-7300
  ・国内機 KT-7700 → 輸出機 KT-8300


Kt750002Kt750010

Kt750001Kt750004Kt750005Kt750006Kt750007
Kt750009Kt750011Kt750012Kt750013Kt750014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源オンOK、周波数窓の照明点灯OK、Tメーターがちょっと暗いか?
 ・FM/AMポジションランプ(赤LED)点灯OK。
 ・背面バーアンテナでAM放送受信OK。Sメーターが大きく振れる。
 ・FMアンテナ接続。僅かな周波数ズレでFM放送を受信OK。
 ・TメーターとSメーターは正常に振れる。
 ・Sメーター最大点とTメーター中点はほぼ一致する。
 ・FM放送の受信動作はOKですが、出てくる音がちょっと変??
 ・エコーが効いたような、揺れるような、何とも不思議な音が出てきます。
 ・STEREOランプ(赤LED)点灯しない。聴感上のステレオ感なし。
 ・マルチパスH端子からは正常な音が聞こえる。
 ・これは復調回路に原因がありそうです。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM4連、AM2連バリコン
 ・IC1:HA1137 FM IF SYSTEM (クアドラチュア検波)
 ・IC2:HA1156 FM MPX
 ・IC3:HA1151 AM SYSTEM

Kt750020Kt750021Kt750022Kt750023Kt750024
Kt750025Kt750026Kt750027Kt750028Kt750029
Kt750030Kt750031Kt750032

■修理記録:照明電球交換----------------------------------------------

p> ・二つのメーターを照明窓は4個の電球でライトアップされています。
 ・このうち、ちょうどTメーター裏側にある電球1個が切れていました。
 ・8V/300mA。手持ちの中古パーツから適合品に交換しました。

■修理記録:音が歪む件------------------------------------------------

 ・エコーが効いたような、揺れるような、何とも不思議な音が出てくる件です。
 ・マルチパスH端子からはキレイな音声が聞こえるので、MPX-IC以降の問題。
 ・IC2:HA1156を見ると足が真っ黒に変色している。
 ・過去の事例から、まず初めに硬めの歯ブラシで足を清掃したところ、、
 ・揺れるような変な音は解消し、まともな音になりました。
 ・STEREOランプも安定して点灯。これで良さそうです。

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・VR1:FM Sメーター調整
 ・VR2:Tメーター オフセット調整
 ・VR3:VCO調整 → TP(19kHz)
 ・VR4:セパレーション調整
 ・VR5:AM Sメーター調整
【Tメーター オフセット調整】
 ・アンテナ入力なし → VR2調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・76MHz → L4調整 → Sメーター最大
 ・90MHz → CT4調整 → Sメーター最大
【FM RF調整】
 ・76MHz → CT1,CT2,CT3調整 → Sメーター最大
 ・90MHz → L1,L2,L3調整 → Sメーター最大
 ・83MHz → IFT調整 → Sメーター最大
【FM検波調整】
 ・83MHz → T1(下部コア)調整 → Tメーター中点
 ・83MHz → T1(上部コア)調整 → 高調波歪最小
【FM Sメーター調整】
 ・83MHz → VR1調整 → 振れ具合調整
【VCO調整】
 ・TP1 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz,無変調 → VR3調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・83MHz → VR4調整 → 反対ch漏れ信号最小
【AM調整】
 ・ 600kHz → バーアンテナ内コイル、T2調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → CT6,CT5調整 → Sメーター最大
【AM Sメーター調整】
 ・Sメーター調整 → VR5


Kt7500

■試聴--------------------------------------------------------------

 ・清掃だけで復活したのはラッキー。
 ・フロントパネルを分解して周波数窓の裏側を磨いておきました。
 ・見ていて飽きない外観と力強い音がステキです。

Kt750008

OPTONICA ST-2000

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 ・2019年10月、ヤフオクで格安ジャンク品を入手しました。
 ・OPTONICA(オプトニカ)はSHARPのオーディオブランドでした。
 ・年式から考えて MC1310系列のMPX-ICが載っているかも??(妄想)
 ・新たな発見があるといいな、、

St200010

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 OPTONICA ST-2000 ¥49,500 (1974年頃)

St200002St200017

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・白木のウッドケースにシャーシが収まった構造。
 ・全幅417mm、ちょっと小さめのボディ。
 ・電源コードに「1974」の印字。
 ・選局つまみ、ボリュームつまみは凝った造形。
 ・背面パネルにAMバーアンテナ。固定/可変出力端子装備。
 ・F型端子が無いことが残念。
 ・さて、同軸裸線を接続して電源オン。
 ・周波数目盛りの照明は白色、二つのメーター照明はオレンジ色、指針先端が黄色。
 ・僅かな周波数ズレがあるものの、名古屋地区のFM放送局を受信しました。
 ・FM/AMのインジケーターは青色に点灯。
 ・しかしSTEREOインジケーターが点灯しない。実際のステレオ感もない。
 ・Sメーター最大点とTメーター中点が一致しない。
 ・MUTING動作OK。
 ・名古屋地区のAM放送も受信OK。
 ・どうやら重大な故障は無さそうな感じ。

St200003St200004St200005St200006St200007
St200008St200009St200013St200014St200015
St200016St200018St200019St200020St200021

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ウッドケース裏面の4本のボルトを外してシャーシ全体を前面に引き出す。
 ・ALPS社製FM4連AM3連フロントエンド、CF×3、TA7061AP、TA7060P、レシオ検波
 ・HA1156:MPX PLL IC ※新発見ならず、、
 ・HA1149:?
 ・AMはディスクリート構成
 ・基板上に部品番号の印字が無い。
 ・回路図なども入手できないため部品番号を適当に付けました。

St200030St200031St200032St200033St200034
St200035St200036St200037St200038St200039
St200040St200041St200042St200043

■調整記録------------------------------------------------------------

St200050St200051St200052St200053St200054

【Tメーター調整】
 ・電波なし → T1(右側)調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・76MHz → Lo調整 → Sメーター最大
 ・90MHz → TCo調整 → Sメーター最大
【FM RF調整】
 ・76MHz → LA,LR1,LR2調整 → Sメーター最大
 ・90MHz → TCA,TCR1,TCR2調整 → Sメーター最大
 ・83MHz → IFT調整 → Sメーター最大
【検波調整】
 ・固定出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz → T1(右側)調整 → Tメーター中点を確認
 ・83MHz → T1(左側)調整 → 高調波歪最小
【Sメーター調整】
 ・83MHz → T2調整 → Sメーター最大
 ・83MHz → VR2調整 → Sメーター振れ具合調整
【MUTING調整】
 ・83MHz,20dB → VR1調整 → MUTING作動ポイントへ
【VCO調整】
 ・TP(19kHz)→ 周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → VR3調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・83MHz無変調 → VR4調整 → 左右の漏れ信号最小
【AM調整】
 ・ 600kHz → T3,T4,T5調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → AMTC1,AMTC2,AMTC3調整 → Sメーター最大
 ・1000kHz → T6,T7調整 → Sメーター最大

2000

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・VCO調整によってSTEREOインジケーター(青色)が点灯しました。
 ・ステレオ感も良好で、セパレーション値は45dB前後を示します。
 ・BGM用途なら全く不満無く使えます。
 ・時代は令和ですが、この昭和チックな雰囲気がイイ感じです。

St200011

SANSUI TU-α707EXTRA

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 ・2019年10月、サンスイ製チューナーの修理調整作業を承りました。
 ・以下、ちょっと難航した作業記録です。

Tua707e09

■製品情報------------------------------------------------------------

オーディオの足跡 SANSUI TU-α707EXTRA ¥54,700(1989年頃)
Hifi engine SANSUI TU-X711 Digital Synthesizer Tuner (1989-90)
Hifi engine SANSUI TU-X701 Digital Synthesizer Tuner (1987-90)

Tua707e02Tua707e13

【輸出機】
  ※TU-X701:TU-α707/707i
 ※TU-X711:TU-α707EXTRA/TU-α707R
【国内機】
 ※TU-S707X   ¥54,800(1984年頃)
 ※TU-S707XDECADE¥54,800(1985年頃)
 ※TU-α707   ¥59,800(1986年頃)
 ※TU-α707i   ¥59,800(1987年頃)
 ※TU-α707EXTRA ¥54,700(1989年頃)
 ※TU-α707R   ¥53,800(1991年頃)

Tua707e03Tua707e04Tua707e05Tua707e07Tua707e08
Tua707e06Tua707e11Tua707e12Tua707e14Tua707e15

■動作確認-------------------------------------------------------------

 ・電源オン、周波数など表示部点灯。文字痩せは無さそう。
 ・しかしFM放送はオート/マニュアル選局ともまったく受信しない。
 ・シグナルメーターは全く点灯せず。局間ノイズも聞こえない。
 ・AM放送も同じ症状で全く受信できない。
 ・これは重症か、、動作確認を諦めて電源オフ。
 ・数日間放置した後に再度電源オンしてみたら、、
 ・何と、前回の動作確認が嘘のように正常動作します。
 ・オート/マニュアル選局とも名古屋地区のFM放送を受信。
 ・シグナルメーターフル点灯、赤いSTEREOランプ点灯。
 ・IF BAND切換OK、RF切換OK、MUTING動作OK。REC CALトーンOK。
 ・AM放送は、、、と作業を進めていたら突然受信不能状態に、、、、
 ・最初の動作確認時と同じ症状でまったく受信しなくなりました。
 ・オート選局時の周波数変化スピードが極端に遅くなっています。
 ・原因は何でしょう???

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・初代α707は発売当時に購入したことがある懐かしい機種です。
 ・TU-α707(1986)→ TU-α707i(1987)→ TU-α707EXTRA(1989)→ TU-α707R(1991)
 ・ひろくん様のレポートによればα707シリーズの中身は同じものだそうです。
 ・基板上の印刷を見るとQ1,R1など同じ番号の部品がいくつもあります。
 ・これでは区別が付かない、、と思ったら、回路図に詳細説明がありました。

Sansui-tux701-sche_s

  ・FM回路(d) ex. dQ1,dR1,dC1,
  ・AM回路(e) ex. eQ1,eR1,eC1,
  ・CONTROL回路(f) ex. fQ1,fR1,fC1,
  ・SELECTOR回路(o) ex. oQ1,oR1,oC1,
  ・POWER SUPPLY回路(m) ex. mQ1,mR1,mC1,
 ・う~ん、、しかしこの部品番号はちょっと読みにくい。
【FM回路(d)】
 ・dVR1:FM STOP
 ・dVR2:WIDE GAIN
 ・dVR3:NARROW GAIN
 ・dVR4:MUTE
 ・dVR5:FM SIGNAL
 ・dVR6:MONO DISTOTION
 ・dVR7L:L SEP
 ・dVR7R:R SEP
 ・dVR8:NARROW SEP
 ・dVR9:REC LEVEL
 ・dVR10:PILOT CANCEL
【AM回路(e)】
 ・eVR1:AM SIGNAL
 ・eVR2:AM STOP

Tua707e20Tua707e21Tua707e22Tua707e23Tua707e24
Tua707e25Tua707e26Tua707e27Tua707e28Tua707e29
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■修理記録:VT電圧異常-------------------------------------------------

【FM VT電圧調整】
 ・JW3~GND → 電圧計セット
 ・90MHz(電波無し)→ 22.0V
 ・76MHz(電波無し)→ 3.3V
 ※問題点:VT電圧を確認したところ電圧がまったく出ていない
 ※電源基板に繋がるコネクタ:JP2電圧確認
  ・+29V → +29.1V
  ・+12V → +12.6V
  ・+18V → +21.9V
  ・+5.6V→ + 5.6V
  ・-27V → -21.5V
 ・電源電圧は問題なさそうです。

【基準周波数調整】
 ・fIC1(LC7217)-1ピン~GND → 周波数カウンタ接続
 ・fTC1(50pF)調整 → 7.200000MHz±100Hz

 ※問題点:7.2MHzが確認できない。全くでたらめな数値が表示される。
 ・fX01(7.2MHz)水晶振動子や fTC1(50pF)周辺を指で触ってみると、、
 ・何とタッチ具合によって正常動作になることがある!
 ・どうやら水晶振動子かトリマコンデンサーの故障のようです。
 ・本機の底面には点検口がありますが、問題個所は点検口から外れた場所にあります。
 ・部品を交換するにはメイン基板を外して裏返すしかありません。

 ・fTC1(50pF)交換 → 当たり!
 ・7.2MHzが出現し、VT電圧が測定できるようになりました。
 ・その後のFM受信動作が復旧し、安定して受信するようになりました。
 ・故障原因はfTC1(50pF)でした。

Tua707e51Tua707e52Tua707e53Tua707e54Tua707e55
Tua707e56Tua707e57Tua707e61Tua707e58Tua707e59

■調整記録--------------------------------------------------------------

 ・FM回路(d) ex. dQ1,dR1,dC1,
 ・AM回路(e) ex. eQ1,eR1,eC1,
 ・CONTROL回路(f) ex. fQ1,fR1,fC1,
 ・SELECTOR回路(o) ex. oQ1,oR1,oC1,
 ・POWER SUPPLY回路(m) ex. mQ1,mR1,mC1,
【基準周波数調整】
 ・IC1(LC7217)-1ピン~GND → 周波数カウンタ接続
 ・TC1調整 → 7.200000MHz±100Hz
【FM同調点調整】QD検波
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → T4調整 → 0V±10mV
【FM VT電圧調整】
 ・JW3~GND → 電圧計セット
 ・90MHz(電波無し)→ 22.0V ※確認のみ
 ・76MHz(電波無し)→ 3.3V ※確認のみ
  ※OSCコイルは調整が難しいのでノータッチ
【FM RF調整】
 ・IC3(LA1235)-13ピン、またはVR5端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz受信 フロントエンド内RFコイル調整 → 電圧最大
 ※RFコイルの調整は難しいのでノータッチ
【WIDE/NARROW GAIN調整】
 ・IC3(LA1235)-13ピン、またはVR5端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・VR2,VR3 → 時計回り一杯に回す
 ・IF BAND → NARROW
 ・83MHz,30dB受信 → T2調整 → 電圧最大(電圧を記録)
 ・IF BAND → WIDE
 ・83MHz,30dB受信 → T1調整 → NARROW時と同じ電圧に
【PLL検波調整】
 ・TP3~TP4 → 電圧計セット
 ・電波入力なし → T5 調整 → 0V
 ・電波入力なし → TC1調整 → 0V ※微調整
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,30dB受信 → T6調整 → 0V
 ・83MHz,70dB受信 → VR6調整 → 高調波歪最小
【Sメーター調整】
 ・83MHz,15dB受信 → VR5調整 → インジケーター最下段点灯位置へ
【REC LEVEL調整】
 ・83MHz,60dB受信 → VR9調整 → 信号レベル-6dBに設定
【PILOT CANCEL調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,60dB,ST受信 → T8,VR10調整 → 19kHz成分最小
【WIDE セパレーション調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,60dB,Lch受信 → VR7L調整 → Rch漏れ信号最小
 ・83MHz,60dB,Rch受信 → VR7R調整 → Lch漏れ信号最小
【NARROW セパレーション調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,60dB,L/R受信 → VR8調整 → 反対ch漏れ信号最小
【AUTO STOPレベル調整】
 ・83MHz,30dB,ST受信 → VR1調整 → オートサーチ選局で停止する位置
【MUTING レベル調整】
 ・83MHz,20dB,ST受信 → VR4調整 → STEREOインジケーター点灯、音声が出る位置
【AM VT電圧調整】
 ・R1~GND → 電圧計セット
 ・ 531kHz(電波無し)→ T1調整 → 1.5V±10mV
 ・1629kHz(電波無し)→ TC1調整 → 20V±10mV
【AM RF調整】
 ・ 603kHz受信 → T3 調整 → Sメーター最大
 ・1404kHz受信 → TC2調整 → Sメーター最大
【AM Sメーター調整】
 ・VR1
【AM AUTO STOP調整】
 ・VR2

Tu707extra

■試聴------------------------------------------------------------------

 ・ちょっと苦戦しましたが、いい音で受信できています。
 ・今回もいろいろ勉強になりました。

Tua707e10
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