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KENWOOD KT-1100D 修理調整記録5

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 ・2018年11月初め、KT-1100Dの修理調整作業を承りました。
 ・FMの受信感度が随分落ちているようです。

Kt1100d06

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版
  ※KT-1100Dの他に D-3300T、KT-1010F、KT-880Fが載っています。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル、ボディとも経年の汚れでくすんでいます。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示管点灯。文字欠けは無いが輝度が劣化している感じ。
 ・RF=DISTANCE オート選局で名古屋地区のFM局を受信。
 ・Tメーター、Sメーターのセグメント点灯。STEREOランプ点灯。
 ・下り方向のオート選局では周波数ズレなし。
 ・上り方向のオート選局で-0.1MHzズレる。
 ・WIDE/NARROW切替OK。REC CAL OK。メモリボタン動作OK。
 ・各種ボタン操作に軽快に反応する。切替動作正常。
 ・RF=LOCAL にするとオート選局で放送局を通り過ぎてしまう。
 ・付属AMループアンテナでAM放送の受信確認。
 ・AM放送はオート選局で正常に受信。IFバンド切換で音質変化OK。
 ・AM周波数の千の位の数字だけ明るく表示される。
 ・テスト用に登録したメモリ内容を電源プラグを抜いて5日後でも保持。
 ・問題点はFM受信感度の低下と同調点ズレです。

Kt1100d01Kt1100d08Kt1100d03Kt1100d04Kt1100d05

■内部確認------------------------------------------------------------

Kt1100d20Kt1100d21Kt1100d22Kt1100d23Kt1100d24
Kt1100d25Kt1100d26Kt1100d27Kt1100d28Kt1100d29
Kt1100d30Kt1100d31Kt1100d32Kt1100d33Kt1100d34
Kt1100d35Kt1100d36Kt1100d37Kt1100d39Kt1100d40

■調整記録------------------------------------------------------------

Kt1100d

【本体設定】
 ・RF SELECTOR:NORMAL
 ・IF BAND:WIDE
【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V ※実測 3.1V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V ※実測24.6V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V±10mV ※実測+63mV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12調整 → 0.0V±10mV ※実測+334mV
【RF調整】
 ・R67左側 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L10調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【SIGNAL METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR3調整 → ※
  ※バーグラフの点灯レベル調整
【MPX VCO調整】
 ・TP14に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR4調整 → 19.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ L25調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DET】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR3:DET調整 → 二次歪最小
【歪調整2 MONO2】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR4:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO3】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR5調整 → 二次歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR7調整 → 三次歪最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz.80dB)→ VR2調整 → 二次歪最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz(R信号,1kHz,80dB)→ VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz,80dB)→ VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR1調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz(mono信号,1kHz,100%変調)→ 本体左側小基板VR4調整 → 100%位置
【AM簡易調整】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・531kHz → L20調整 → 実測 2.8V 確認のみ
 ・1629kHz→ TC2調整 → 実測 8.1V 確認のみ
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信  → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → Sメーター最大

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・再調整によって周波数ズレが解消し受信感度も改善しました。、
 ・外装が汚れていたので、フロントパネルを分解して清掃しました。
 ・背面端子をピカールで磨きました。
 ・表示部の輝度劣化が残念ですが受信性能は上々です。

Kt1100d07


KENWOOD KT-5020

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 ・2018年11月初め、KT-5020の修理調整作業を承りました。
 ・「FMは受信するが音声がとても小さい」という症状です。

Kt502008

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-5020 ¥30,000(1991年頃)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-5020 Stereo Tuner (1989-92)

Kt502002Kt502012

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源投入OK、表示部点灯。文字欠けや文字痩せは見られない。
 ・バーグラフ式のシグナルメーター点灯。
 ・オート選局(下り方向)→ 周波数ズレなく受信OK
 ・オート選局(上り方向)→ -0.1MHzの周波数ズレ
 ・IF BAND WIDE/NARROW 切換OK。
 ・FM受信できるがSTEREOランプ点灯しない。
 ・FM音声の音量がかなり小さい。
 ・手持ちのAMループアンテナでAM放送受信確認。
 ・AM音声は通常の音量が出ている。
 ・問題点はFM同調点ズレとFM音量が小さいこと。

Kt502001Kt502003Kt502004Kt502005Kt502006
Kt502011Kt502013Kt502014Kt502015Kt502016

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・4連バリキャップフロントエンド
 ・WIDE/NARROW切替式IF
 ・DLLD PLL検波
 ・LA1266 AM/FM Tuner System
 ・LA3401 VCO Non-Adjusting PLL FM MPX

Kt502020Kt502021Kt502022Kt502023Kt502024
Kt502025Kt502026Kt502027Kt502028Kt502029
Kt502030Kt502031Kt502032Kt502034Kt502035

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・IC4:LA1266 12ピン → クアドラチュア検波音声OK
 ・DLLD基板CN2 2番端子 → PLL検波音声OK
 ・LA3401 1ピン(検波信号入力) → 音が極端に小さいNG
 ・つまり DLLD検波基板~MPX回路区間に不調原因がある
 ・さらに調べると
 ・IC9 1ピン → OK
 ・IC9 7ピン → NG
 ・IC9 1ピン~7ピン 区間にある部品は L23 のみ

Kenwood_kt5020_l23

 ・L23はSCA信号を除去するためのローパスフィルターと思われます。
 ・L23の入口~出口間の抵抗値=約2MΩ
 ・L23が「フィルター」ではなく「抵抗」になっているようです。
 ・試しにL23を取り外して前後の回路を直結してみました。
 ・これで正常な音量が出てきました。
 ・ひろくん様のKT-5020 2号機にも同じ修理例がありました。

Kt502051Kt502056Kt502057Kt502058Kt502059

■調整記録------------------------------------------------------------

【本体設定】
 ・IF BAND:WIDE
【VT電圧】
 ・TP5~TP6 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L7調整 → ※実測 2.8V
 ・90MHz → TC1調整 →※実測22.3V
【FM同調点調整】
 ・TP7~TP8 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L19調整 → 電圧ゼロ ※実測-5.2V
【フロントエンド調整】
 ・VR1 → DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1,L2,L3,L6調整 → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・TP9~TP10 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L22調整 → 電圧ゼロ ※実測+225mV
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → VR4調整 → 高調波歪最小
【S METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → VR1調整 → バーグラフの点灯レベル調整
 ※注意:この調整によってMUTINGレベルも変化する。
【SEPARATION調整】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz ST信号 → VR3調整 → 信号もれ最小
【AM簡易調整】
 ・TP5~TP6 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・ 531kHz → L18調整 → ※実測 1.6V
 ・1602kHz → TC5調整 → ※実測 8.2V
 ・VR2 → DC電圧計セット= AM Sメーター電圧
 ・ 603kHz → L16調整 → 電圧最大
 ・1395kHz → TC3調整 → 電圧最大
 ・ 999kHz → L20調整 → 電圧最大
 ・VR2調整 → AM Sメーター点灯レベル調整

Kt5020

Kenwood_kt5020_sche

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・歪補正回路やアクセサリー機能を省略したローコスト機です。
 ・でもDLLD搭載の実力機と思います。
 ・もう少し薄型ボディだったら精悍さを演出できたかも?

Kt502007

TRiO KT-1100 修理調整記録4

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 ・2018年11月、KT-1100の故障機が届きました。
 ・以下、作業記録です。

Kt110008

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-1100 ¥73,800(1982年発売)
 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-1100 AM-FM STEREO TUNER ¥73,800
 ・Hifi Engine Kenwood KT-1100 AM/FM Stereo Tuner (1983)

Kt110002Kt110010

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観はとても綺麗な状態で、目立つキズはありません。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・二つのメーター照明点灯、赤い指針点灯。
 ・ズレた受信状態でSTEREOランプ点灯、SERVO LOCKランプ点灯。
 ・RF切換OK、FM BAND切換OK、MUTING動作OK、REC CALトーンOK。
 ・-2~-3MHzほどの周波数ズレを確認しました。
 ・82.5MHzのNHK名古屋放送局を79.5MHz辺りで受信します。
 ・これは故障の定番、OSCトリマコンデンサの不調が予想されます。

Kt110003Kt110004Kt110005Kt110006Kt110007
Kt110012Kt110013Kt110014Kt110015Kt110016

■内部確認------------------------------------------------------------

Kt110020Kt110021Kt110022Kt110023Kt110024
Kt110025Kt110026Kt110027Kt110028Kt110029
Kt110030Kt110031Kt110032Kt110033Kt110034

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・-2~3MHzの大幅な周波数ズレ。
 ・原因として考えられるのは フロントエンドOSCトリマ TC8 の容量抜け。
 ・そこで OSCトリマ TC8 を回して発信周波数の変化を確認すると、、
 ・あれ? 予想外に発振周波数が変化する!
 ・指針を83MHzに合わせてTC8調整 → 何とピッタリ合わせられる。
 ・TC8 の容量抜けを予想しましたがまだ生きていました。
 ・TC8 を30回ほど回したところ動作が安定しました。
 ・どうやらTC8の内部接点が経年劣化で接触不良を起こしていたようです。
 ・以下の調整作業によって正常動作となりました。

Kt110040

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC8調整 → Sメーター最大
 ※OSCコイルL5の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC1,TC2,TC4,TC6調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → フロントエンドT1調整 → Sメーター最大
 ※L1~L4の調整が難しいため83MHzのみで調整
【IF調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → L2,L3調整 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → Sメーター最大かつ高調波歪最小位置にて受信
 ・L4調整 → Tメーター中点
【Wide Gain調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整 → Wide/Narrow Sメーター振れ具合を同じ位置に
【2nd OSC調整】
 ・IC4(TR4011)-1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz
【VCO調整】
 ・IC7(TR7040)付近の二つのTPを直結
 ・TP(19kHz) → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR4調整 → 19kHz±10Hz
【Pilot Cancel調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR3,L19調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整/wide】
 ・IF BAND WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR5調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST → VR9調整 → Rch漏れ信号最小
【セパレーション調整/narrow】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR6調整 → 漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル測定
 ・VR2調整 → 上記レベル-6dBに設定 ※404Hz
【タッチセンサー調整】
 ・Q13エミッタ(=R197) → 周波数カウンタ接続
 ・L18調整 → 400kHz
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → L17調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC7調整 → シグナルメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz受信 → L14,L15調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC3,TC5調整 → シグナルメーター最大
【AMメーター調整】
 ・VR12 Sメーター振れ具合調整
 ・VR11 Tメーター中点調整

Kt110040_2

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・1週間に渡って動作確認しましたが問題なさそうです。
 ・もし不具合が再発した場合はまたご連絡ください。

Kt110009

SONY ST-S333ESXII 修理調整記録8

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 ・2017年11月、333ESXIIの修理調整を承りました。
 ・周波数ズレが発生しているとのことです。

333wsxii04

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
 ・SONY ES テクノロジーカタログ 1987年10月発行
 ・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル

333wsxii02333wsxii08

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・天板、フロントパネル、サイドウッドともほぼ無傷。
 ・オート選局で-0.1MHzの周波数で名古屋地区FM局を受信。
 ・上り方向、下り方向ともに-0.1MHzの周波数ズレ。
 ・IF BAND切替OK。MUTING動作OK。STEREOランプ点灯。
 ・CAL TONE出力 OK。
 ・手持ちのループアンテナでAM受信確認OK。

333wsxii01333wsxii05333wsxii06333wsxii10333wsxii12

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・復調回路IC:CX1064
 ・最終オーディオ回路LPF:アクティブ型

333wsxii20333wsxii21333wsxii22333wsxii23333wsxii24
333wsxii25333wsxii26333wsxii27333wsxii28333wsxii29
333wsxii30333wsxii31333wsxii32333wsxii33333wsxii34
333wsxii35333wsxii36333wsxii37

■修理記録:ハンダクラック修正----------------------------------------

 ・ハンダ面を見るとハンダクラック多数あり。
 ・特に不具合症状は出ていませんが修正しました。

333wsxii40333wsxii42333wsxii43333wsxii44

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測-2.45V
 【VT電圧調整】
 ・IC803-5pin電圧測定
 ・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.2V
 ・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測7.9V
【SST回路調整】
 ・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
 ・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V 実測1.0mV
 ・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測14.0V
【トラッキング調整】
 ・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
 ・76MHz L101,L102,L103
 ・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
 ・TP201をGNDに落とす
 ・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測-433mV
 ・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
 ・Wide受信、MUTINGオフ
 ・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
 ・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 電圧最大へ
  ・IFT101調整 電圧最大へ
 ・SSG出力80dBにセット
  ・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
 ・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
  ・IFT202調整 電圧計最大へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯
【パイロットキャンセル】
 ・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RT301 R→L ※調整後実測62dB
 ・RT302 L→R ※調整後実測60dB
【Sメーター調整】
 ・RT204
【MUTINGレベル調整】
 ・RT205
【CAL TONE】
 ・Peak Level-3.7dB 313Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RT401 Sメーター調整
 ・RT402 AUTOSTOP調整

<調整結果>
 ・FM同調点が大きく外れていていました。
 ・PLL検波調整にズレが大きかったです。
 ・セパレーション値が大幅に改善しました。

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルを分解清掃したので表示部がくっきり見えます。
 ・イイ感じに仕上がりました。

333wsxii07

KENWOOD L-01T 修理調整記録6

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 ・2018年11月、L-01Tの修理調整作業を承りました。
 ・発売時に購入したワンオーナー機だそうです。
 ・元箱に入った状態で届きました。
 ・以下、作業記録です。

L01t03

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年頃)
 ・Hifi engine KENWOOD L-01T

L01t02L01t10

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン。
 ・オレンジ色照明点灯。いつ見ても惚れ惚れする美しさ。
 ・名古屋地区のFM放送局を受信しようとすると、、
 ・Sメーターは大きく振れるが、Tメーターの指針が右側に偏っている。
 ・Tメーター指針は中点より右側で僅かに震える程度しか動かない。
 ・STEREOランプ点灯しない。
 ・MUTINGオンの状態では音が出ない。
 ・MUTINGオフにするとモノラル受信可能。
 ・これはFM同調点が検出されていない様子です。
 ・たぶん L6 が怪しいか?

L01t01L01t05L01t06L01t11L01t14

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・底面にKENWOODサービスの修理歴シールが4枚。
 ・ただ今回は「部品が無い」という理由で返却されたそうです。
 ・基板面とハンダ面を見ながら過去の修理箇所を確認。
  ・クアドラチュア検波コイル L6 ハンダ面にコンデンサ追加済み。
  ・パルスカウント検波LPF FL3 ハンダ面に82pF,82pF,47pF追加済み。
 ・IC3 LA1231N クアドラチュア検波コイル L6 のコアが割れている。
 ・コアが割れているので調整不能。

L01t56L01t40L01t41

■修理記録:HA1457W交換-----------------------------------------------

 ・IC4、IC10(HA1457W)故障というご指摘だったので新品のHA1457Wに交換。
 ・しかし交換後も症状に変化なし。
 ・HA1457Wは故障ではなかったです。

L01t60L01t61L01t62L01t64L01t67

■修理記録:L6調査----------------------------------------------------

 ・L6に直付けされたコンデンサを取り外す。→Tメーターの挙動は変わらない。
 ・コンデンサの取り付け位置を変更 → Tメーターの指針が少し中央に寄った。
 ・代わりに18pF設置→今度はTメーターが左側に大きく振り切れた。
 ・試行錯誤の結果、8pFを追加することで中点付近を示すようになりました。
 ・STEREOランプ点灯して名古屋地区のFM局を受信できようになりました。
 ・とりあえず復旧しましたが、、
 ・問題はL6のコアが割れているので微調整できないこと。

L01t41_2L01t52L01t53L01t54L01t70

■修理記録:L6交換----------------------------------------------------

 ・クアドラチュア検波コイル L6 同等品を探す。
 ・部品取り機として Aurex ST-S07(TRIO KT-770同等機)を入手。
 ・ST-S07動作確認後にクアドラチュア検波コイル L10 を取り外し。
 ・Aurex ST-S07 L10 → L-01T 新L6 として移植。
 ・新L6コア調整でTメーターの針が振れ、中点に調整できました。
 ・中古部品なので耐久性に不安あり。

Aurex09Aurex_001L01t70_2L01t79L01t74

■調整記録------------------------------------------------------------

【FMフロントエンド】
 ・OSC調整83MHz → OSC coil
 ・トラッキング調整76MHz → L1,L2,L3,L4,L5,L6
 ・トラッキング調整90MHz → TC1,TC2,TC3,TC4,TC5,TC6
 ・IFT調整 → L17,L19,L21 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・LA1231Nクアドラチュア検波調整 → L6 → Tメーター中央
【ミューティング調整】
 ・VR2
【WIDE GAIN調整】
 ・Narrow受信 → Sメーターレベル記録
 ・Wide受信 → VR1調整 → Narrow受信時と同レベルに
【Sメーター調整】
 ・VR3
【第2IF調整】
 ・83MHz受信 → L8調整 → TP=1.96MHz ※実測1.85MHz
【VCO調整】
 ・無変調 → VR6調整 → TP(R117) → 76kHz
【Pilotキャンセル】
 ・VR7,L16調整 → 19kHz漏れ最小へ
【ステレオ歪調整】
 ・フロントエンドL21調整 → 高調波歪最小へ
【SCA調整】
 ・MEGURO DARC ENCODER MSG-2170でFM多重信号を生成
  ※L&R=80%、Pilot=10%、DARC=10%
 ・L10,L11調整 → D36カソード側DC電圧最大へ
 ・VR5調整 → IC9-1pin電圧測定 → +電圧が-電圧に変わる位置※
  ※+7.5V→安定して-6.6Vを示す位置
 ・IC9-1pin電圧が+→-に変わることでSCAフィルター回路のスイッチオン
【ノイズアンプ調整】
 ・離調状態  VR4調整 → Q6(2SC2785)エミッタ電圧 → 8V
【SUB調整】
 ・83MHz L-R信号受信 → VR8調整 → Lch最大
 ・同上  → VR9調整 → RchレベルをLchと同じに揃える
【セパレーション調整】
 ・Wide受信時 VR10→Rch、VR11→Lch
 ・Narrow受信 VR1(X13-2690基板)

L01t

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・SCA調整によってNHK-FMでFM多重放送ノイズが奇麗に消えました。
 ・その他再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・漆黒のフロントパネルに映えるオレンジ照明が抜群に美しいですね。

L01t04_2

■おまけ:パルスカウント検波回路のLPFフィルターFL3の件-----------------

 ・今回のL-01T FL3 は既にKENWOODサービスによって修理済みでした。
 ・FL3入力側から 82pF,82pF,47pF がハンダ面に直接追加されています。
 ・メーカーサービスでも同様の修理をするのですね!
 ・回路図には FL3=LPF:250kHz との記載があります。
 ・Dr. GERO様のレポートによると
 ・生きているLPF:入力側からLは7mHと9mH,Cは33pF, 82pF, 82pF とのことでした。
 ・コイルが生きていればコンデンサ追加でLPFが復活します。

L01t82

Technics ST-9030T 修理調整記録4

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 ・2018年11月末、30Tの修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

30t05

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Technics ST-9030T ¥80,000(1977年頃)
 ・hifiengine Technics ST-9030 ※回路図、調整手順、取扱説明書

30t0730t08

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓と二つのメーターがオレンジ照明点灯。
 ・ただ明らかに暗い。特に左端はタマ切れかも?
 ・僅かに周波数ズレ。
 ・Tメーター中点とSメーター最大点はほぼ一致。
 ・メーター動作を見るとFM放送を正常に受信している模様。
 ・STEREOランプ点灯。IF AUTOランプ点灯
 ・Muting 動作OK。
 ・固定端子/可変端子とも音声OK。
 ・マルチパスH端子(MPX OUT)音声OK。
 ・問題点は照明用電球ですね。
 ・シリアルナンバーから読み取ると1976年12月2日製造。

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■電球交換------------------------------------------------------------

 ・回路図で照明用電球の定格を確認 → 6.3V/0.25A × 5個
 ・実機の電球を確認 → 12V/5W×3個、6.3V/0.25A×2個
 ・球切れの電球を既に交換済みのようです。
 ・スタンレー製の12V/5W球はカー用品ですね。
 ・これを手持ち品の8V/0.3A×5個に交換。
 ・6.3V/0.25Aとはちょっと違いますが明るさは十分です。

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■調整記録------------------------------------------------------------

【本体設定】
 ・MPX hi-blend=off
 ・Servo tuning=off
 ・IF selector=auto
 ・TP302とTP303を短絡するとスイッチ状態に関わらず強制narrowとなる
【レシオ検波調整1】
 ・入力信号なし
 ・TP201~GND DC電圧計セット → T201(narrow緑)調整 → 電圧ゼロ
 ・TP101~GND DC電圧計セット → T102(wide緑)調整 → 電圧ゼロ
【OSC調整】
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG76MHz → L8調整 → Sメーター最大
 ・SSG90MHz → CT8調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG76MHz → L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7調整 → Sメーター最大
 ・SSG90MHz → CT1,CT2,CT3,CT4,CT5,CT6,CT7調整 → Sメーター最大
 ・SSG83MHz → T1調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整2】
 ・入力信号なし
 ・TP101~GND DC電圧計セット → T102(wide緑)調整 → 電圧ゼロ
 ・TP201~GND DC電圧計セット → T201(narrow緑)調整 → 電圧ゼロ
【出力レベル調整】wide
 ・IF selector=wide
 ・音声出力端子にAC電圧計セット
 ・SSG83MHz 1kHz 100% → VR504調整 → 1.4v
【モノラル歪調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・IF selector=wide
 ・SSG83MHz 1kHz 100% → T102(wide赤)調整 → 歪最小
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG83MHz 1kHz 100%変調 → T201(wide赤)調整 → 歪最小
【出力レベル調整】narrow
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・音声出力端子にAC電圧計セット
 ・SSG83MHz 1kHz 100% → VR503調整 → 1.4v
【ミューティング調整】
 ・Servo tuning=auto
 ・TP102~GND DC電圧計セット
 ・SSG83MHz 1kHz → T202,T203調整 → 電圧最大
 ・SSG83MHz 1kHz 60dB → VR402調整 → 同調を外したとき局間ノイズが消える位置へ
 ・SSG83MHz 1kHz 20dB → VR401調整 → ミューティング作動位置へ
【Sメーター調整】
 ・SSG83MHz 1kHz 100% → VR501調整 → Sメーター指針
【VCO調整】
 ・TP601 周波数カウンタ接続
 ・SSG83MHz無変調 → VR602調整 → 19kHz±30Hz
【左右レベル調整】
 ・SSG83MHz 1kHz ST変調 → VR702調整 → 左右chのレベルを同じ
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・SSG83MHz 1kHz ST変調 → VR601,L601,L602調整 → パイロット信号(19kHz)最小
【サブキャリアキャンセル調整】
 ・SSG83MHz 1kHz ST変調 → CT701調整 → サブキャリア信号(38kHz)最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR701調整 → 漏れ信号最小
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR703調整 → 漏れ信号最小
【ハイブレンド調整】
 ・音声出力端子にAC電圧計セット
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR502調整 → 左右レベルを確認
 ・MPX high-blend=on
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR502調整 → 左右レベル同一
【Auto IF セレクター調整】
 ・TP101 200kHz正弦波注入
 ・TP301 オシロスコープ接続 → T302調整 → 200kHz波形最大
 ・TP101 300kHz正弦波注入
 ・TP301 オシロスコープ接続 → T301調整 → 300kHz波形最大
 ・上記作業を数回繰り返す

St9030t

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・Technics製ガンメタボディとオレンジ照明の組み合わせが最高です。

30t06

TRIO KT-5500 修理調整記録2

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 ・2018年12月、KT-5500の修理依頼を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Kt550003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-5500 ¥38,000(1975年発売)
 ・Hifi Engine Kenwood KT-5500 AM/FM Stereo Tuner (1978-79)
 ・KT-5500 取扱説明書 PDF形式

Kt550002Kt550009

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は年式を感じさせない位に程度が良い。
 ・75Ω端子にアンテナ線を接続して電源オン。
 ・周波数窓のオレンジ色照明点灯。メーター照明もOK。
 ・名古屋地区のFM放送を僅かな周波数ズレで受信OK。
 ・メーターの振れ具合を見るとFM放送を正常に受信している模様。
 ・しかし固定/可変端子とも出てくる音量がとても小さい。
 ・アンプ側でボリュームを最大に上げないと聞こえない状態。
 ・STEREOランプ点灯しない

Kt550001Kt550004Kt550005Kt550006Kt550007
Kt550010Kt550011Kt550012Kt550013Kt550014

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM専用5連バリコン
 ・IC:HA1137 FM-IFシステム用IC(クアドラチュア検波、ミューティング回路内蔵)
 ・IC:HA1196 PLL-MPX用IC
 ・T6:クアドラチュア検波 歪調整
 ・VR1:Sメーター振れ調整
 ・VR2:Tメーター中点調整
 ・VR3:検波信号レベル調整
 ・VR4:セパレーション調整
 ・VR5:VCO調整
 ・TP1:IF周波数確認(GND)
 ・TP2:IF周波数確認(10.7MHz)
 ・TP3:76kHz確認

Kt550021Kt550022Kt550023Kt550024Kt550025
Kt550026Kt550027Kt550028Kt550029Kt550030
Kt550031Kt550032Kt550033Kt550034Kt550035

■修理記録:HA1196 黒ずんだ足の清掃---------------------------------

 ・HA1137 検波出力確認 → OK
 ・HA1196 入力信号確認 → OK
 ・HA1196 左右の音声出力 → 音量がとても小さい
 ・HA1196の足が真っ黒に変色している
 ・HA1196はICソケットにセットされていたので取り外して足の清掃
 ・再セットしたところ、、、
 ・何と正常音量で音が出るようになりました。

Kt550041Kt550042Kt550044Kt550045Kt550047

Kt550051

■調整記録----------------------------------------------------------

調整方法を見直しました。特にVR3

【Tメーターオフセット調整】
 ・アンテナ入力なし → VR2調整 → Tメーター指針中点へ
【OSC調整】
 ・76MHz受信 → To調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TCo調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・76MHz受信 → T1,T2,T3,T4調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TC1,TC2,TC3,TC4調整 → Sメーター最大
 ・この調整作業を数回繰り返す。
【IFTコア調整】
 ・83MHz受信 → T5調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz受信 → T6調整 → 高調波歪最小
【検波信号レベル調整】
 ・固定出力端子にAC電圧計セット
 ・83MHz60dB受信 → VR3調整 → 0.7V
【Sメーター振れ調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整 → Sメーター振れ具合調整
【VCO調整】
 ・TP3に周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → VR5調整 → 76kHz
【セパレーション調整】
 ・音声出力端子をWaveSpectraに接続
 ・83MHz L/R信号 → VR4調整 → 反対ch漏れ最小

Kt5500

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・最近、ICやTRの足が黒く変色し隣の足と短絡する不具合に頻繁に遭遇します。
 ・KT-5500は底板に点検口がありません。
 ・今回はソケットのおかげで基板を裏返す必要がなくてラッキーでした。

Kt550008

Technics ST-3500 修理調整記録

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 ・2018年9月、ST-3500の故障機を譲り受けました。
 ・年末年始休暇を利用して整備した記録です。

St350007

■製品情報 ---------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 ST-3500 \64,800円(1975年頃)
 ・Hifi Engine Technics ST-3500 AM/FM Stereo Tuner (1976-77)

St350001St350010

■動作確認 ---------------------------------------------------------

 ・目立つキズは無いものの、ボディ全体に経年の汚れ。
 ・背面端子は酷いサビ。長期間使われていなかった様子。
 ・電源投入OK、照明ランプ点灯、球切れなし。オレンジ色が美しい。
 ・Sメーター最大点でFM音声受信確認。
 ・ただしSメーター最大点とTメーター中点が一致しない。
 ・ステレオランプ点灯しない。実際のステレオ感なし。
 ・AMは名古屋地区の放送局を受信。
 ・致命的な故障は無さそうです。

St350002St350003St350004St350005St350006
St350012St350013St350014St350016St350017

■内部確認 --------------------------------------------------------

【特徴】信号系と制御系が独立したIF段
 ・フロントエンド内 [CF1] → [CF2] → [2SC829] → メイン基板上 [CF101]
 ・これ以降2系統に分かれる。
 ・【信号系】[TA7061A] → [CF102] → [TA7061A] → [2SC829] 
       → Tメーター駆動、マルチパスH出力 → レシオ検波 → 復調回路へ
 ・【制御系】[2SC829] → [CF103] → [2SC829] → [2SC829] → [CF104] → [2SC829]
       → Sメーター駆動、マルチパスV出力、ミューティング制御

St350020St350021St350022St350023St350024
St350025St350026St350027St350028St350029
St350030St350031St350032St350033

■外装クリーニング-------------------------------------------------

 ・フロントパネルを分解し周波数窓の裏側までキレイに磨きました。
 ・黒いプラスチック製のスイッチツマミが洗浄してもキレイにならない。
 ・そこでスイッチツマミや選局ツマミを保管していた ST-8200の物と交換。
 ・スイッチが銀色になっただけでとても精悍な印象に変わりました。

St350052St350002_2

■調整記録 --------------------------------------------------------

【Tメーター中点】
 ・T102(緑色)何も受信しない状態でメーター中央へ
【FM OSC調整】
 ・76MHz受信 → L7調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → CT4調整 → Sメーター最大
【FM RF調整】
 ・基板上 19番端子,21番端子にDC電圧計セット(Sメーター電圧確認用)
 ・76MHz受信 → L3,L5,L6調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → CT1,CT2,CT3調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → T1調整 → Sメーター最大
【FM信号系レシオ検波調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectraへ
 ・83MHz受信 → T101(赤)調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz受信 → T102(青)調整 → 同調点調整(確認)
【FM制御系レシオ検波調整】
 ・TP103信号 → WaveSpectraへ
 ・83MHz受信 → T103(紫)調整 → メイン信号最大へ
 ・83MHz受信 → T104(紫)調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz受信 → VR102調整 → FM Sメーター振れ調整
 ・83MHz受信 → VR101調整 → ミューティングDEEPレベル調整
 ・83MHz受信 → VR103調整 → ミューティングレベル調整
【FM MPX調整】
 ・TP301 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 → VR301調整 → VCO調整19kHz
 ・83MHz ST信号 → VR403調整 → セパレーション調整
【Rec OUT レベル調整】
 ・REC OUT端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST信号 → R412調整 → 左右レベルを揃える
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → T207調整 → Sメーター最大
 ・1600kHz受信 → CT203調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・AM基板上 TP201にDC電圧計セット(Sメーター電圧確認用)
 ・ 600kHz受信 → T201,L201(背面バーアンテナ内コイル)調整 → Sメーター最大
 ・1600kHz受信 → CT201,CT202調整 → Sメーター最大
【AM 歪調整】
 ・1000kHz受信 → T202,T203,T204,T205,T206調整 → 歪最小
【AM制御系】
 ・1000kHz調整 → VR201調整 → AM Sメーター振れ調整

St3500

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・オレンジ色が映える周波数窓、光沢が蘇ったアルミパネル。
 ・ST-8200から移植した銀色のツマミ類がマッチしています。
 ・FM/AMとも良い音で受信できています。
 ・満足、満足

St350008


ROTEL RT-622

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 ・2018年10月初め、ヤフオクで昭和の香り漂うオールドチューナーを入手しました。
 ・動作未確認のジャンク品ですが、ノスタルジックな機種を見かけるとつい、、
 ・特にROTEL製デザインは他社製品と一味違う特徴があって大好きです。
 ・古い製品情報を探したり、使える状態に整備する過程がとっても楽しいです。

Rt62203

■製品情報-------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 ROTEL RT-622 ¥49,000(1973年頃)
 ・Hifi Engine Rotel RT-622 Stereo AM/FM tuner
 ・デザイン的には RT-1220とそっくり → 過去記事2016年1月

Rt62202Rt62213

■動作確認-------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルとツマミ類は手垢と経年の汚れでかなり汚い状態。
 ・周波数窓の内側に大量のホコリ。分解清掃でキレイなるか?
 ・背面パネルには固定/可変出力端子、マルチパスH/V端子が並んでいる。
 ・AM用バーアンテナはかなり大きめ。
 ・さて、まずはFMアンテナを接続して電源オン。
 ・緑色の照明窓、二つのメーター照明が点灯。指針はオレンジ色に点灯。
 ・名古屋地区のFM放送局の受信確認。
 ・Tメーター中点とSメーター最大点が大幅にズレている。
 ・指針と目盛りは+0.3MHzほどのズレ。
 ・MUTINGレベルはフロントツマミで可変。
 ・STEREOランプは僅かに明滅するのでタマ切れではない。
 ・可変出力VRにガリ。
 ・背面バーアンテナで名古屋地区のAM放送を受信。
 ・Sメーターが大きく振れるのでAMは問題なさそう。

Rt62201Rt62204Rt62205Rt62206Rt62207
Rt62208Rt62209Rt62210Rt62211Rt62212
Rt62215Rt62216Rt62217Rt62218Rt62219

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・木製ボディを開けて内部確認。
 ・ALPS社製FM4連AM3連フロントエンド。
 ・MURATA製セラミックフィルター、レシオ検波。
 ・LA3300 FM Multiplex Stereo Decoder
 ・PLL化される以前の19kHzと38kHzコイルで同調するタイプ

Rt62221Rt62222Rt62223Rt62224Rt62225
Rt62226Rt62227Rt62228Rt62229Rt62230
Rt622301Rt62231Rt62232Rt62233Rt62234
Rt62235Rt62236Rt62237Rt62238Rt62241

■清掃記録-------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルをバラバラに分解し、窓の裏側まで徹底清掃。
 ・ツマミやプッシュスイッチも全部外して洗剤で徹底洗浄。
 ・背面パネルの端子類はピカールで磨き上げました。
 ・ボディには大きなキズはなく、イイ感じに仕上がりました。
 ・光沢あるアルミ製フロントパネルに映える緑色照明窓に惚れ惚れ、、
 ・6.3V/30mAヒューズ型電球×5個、さらにメーター用2個、合計7個でライトアップ。

Rt62212_2Rt62242Rt62243Rt62244Rt62245

■調整記録-------------------------------------------------------------

 ・幸運にもHifi Engineで輸出機用サービスマニュアルを入手。
 ・このサービスマニュアルを参考にして各部再調整。

Rotel_rt622_sche

【FM検波調整】
 ・無信号状態 → T101上段コア調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・76MHz受信 → Lo 調整 → Sメーター最大
 ・90MHz調整 → TCo調整 → Sメーター最大
【FM ANT,RF調整】
 ・76MHz受信 → LA,LR1,LR2調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TCA,TCR1,TCR2調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → T1調整 → Sメーター最大
 ・上記作業を数回繰り返す
【FM検波歪調整】
 ・WaveSpectraにて観測
 ・83MHz受信 → T101下段コア調整 → 高調波歪最小
【FM MPX調整】
 ・83MHz Pilot信号 → L301(黄,黒)調整 → 19kHzレベル最大
 ・83MHz SUB信号 → L301(黄)調整 → Lch出力レベル最大
 ・83MHz L/R信号 → VR301調整 → 左右のセパレーション最大
【FM AUTO調整】
 ・83MHz STEREO信号 → VR101(IF基板)調整 → ※
 ※40dB以上でSTEREO、40dB以下でMONOに切り替わるように。
【FM Sメーター調整】
 ・83MHz 60dB受信 → VR401調整  → 目盛8位置
【AM OSC調整】
 ・600kHz受信 → L202調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信→ CT3 調整 → Sメーター最大
【AM ANT,RF調整】
 ・600kHz受信 → L201,L003(バーアンテナ)調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信→ CT1,CT2 調整 → Sメーター最大
【AM 歪調整】
 ・1000kHz受信 → T201,202調整 → 歪最小

Rt622

■試聴-----------------------------------------------------------------

 ・奇跡的に故障箇所はなかったです。
 ・調整箇所が大きくズレていましたが、再調整で復活しました。
 ・歪率0.1%、セパレーション40dB程度ですが十分使えます。
 ・何といってもこのノスタルジックな外観がステキ♪♪

Rt62211_2

Aurex ST-S07

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 ・2018年11月、他の機種を修理するため部品取り機として入手しました。
 ・Aurexブランドですが、中身はKENWOOD KT-770 のOEM機です。

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Aurex ST-S07 ¥49,800(1983年頃)
 ・オーディオの足跡 TRIO KT-770 ¥49,800(1983年発売)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-770 (1984)

Aurex07

Aurex02Aurex10

■動作確認-------------------------------------------------------------

 ・外観に目立つキズはなく保存状態は良い。
 ・フロントパネルはシンプルな造りです。
 ・電源オン。周波数表示OK。文字痩せなし。
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信しました。
 ・ただし上り方向、下り方向ともに--0.1MHz周波数ズレ。
 ・AM放送は適当なAMループアンテナで名古屋地区の放送局を受信。
 ・AMは特に問題なさそうです。

Aurex01Aurex03Aurex04Aurex05Aurex06
Aurex11Aurex12Aurex13Aurex14Aurex15

■内部確認----------------------------------------------------------

 ・本当にKT-770と一緒ですね。

Aurex20Aurex21Aurex22Aurex23Aurex24
Aurex25Aurex26Aurex27Aurex28Aurex29
Aurex30Aurex31Aurex32Aurex33Aurex35

■調整記録----------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・アンテナ入力なし
 ・フロントエンドR15 DC電圧計セット
 ・76MHz → L7調整 → 7.0V ※実測 7.0V
 ・90MHz → CT5調整 → 23.0V ※実測 23.1V
【FM検波調整】
 ・TP1~TP2 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L10調整 → 0.0V±10mV ※LA1231N クアドラチュア検波調整
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L12調整 → 0.0V±10mV ※PLL検波調整
【RF調整】
 ・LA1231N 13ピン DC電圧計セット → Sメーター電圧
 ・76MHz受信 → L1,L2,L3調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → CT1,CT2,CT3調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・LA1231N 13ピン DC電圧計セット → Sメーター電圧
 ・83MHz受信 → L5,L8調整 → 高調波最小
【歪調整】
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz受信 → VR2調整 → 高調波最小
【MPX VCO調整】
 ・83MHz(無変調) → VR3調整 → ※
 ※STEREOランプが点灯する範囲の中間位置
【PILOTキャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz(ST信号) → VR4,L16調整 → 19kHz信号最小
 ※左右バランスに注意
【SEPARATION調整】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,ST信号)→ VR5調整 → Rch漏れ信号最小
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,ST信号)→ VR6調整 → Lch漏れ信号最小
【AM VT電圧調整】
 ・フロントエンドR15 DC電圧計セット
 ・ 522kHz受信 → T6調整 → 2.5V
 ・1611kHz受信 → TC5調整 → 20.0V
【AM 受信調整】
 ・ 729kHz(NHK第一放送)受信 → L19調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → CT6調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz(CBCラジオ)受信 → L24調整 → Sメーター最大

Aurexsts7

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・シルバーパネルが精悍な印象を醸し出しています。
 ・最後になって「AM IF BAND調整パネル」が取れて無くなっている事に気付きました。
 ・まあ、部品取りだから外観は気にしません。
 ・L10を取り外し KENWOOD L-01Tの L6 として移植。
 ・目論見通りに L-01T が蘇りました。

Aurex091

KENWOOD D-3300T 修理調整記録5

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 ・2019年1月初め、D-3300Tの故障機が届きました。
 ・作業内容をご報告します。

D3300t09

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年発売)

D3300t02D3300t11

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字 1986
 ・アンテナ端子A に同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・表示部は明るく点灯。輝度劣化や文字痩せは感じない。
 ・名古屋の地元FM局を受信しながら点検開始、、
 ・ところがオート選局では局周波数を素通りして受信不可。
 ・RF切換をDISTANCE側に設定しても、、やはり素通りして受信不可。
 ・IF切換(WIDE/NARROW)とも受信不可。
 ・マニュアル受信では Tuneメーターが1列右にズレた位置で放送を受信。
 ・赤色のシグナルバーがフル点灯。
 ・ただしSTEREOランプ点灯しない。
 ・Modulationを示す横バーグラフが点灯しない。
 ・REC CALトーンは動作OK。
 ・FM同調点がズレていることが原因のようです。
 ・L9調整で電圧ゼロにできないとの事ですから修理が必要そうです。

D3300t01D3300t03D3300t04D3300t05D3300t06
D3300t12D3300t13D3300t14D3300t15D3300t16

■修理記録:FM同調点が検出できない-----------------------------------

 ・L9調整 → TP16~TP17間電圧ゼロ
 ・L9コアを奥までねじ込んだ状態で-1.2Vまでしか調整できない。
 ・原因はL9内部コンデンサーの容量抜けか?
 ・作業のために検波基板を取り外す。
 ・対策として基板裏面に温度補償型コンデンサ(22pF)を追加。
 ・これでTP16~TP17間の電圧ゼロ調整OK
 ・後述の各部調整でSTEREOランプ点灯、MODULATIONバー表示OK。
 ・これで修理完了!、、と思ったら、、

D3300t23D3300t45D3300t46D3300t48D3300t49

■修理記録:STEREOランプ点灯しない-----------------------------------

 ・正常受信している状態からオート選局で他局を受信しようとすると、、
 ・不思議なことに局周波数で自動停止しない。
 ・AUTO STOPレベルを調整しても自動停止しない。
 ・マニュアル操作でFM局を受信すると受信できる
 ・ただしSTEREOランプが点灯しない。実際にモノラル音声。
 ・RF切換やIF切換を実行してもSTEREO受信できない。

 ・一度本体の電源オフ。再度電源オン、、しかしSTEREOランプ点灯しない。
 ・ところが、電源コードを抜いてしばらく放置。
 ・その後電源オンにすると、、何事も無かったかのようにSTEREOランプ点灯。
 ・電源投入後数分間はオート選局可能。STEREOランプ正常点灯。
 ・この状態で何も操作しなければ正常動作が続く。
 ・しかし、登録済みの他局をメモリボタンで選ぶとSTEREOランプ点灯しない。

 ・このときFM同調点調整にズレはない。
 ・MPX VCO調整では76kHzの調整OK。
 ・L9にコンデンサを追加すると何か問題が発生するのか?

■修理記録:検波回路基板交換----------------------------------------

 ・そういえばD-3300TとKT-7020の検波回路基板はほぼ同じもの。
 ・試しにKT-7020から取り出して保管していた検波回路基板を移植。
 ・何と!STEREOランプ正常点灯!上記不具合が解消しました!!
 ・オート選局OK、、(ただし0.1MHzのズレあり)
 ・マニュアル選局OK。メモリ選局OK。
 ・この基板は面実装部品が多くて動作中の状態が掴み難いです。
 ・具体的な原因がよく分かりません?
 ・でも検波回路基板交換によって当初の不具合は解消しました。

Kenwood_d3300t_sche1

 ・検波基板を交換するとFM同調点にズレは無いのに±0.1MHzのズレが生じます。
 ・このズレが乗ずることは過去の事例から分かっていました。
 ・対策として AUTO STOP レベルを変更。
 ・試行錯誤の末、以下の抵抗を交換
 ・R212 10kΩ → 470Ω → 成功!

D3300t60D3300t61D3300t62D3300t63D3300t64

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・過去の調整記録に倣って各部再調整しました。
 ・良い性能を示していると思います。

D3300t

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・約1週間に渡って動作確認しましたが、特に問題なさそうです。
 ・新しい発見があって、今回も良い勉強になりました。

D3300t07

TRIO KT-9900 6号機

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 ・2018年1月初め、KT-9900の故障品が届きました。
 ・具合が悪くなったワンオーナー機とのこと。
 ・以下、作業記録です。

Kt990003

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-9900 ¥200,000
 ・オーディオの足跡 TRIO KT-9900 ¥200,000(1978年発売)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-917 ※輸出機

Kt990002Kt990011

■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・フロントパネルやボディに目立つキズは無く外観の状態はとても良い。
 ・底面にはメーカーサービスによる修理歴シールが見当たらない。
 ・電源オン、照明電球点灯、球切れなし。
 ・IF BAND切換インジケーター(緑色LED)点灯OK
 ・周波数ズレなく名古屋地区のFM局受信OK。
 ・SメーターとTメーターの動作OK。
 ・受信と同時にDDLインジケータ点灯しTメーターが中点に引き込まれる。
 ・DDL インジケーター(橙色LED)点灯OK。
 ・MUTING、QUIETING CONTROL インジケーター(橙色LED)点灯OK。
 ・「特に不具合なし、、」と思った瞬間、「ボソッ!」という雑音発生。
 ・不定期に雑音発生し、雑音に同期してDEVIATIONメーターが振り切れる。
 ・さらに雑音と当時にSTEREOインジケーターが点滅して不安定。
 ・固定/可変端子とも同じ雑音が聞こえる。
 ・マルチパスH端子からも同じ雑音が聞こえる。
 ・IF BANDを切り替えても同じ雑音が聞こえる。
 ・MUTINGオン/オフに関わらず同じ雑音が聞こえる。
 ・雑音発生時もTメーターとSメーターは正常動作している
 ・STEREO以外のインジケーターも正常点灯している。
 ・これは過去の修理事例に似ている。

Kt990001Kt990004Kt990005Kt990006Kt990007
Kt990012Kt990013Kt990014Kt990015Kt990016

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・足が真っ黒に変色したICやトランジスタ多数あり。
 ・IC8:HA1137Wによるクアドラチュア検波ではキレイな音声が聞こえる。
 ・マルチパスH端子からは雑音が聞こえる。
 ・ということは、パルスカウント検波基板に異常あり。

Kt990022Kt990030Kt990031Kt990033Kt990034

■修理記録:パルスカウント検波基板 HA1457交換-------------------------

 ・パルスカウント検波基板IC3:HA1457をソケットから抜いて足を確認。
 ・見事に真っ黒に変色しています。
 ・足をキレイに清掃して再セット → 雑音解消しない
 ・IC3 → HA1457W新品交換 → 雑音解消しない

Kt990060Kt990063Kt990064Kt990065Kt990067

■修理記録:パルスカウント検波基板 L6 LPF 交換------------------------

 ・過去の経験から次に怪しいのはL6 LPFか?
 ・過去の修理例に倣って自作LPFに代替 → 正解!雑音解消!
 ・動作確認を続けると、次なる不具合発覚。
 ・WaveSpectraで波形を見ていると、ベースラインが不規則に揺れる症状確認

Kt990071Kt990072Kt990073Kt990075Kt990079

■修理記録:パルスカウント検波基板 トランジスタ交換-------------------

 ・L6直前のトランジスターを1個づつ確認。
 ・Q13:2SA836エミッター電圧が微妙に変動する
 ・Q12,Q13,Q14:2SA836 → 2SA1015交換
 ・WaveSpectraで見る波形の不規則な揺れが無くなった。

Kt990060_2Kt990071_2Kt990062Kt990081Kt990082

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・まともに使える様になったので動作確認を兼ねて調整作業実施。
 ・→調整方法(1号機の記録)
 ・NHK-FMを受信するとFM多重ノイズが発生します。
 ・残念ながら今回もこのノイズを回避できませんでした。

Kt99001

■修理記録:セパレーション調整に難あり--------------------------------

 ・QUIETING CONTROL:STEREO → セパレーション調整OK
 ・QUIETING CONTROL:AUTO → セパレーション大幅低下
 ・QUIETING CONTROLとはいわゆる「オートブレンド機能」です。
 ・電波強度が十分あるにもかかわらずQUIETING CONTROLが作動している状態。

 ・IF基板9ピン(=MPX基板19ピン)電圧測定
 ・QUIETING CONTROL:AUTO
 ・83.0MHz,65dB受信 → 規定値 0.6V → 実測 2.8V
 ・83.0MHz,60dB受信 → 規定値 0.9V → 実測 2.8V
 ・83.0MHz,50dB受信 → 規定値 1.8V → 実測 2.8V
 ・83.0MHz,40dB受信 → 規定値 2.9V → 実測 3.0V
  ※上記規定値は回路図中に記載あり
 ・やはり電波強度に関わらずブレンド量が最大になっています。

Kt990026Kt990031_2Kt990083

 ・IF基板 IC9,IC10 NJM4556 真っ黒に変色した足を清掃。
 ・特に足の付け根部分を歯ブラシと爪楊枝で丹念に清掃。
 ・さらに足の間を安全ピンの先端でガリガリ削る。
 ・これで、、直りました!電圧がほぼ規定値を示します。
 ・他のICやトランジスタも同様の処置をしておきました。
 ・ICやトランジスタの足の黒化現状、ちょっと調べてみます。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・8年前の不調原因は不明ですが、とりあえず復活しました。
 ・大型メーター、淡いオレンジ照明、フロントパネルのデザインは上品ですね。

Kt990010

TRIO KT-8005

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 ・20018年12月初め、KT-8005のジャンク機を入手しました。
 ・サイドウッドの突板が剥がれるなど外装がボロボロの状態です。
 ・何と言っても当時の最上位機、年末年始休暇で整備しました。

Kt800508

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-8005 ¥70,000(1973年頃)
 ・Hifi Engine Kenwood KT-8005 Solid State AM/FM Stereo Tuner (1973-76)

Kt800501_2Kt800510_2

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字「1972」
 ・外装は経年の汚れ、手垢、照明窓の曇り、背面端子のサビ。
 ・特にサイドウッドは突板が剥がれて残念な状態。
 ・75ΩのFMアンテナ端子が特殊形状。
 ・動作確認は300Ω端子にアンテナ接続。
 ・電源オン。周波数窓の照明点灯するが中央右側がやや暗い。
 ・周波数を示す指針がオレンジ色に点灯。
 ・二つのメーター照明点灯。
 ・よく見るとメーター指針の赤色塗装がボロボロ状態。
 ・ステレオランプ以外のインジケーター点灯確認。
 ・名古屋地区のFM局周波数付近でSメーターとTメーターが振れる。
 ・受信しているようだが、MUTINGオンの状態では音が出ない。
 ・これはMUTINGが解除されない状態か。
 ・MUTINGオフにして以下を確認。
 ・名古屋地区のFM局を-0.3MHz程度の周波数ズレで受信OK。
 ・固定/可変端子とも音声出力OK。マルチパスH端子の音声出力OK。
 ・ステレオランプが点灯しない。
 ・背面バーアンテナで名古屋地区のAM局受信確認。
 ・Sメーターが大きく振れてAMは受信OK。

Kt8005100Kt8005101Kt800560Kt800561Kt8005111

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディを開けると高級感を醸し出す黒いシールドケース
 ・上面に調整ポイントが白く印字
 ・シールドケースに覆われていたおかげで基板面はとてもきれい
 ・フロントエンドにFM5連、AM3連バリコン搭載
 ・MURATA製セラミックフィルター×2 → IFアンプ NJM703W×2 → レシオ検波
 ・PLL化される以前のオールドMPX回路

Kt800521Kt800522Kt8005213Kt800524Kt800525
Kt800526Kt800527Kt800528Kt800529Kt800530
Kt800531Kt800532Kt800533Kt800534Kt800535
Kt800536Kt800537Kt800538Kt800539Kt800540
Kt800541Kt800542Kt800543Kt800544Kt800545

 ・調整用VRを軽く回したところ、以下の2個が物理的に壊れてしまいました。
 ・経年劣化で脆くなっていたようです。
  ・IF基板 VR4 MUTING調整用 100kΩ
  ・MPX基板 VR2 STランプ調整用 20kΩ

■修理記録:FMアンテナ端子交換-----------------------------------------

 ・75ΩのFMアンテナ端子が特殊形状。
 ・このままでは作業しづらいのでF型端子に交換。

Kt800552Kt800553Kt800554Kt800556Kt800557

■修理記録:可変抵抗交換----------------------------------------------

 ・不注意で壊してしまったVR2とVR4、手持ち部品を細工して交換。
 ・足のサイズを微妙に調整して設置
  ・IF基板 VR4 MUTING調整用 100kΩ
  ・MPX基板 VR2 STランプ調整用 20kΩ

Kt800583Kt800584Kt800585Kt800592Kt800593

■修理記録:照明窓の電球交換------------------------------------------

 ・フロントパネルを分解清掃
 ・電球は見覚えのある特殊タイプ 8V/0.3A × 4個
 ・4個のうち1個が電球切れ
 ・手持ちのウエッジ球の接触部分を加工してホルダーにセット
 ・美しい照明窓が復活しました

Kt800560_2Kt800561_2Kt800562Kt800571Kt800563

■修理記録:メーター指針再塗装----------------------------------------

 ・メーター指針の赤色塗料が劣化してボロボロの状態。
 ・これでは高級機に相応しくない。
 ・指針再塗装はYAMAHA T-2で何度か経験した作業です。
 ・底面から二つのメーターにアクセス。
 ・位置的に可変出力VRが邪魔なので外して作業する。
 ・メーターを取り出し、透明カバーを外す。
 ・カッター刃の先端で慎重に慎重に古い塗装を剥がす。
 ・慎重に養生して蛍光オレンジ色の塗料を刷毛でひと塗り。
 ・メーターが生き返った感じで大成功。

Kt8005111_2Kt8005112Kt8005115Kt8005116Kt8005117
Kt8005118Kt8005119Kt8005121Kt8005122Kt8005123

■修理記録:細かいパーツ交換------------------------------------------

 ・ヤフオクでサイドウッドの状態が良さそうなKT-6005ジャンク機を入手。
 ・サイドウッド移植。
 ・サビが出ていた背面や底板を固定するネジを交換。
 ・外観の見栄えが格段に良くなりました。

■調整記録------------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・アンテナ入力なし → IF基板 L7上段コア調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・90MHz受信 → CT6調整
 ・76MHz受信 → L8 調整
 ・上記作業を2~3回繰り返す
【FM RF調整】
 ・90MHz受信 → CT1,CT3,CT4,CT5 調整 → Sメーター最大
 ・76MHz受信 → L1,L3,L4,L6 調整 → Sメーター最大
 ・上記作業を2~3回繰り返す
 ・83MHz受信 → フロントエンド L7調整 → Sメーター最大
【FM検波調整】
 ・83MHz受信 → Tメーター中点 かつ Sメーター最大を確認
 ・83MHz受信 → IF基板L7下段調整 → 歪率最小
 ・83MHz受信 → L5調整 → 歪率最小
【MUTING調整】
 ・IF基板12番端子 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → L5調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → L11調整 → 電圧最大
 ・VR4を中央位置にセット → TP4のDC電圧値を確認
 ・VR1調整 → 上記電圧値の約70%にセット
 ・MUTINGスイッチ → 1
 ・83MHz 20dB受信 → VR4調整 → MUTING作動位置へ
【REC OUT出力調整】
 ・RECOUT端子 → AC電圧計セット
 ・83MHz(100%変調、70dB)受信 → VR2調整 → AC1.5V
【Sメーター調整】
 ・IF基板16番端子 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → L18調整 → 電圧最大(Sメーター振れ最大)
 ・83MHz受信 → VR3調整 → Sメーター振れ具合調整
【38kHz調整】
 ・D1(D2)カソード → 電圧計セット
 ・83MHz(ST信号)受信 → L1,L2,L5調整 → 電圧最大
 ・83MHz(SUB信号)受信 → L3,L4調整 → Lchレベル最大
【セパレーション調整】
 ・83MHz(ST)受信 → VR1調整 → 左右分離度最適位置へ
【マルチパスメーター調整】
 ・MULTIPATHスイッチON
 ・MPX基板 17番端子 → オシロスコープ接続
 ・MPX基板 C50(-)端子 WaveGene接続 38kHz(1mV)注入
 ・アンテナ入力なし → L12,L13調整 → 波形最大
 ・VR5中央へ
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz → L17
 ・1600kHz → CT9
【AM RF調整】
 ・ 600kHz → バーアンテナ、L15調整 → Sメーター最大
 ・1600kHz → CT7,CT8調整 → Sメーター最大
 ・1000kHz → L16 Sメーター最大
【AM Sメーター】
 ・VR6 AM Sメーター調整

Kt8005

■修理記録:MPX回路部品交換-------------------------------------------

 ・WaveSpectraで見る波形の揺らぎが調整過程で気になりました。
 ・マルチパスH端子からの波形は正常。
 ・ところが固定/可変端子からの波形が揺れる。
 ・対策としてMPX回路の以下の部品を交換。
  ・Q3 2SC871 → 2SC1815
  ・Q4 2SC870 → 2SC1815
  ・Q5,6,7,8,9 2SC711 → 2SC1815
  ・Q10 2SC1213 → 2SC1815
   ※トランジスタ足の配置に注意
  ・C14 3.3uF/50V → 3.3uF/50V
  ・C16 47uF/6.3V → 47uF/35V
  ・C17 2.2uF/25V → 2.2uF/50V
  ・C18 2.2uF/25V → 2.2uF/50V
  ・C19 0.1uF/25V → 0.1uF/50V
  ・C20 0.1uF/25V → 0.1uF/50V
 ・これで波形の揺らぎが治まりました。

Kt8005140

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・部品交換後に再度調整して作業完了。
 ・1972年の製品とは思えない!

Kt800509

■修理記録:バリコンシャフトの回転が異常に重くなって、、--------------

 ・作業から1週間ほどたった頃、選局つまみの回転が急激に固くなってきました。
 ・過去の経験から、このまま使い続けると完全に固着しそうです。
 ・対策はバリコンシャフトを分解して注油が必要。
 ・この機種はフライホイールごと後ろに引き抜くタイプでした。
 ・前面のストッパーを外して後ろに引き抜く。
 ・シャフトに機械油を薄く塗布して再セット。
 ・シャフトが固着する異常も最近多いです。

Kt8005132Kt8005134Kt8005133Kt8005135Kt8005136

Victor FX-711 修理調整記録3

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■祝! NHK-FM 50周年

 ・1969年3月1日 NHK-FM 本放送開始
 ・FMエアチェックファンとしては感慨深い記念日です。
 ・ありがとう、NHK-FM。
  →特設サイト 50th YEAR NHK-FM

--------------------------------------

 ・2019年1月末、FX-711の修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Fx71102

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 VICTOR FX-711 ¥49,800(1987年頃)
 ・オーディオ懐古録 Victor FX-711 ¥49,800
 ・Hifi Engine JVC FX-1100
 ・FX-711 取扱説明書 PDF形式

Fx71101Fx71111

■動作確認-------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字 1986
 ・フロントパネルは特に角部に塗装はげ。
 ・ボディは擦り傷多数、外装状態はあまり良くない。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示部は輝度劣化や文字欠けは見当たらない。
 ・オートサーチで名古屋地区のFM局周波数で停止する。
 ・ただし音が出てこない。STEREOランプ点灯しない
 ・シグナルレベルは60~70dBを表示するので受信はしている模様。
 ・受信モード AUTO → MONO に変更すると音が聞こえる。
 ・AUTO MEMORY :76~90MHz間でFM局を探して自動的にメモリ登録する機能 正常
 ・REC CALトーン聞こえる
 ・AM オートサーチで名古屋地区のAM局受信OK
 ・問題は受信モードAUTOで受信できないこと STEREOランプ点灯しないこと
 ・FM同調点がズレているか?MUTINGレベルがおかしいか??

Fx71103Fx71104Fx71105Fx71106Fx71107
Fx71108Fx71109Fx71113Fx71114Fx71115

■内部確認-------------------------------------------------------------

Fx71121Fx71122Fx71123Fx71124Fx71125
Fx71126Fx71127Fx71128Fx71129Fx71130
Fx71131Fx71132Fx71133Fx71134Fx71135
Fx71136Fx71137Fx71138Fx71139Fx71140

■調整記録-------------------------------------------------------------

 ・RF MODE=DX
 ・IF BAND=WIDE
 ・MUTING=OFF
●FM部
【VT電圧】
 ・TP101 DC電圧計セット
 ・受信周波数 76MHz → L151調整 → 7.5V±0.1V ※実測7.3V
 ・受信周波数 90MHz → TC105調整 → 22.0V±0.1V ※実測21.5V
 ・上記作業を数回繰り返す
【RFトラッキング調整】
 ・VR602 → 電圧計セット ※Sメーター電圧測定
 ・76MHz 40dB → L103,L104,L105,L106調整 → 電圧最大
 ・90MHz 40dB → TC101,TC102,TC103,TC104調整 → 電圧最大
 ・上記作業を数回繰り返す
【IFT調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 40dB → T101調整 → 電圧最大
【PLL検波 VCO調整】
 ・TP104 周波数カウンタ接続
 ・受信バンド切替 → AM
 ・何も受信しない状態 → T208粗調整 → 10.7MHz±0.01MHz
 ・何も受信しない状態 → T208微調整 → 10.7MHz±0.01MHz
 ・受信バンド切替 → FMに戻す
【FM dB表示調整】
 ・83MHz 70dB → VR602調整 → 表示74dB
 ・83MHz 30dB → VR601調整 → 表示24dB
 ・上記作業を数回繰り返す
【モノラル歪調整:WIDE】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → T204(黒)調整 → モノラル歪最小
【ステレオ歪調整:WIDE】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → T202(黒)調整 → ステレオ歪最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【ステレオ歪調整:NARROW】
 ・IF BAND=NARROW
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → T201(黒)調整 → ステレオ歪最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【FM同調点調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・TP103 DC電圧計セット
 ・83MHz 70dB → T206調整 → 0V±1.5mV
【MUTINGレベル調整】
 ・MUTING=ON
 ・83MHz 20dB → VR604調整 → MUTING作動確認
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → VR401調整 → Lchもれ最小
 ・83MHz 70dB → VR402調整 → Rchもれ最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → VR403調整 → 19kHzもれ最小
 ・左右chのバランスに注意
【REC CAL調整】
 ・83MHz 70dB → 通常受信で出力レベル記録
 ・83MHz 70dB → VR404調整 → 上記記録-6dBに設定
 ・TONE 495Hz
●AM部
【VT電圧】
 ・TP102 DC電圧計セット
 ・受信周波数 522kHz → L302調整 → 1.8V±0.1V 実測1.8V
 ・受信周波数1629kHz → TC302調整 → 22.0V±0.1V 実測19.1V
 ・上記作業を数回繰り返す
【トラッキング調整】
 ・VR603 → 電圧計セット ※Sメーター電圧測定
 ・ 729kHz(NHK第一)受信 → L301調整 → 電圧最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC301調整 → 電圧最大
 ・上記作業を数回繰り返す
【AM dB表示調整】
 ・999kHz 90dB送信 → VR603調整 → ※AMのdB値は適当

Fx711algn

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・故障個所無し、不調原因はFM同調点のズレでした。
 ・上記調整作業でオート受信できるようになりました。
 ・FM/AMとも正常動作しています。

Fx71110

KENWOOD KT-6050

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 ・2019年2月初め、KT-6050の修理調整作業を承りました。
 ・KT-6040の後継機という位置付けらしいです。

Kt605010

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-6050 ¥45,000(1993年頃)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-6050 AM/FM Stereo Tuner (1993-95)

Kt605002Kt605012

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字1994。
 ・ボディ全体に細かい擦り傷と経年の汚れ。
 ・底面に点検口が無い。これは残念。
 ・A/B 2系統のF型FMアンテナ端子。
 ・電源オン。表示部点灯。文字は小さめだが、輝度劣化や欠けは無い。
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信。周波数ズレなし。
 ・STEREOランプ点灯。実際のステレオ感あり。
 ・RF ATT切替OK、IF BAND切替OK、
 ・選局ツマミの回転に対する反応が良くない。逆方向にオート選局始める場合有。
 ・REC CALトーンOK、メモリボタンへの登録作業OK。

Kt605003Kt605005Kt605006Kt605008Kt605009
Kt605014Kt605015Kt605016Kt605017Kt605018

 ・手持ちの適当なAMループアンテナで受信テスト。
 ・オート選局で名古屋地区のAM局を受信。
 ・特にCBCラジオ(1053kHz)を受信したら STEREOランプ点灯!
 ・おお!これは貴重な AM STEREO対応機だ!
 ・いまだAM STEREO放送を続けているCBCラジオも稀少な放送局です。
 ・FM/AMとも基本動作はできているようです。

Kt605020

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FMフロントエンド=5連バリキャップ
 ・LA1267:FM/AM Tuner
 ・LA3450:PLL FM MPX
 ・MC13022A:AM STEREO DECODER

Kt605021Kt605022Kt605023Kt605024Kt605025
Kt605026Kt605027Kt605028Kt605029Kt605030
Kt605031Kt605032Kt605033Kt605034Kt605035
Kt605036Kt605037Kt605038Kt605039Kt605040
Kt605041Kt605042Kt605043Kt605044Kt605045

Kenwood_kt6050_104

■調整記録----------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・アンテナ入力なし
 ・TP6~TP7 → DC電圧計セット
 ・76MHz → L42調整 →  3.0V±0.1V ※実測  2.9V
 ・90MHz → TC1調整 → 25.0V±0.2V ※実測 24.7V
【FM同調点調整】クアドラチュア検波
 ・TP1~TP2 → DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L35調整 → 0.0V±30mV ※実測+3.1V
【PLL検波調整】
 ・TP4~TP5 → DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L37調整 → 0.0V±15mV
【RF調整】
 ・VR17 → DC電圧計セット → Sメーター電圧
 ・83MHz受信 → L6,L7,L9,L11,L15調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・VR17 → DC電圧計セット → Sメーター電圧
 ・83MHz受信 → L15,L40調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
 ・83MHz(1kHz,ST信号,20dB)→ VR 1調整 → dB表示=20dB、最下段セグメント点灯
 ・83MHz(1kHz,ST信号,70dB)→ VR17調整 → dB表示=70dB、最上段セグメント点灯
【歪調整1 WIDE MONO】
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR6調整 → 歪率最小
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR5調整 → 歪率最小(2nd)
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR9調整 → 歪率最小(3rd)
【歪調整2 NARROW MONO】
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小(2nd)
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR4調整 → 歪率最小(3rd)
【歪調整3 WIDE STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR12調整 → 歪率最小
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR 8調整 → 歪率最小
【歪調整4 NARROW STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR11調整 → 歪率最小
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR10調整 → 歪率最小
【PILOTキャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz(ST信号) → VR16調整 → 19kHz信号最小
 ※左右バランスに注意
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・83MHz(1kHz,ST信号)→ VR14調整 → Rch漏れ信号最小
 ・83MHz(1kHz,ST信号)→ VR15調整 → Lch漏れ信号最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・83MHz(1kHz,ST信号)→ VR13調整 → 反対ch漏れ信号最小
【AM VT電圧調整】
 ・TP6~TP7 → DC電圧計セット
 ・1602kHz受信 → L33(赤)調整 → 14.0V ※実測13.8V
 ・ 531kHz受信 → 2.5V ※確認のみ 2.4V
【AM 受信調整】
 ・999kHz受信 → L33(黒)調整 → シグナルメーター最大
【AM AUTO STOP調整】
 ・999kHz 20dB受信 → VR2調整 → dB表示=20dB、最下段セグメント点灯

Kt6050

Kt6050432

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・曲線デザインのフロントパネルが1990年代の製品らしい印象です。
 ・補完放送が始まったのでAMステレオ放送はもはや用済みですね。
 ・CBCラジオはいつまで続けてくれるのでしょう。
 ・もしかしたら受信機の方が先に姿を消すかも?

Kt605000


Victor FX-711 修理調整記録4

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 ・2019年2月末、FX-711の修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Fx71108

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 VICTOR FX-711 ¥49,800(1987年頃)
 ・オーディオ懐古録 Victor FX-711 ¥49,800
 ・Hifi Engine JVC FX-1100
 ・FX-711 取扱説明書 PDF形式

Fx71102Fx71114

■動作確認-------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字 1991
 ・フロントパネル、ボディとも目立つキズはない。。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示部は輝度劣化や文字欠けは見当たらない。
 ・オートサーチで名古屋地区のFM局周波数を素通りする。
 ・受信モード AUTO → MONO に変更すると受信可。
 ・ただし受信感度が極めて低い。
 ・REC CALトーンOK。
 ・AM オートサーチで名古屋地区のAM局受信OK
 ・問題は受信モードAUTOで受信できないこと。
 ・FMの受信感度低下と同調点がズレているか?

Fx71103Fx71104Fx71105Fx71106Fx71107
Fx71115Fx71110Fx71111Fx71112Fx71113

■内部確認-------------------------------------------------------------

Fx71120Fx71121Fx71122Fx71123Fx71124
Fx71125Fx71126Fx71127Fx71128Fx71129
Fx71130Fx71131Fx71132Fx71133Fx71140

■調整記録-------------------------------------------------------------
●FM部
【VT電圧】
 ・TP101 DC電圧計セット
 ・受信周波数 76MHz → L151調整 → 7.5V±0.1V ※実測7.1V
 ・受信周波数 90MHz → TC105調整 → 22.0V±0.1V ※実測19.5V
 ・上記作業を数回繰り返す
【RFトラッキング調整】
 ・VR602 → 電圧計セット ※Sメーター電圧測定
 ・76MHz 40dB → L103,L104,L105,L106調整 → 電圧最大
 ・90MHz 40dB → TC101,TC102,TC103,TC104調整 → 電圧最大
 ・上記作業を数回繰り返す
【IFT調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 40dB → T101調整 → 電圧最大
【PLL検波 VCO調整】
 ・TP104 周波数カウンタ接続
 ・受信バンド切替 → AM
 ・何も受信しない状態 → T208粗調整 → 10.7MHz±0.01MHz
 ・何も受信しない状態 → T208微調整 → 10.7MHz±0.01MHz
 ・受信バンド切替 → FMに戻す
【FM dB表示調整】
 ・83MHz 70dB → VR602調整 → 表示74dB
 ・83MHz 30dB → VR601調整 → 表示24dB
 ・上記作業を数回繰り返す
【モノラル歪調整:WIDE】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → T204(黒)調整 → モノラル歪最小
【ステレオ歪調整:WIDE】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → T202(黒)調整 → ステレオ歪最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【ステレオ歪調整:NARROW】
 ・IF BAND=NARROW
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → T201(黒)調整 → ステレオ歪最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【FM同調点調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・TP103 DC電圧計セット
 ・83MHz 70dB → T206調整 → 0V±1.5mV
【MUTINGレベル調整】
 ・MUTING=ON
 ・83MHz 20dB → VR604調整 → MUTING作動確認
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → VR401調整 → Lchもれ最小
 ・83MHz 70dB → VR402調整 → Rchもれ最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → VR403調整 → 19kHzもれ最小
 ・左右chのバランスに注意
【REC CAL調整】
 ・83MHz 70dB → 通常受信で出力レベル記録
 ・83MHz 70dB → VR404調整 → 上記記録-6dBに設定
 ・TONE 460Hz
●AM部
【VT電圧】
 ・TP102 DC電圧計セット
 ・受信周波数 522kHz → L302調整 → 1.8V±0.1V 実測1.7V
 ・受信周波数1629kHz → TC302調整 → 22.0V±0.1V 実測18.5V
 ・上記作業を数回繰り返す
【トラッキング調整】
 ・VR603 → 電圧計セット ※Sメーター電圧測定
 ・ 729kHz(NHK第一)受信 → L301調整 → 電圧最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC301調整 → 電圧最大
 ・上記作業を数回繰り返す
【AM dB表示調整】
 ・999kHz 90dB送信 → VR603調整 → ※AMのdB値は適当

Fx711algn

 ※VT電圧がちょっと低め。
 ※TC101~104の調整がピシッと決まらない。
 ※受信感度は大幅改善されたが、受信感度(dB表示)が安定しない。

■修理記録:トリマコンデンサ交換--------------------------------------

 ・トリマコンデンサTC101~104が劣化してる模様。
 ・TC101~TC105(10pF)5個 新品交換。
 ・VT電圧調整、RF調整をやり直したところ感度が大幅アップして安定。
 ・その他調整項目もすべてやり直しました。
 ・ついでにAMのTC301,TC302(20pF)2個も交換。

Fx71142Fx71145Fx71144Fx71147Fx71148

Fx71151

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・不調原因はトリマコンデンサ劣化とFM同調点のズレでした。
 ・上記調整作業でオート受信できるようになりました。
 ・FM/AMとも正常動作しています。

Fx71109

LUXMAN T-530 修理調整記録2

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2019年3月19日、ココログリニューアルに伴って大混乱していました。
スタイルが崩れる、画像が表示されない、管理画面にも入れないなど散々でした。
記事投稿の仕様も大幅変更されてサイズを変えた画像投稿が面倒になりました。
そのうちに慣れると思いますが、しばらく悪戦苦闘しそうです、、、
--------------------------------------------------------------------
 ・2019年2月、T-530の修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。
T53009_1
■製品情報-----------------------------------------------------------
 ・オーディオ懐古録 LUXMAN T-530 / FREQUENCY SYNTHESIZD AM/FM STEREO TUNER
 ・オーディオの足跡 LUXMAN T-530 ¥78,000(1982年6月発売)
 ・Hifi Engine Luxman T-530 / Synthesized AM/FM Stereo Tuner (1982-87)
T53006T53005T53004T53003T53008


■動作確認------------------------------------------------------------
 ・フロントパネルはほぼ無傷、でも木製ボディのキズが目立つ。
 ・電源オン、フロントパネルの照明点灯。
 ・透明パネル内側にたまったホコリがちょっと気になる。
 ・周波数表示は十分に明るく文字痩せなし。
 ・FM受信周波数帯76.1MHz~89.9MHz
 ・名古屋地区のFM局周波数を選択してもSメーターが全く点灯しない。
 ・もちろん音も出ない。
 ・muting off(mono)にしても変化なし。
 ・これは完全に故障か、、と思っていたら、、
 ・突然Sメーターがフル点灯状態で不規則に明滅を始める。
 ・同時にSTEREOランプも同じタイミングで明滅する。
 ・しばらく放置すると明滅が治まってフル点灯状態になる。
 ・STEREOランプ点灯して正常受信状態になる。
 ・ステレオ音声で他の名古屋地区放送局を受信できます。
 ・これは不思議な症状です。
 ・手持ちのAMループアンテナでAM受信確認。
 ・AM受信周波数522kHz~1611kHz
 ・AMは大丈夫みたいです。名古屋地区のAM局をすべて受信OK
 ・電源オン時の挙動がおかしいのか?電源回路の問題か?
 ・翌日、作業部屋に設置し直して再び電源オン、動作確認の続きです。
 ・電源投入直後からSメーターが点灯して受信OKです。でも、、
 ・FM/AMとも「ブーン」という大きなハム音が聞こえる。
 ・経験的にアース不良のような感じです。
 ・何故か昨日とは全く異なる症状?
■内部確認------------------------------------------------------------
 ・木製ボディを開けて内部確認。
 ・基板上にホコリなどなくキレイな状態です。
 ・目視では不良が疑われる部品は無さそう。
 ・ハンダ面を確認するため底板を外そうとボディを裏返したところ、、、
 ・ボディ内部から金属製ワッシャー2個が転がり出てきました!
 ・これは、、ピンッ! と来ました。
 ・T-530はフロントパネルとシャーシの隙間を埋めるためにワッシャーを挟んでいます。
 ・たぶんこのワッシャーが基板上に落ちていたに違いない!
T53052T53051T53053T53055T53056
 ・清掃を兼ねてフロントパネルを外してみると、、
 ・上部3カ所のネジのうち、2カ所のワッシャーが無くなっていました。
 ・予想通りボディから転がり出てきたワッシャーと同じものです。
 ・ワッシャーが出てきた後、再度動作確認したところ、FM/AMとも正常動作です。
 ・最初に確認した不思議な不具合は全く発生しません。
 ・一連の不調原因は、金属製ワッシャーが基板上を転がっていたことだと思います。
 ・本体を動かすたびにワッシャーがあちこちの部品に接触していたみたいです。
 ・電源回路がショートしなかったのは奇跡的かも?
 ・火災などの重大事故にならなくて良かったです。
■C.A.T.システム / Computer Analized Tuning System--------------------
T530042
 ・受信状態に応じてコンピューターが4つの機能を自動切替し最適組合せを実現する機能。
 ・通常は C.A.T.ボタンは押さない状態(インジケータ点灯)で使用。
 ・C.A.T.ボタンを押した状態(インジケータ消灯)でC.A.T.システムオフ。
 ・C.A.T.システムオフのとき4つの機能は手動で個別選択できる。
【Antenna Attenuator】アンテナアッテネーター
 ・6連バリコン相当の6バラクター構成により強電界における妨害排除能力を高める機能
 ・スイッチオンによ4連フロントエンドパックに加えてアンテナ側2連が起動する。
 ・強い電波の近接局がある場合に有効
【IF Selector】IF帯域切替
 ・Wide(400kHz)とNarrow(300kHz)の2段切替機能
【C.S. Filter】アンチバーディーフィルター
 ・不要な高域成分をカットし隣接局からの妨害波によるビート障害を排除する機能
  ※おまけ「C.S.」の意味は?
  ・サービスマニュアルに「C.S.Filter(Anti-Birdie Filter)」と記載あります。
  ・LUXMANカタログに「Anti-Birdie Filter (Clean Sound Filter) 」と記載あり。
  ・つまり、C.S.Filter=アンチバーディーフィルター=Clean Sound Filter
【High Blend】ハイブレンド
 ・受信強度に応じてステレオセパレーションを調整する機能
■調整記録------------------------------------------------------------
●FM部
 ・C.A.T.オフ、Mutingオフ
【FM同調点調整】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・83MHz mono 1kHz 100%変調 60dB → L103(IC側)調整 → 電圧ゼロ
【FM同調点調整】
 ・音声出力にWaveSpectar接続
 ・83MHz mono 1kHz 100%変調 60dB → L103(逆側)調整 → 歪最小
【VCO調整】
 ・TP5 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 60dB → VR104調整 → 19kHz±10Hz
【セパレーション調整】
 ・Mutingオン
 ・音声出力にWaveSpectar接続
 ・83MHz stereo 1kHz 100%変調 60dB → VR105調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・フロントエンドユニット内IFT調整→ ステレオ歪最小
 ・上記作業を数回繰り返す
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・Mutingオン
 ・音声出力にWaveSpectar接続
 ・83MHz stereo 1kHz 100%変調 60dB → F106,F107(黒)調整 → 漏れ信号最小
【ミューティング調整】
 ・Mutingオン
 ・83MHz mono 1kHz 20dB → VR102調整 → 音が出る位置に
【Sメーター調整】
 ・83MHz mono 1kHz 50dB → VR101調整 → SメーターLED全灯
【テストトーン調整】
 ・音声出力にWaveSpectar接続
 ・83MHz mono 1kHz 50dB → OUTPUTレベル記録
 ・test tone オン → VR301調整 → 上記レベル-6dB ※実測474kHz
【フロントエンド調整】
 ・C.A.T.オフ、Antenna att.オン
 ・LA1235 13ピンにDC電圧計セット →Sメーター電圧
 ・76.1MHz mono 1kHz 50dB → L101,L102,※L103,L104,L105調整 → Sメーター最大
 ・89.9MHz mono 1kHz 50dB → CT101,CT102,CT103,CT104,CT105調整 → Sメーター最大
 ・上記作業を数回繰り返す。
  ※L103,L104,L105の調整は難しいので触らない方が無難。
  ※C.A.T.オフ、Antenna att.オンにしないとアンテナ側2段が動作しない。
●AM部
【VT電圧】
 ・TP1 DC電圧計セット
 ・受信周波数 603kHz → L107調整 → 2V
 ・受信周波数1404kHz → CT104調整 → 7V
【RF調整】
 ・603kHz 1kHz 30%変調 → L104調整 → Sメータ最大
 ・1404kHz1kHz 30%変調 → CT103調整 → Sメーター最大
【IF調整】
 ・1053kHz CBCラジオを聴きながら L105,L106調整 → 歪感最小
【Sメーター調整】
 ・1053kHz CBCラジオを聴きながら VR103調整 → SメーターLED
T530
■試聴----------------------------------------------------------------
 ・幸いにも故障個所は無かったです。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・内部を弄るときは細心の注意が必要、改めて実感しました。
T53010

KENWOOD KT-1100D 修理調整記録6

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 ・KT-1100Dは長くエアチェックに使った思い入れのある機種です。
 ・2019年2月、そのKT-1100Dの故障機を寄贈していただきました。
 ・誠にありがとうございます。
Kt1100d03

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・左前脚破損、ボディには目立つキズ、塗装はげもあって状態は良くない。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示管点灯。文字欠けは無いがAM周波数千の位だけが妙に明るい。
 ・つまり常用部分は輝度劣化しているということ。
 ・オート選局では放送局周波数で自動停止しない。
 ・マニュアル選局ならモノラル音声で受信OK。
 ・Tメーター、Sメーターのセグメント点灯。
 ・WIDE/NARROW切替OK。REC CAL OK。メモリボタン動作OK。
 ・手持ちの適当なAMループアンテナでAM放送の受信確認。
 ・AM放送はオート選局、マニュアル選局とも正常に受信。
 ・電源プラグを抜いてから7日後でもメモリ保持していました。

Kt1100d06 Kt1100d05 Kt1100d04 Kt1100d07_1 Kt1100d08
Kt1100d12 Kt1100d13 Kt1100d14 Kt1100d15 Kt1100d16

■内部確認------------------------------------------------------------

Kt1100d21 Kt1100d22 Kt1100d23 Kt1100d24 Kt1100d25
Kt1100d26 Kt1100d29 Kt1100d30 Kt1100d31 Kt1100d32

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V ※実測 3.3V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V ※実測25.7V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V±10mV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L15調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・R67左側 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L10調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【SIGNAL METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR3調整 → ※
  ※バーグラフの点灯レベル調整
【MPX VCO調整】
 ・TP14に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR4調整 → 19.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ L25調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR3:DET調整 → 歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR4:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR5調整 → 歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz.80dB)→ VR2調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz(R信号,1kHz,80dB)→ VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz,80dB)→ VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR1調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz(mono信号,1kHz,100%変調)→ 本体左側小基板VR4調整 → 100%位置
【AM簡易調整】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・531kHz → L20調整 → 実測 2.8V 確認のみ
 ・1602kHz→ TC2調整 → 実測21.2V 確認のみ
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → Sメーター最大

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・特に故障箇所は無かったです。
 ・上記再調整でオート選局も正常動作するようになりました。
 ・検波基板はD-3300Tと同一なので部品取り用に保管します。
 ・ありがとうございました。
Kt1100d09

  ※ココログの新しい記事投稿方法に悪戦苦闘しています、、

Technics ST-9030T 修理調整記録5

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 ・2019年3月初め、30Tの故障機が届きました。
 ・ガンメタフェイスとオレンジ照明の組み合わせが美しい機種です。
 ・以下、作業記録です。


St9030t07_1

■製品情報------------------------------------------------------------
 ・オーディオの足跡 Technics ST-9030T ¥80,000(1977年頃)
 ・hifiengine Technics ST-9030 FM Stereo Tuner (1977-81)


■動作確認------------------------------------------------------------
 ・フロントパネル上部、特に角部に塗装はげが目立つ。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓と二つのメーターがオレンジ照明点灯。
 ・選局つまみのガタツキが気になる。
 ・選局するとTメーター中点とSメーター最大点がほぼ一致。
 ・メーター動作を見るとFM放送を正常に受信している模様。
 ・wideモードのランプが点灯しない。タマ切れか narrowモードになっているのか?
 ・muting 動作OK。固定端子/可変端子とも音声OK。
 ・ただし、同調できる範囲がとても狭い、というかほとんどピンポイント。
 ・僅かにズレるだけでSTEREOランプ消灯。
 ・そしてmuting作動して音が出なくなる。
 ・同調以外の問題点はLchから常時バリバリノイズが聞こえること。
 ・Rchはノイズなし。マルチパスH端子(MPX OUT)音声もノイズなし。
 ・FM同調点ズレ、MPX回路以降の回路要調査。
 ・シリアルナンバーAJ6K22A016 → 1976年11月22日製造。



















St9030t01 St9030t03 St9030t04 St9030t05 St9030t06
St9030t10 St9030t11 St9030t12 St9030t13 St9030t14

■修理記録:選局つまみのガタツキ--------------------------------------


 ・選局つまみを回すとき「ガタツキ」が気になります。
 ・つまみが前後に数ミリ動く状態です。
 ・シャフトに固定するイモネジが緩んでいる訳ではない。
 ・清掃を兼ねてフロントパネルを分解して取付部を確認すると、
 ・何と「E型止め輪」が外れて内側に落ちていました。
 ・止め輪が自然に外れるなんて、あっていいのでしょうか?
 ・とにかく再度取り付けてガタツキは解消しました。










St9030t31 St9030t32 St9030t33

■修理記録:トランジスタなど交換--------------------------------------


 ・まずは調整手順に従って各部調整してみました。
 ・「TP302とTP303を短絡するとスイッチ状態に関わらず強制narrowとなる」
 ・この調整過程で新たな発見あり。
 ・最初に確認したLchのノイズは強制narrowモード時でのみ発生する。
 ・wideモードではノイズは発生しない、、これは重要なヒントです。
 ・回路図を見ながら不具合箇所を検討。
  ・IC701:NJM4558DS → NJM4558D 交換 ※外れ、ノイズ解消しない
  ・TR502:2SK30A → 2SK246 交換   ※当たり! ノイズ解消しました
 ・TR502:2SK30A (Hi-Blend Switch)が劣化してノイズを発していたようです。
 ・そういえば過去の30T修理事例でも 2SK30A が故障原因でした。
 ・この際すべての 2SK30A を 2SK246 に交換。
  ・T307,308 (IF Switch)
  ・TR310,311 (Separation Switch)
  ・TR417 (AF Muting Switch)
 ・ついでに IC501:NJM4558DS も NJM4558D に交換しておきました。



















St9030t41 St9030t42 St9030t43 St9030t44 St9030t45
St9030t46 St9030t47 St9030t48 St9030t49 St9030t51

■調整記録------------------------------------------------------------


【本体設定】
 ・MPX hi-blend=off
 ・Servo tuning=off
 ・IF selector=auto
 ・TP302とTP303を短絡するとスイッチ状態に関わらず強制narrowとなる
【レシオ検波調整1】
 ・入力信号なし
 ・TP201~GND DC電圧計セット → T201(narrow緑)調整 → 電圧ゼロ
 ・TP101~GND DC電圧計セット → T102(wide緑)調整 → 電圧ゼロ
【OSC調整】
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG76MHz → L8調整 → Sメーター最大
 ・SSG90MHz → CT8調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG76MHz → L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7調整 → Sメーター最大
 ・SSG90MHz → CT1,CT2,CT3,CT4,CT5,CT6,CT7調整 → Sメーター最大
 ・SSG83MHz → T1調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整2】
 ・入力信号なし
 ・TP101~GND DC電圧計セット → T102(wide緑)調整 → 電圧ゼロ
 ・TP201~GND DC電圧計セット → T201(narrow緑)調整 → 電圧ゼロ
【出力レベル調整】wide
 ・IF selector=wide
 ・音声出力端子にAC電圧計セット
 ・SSG83MHz 400Hz 100% → VR504調整 → 1.4v
【モノラル歪調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・IF selector=wide
 ・SSG83MHz 1kHz 100% → T102(wide赤)調整 → 歪最小
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG83MHz 1kHz 100%変調 → T201(wide赤)調整 → 歪最小
【出力レベル調整】narrow
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・音声出力端子にAC電圧計セット
 ・SSG83MHz 400Hz 100% → VR503調整 → 1.4v
【ミューティング調整】
 ・Servo tuning=auto
 ・TP102~GND DC電圧計セット
 ・SSG83MHz 1kHz → T202,T203調整 → 電圧最大
 ・SSG83MHz 1kHz 60dB → VR402調整 → 同調を外したとき局間ノイズが消える位置へ
 ・SSG83MHz 1kHz 20dB → VR401調整 → ミューティング作動位置へ
【Sメーター調整】
 ・SSG83MHz 1kHz 100% → VR501調整 → Sメーター指針
【VCO調整】
 ・TP601 周波数カウンタ接続
 ・SSG83MHz無変調 → VR602調整 → 19kHz±30Hz
【左右レベル調整】
 ・SSG83MHz 1kHz ST変調 → VR702調整 → 左右chのレベルを同じ
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・SSG83MHz 1kHz ST変調 → VR601,L601,L602調整 → パイロット信号(19kHz)最小
【サブキャリアキャンセル調整】
 ・SSG83MHz 1kHz ST変調 → CT701調整 → サブキャリア信号(38kHz)最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR701調整 → 漏れ信号最小
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR703調整 → 漏れ信号最小
【ハイブレンド調整】
 ・音声出力端子にAC電圧計セット
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR502調整 → 左右レベルを確認
 ・MPX high-blend=on
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR502調整 → 左右レベル同一
【Auto IF セレクター調整】
 ・TP101 200kHz正弦波注入
 ・TP301 オシロスコープ接続 → T302調整 → 200kHz波形最大
 ・TP101 300kHz正弦波注入
 ・TP301 オシロスコープ接続 → T301調整 → 300kHz波形最大
 ・上記作業を数回繰り返す


St9030t00_1

■試聴----------------------------------------------------------------


 ・30Tで使われている 2SK30A はそろそろ寿命を迎えているようです。
 ・製造から既に40年超、良く頑張ったと褒めてあげましょう。
 ・交換部品は同等品として 2SK246 が使えます。
 ・Technics製ガンメタボディとオレンジ照明の組み合わせが最高です。


St9030t08_1

※ココログの新しい記事投稿方法に悪戦苦闘しています。
※今回記事の奇妙なデザインは、htmlタグが思うように反映されないせいです、、、

SONY ST-S333ESG 修理調整記録5

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 ・2019年3月初め、333ESGの故障機が届きました。
 ・以下、作業記録です。
333esg09_1


■製品情報------------------------------------------------------------
 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESG ¥49,800(1989年発売)
 ・1987年10月発行「SONY ES テクノロジーカタログ」
 ・Hifi Manuals ST-S333ESG 海外版サービスマニュアル


333esg02_1333esg12

■動作確認------------------------------------------------------------
 ・電源コードの印字 1989。サイドウッドが無いのが残念。
 ・ボディ外観は目立つキズは無いが、経年による汚れが目立つ。
 ・フロントパネルの文字が一部消えている。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示部点灯。文字欠けや輝度劣化は感じられない。
 ・IF BANDやRF切替などボタン操作に応じてインジケーター点灯OK。
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信するとすべて素通りして受信不可。
 ・上り方向、下り方向ともにオート選局不可。
 ・マニュアル受信でモノラルなら受信OK。
 ・ただ受信感度が弱く、Sメーターが下から2~3セグメント点灯する程度。
 ・続いて手持ちのAMループアンテナを接続して名古屋地区のAM局をテスト受信。
 ・AMはオート選局で名古屋地区のAM放送局を受信OK。
 ・FM受信感度がかなり低下しているようです。

333esg03_1333esg04_1333esg05_1333esg06_1333esg07_1
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■内部確認------------------------------------------------------------
 ・ボディを開けたら、、、
 ・過去最高レベルに匹敵する大量のホコリが堆積。
 ・まずは掃除機でホコリを吸い取り、さらにエアーで吹き飛ばす。
 ・概ね綺麗になったところで内部確認再開。
 ・MPX IC:CX1064



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■修理記録:FM同調点--------------------------------------------------
【FM同調点調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・IC251(LA1235)7pin~10pin間電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ ※調整前後の実測+5.0V



333esg26333esg51333esg52333esg53333esg54

 ・FM同調点を確認したところ、IFT251を回しても電圧=5.0V で全く変化しない。
 ・IFT251内蔵コンデンサーが完全に容量抜けしているようです。
 ・中途半端に劣化しているより、完全容量抜けの方がむしろ対策しやすいです。
 ・IFT251横にある R258 に温度補償型コンデンサを並列挿入して仮設定。
 ・試行錯誤の結果、15pFの容量がちょうど良さそうでした。
 ・本対策として基板裏面に15pFを直接追加して修理完了。
 ・IFT251調整で電圧ゼロに設定。
333esgift251


■修理記録:ハンダ修正------------------------------------------------
 ・特にアースバーと音声出力端子にハンダ割れ多数確認。
 ・333シリーズ定番の不具合箇所です。
 ・不良個所のハンダを盛り直してクラック修正。



333esg41333esg42333esg43333esg44333esg45

■調整記録------------------------------------------------------------
【FM同調点調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・IC251(LA1235)7pin~10pin間電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ ※上記修理によりOK
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内JW8 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測21.3V
 ・76MHz → 確認のみ → 8.0V±1.0V ※調整前実測 7.9V
【トラッキング調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103 → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・TP201を短絡 ※これによってIF回路をパス
 ・TP271 電圧計セット
 ・IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測348mV
 ・CT271調整 → 歪最小 ※Wavespectraにて波形確認
 ・TP201を開放
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力40dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 → 電圧最大
 ・SSG出力40dBステレオ信号送信
  ・IFT202調整 → 電圧最大
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
 ・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
 ・SSG出力80dBモノラル信号送信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・SSG83MHz 出力20dB
 ・RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
 ・IF BAND = WIDE
  ・MUTING = ON
  ・SSG83MHz 出力25dB
  ・RV252調整 → MUTING調整
【IF NARROWゲイン調整】
 ・IF BAND = NARROW
  ・RV203調整 → NARROWゲイン調整
【Sメーター調整】
 ・RV241調整
【パイロットキャンセル】
 ・RV303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RV301 R→L ※調整後実測64dB
 ・RV302 L→R ※調整後実測68dB
【CAL TONE】
 ・Peak Level-6dB 398Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RV401 Sメーター調整
 ・RV402 AUTOSTOP調整


333esg

■試聴---------------------------------------------------------------
 ・FM同調点以外も各調整ポイントが大きく外れていていました。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・サイドウッドを調達したいですね。
333esg10_1


 ※今回も無用の改行が勝手に入ってしまいます。まだ悪戦苦闘中、、

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