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KENWOOD KT-3030 修理調整記録

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 ・2018年5月末、KT-3030の調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Kt303009

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-3030 ¥120,000(1984年頃)
 ・オーディオ懐古録 KENWOOD KT-3030 ¥120,000
 ・KENWOODカタログ(1985年1月版) KT-3030 / KT-2020 / KT-1010II / KT-880
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-1100SD FM Stereo Tuner (1984)

Kt303001Kt303012

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・名古屋地区のFM放送局はすべて受信OK。周波数ズレなし。
 ・SIGNALメーター点灯。Tメーター動作OK。
 ・DEVIATIONメーター点灯。STEREOランプ点灯。
 ・RF SELECTOR DIRECT/DISTANCE切替OK。
 ・IF BAND 切替スライドVRに伴ってWide/Narrow表示切替OK。
 ・MUTING動作OK、REC CALトーンOK。
 ・固定/可変出力とも出音確認。可変VRにガリ無し。
 ・マルチパスH端子からもFM音声確認。
 ・メモリ登録動作OK。
 ・電源プラグを抜いて1週間後もメモリ保持していました。

Kt303003Kt303004Kt303005Kt303006Kt303008
Kt303002Kt303011Kt303013Kt303014Kt303007

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・電源部の電解コンデンサーがオーディオグレード品に交換済みでした。

Kt303020Kt303021Kt303022Kt303023Kt303024
Kt303025Kt303026Kt303027Kt303028Kt303029
Kt303030Kt303031Kt303032Kt303033Kt303034
Kt303035Kt303036Kt303037Kt303038Kt303039

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・輸出機KT-1100SDのサービスマニュアルをベースにして一部アレンジ。
 ・IF BAND スイッチ記号:(左端)N2 ← N1 ← (中央) → W2 → W1(右端)

【本体設定】
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
 ・IF BAND:W1(右端位置)
【VT電圧】
 ・TP1~TP2 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz →  L6調整 → 3.0V ※実測 2.7V
 ・90MHz → TC6調整 →24.0V ※実測22.5V
【検波調整】
 ・TP7~TP8 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → L21調整 → 0.0V ※実測420mV
【RF調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・76MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1~L5調整 → 電圧最大
 ・90MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ TC1~TC5調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L11,L12調整 → 電圧最大
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→L14,L18調整 → 電圧最大
【MPX VCO調整】
 ・TP9に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR12調整 → 76.0kHz
【PILOT CANCEL調整1】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dB)→ VR11調整 → 19kHz信号最小
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dB)→ L26 調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ L28調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DET】
 ・83MHz(MONO信号,400Hz,100%変調,80dB)→ VR1調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR2調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR4調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO/L】
 ・83MHz(L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR3調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO/SUB】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR5調整 → 歪率最小
【歪調整6 STEREO/MAIN】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR6調整 → 歪率最小
【歪調整7 STEREO/L】
 ・83MHz(L信号,10kHz,90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整8 W2】
 ・IF BAND=W2
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR8調整 → 歪率最小
【歪調整9 N1】
 ・IF BAND=N1
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR9調整 → 歪率最小
【歪調整10 N2】
 ・IF BAND=N2
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR10調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 W1】Super Wide
 ・IF BAND=W1
 ・83MHz(R信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR13調整 → Lchもれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR14調整 → Rchもれ最小
【SEPARATION調整2 W2】Wide
 ・IF BAND=W2
 ・83MHz(R/L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR15調整 → もれ最小
【SEPARATION調整3 N1】Narrow
 ・IF BAND=N1
 ・83MHz(R/L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR16調整 → もれ最小
【SEPARATION調整4 N2】Super Narrow
 ・IF BAND=N2
 ・83MHz(R/L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR17調整 → もれ最小
【SIGNAL METER調整】
 ・83MHz(無変調,70dB)→ VR18調整 → 7番目のドット(最上段)点灯
【TUNING METER調整】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz100%変調)→ 2階基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MODULATION METER調整】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz100%変調)→ 2階基板VR1調整 → ※
  ※MODURATIONメーター100%位置で点灯

Kt1100sd_sche_s

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・故障個所は無かったです。
 ・特にセパレーション値が大幅に改善しました。
 ・受信感度は抜群に良好です。
 ・通常時はRF=DISTANCE。
 ・電波が強すぎる場合はRF=DIRECT。
 ・通常時 IF BAND= WIDE側(右端)。
 ・近接局の影響がある場合は順次NARROW側へ調整。

Kt303010


SONY ST-S333ESG 修理調整記録4

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 ・2018年6月初め、ST-S333ESGの調整作業を承りました。
 ・同調点がズレているみたいです。
 ・以下、作業記録です。

333esg03

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESG ¥49,800(1989年発売)
 ・1987年10月発行「SONY ES テクノロジーカタログ」
 ・Hifi Manuals ST-S333ESG 海外版サービスマニュアル

333esg02333esg13

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観はかなり綺麗な個体。
 ・フロントパネルや天板に目立つキズは無くサイドウッドも光沢あり。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示部点灯。文字欠けや輝度劣化は感じられない。
 ・IF BANDやRF切替などボタン操作に応じてインジケーター点灯OK。
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信すると+0.1MHzの周波数で受信。
 ・上り方向、下り方向ともに+0.1MHzの周波数ズレ。
 ・ズレた周波数でSTEREOランプ点灯、Sメーターも点灯。
 ・続いて手持ちのAMループアンテナを接続して名古屋地区のAM局をテスト受信。
 ・AMはオート選局で名古屋地区のAM放送局を受信OK。
 ・FM同調点が調整ズレを起こしています。

333esg05333esg06333esg07333esg08333esg09
333esg10333esg11333esg12333esg15333esg16

■内部確認------------------------------------------------------------

333esg20333esg21333esg22333esg23333esg24
333esg25333esg26333esg27333esg28333esg29
333esg30333esg31333esg32333esg33333esg34
333esg35333esg36333esg37333esg38333esg39

■調整記録------------------------------------------------------------

333esg

【FM同調点調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・IC251(LA1235)7pin~10pin間電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測685mV
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内JW8 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測21.6V
 ・76MHz → 確認のみ →  8.0V±1.0V ※調整前実測 8.1V
【トラッキング調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103  → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・TP201を短絡 ※これによってIF回路をパス
 ・TP271 電圧計セット
 ・IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測218mV
 ・CT271調整 → 歪最小 ※Wavespectraにて波形確認
 ・TP201を開放
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力40dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 → 電圧最大
 ・SSG出力40dBステレオ信号送信
  ・IFT202調整 → 電圧最大
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
 ・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
 ・SSG出力80dBモノラル信号送信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・SSG83MHz 出力20dB
 ・RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
 ・IF BAND = WIDE
  ・MUTING = ON
  ・SSG83MHz 出力25dB
  ・RV252調整 → MUTING調整
【IF NARROWゲイン調整】
 ・IF BAND = NARROW
  ・RV203調整 → NARROWゲイン調整
【Sメーター調整】
 ・RV241調整
【パイロットキャンセル】
 ・RV303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RV301 R→L ※調整後実測64dB
 ・RV302 L→R ※調整後実測68dB
【CAL TONE】
 ・Peak Level-4dB 407Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RV401 Sメーター調整
 ・RV402 AUTOSTOP調整

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・やはりFM同調点が大きく外れていていました。
 ・再調整によってオート選局時で正常動作します。
 ・それにしても30年前の製品とは思えないですね。

333esg04

TRIO KT-9900 4号機 再修理記録

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 ・2017年8月にパルスカウント検波回路を修理したKT-9900 4号機です。
 ・わずか10カ月でバリバリノイズが再発したとご連絡をいただきました。
 ・以下、再修理記録です。

Kt990001

■前回記録------------------------------------------------------------

 ・TRIO KT-9900 4号機 修理調整記録 2017年8月13日

■動作確認------------------------------------------------------------

<ご指摘の症状>
 ・快調に使っていたが、急にバリバリノイズが混入するようになった。
 ・可変出力、固定出力ともに同じノイズが聞こえる。
 ・マルチパスH端子(DET OUT)からも同じノイズが聞こえる。
 ・ノイズ発生時もTメーターとSメーターの動き方は正常。
 ・IFバンド切替(narrow/normal/wide)ともに同じノイズが聞こえる。
 ・MUTINGオン/オフでも同じノイズが聞こえる。

<確認事項>
 ・ご指摘の症状を確認しました。
 ・周波数窓の照明点灯。メーター照明点灯。
 ・オレンジ色のインジケーターLED点灯。
 ・緑色のIFバンド表示も点灯。
 ・照明やインジケータ類はすべて点灯。
 ・STEREOランプ点灯。タマ切れなし。
 ・受信と同時にDDLインジケータ点灯しTメーターが中点に引き込まれる。
 ・TメーターとSメーターの動作は正常。
 ・前回同様にノイズ源はパルスカウント検波回路にありそう。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM放送受信中のパルスカウント検波回路で実地検証。
 ・電圧確認:7番端子(-18V)→ -18.5V ※異常なし
 ・電圧確認:8番端子(+18V)→ +18.6V ※異常なし
 ・電圧確認:9番端子(+22.5V)→ +23.2V ※異常なし
 ・前回修理で自作したL6(LPF)の前後で音出し確認。
 ・確認ポイントにICクリップを引っ掛けて音声を確認。
 ・パルスカウント検波基板 R35=L6(LPF)前 → ※異常なし
 ・パルスカウント検波基板 R36=L6(LPF)後 → ※異常なし

Kt917schematic

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・こうなるとノイズ源はIC3(HA1457)。
 ・IC3(HA1457) を取り外してみると足が真っ黒に変色している。
 ・手持ち部品 HA1457W に交換 → 当たり!!
 ・ノイズが消えて綺麗な音が聞こえてきました。

Kt990050Kt990051Kt990054Kt990055Kt990056

 ・実は本機以外でもHA1457がノイズ源となっていた経験が多々あります。
 ・足に付着した黒い(サビ?スス?カビ?)が短絡要因になっているようです。
 ・KT-9900の基板を見渡すとあちこちにHA1457があります。
 ・念のため端子付け根の黒い物体をブラシで清掃しておきました。

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・まともに使える様になったので動作確認を兼ねて一通り調整作業実施。
  ・→調整方法
 ・調整ズレはほとんど無かったです。
 ・セパレーションを僅かに微調整して作業完了しました。

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・1978年製、製造からすでに40年も経過していることになります。
 ・いまだに現役で使えること自体が凄いことですね。

Kt990007

Technics ST-8080

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 ・2018年6月末、テクニクス製ST-8080、通称80Tの修理調整を承りました。
 ・ガンメタボディにオレンジ照明が映える逸品です。
 ・以下、作業記録です。

St808011

■製品情報-------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 / Technics ST-8080(80T) ¥50,000(1977年頃)
 ・Hifi Engine / Technics ST-8080 AM/FM Stereo Tuner (1976-79)

St808002St808004

■動作確認-------------------------------------------------------------

 ・シリアリナンバー:FA6L20C147 → 1976年12月20日製造
 ・ボディには擦り傷、打ち傷が多数あってちょっと残念な状態。
 ・75Ω同軸ケーブル接続端子がF型でない点が残念。
 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓にオレンジ照明が灯ってイイ感じ。電球切れなし。
 ・名古屋地区のFM放送を受信してみると、+0.2MHzズレた位置で受信。
 ・Tメーター中点とSメーター最大点が一致しない。
 ・メーター指針の動き方に滑らかさが無い。
 ・指針の移動に伴って「バリバリッ」という雑音が混入する。
 ・STEREOランプが点灯しない。実際のステレオ感も無い。
 ・背面バーアンテナで名古屋地区のAM放送局受信を試みる。
 ・ところがAM放送はまったく受信しない。Sメーター動かない。
 ・AMは故障かと思ったらMUTINGオフにすると909kHz(NHK第二)だけ受信できる。
 ・AM放送でもMUTING回路が効くみたい、でもSメーターはほとんど動かない。

St808005St808006St808007St808008St808009
St808003St808012St808013St808014St808015

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・FM4連、AM2連バリコン搭載フロントエンド → CFフィルタ×4
 ・AN217:FM 2 Steps IF Amplifire & AM Converter
 ・AN377:FM IF Amplifier & Detector
 ・AN363:FM Mutiplex PLL Demodulator
 ・輸出機のサービスマニュアルにICブロック図が掲載されていました。

217363An377

 ・VR101:Muting Level Adj.
 ・VR102:FM Meter Adj.
 ・VR301:19kHz OSC Adj. (VCO)
 ・VR302:19kHz Level Adj. (Pilot Cancel)
 ・VR401:Recording Check Signal Level Adj. (REC CAL)
 ・T101:FM Discri IFT
 ・T201:AM IFT(1st)
 ・T202:AM IFT(2nd)
 ・L202:AM OSC Coil
 ・L301:19kHz Phase Adj. (Pilot Cancel)
 ・TP1:AM IF input point
 ・TP2:FM output point
 ・TP101:FM IF output point
 ・TP201:AM output point
 ・TP301:FM composit signal output point
 ・TP302:19kHz output point

St808020St808021St808022St808023St808024
St808025St808026St808027St808028St808029
St808030St808031St808032St808033St808034
St808035St808036St808037St808038St808039

■修理記録:AMの不調原因-------------------------------------------------

 ・IC201:AN217 / FM 2 Steps IF Amplifire & AM Converter
 ・AM用IC201:AN217-15ピン(AM OSC) → 周波数カウンタ確認 → 発振周波数正常
 ・AM用IC201:AN217-15ピン(AM  IF) → 周波数カウンタ確認 → 周波数安定しない?
 ・AN217ブロック図を見るとIC内のミキサー回路の故障、またはT201の故障か?
 ・交換用のAN217を探しましたが見つかりません。
 ・そこで回路図を頼りにAN217搭載機種を探してみました。
 ・Technics ST-7300II、ST-8044、ST-8077、ST-8075、ST-8080など
 ・たぶん同じT201も載っているはず。
 ・捜索を始めたところ近所のリサイクルショップでST-7300IIを発見。
 ・動作未確認の品でしたが、幸いFM/AMとも正常動作確認。
 ・このST-7300IIのAN217をST-8080へ移植。
 ・これによってAM放送も正常に受信するようになりました。

St808040St808041St808042St808043St808044

■調整記録-------------------------------------------------------------

 ・海外版サービスマニュアルに基づいて各部調整しました。

St8080

【レシオ検波調整】
 ・アンテナ入力なし
 ・T101(赤)調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・76MHz受信 → L5 調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → CT4調整 → Sメーター最大
【FM RF調整】
 ・76MHz受信 → L1,L2,L3調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → CT1,CT2,CT3調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → T1調整 → Sメーター最大
【検波歪調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz受信 → T101(緑)調整 → 高調波歪最小
【Sメーター振れ調整】
 ・83MHz受信 → VR102調整 → Sメーター振れ調整
【ミューティング調整】
 ・83MHz 20dB → VR101調整 → ミューティング作動
【VCO調整】
 ・TP302 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → VR301調整 → 19kHz±30Hz
【ステレオ歪調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → フロントエンドT1調整 → 高調波歪最小
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → VR302,L301調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chバランス注意
【サブキャリアキャンセル調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → CT401調整 → 38kHz信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → VR402調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → VR401調整 → -6dB(※363Hz)
【AM OSC調整】
 ・600kHz → L202調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → CT202調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・600kHz → L201(バーアンテナ内)調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → CT201調整 → Sメーター最大
【AM IFT調整】
 ・1000kHz → T201,T202調整 → Sメーター最大

■試聴-----------------------------------------------------------------

 ・この時期のテクニクス製品はガンメタ+オレンジ照明がイイですね。
 ・40年も経過した製品とは思えないです。
 ・状態の良いジャンク品があれば外装だけ交換すると良いです。

St808010

SONY ST-5070

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 ・2018年6月末、昭和の香り漂うオールドチューナーが届きました。
 ・初体験機種なので興味津々、、

Sony_st507003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-5070 ¥39,800(1975年頃)
 ・SONYカタログ 1974年1月版 / ST-5000F,ST-5130,ST-5140,ST-5150,ST-5055A,ST-5066
 ・SONYカタログ 1974年5月版 / ST-5000F,ST-5130,ST-5150D,ST-5070,ST-5090

Sony_st507002Sony_st507012

 ・ST-5000F 105,000円
 ・ST-5130  73,800円
 ・ST-5150D 49,800円
 ・ST-5070  39,800円
 ・ST-5090  34,800円

 ・当時のカタログ日付から推定すると1974年5月発売。
 ・ST-5055Aの後継機という位置づけ、ST-5150Dとは同級生。
 ・型番を見ると上位機に思えるST-5090はST-5070の弟機。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字:1974
 ・ボディに目立つキズ無し。フロントパネルは驚くほどキレイな状態。
 ・電源レバー、選局ツマミ、プッシュボタン、背面端子などピカピカです!
 ・300Ω端子にアンテナを接続して電源オン
 ・緑色の照明窓とオレンジ色の指針が浮かび上がる。電球切れなし。
 ・照明窓内側もキレイに清掃済みのようです。
 ・+0.2MHzほどの周波数ズレがあるものの名古屋地区のFM局をすべて受信。
 ・Sメーターが大きく振れ、STEREOランプ点灯。
 ・MUTING動作正常。Hi-BLEND効果はよく分からない。
 ・AMは背面アンテナを接続しなくても名古屋地区のAM放送受信OK。
 ・ボディ内部にバーアンテナを内蔵しているのか?

Sony_st507004Sony_st507005Sony_st507006Sony_st507007Sony_st507009
Sony_st507011Sony_st507010Sony_st507014Sony_st507015Sony_st507016

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディ内部にAMバーアンテナ内蔵
 ・FM3連、AM3連フロントエンド → CFフィルタ×2 → レシオ検波
 ・IC201:CX0411 (IF Amp)
 ・IC301:CX0431 (MPX Decoder)
 ・T201:Muting trans.
 ・T301:38kHz trans.
 ・RT201:FM meter level adj.
 ・RT301:Separation adj.
 ・RT302:FM level adj. Lch
 ・RT303:FM level adj. Rch
 ・L408:AM OSC coil
 ・L405:AM RF coil
 ・基板の見た目はST-5150を簡略化した感じです。

Sony_st507021Sony_st507023Sony_st507024Sony_st507025Sony_st507026
Sony_st507027Sony_st507028Sony_st507029Sony_st507030Sony_st507031
Sony_st507032Sony_st507033Sony_st507034Sony_st507035Sony_st507036

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・輸出機ST-5055Lのサービスマニュアルを入手し、ST-5070と比較しました。
 ・両機のFM/AM回路はほとんど同じでした。

Sony_st5055l_schematic

Sony_st507000

【FM OSC調整】
 ・指針90MHz位置 → 90MHz → CT103調整 → Sメーター最大
 ・指針76MHz位置 → 76MHz →  L103調整 → Sメーター最大
【FM トラッキング調整】
 ・90MHz受信 → CT101,CT102調整 → Sメーター最大
 ・76MHz受信 → L101,L102調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → IFT101調整 → Sメーター最大
【MUTINGトランス調整】
 ・D207カソード側 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → T201調整 → 電圧最大
【Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → RT201調整 → Sメーター振れ具合調整
【セパレーション調整】
 ・83MHz SUB信号受信 → T301調整 → Lchレベル最大
 ・RT301調整 → セパレーション調整
【FM出力レベル調整】
 ・83MHz MONO受信 → 左右chレベル記録
 ・83MHz STEREO受信 → RT302/RT303調整 → 左右レベルを揃える
【AM OSC調整】
 ・指針1400kHz位置 → 1400kHz → CT303調整 → Sメーター最大
 ・指針 600kHz位置 →  600kHz → L408調整 → Sメーター最大
【AM トラッキング調整】
 ・1400kHz → CT302,301調整 → Sメーター最大
 ・ 600kHz → L405調整 → Sメーター最大

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・故障個所は無かったです。
 ・再調整によりFM/AMとも違和感なく使える様になりました。
 ・緑色に浮かび上がる照明窓がとてもイイ感じです。

Sony_st507008

YAMAHA T-750

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 ・2018年6月末、YAMAHA製シンセチューナ T-750 が届きました。
 ・初体験機種なので楽しみです。

Yamaha_t75011

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-750 ¥39,800(1983年発売)

Yamaha_t75003Yamaha_t75004

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ボディに多少の擦り傷、経年の汚れが染みついた感じ。
 ・75ΩのFMアンテナ端子が特殊形状で接続しにくい。
 ・電源を入れてみると赤色周波数表示、メモリボタンも赤色表示。
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信する。
 ・ただ -0.1MHzズレた位置で受信することがある。
 ・ステレオランプ点灯しない。実際のステレオ感が無い。
 ・Sメーターは2段階の緑色LED表示。2段階ではちょっと物足りない
 ・REC CALトーンOK。ノイズフィルタースイッチの効果が不明。
 ・付属ループアンテナで名古屋地区のAM局を受信。

Yamaha_t75005Yamaha_t75006Yamaha_t75007Yamaha_t75008Yamaha_t75009
Yamaha_t75001Yamaha_t75010Yamaha_t75013Yamaha_t75014Yamaha_t75015

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・小さなFMフロントエンドユニット
 ・3連バリキャップ → CF → IFアンプ → レシオ検波
 ・IC105:LA3380
 ・登録したメモリ内容を1週間保持していました。

Yamaha_t75020Yamaha_t75021Yamaha_t75022Yamaha_t75024Yamaha_t75025
Yamaha_t75026Yamaha_t75027Yamaha_t75028Yamaha_t75029Yamaha_t75030
Yamaha_t75031Yamaha_t75032Yamaha_t75033Yamaha_t75034Yamaha_t75035

■調整記録------------------------------------------------------------

T750

【VT電圧確認】
 ・フロントエンドユニット背面のVT端子 → 電圧計セット
 ・90MHz → 21.6V ※確認のみ
 ・76MHz →  2.5V ※確認のみ
【フロントエンド調整】
 ・TR151-B → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz受信 → L1,L2調整 → 電圧最大 ※実際の調整は難しい
 ・90MHz受信 → TC1調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → IFT調整 → 電圧最大
【レシオ検波調整】
 ・T.M.~NVCC → 電圧計セット ※Tメーター電圧
 ・83MHz受信 → T104調整 → 電圧ゼロ
 ・83MHz受信 → VC101調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・VR104 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz ST信号受信 → VR104調整 → 76kHz
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・83MHz ST信号受信 → VR103調整 → 19kHz漏れ信号最小
【ステレオ歪調整】
 ・83MHz ST信号受信 → フロントエンドIFT調整 → 高調波歪最小
【セパレーション調整】
 ・83MHz ST信号受信 → VR101調整 → Rch信号最小
 ・83MHz ST信号受信 → VR102調整 → Lch信号最小
【IF OFFSET調整】
 ・基板上の印字 F.FINE 間をダイオードを介して接続 ※写真参照
 ・83.0MHz受信 → 周波数表示 83.0 → 29.9、30.0、30.1 と表示される
 ・VR105調整 → 30.0 安定するよう調整
【AM調整】
 ・TR151-B → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・630kHz受信 → T101調整 → 電圧最大
 ・1440kHz受信 → VC102調整 → 電圧最大
 ・1080kHz受信 → T103調整 → 電圧最大
【REC CAL】
 ・調整不可のため確認のみ、301Hz/-6dBの信号が出ていました。

Yamaha_t75037

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・薄型ブラックボディに赤色表示が精悍な印象です。
 ・ただSメーターが緑色LEDで2灯式なのがちょっと物足りない?

Yamaha_t75012

YAMAHA T-2 修理調整記録2

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 ・2018年7月初め、YAMAHA T-2の修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

T208

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-2 \130,000
 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-2 \130,000(1978年頃)
 ・Hifi Engine YAMAHA T-2 / Analogue FM Stereo Tuner (1978-83)

T202T212_2

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観に目立つキズは無く、状態はなかなか良いです。
 ・電源スイッチオン。指針とメーター照明点灯。
 ・残念なことはメーター指針の塗装がボロボロ。
 ・Tメーター中点とSメーター最大点が一致しない。
 ・赤く光るダイヤル指針とデジタル周波数表示はほぼ一致。
 ・名古屋地区のFM局を受信。
 ・固定出力、可変出力とも正常。
 ・マルチパスH端子からも受信音が聴こえる。
 ・IFバンド切替、MUTING動作、REC CALなど問題なさそう。

T203T204T205T206T209
T211T213T214T215T216

■内部確認------------------------------------------------------------

T220T221T222T223T224
T225T226T227T228T229
T230T231T232T233T234

■修理記録:メーター指針再塗装----------------------------------------

 ・塗装ボロボロの指針は定価130,000円の機種に相応しくない。
 ・という事でメーターを分解して指針を再塗装しました。
 ・ボロボロ塗料片はカッターナイフの先端で軽く触れるだけで剥がれます。
 ・今回はホビー用の水性蛍光塗料(オレンジ色)で慎重に塗布しました。
 ・よく見ると塗りムラがあるのですが遠目では分からないです。

T240T243T244T245T246
T247T248T249T250T251

T252

■調整記録------------------------------------------------------------

【機能設定】
 ・フロントパネルスイッチ設定
 ・RF MODE=HI SENSITIVITY
 ・IF MODE=LOCAL
 ・AUTO BLEND=OFF
【同調点調整】
 ・SSGより10.7MHz注入 → T201上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・指針を83MHzにセット
 ・83MHz 変調オフ 70dB → フロントエンド OSCトリマ調整
【トラッキング調整】
 ・76MHz mono 1kHz 50dB → RFコイル調整 → Sメーター最大
 ・90MHz mono 1kHz 50dB → RFトリマ調整 → Sメーター最大
【検波歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz mono 1kHz 60dB → T201下段コア調整 → 歪み最小
 ・83MHz mono 1kHz 60dB → VR203調整 → 歪み最小
【VCO調整】
 ・TP 19kHz に周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 60dB → VR204調整 → 19kHz±20Hz
【PLL調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz L-R 60dB → T202調整 → Lch音声レベル最大
【ステレオ歪調整1】
 ・IF MODE=LOCAL
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR201,CF201調整 → 歪み最小
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR202,CF204調整 → 歪み最小
【ステレオ歪調整2】
 ・IF MODE=DX
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → CF202,CF203調整 → Sメーター最大、歪み最小
【パイロットキャンセル歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR205,T203調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → 別基板VR402調整 → セパレーション調整
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → 別基板VR401調整 → 左右同レベル
【Sメーター調整】
 ・83MHz 無変調 80dB → VR206調整 → Sメーター振れ調整
【REC CAL調整】
 ・REC CALスイッチオン → Tメーターが中点を示すことを確認

T2align

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・重厚な薄型ボディ、赤いデジタル表示、高級感漂う機種です。
 ・蛍光オレンジを塗ったメーター指針の視認性がとても良いです。
 ・イイ感じに仕上がったと思います。

T210

YAMAHA T-5D/E

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 ・2018年7月初め、故障機を寄贈していただきました。
 ・外観はまずまずの美品ですが、背面を見ると音声コード直出しタイプです。
 ・今までHOジャンクコーナーで何度か見たことがある機種です。
 ・でもいかにも安物っぽいのでずっとスルーしてきました。
 ・今回初めて内部を見る機会をいただきました。

T5d06

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-5D ¥34,800(1981年頃)
 ・Hifi Engine Yamaha T-560 AM/FM Stereo Tuner (1981-82)

T5d02T5d10

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ボディは光沢があって外観はとても綺麗な状態。
 ・フロントパネルも目立つキズはない。
 ・FMアンテナはPAL端子。PAL-F変換プラグを介して同軸ケーブルを接続。
 ・電源オン。周波数スケールが緑色に浮かび上がってイイ感じ。
 ・指針はTメーター一体型で左右の緑色LEDが同調状態を示す。
 ・LED型のSメーターが大きく点灯するが、Tメーターは同調を示さない。
 ・FM音声は出てこない。STEREOランプ点灯しない。
 ・MUTINGオフにすると局間ノイズに埋もれてモノラル受信可能。
 ・FMは同調点がかなりズレているようです。
 ・AMは名古屋地区の放送局をすべて受信OK。

T5d01T5d03T5d04T5d05T5d07
T5d09T5d11T5d12T5d13T5d14

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM3連、AM2連バリコン搭載フロントエンド → レシオ検波 → NFB-PLL MPX
 ・IC103:LA3381 PLL MPX
 ・IC104:IG-03210(LA2400?)
 ・パイロット信号キャンセル、左右独立セパレーション調整
 ・安価な入門幾かと思ったら、意外にしっかりした回路構成でした。
 ・性能的にはT-5とほぼ同等と思います。
 ・DX/LOCAL切替なし、IF BAND切替なし、チューニングロック機構なし、可変出力なし。
 ・音声コード直出しで意図的にチープ感を演出する戦略だったか?

T5d20T5d21T5d22T5d23T5d24
T5d25T5d26T5d27T5d28T5d29
T5d30T5d31T5d32T5d33

■修理記録:電解コンデンサー総交換------------------------------------

 ・足が腐食している電解コンデンサ―多数あり、というかほぼすべて。
 ・足の金属部に粉を吹いたような、YAMAHA製機種でよく見る症状です。
 ・安価な部品を使っているのか??
 ・気になったので調整前に全数交換しておきました。

T5d40T5d41T5d42T5d43T5d44

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・輸出機T-560(外観はT5Dにそっくり!)のサービスマニュアルを入手。
 ・本機と比較したところ、ほぼ同等機種と判明。
 ・以下T-560の調整要領を参考に各部調整してみました。

Yamaha_t560_sche

【FM同調点仮調整】
 ・基板上TP TM~NVCC間 → 電圧計セット ※Tメーター電圧
 ・83MHz受信 → Sメーター最大点灯位置を探す
 ・T103調整 → 電圧ゼロ ※指針両端の緑色LED点灯状態
【FMフロントエンド調整】
 ・基板上TP TM~NVCC間 → 電圧計セット ※Tメーター電圧
 ・L5がボンド固定調整不可 → TC3のみ調整
 ・83MHz受信 → 指針83MHz位置 → TC3調整 → 電圧ゼロ
 ・83MHz受信 → TCA,TCR調整 → Sメーター最大
 ※注意:フロントエンド内部にある黒トリマはAM調整用
【FM同調点再調整】
 ・基板上TP TM~NVCC間 → 電圧計セット ※Tメーター電圧
 ・83MHz受信 → Sメーター最大点灯位置を確認
 ・VC102調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・TP 19M~FB間を1MΩ抵抗を介して接続
 ・TP 19K → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz ST信号受信 → VR102調整 → 19kHz
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・83MHz ST信号受信 → VR101調整 → 漏れ信号最小
【ステレオ歪調整】
 ・83MHz ST信号受信 → VC101,T102調整 → 高調波歪最小
【セパレーション調整】
 ・83MHz ST信号受信 → VR103調整 → 漏れ信号最小
 ・83MHz ST信号受信 → VR104調整 → 漏れ信号最小
【Sメーター点灯調整】
 ・83MHz受信 → VR105調整 → Sメーター最大点灯位置調整
【AM調整】
 ・ 600kHz → T105,T104調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → TC2,TC1調整 → Sメーター最大
 ・1000kHz → T106調整
【REC CAL】
・調整不可ですが 331Hz/-3.5dBの信号が出ていました。

Yamaha_t5d

■修理記録:ハンダクラック修正---------------------------------------

 ・ステレオランプの点灯状態が不安定です。
 ・VCO調整やセパレーション調整は正常に完了しましたが、、
 ・本体を持ち上げたり、軽くショックを与えるとステレオランプが消灯。
 ・再度の軽いショックでまた点灯・・
 ・どこかにハンダクラックがあって接触不良を起こしている感じです。
 ・底板を外して基板裏面を点検するも目視では不良個所は見当たらず。
 ・フロントパネル側のステレオインジケーターLED基板に不良個所がありました。
 ・ここのハンダを修正したところ安定点灯するようになりました。

T5d50T5d51T5d52T5d53T5d54

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・製品ラインナップの中では最安入門機の位置付けと思います。
 ・特に音声コードが背面から直接出ていると「チープ感」が増幅します。
 ・でも今回は内部を見て意外にしっかりした構成でちょっと驚きました。
 ・外見だけで判断してはいけませんね、、反省。

T5d08


DENON TU-850 修理調整記録3

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 ・2018年7月末、巨艦TU-850の修理調整を承りました。
 ・以下、作業の記録です。

Tu85003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 DENON TU-850 ¥70,000円(1977年発売)
 ・Hifi Engine DENON TU-850 FM Stereo Tuner (1978-79)
 ・DENON TU-850 取扱説明書 (日本語版)

Tu85002_2Tu85015_3

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルに目立つキズは無く、状態はかなり良いです。
 ・ボディには経年の汚れがあるもののキズやサビは見られない。
 ・背面端子も光沢があって美しい。
 ・早速 FMアンテナを接続して症状を確認。
 ・電源オン。二つのメーター照明点灯。周波数窓の照明も点灯。
 ・IF BAND切替(wide/narrow)ポジションランプ(緑/赤)点灯しない。
 ・選局ツマミを回すとFM局付近でTメーターは反応する。
 ・メーター動作をSIGNAL/MULTIPATHに切り換えると針が大きく振れる。
 ・メーター動作はFM放送を受信していることを示しているが、音は出ない。
 ・固定端子、可変端子ともに音が出ない。
 ・MUTINGオフにしても局間ノイズすら出ない。
 ・ステレオランプ点灯しない、、と思ったら、薄く明滅状態。
 ・REC CALトーンが出てこない。
 ・マルチパス-H端子を確認すると正常なFM音声が聴こえる。
 ・メーター動作をLEVELメーターに切り替えると全く針が振れない。

Tu85006Tu85007Tu85008Tu85010Tu85011
Tu85014Tu85016Tu85017Tu85018Tu85019

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・電源電圧OK
 ・TR9,TR15,TR16/2SC1313 → 2SC1345 交換済みでした。
 ・IF BAND切換スイッチが機能していない。
 ・スイッチでwideを選択しても常時narrow状態です。
 ・フロントパネルを分解してインジケーターLED確認
 ・インジケーターLED(narrow)故障でした。
 ・インジケーターLED(wide)は生きているが、切り換らないので点灯しない。
 ・リレー駆動電圧は正常。
 ・リレー( HITACHI L24)内部の故障か?

Tu85021Tu85022Tu85023Tu85024Tu85025
Tu850251Tu85026Tu85027Tu85028Tu85029
Tu85030Tu85031Tu85032Tu85033Tu85034

■修理記録:IF BAND切換スイッチ故障-----------------------------------

 ・レバーを操作してもwide/narrowが切り換わりません。
 ・常時narrowの状態です。
 ・スイッチを取り外して分解してみました。
 ・スライド機構のプラスチック部品が破損しています。
 ・同型機を入手してスイッチごと交換するしかないです。
 ・応急処置として「常時wide」位置にして組み直しました。
 ・レバー位置に関わらず「常時wide」で受信しています。

Tu85009Tu85050Tu85051Tu85052Tu85054

■修理記録:インジケーターLED故障-------------------------------------

 ・narrowインジケーターの赤色LEDは切れている。
 ・wideインジケーターの緑色LEDは生きている。
 ・しかしスイッチ故障のためwideに切り換わらないので点灯しない。
 ・stereoインジケーターの赤色LEDは劣化のため弱々しく明滅。
 ・特殊形状のLEDなので代替品を見つけることが難しいです。
 ・対策としてwide(緑色LED)とstereo(赤色LED)を入れ換えました。
 ・ステレオインジケーターとして緑色LEDが明るく点灯します。
 ・wideインジケーターも赤く薄点灯。

Tu85043Tu85045Tu85046Tu85047Tu85048

■修理記録:リレー故障------------------------------------------------

 ・TR9交換済みでリレー駆動電圧は正常でした。
 ・音声が出ないのはリレー本体(HITACHI L24)の故障か?
 ・手持ちの汎用リレー(24V、C接点)に置き換えてみました。
 ・汎用リレーは小さな基板に取り付け、ボディの空きスペースに設置。
 ・これによって正常音声が出るようになった、、と思ったらRchの音が出ない??
 ・Lchの音は正常です。交換したリレーが不良品だったか?

Tu85034_2Tu85061Tu85062Tu85063Tu85064

■修理記録:トランジスタ故障------------------------------------------

 ・リレーからさかのぼってRch回路を調査
 ・するとオーディオ回路 TR6 2SA836 で音が止まっている。
 ・取り外して足を見ると真っ黒です。
 ・これを2SA1015に交換したところRchも音が出るようになりました。
 ・ついでにLchのトランジスタと周囲の電解コンデンサも交換。
 ・TR6,8 2SA836 2SA1015
 ・TR5,7 2SC1000 2SC1815
 ・C21,22 47uF/6.3v 47uF/50v
 ・C23,24 4.7uF/25v 4.7uF/25v
 ・C18 220uF/25v 220uF/25v

Tu85034_3Tu85070Tu85071Tu85072Tu85073

■調整記録------------------------------------------------------------

●フロントエンド
【OSC調整】
 ・76MHz 無変調 90dB → Lo 調整 → ダイヤル指針76MHz
 ・90MHz 無変調 90dB → TCo調整 → ダイヤル指針90MHz
【RF調整】
 ・76MHz 無変調 40dB → LA,LR1,LR2,LR3 調整 → Sメーター最大
 ・90MHz 無変調 40dB → TCA,TCR1,TCR2,TCR3調整 → Sメーター最大
【IFT調整】
 ・83MHz 1kHz,100%変調 → IFT調整 → Sメーター最大
●IF検波基板
【検波調整1】※HA1137W クアドラチュア検波
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 1kHz,100%,70dB → T2 下段コア調整 → Tメーター中点
 ・TP1 Wavespectra接続 波形確認
 ・83MHz 1kHz,100%,70dB → T2 上段コア調整 → 高調波最小
【検波調整2】※レシオ検波
 ・IF BAND=WIDE
 ・無信号 → T3上段コア調整 → TP間電圧 → 電圧ゼロ
 ・固定出力端子 Wavespectra接続 波形確認
 ・83MHz 1kHz,100%,70dB → T3下段コア調整 → 高調波最小
【WIDE/NARROWゲイン調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 1kHz,100%,70dB → Sメーター振れ位置確認
 ・IF BAND=NARROW
 ・VR1調整 → Sメーター同じ振れ位置
【MUTING調整】
 ・83MHz 1kHz,100%,20dB → VR2調整 → MUTING作動
【OUTPUTレベル調整】
 ・固定出力端子に電圧計接続
 ・83MHz 1kHz,100%,60dB → VR3調整 → 1.6V
●MPX基板
【VCOフリーラン周波数調整1】
 ・IF BAND=WIDE
 ・TP1~TP3(GND)周波数カウンタ接続
 ・HA11223 8ピン~9ピン短絡
 ・無信号 → VR8調整 → 76kHz±20Hz
 ・無信号 → VR1調整 → 76kHz±20Hz
【VCOフリーラン周波数調整2】
 ・IF BAND=WIDE
 ・TP1~TP3(GND)周波数カウンタ接続
 ・TP2~TP3短絡
 ・無信号 → VR9調整 → 76kHz±20Hz
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz パイロット信号 60dB 受信 → VR2調整 → 19kHz最小
 ・左右バランスに注意
【セパレーション調整】
 ・Wavespectra接続 波形確認
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR11調整 → 漏れ信号最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR12調整 → 漏れ信号最小
【STEREO歪調整】
 ・Wavespectra接続 波形確認
 ・IF BAND=WIDE
  ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → フロントエンド内IFT調整 → 高調波歪最小
  ・IF BAND=NARROW
  ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → IF基板 T1調整 → 高調波歪最小
 ・IF BAND=NARROW
  ・TP1 Wavespectra接続 波形確認
  ・83MHz 1kHz,100%,70dB → T1調整 → 高調波歪最小
【メーター調整1】チューナーレベル
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR3,VR4調整 → L/Rメーター → 0dB
【メーター調整2】オーディオレベル
 ・背面端子にオーディオ発振器接続
 ・1kHz、2.45V → VR5,VR6調整 → L/Rメーター → 0dB
【メーター調整3】REC CALレベル
 ・REC CAL on  → VR7調整 → L/Rメーター → -6dBdB

Tu850

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・STEREOインジケーターが緑色点灯しています。
 ・IF BAND切換とLEDに課題がありますが、とりあえず復活しました。
 ・独特の雰囲気、重厚な存在感がイイですね。

Tu85004

Technics ST-7300II

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 ・2018年6月末、近所のリサイクル店でジャンク機を入手しました。
 ・音声コードが背面から直接出ているタイプ、底板は木製。
 ・明らかにシリーズ最安の入門機ですね。
 ・いつもならスルーする機種ですが、今回は部品取り目的です。

St7300ii07

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Technics ST-7300II ¥30,800(1977年頃)

St7300ii02St7300ii11

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字は1977。
 ・シリアルナンバー:AA7907A532
 ・FMアンテナ端子は同軸裸線を接続するタイプ。
 ・電源オン。周波数窓の照明点灯、二つのメーター照明点灯。
 ・照明はほんのり点灯する程度で「オレンジ照明が美しい」とは言い難い。
 ・名古屋地区のFM局受信OK。ステレオランプ点灯。MUTING[動作OK。
 ・ただし-0.2MHz程度の周波数ズレ。
 ・Tメーター中点とSメーター最大が一致しない。
 ・AMも名古屋地区の放送局をすべて受信OK。
 ・AMアンテナはボディ内部に内蔵しているのか?
 ・調整ズレだけで致命的な故障個所は無さそう。

St7300ii01St7300ii03St7300ii04St7300ii05St7300ii06
St7300ii10St7300ii12St7300ii13St7300ii14

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM3連、AM2連の小さなフロントエンドユニットが斜め設置。
 ・あとはST-8080とよく似た構成です。
 ・違いはMUTING調整用VRとパイロットキャンセルVRがないこと。
 ・2個の電球だけで周波数窓とメーターを照らしている。

St7300ii20St7300ii21St7300ii22St7300ii23St7300ii24
St7300ii25St7300ii26St7300ii27St7300ii28St7300ii29
St7300ii30St7300ii31St7300ii32St7300ii33St7300ii34

■調整記録------------------------------------------------------------

St7300ii_2

【レシオ検波調整】
 ・アンテナ入力なし
 ・T101(橙)調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・76MHz受信 → L4 調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TC3調整 → Sメーター最大
【FM RF調整】
 ・76MHz受信 → L1,L2調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TC1,TC2調整 → Sメーター最大
【検波歪調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz受信 → T101(緑)調整 → 高調波歪最小
【Sメーター振れ調整】
 ・83MHz受信 → VR101調整 → Sメーター振れ調整
【VCO調整】
 ・TP301 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → VR301調整 → 19kHz±30Hz
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → VR302調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → VR401調整 → -6dB(※363Hz)
【AM OSC調整】
 ・600kHz → L202調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → TCA2調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・1400kHz → TCA1調整 → Sメーター最大
【AM IFT調整】
 ・1000kHz → T201,T202調整 → Sメーター最大
【Rec CAL】
 ・調整不可ですが、462Hz/-5.8dBの基準音が出ていました。

■試聴------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルのデザインに高級感が感じられない点がちょっと残念。
 ・でもFM/AMとも特に問題なく動作しました。
 ・AMの受信感度が意外に良かったです。

St7300ii08

Technics ST-7600

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 ・2018年7月、部品取り目的でジャンク品のST-7600を入手しました。
 ・以下、整備記録です。

St760006

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Technics ST-7600 ¥37,800(1975年頃)
 ・Hifi Engine Technics ST-7600 AM/FM Stereo Tuner (1976-77)
 ※周波数窓のデザインが国内機とちょっと違います。

St760002St760011

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・周波数窓の前面に透明アクリル板を置くデザインはST-8600やST-8200に似ている。
 ・ボディ全体に経年の汚れがこびり付いているが、目立つキズはない。
 ・FMアンテナ端子に同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・周波数窓と二つのメーターの照明点灯。ちょっと暗いのでタマ切れか?
 ・名古屋地区のFM放送受信OK。STEREOランプ点灯。
 ・+0.2MHz程度の周波数ズレ。
 ・Sメーター最大点とTメーター中点が一致しない。
 ・IF BAND(WIDE/NARROW)切換OK。MUTING動作OK。
 ・HI-BLENDの効果はよく分からない。
 ・AM放送受信を背面バーアンテナで確認。
 ・名古屋地区のAM放送受信OK。

St760001St760003St760004St760005St7600010
St760012St760013St760014St760015St760016

■内部記録------------------------------------------------------------

 ・内部を見ると垂直に配置された2枚の基板が特徴的。
 ・チューナー基板とオーディオ基板に分けてあるようです。
 ・「バーチカルアライメント」の意味が分かりました。
 ・照明電球は2個だけ。タマ切れは無かったです。
 ・これで周波数窓と2個のメーターを照らし出すのでちょっと暗い印象。
 ・FM3連、AM2連の小さなバリコンユニット
 ・IC1:AN217
 ・IC2:SN76115N
 ・VR1:FM S Meter
 ・VR2:MUTE
 ・VR3:VCO
 ・VR101:SEP

St760020St760021St760022St760023St760024
St760025St760026St760027St760028St760029

■調整記録------------------------------------------------------------

76001

【レシオ検波調整】
 ・アンテナ入力なし
 ・T1(緑)調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・76MHz受信 → L3 調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TC3調整 → Sメーター最大
【FM RF調整】
 ・76MHz受信 → L1,L2調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TC1,TC2調整 → Sメーター最大
【IF調整】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz 1kHz受信 → T2,T3調整 → 高調波歪最小
【検波歪調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz受信 → T1(赤)調整 → 高調波歪最小
【Sメーター振れ調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整 → Sメーター振れ調整
【VCO調整】
 ・TP34 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → VR3調整 → 19kHz±30Hz
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → VR101調整(別基板)→ 反対chへの漏れ信号最小
【AM OSC調整】
 ・600kHz → L7調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → TCA2調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・600kHz → バーアンテナ調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → TCA1調整 → Sメーター最大
【AM IFT調整】
 ・1000kHz → T5,T6調整 → Sメーター最大

76002

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・前回調整したST-7300IIと比べるとフロントパネルに高級感があります。
 ・ただ照明点灯時の周波数窓の美しさが乏しい感じ。

St760007

SONY ST-5090 修理調整記録2

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 ・2018年8月末、またまた昭和の香り漂うオールドチューナーが届きました。
 ・先日調整したST-5070の弟機です。
 ・以下、作業記録です。

St509003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-5090 ¥34,800(1975年頃)
 ・SONYカタログ 1974年5月版 / ST-5000F,ST-5130,ST-5150D,ST-5070,ST-5090

St509002St509011

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字:1974
 ・白木調ボディに目立つキズ無し。
 ・フロントパネルはとてもキレイな状態。
 ・電源レバー、選局ツマミ、プッシュボタン、背面端子など光沢あり。
 ・300Ω端子にアンテナを接続して電源オン。
 ・緑色の照明窓とオレンジ色の指針が浮かび上がる。電球切れなし。
 ・照明窓内側もキレイに清掃済みのようです。
 ・+5.0MHzほどの大幅な周波数ズレで名古屋地区のFM局を受信。
 ・Sメーターが大きく振れ、STEREOランプ点灯。
 ・ST-5070/5090の外観上の違いはMUTINGボタンの有無。
 ・ST-5090はMUTINGボタンが無いだけでなく、MUTING機能そのものが無い。
 ・AMは背面アンテナを接続しなくても名古屋地区のAM放送受信OK。
 ・ボディ内部にバーアンテナを内蔵している模様。

St509004St509005St509006St509007St509009
St509001St509010St509012St509013St509014

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディ内部にAMバーアンテナ内蔵
 ・FM3連、AM2連フロントエンド → CFフィルタ×2 → レシオ検波
 ・IFT201:Ratio Det.
 ・L301:38kHz trans.
 ・RT501:Separation Adj.
 ・L403:AM OSC coil
 ・ST-5070より大幅に簡略化されたコストダウン機。

St509020St509021St509022St509023St509024
St509025St509026St509027St509028St509029
St509030St509031St509032St509033St509034

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・指針90MHz位置 → 90MHz → CT103調整 → Sメーター最大
 ・指針76MHz位置 → 76MHz →  L103調整 → Sメーター最大
【FM トラッキング調整】
 ・90MHz受信 → CT101,CT102調整 → Sメーター最大
 ・76MHz受信 → L101,L102調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → IFT101調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整】
 ・83MHz受信 → IFT201調整 → 高調波歪最小
【セパレーション調整】
 ・83MHz SUB信号 → T301調整 → Lchレベル最大
 ・RT301調整 → セパレーション調整
【AM調整】
 ・指針 600kHz位置 →  600kHz → L403調整 → Sメーター最大
 ・指針1400kHz位置 → 1400kHz → CT402,401調整 → Sメーター最大

St5090

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・大幅な周波数ズレでしたが故障個所は無かったです。
 ・再調整によりFM/AMとも違和感なく使える様になりました。
 ・緑色に浮かび上がる照明窓がとてもイイ感じです。 

St509008

Accuphase T-106 修理調整記録

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 ・2018年8月、ブラックボディのT-106をお預かりしました。
 ・メーター内側も黒色なので、とても精悍な印象です。

T10604

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Accuphase T-106 ¥145,000(1984年1月発売)
 ・Hifi Engine Accuphase T-106 AM/FM Stereo Tuner

T10602T10612

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外装に目立つキズなし。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・メーター照明点灯、周波数表示点灯。
 ・周波数ツマミを回すとFM=0.1MHz単位、AM=9kHz単位で周波数が変化する。
 ・周波数の変化に応じて「ピッ」「ピッ」と電子音が鳴る。
 ・左側メーター:MULTIPATH/DEVIATION(切換式)、右側メーター:SIGNAL
 ・Tメーター代わりに[TUNED]点灯。[STEREO]点灯。
 ・周波数ズレなく名古屋地区のFM放送局を正常に受信。
 ・IF BAND切替(NARROW/NORMAL)OK、MUTING動作OK。
 ・MULTIPATHメーターが常時100%付近を示す。
 ・背面の純正ループアンテナで名古屋地区のAM放送を受信。
 ・高い周波数CBCラジオ(1053kHz)と東海ラジオ(1332kHz)はかろうじて聴ける。
 ・一方で低い周波数 NHK2局(729kHz,909kHz)は受信できない
 ・SIDE BAND SELECTORスイッチを切換ても効果なし。
 ・調整ズレか?どこか故障か?
 ・メモリー登録はFM/AMともOK。
 ・可変出力VRにガリ無し。

T10605T10606T10607T10608T10609
T10611T10613T10614T10615T10616

■内部確認------------------------------------------------

 ・VR1 NARROW GAIN
 ・VR2 S-METER MAX
 ・VR3 S-METER MIN
 ・VR4 76K VCO
 ・VR5 PILOT CANCEL
 ・VR6 SEPARATION
 ・VR7 SIGNAL MUTE
 ・VR8 TUNE MUTE
 ・VR9 MOD
 ・VR201 METER
 ・VR202 記載なし
【電圧確認】
 ・+15 → +14.7v
 ・+ 5 → +4.95v
 ・+5.6→ +5.70v

T10620T10621T10622T10623T10624
T10625T10626T10627T10628T10629
T10630T10631T10632T10633T10634
T10635T10636T10637T10638T10639
T10640T10641T10642T10643T10644
T10645T10646T10647T10648T10649
T10650T10651T10652T10653T10654

■調整記録------------------------------------------------

●FM部
【本体設定】
 ・MUTING OFF
 ・FILTER OFF
 ・SELECTIVITY NARROW
【VT電圧】
 ・フロントエンド右端端子(写真参照)~GND DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → OSCコイル(L6)調整 → 2.6v → 3.0v
 ・90MHz → OSCトリマ(TC6)調整 → 19.4v → 20.8v
【RF調整】※フロントエンド内部調整
 ・76MHz 無変調 40dB → L1,L2,L3,L4,L5調整 → Sメーター最大
 ・90MHz 無変調 40dB → TC1,TC2,TC3,TC4,TC5調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 無変調 40dB → IFT調整 → Sメーター最大
【検波調整】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz 80dB → T2調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz 80dB → T1調整 → 高調波歪最小
【IF GAIN調整】
 ・83MHz 60dB → VR1調整 → NORMAL/NARROWでSメーター振れ同じ
【SIGNAL METER調整】
 ・83MHz  40dB → VR2調整 → Sメーター= 40
 ・83MHz 100dB → VR3調整 → Sメーター=100
【MUTING調整】
 ・MUTING OFF
 ・83MHz 20dB → VR7調整 → 30dBで正常音声が聴こえる位置
 ・83MHz 20dB → VR8調整 → 20dBでMUTINGが作動する位置
 ※VR7,VR8の調整は慎重に。
【STEREO歪調整】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz 80dB → IFT調整 → 高調波歪最小
【MPX VCO調整】
 ・TP9に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR12調整 → 76kHz
【PILOT CANCEL調整】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz ST変調 80dB → T3,VR5調整 → 19kHz信号最小
【SEPARATION調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・83MHz(R/L信号,1kHz 80dB)→ VR6調整 → もれ信号最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz(STEREO 100%変調)→ VR9調整 → DEVメーター100%
●AM部
【VT電圧】
 ・J3~GND DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・ 522kHz → T205調整 → 0.9V → 1.5v
 ・1611kHz → VC1調整 → 19.6v → 21.8v
【RF調整】
 ・ 522kHz → T201,T202調整 → Sメーター最大
 ・1611kHz → VC3,VC2調整 → Sメーター最大
 ・ 999kHz → T203調整 → Sメーター最大
 ・ 999kHz → T204,VC4調整 → 歪み最小
【Sメーター調整】
 ・VR201 メーター振れ調整
【AM同期検波位相調整】
 ・TP204、TP205をWavespectra接続
 ・ 999kHz(1kHz)受信 → VR202調整 → リサージュ波形を正円に
 ※同期検波の調整方法は試行錯誤の結果です。間違っているかも?

T106

 ※AMの上限周波数が前回1号機は1629kHz、今回2号機は1611kHzでした。
 ※上記調整後もマルチパスメーターが常時100%付近を示します。
 ※マルチパスメーターの調整方法が分かりません?故障かも?

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・AM不調の原因は調整ポイントの大幅なズレでした。
 ・経年劣化によるものか?人為的なものかは分かりません。
 ・AM外部アンテナを工夫するとシンクロナス検波の真価が発揮されそうです。
 ・ウッドケースと組み合わせると個性的なフロントマスクになりますね。

T10610

YAMAHA T-7 修理調整記録3

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 ・2018年9月初め、YAMAHA T-7の修理調整作業を承りました。
 ・選局ツマミが異常に固くてほとんど回転できません。
 ・最近この症状に遭遇するようになりました。
 ・まずはツマミの修理から着手。

Yamaha_t707

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-7  NATURAL SOUND AM/FM STEREO TUNER ¥69,800円
 ・Hifi Engine Yamaha T-7 Natural Sound AM/FM Stereo Tuner (1980-82)

Yamaha_t702Yamaha_t711

■修理記録:選局ツマミが異常に固い-----------------------------------

 ・通常なら軽快に回転する選局ツマミが異常に固い、重い、回転しない。
 ・点検のためボディを開けて内側からフライホイールを外す。
 ・通常のチューナーならこれでシャフトが抜けるはず。
 ・ところがこの機種はシャフトが抜けません。
 ・モータードライブ用のパーツが挟まっているせいか?
 ・やむなくシャフトの継ぎ目にミシンオイルを少量注入。
 ・この状態でそっと優しく回してみると、、
 ・固かった回転が徐々に改善し、しばらく続けているうちに固さが解消しました。
 ・私が持っているT-9とほぼ同じ回転フィーリングに戻りました。

Yamaha_t750Yamaha_t751Yamaha_t752Yamaha_t753Yamaha_t754

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・選局ツマミが回るようになったのでようやく動作確認開始。
 ・PAL/F変換端子を介してFMアンテナ接続。
 ・AMは手持ちのループアンテナを接続して電源オン。
 ・赤い指針が点灯、各種切換ボタンのインジケータ点灯。
 ・しかしFM/AMとも全く受信しない。
 ・指針内蔵のTメーター、シグナルメーターともに反応なし。
 ・局間ノイズも出ない。
 ・固定/可変出力端子とも音が出ない。
 ・REC CALトーンも出ない。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディを開けた状態で電源オン。
 ・すると何か「ブーン」という異音が聞こえるような??
 ・異音の源は自動選局用モーターの回転音でした。
 ・電源オンと同時にモーターが勝手に回転していました。
 ・ただモーター軸をフライホイールに密着させるソレノイドは作動していない。
 ・従ってモーターだけが空回りし続けている状態です。
 ・これは「ずっと自動選局中」=「指針移動中」の状態でした。

Yamaha_t720Yamaha_t721Yamaha_t722Yamaha_t723Yamaha_t724
Yamaha_t725Yamaha_t726Yamaha_t727Yamaha_t728Yamaha_t729
Yamaha_t730Yamaha_t731Yamaha_t732Yamaha_t733_2Yamaha_t734
Yamaha_t735Yamaha_t736Yamaha_t737Yamaha_t738Yamaha_t739

■修理記録:電源回路--------------------------------------------------

 ・まずは電源電圧チェック
 ・基板表示+12 → 規定値+12.5±1V → 実測値+12.3V
 ・基板表示-12 → 規定値-13.5±1V → 実測値+ 5.0V ★
 ・基板表示+ 9 → 規定値+ 9.5±1V → 実測値+ 9.0V
 ・基板表示 9B → 規定値+10.5±1V → 実測値+ 8.4V ★

 【異常値】
  ・規定値-12Vに対して+5.0Vが出ていること
  ・9Bが規定値に対してちょっと低いこと

 ・回路図と照合しながら電源パーツの規定電圧値をチェック。
 ・その結果、放熱板付きのTR81(2SD400F)で異常発見!
 ・ネット検索で同型トランジスタの新品を調達。
 ・交換して再度電圧確認したところ、、

Yamaha_t733Yamaha_t760Yamaha_t761

 ・基板表示+12 → 規定値+12.5±1V → 実測値+12.3V
 ・基板表示-12 → 規定値-13.5±1V → 実測値-14.0V ◎
 ・基板表示+ 9 → 規定値+ 9.5±1V → 実測値+ 9.0V
 ・基板表示 9B → 規定値+10.5±1V → 実測値+10.1V ◎

 ・電圧値が正常範囲に収まっていました
 ・電源オンと同時にモーターが勝手に回転する症状が解消しました。
 ・選局ツマミを回してみると、TメーターとSメーターが反応します!!
 ・不調原因は電源回路TR81(2SD400F)の故障でした。

■動作確認(再)--------------------------------------------

 ・受信動作するようになったので再度動作確認。
 ・名古屋地区のFM放送局をすべて受信OK。
 ・わずかな周波数ズレ(+0.2MHz程度)あり。
 ・Tメーター点灯、シグナルメーター点灯、STEREOランプ点灯。
 ・実際のステレオ感もOK。
 ・各種切換ボタンの動作OK。REC CALトーンOK。
 ・AMも名古屋地区の放送局を受信。
 ・プリセットメモリボタンを押すと自動選局動作開始。
 ・既にセットされた位置で停止する。
 ・五つのボタンとも既に登録された位置で停止する。
 ・試しにメモリ登録してみると自動選局動作OK!
 ・さらなる故障個所はなさそうです。

Yamaha_t703Yamaha_t704Yamaha_t705Yamaha_t706Yamaha_t709
Yamaha_t712Yamaha_t713Yamaha_t714Yamaha_t715Yamaha_t716

■調整記録--------------------------------------------------

【本体スイッチ設定】
 ・FUNCTION = FM
 ・RX MODE = AUTO DX
 ・MUTE/OTS = OFF
 ・BLEND = OFF
 ・REC CAL = OFF
【検波調整】
 ・IC111 20pin(またはR282)-GND → 電圧計セット
 ・ダイヤル指針83MHz付近にセット → T103調整 → 電圧ゼロ
【FM OSC調整】
 ・IC102 (LA1231) 13pin → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC1調整 → 電圧最大
 ※OSCコイルL7の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
 ・IC102 (LA1231) 13pin → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → フロントエンドTCA,TCR1,TCR2調整 → 電圧最大
 ※RFコイルL1~L5の調整が難しいため83MHzのみで調整
【Mono歪調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → TC101調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・IC113 1pin-14pin → 2.2MΩを介して直結
 ・これにより強制ステレオモードになり本体ステレオランプ点灯
 ・R226(19kHz TP)→ 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR108調整 → 19kHz±10Hzに。
【ST SUB調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz SUB → T112調整 → Lchレベル最大
【Stereo歪調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR101 VR102 VR103,T102調整 → 高調波最小
【Pilot Cancel調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → T113,VR109調整 → 19jHz漏れ信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR105調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST → VR106調整 → Rch漏れ信号最小
【シグナルインジケーター点灯調整】
 ・83MHz 100dB → VR112調整 LED全点灯
 ・83MHz 0dB → VR111調整 LED全消灯
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → T110調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → AMOSC調整 → シグナルメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz受信 → T109調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → AMANT調整 → シグナルメーター最大
【プリセットチューニング上限位置調整】
 ・90.5MHz受信 → プリセット5に登録
 ・80MHz付近でプリセット5を押し指針移動開始
 ・このとき90.2MHz付近で自動停止するようにVR113を調整する
【プリセットチューニング下限位置調整】
 ・75.5MHz受信 → プリセット1に登録
 ・80MHz付近でプリセット1を押し指針移動開始
 ・このとき75.8MHz付近で自動停止するようにVR114を調整する

※プリセットチューニング上限・下限調整
 ・バリコンの可動範囲外に指針が行かないように制限します。
 ・上記90.5MHzや75.5MHzは私の設定例です。
 ・76~90MHzの範囲外、かつバリコンの可動範囲内なら何でもOK。

T7

■プリセットチューニングの使い方--------------------------------------

【メモリーの手順】
 ・「MEMORYボタン」を押しながら「選局ボタン1~5」を押す。
 ・FM5局、AM5局、合計10局をメモリー可能。
 ・一度メモリーしたら、離調後に再度プリセット選局し直す。
 ・自動選局された位置でもう一度メモリーし直す。
 ・こうするとプリセット選局の精度が上がる。
【選局の手順】
 ・「選局ボタン1~5」を押すとメモリーされた周波数に自動的に同調する。
 ・自動選局中に選局ツマミを回すと動作解除されマニュアル選局に移行する。

 ・電源コンセントを接続した状態なら電源オフでも登録内容は消えません。
 ・ただ電源コンセントを抜くと登録内容も消失します。
 ・メモリーバックアップ用の充電池は今回ノータッチです。

■試聴-----------------------------------------------------------------

 ・再調整によってFM/AMともクリアに受信できるようになりました。
 ・アナログバリコンチューナーなのにプリセット選局可能。
 ・モータードライブで指針が移動する様子は超マニアックですね。
 ・貴重な機種が復活して良かったです。

Yamaha_t708

TRiO KT-1100 修理調整記録3

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 ・2018年9月、KT-1100の修理調整を承りました。
 ・周波数目盛と指針が大きくズレているそうです。
 ・以下、作業記録です。

Trio_kt110003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-1100 ¥73,800(1982年発売)
 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-1100 AM-FM STEREO TUNER ¥73,800
 ・Hifi Engine Kenwood KT-1100 AM/FM Stereo Tuner (1983)

Trio_kt110002Trio_kt110011

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観はとても綺麗な状態で、目立つキズはありません。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・二つのメーター照明点灯、赤い指針点灯。
 ・ズレた受信状態でSTEREOランプ点灯、SERVO LOCKランプ点灯。
 ・RF切換OK、FM BAND切換OK、MUTING動作OK、REC CALトーンOK。

Trio_kt110001Trio_kt110005Trio_kt110004Trio_kt110007Trio_kt110006
Trio_kt110010Trio_kt110012Trio_kt110013Trio_kt110014Trio_kt110015

 ・名古屋地区のFM局を受信しました、、が、、ご指摘通り指針と目盛のズレが大きい。
 ・放送波 → 目盛り(ズレ幅)
 ・77.8MHz → 76.1MHz(-1.7MHz)
 ・79.5MHz → 77.6MHz(-1.9MHz)
 ・80.7MHz → 78.7MHz(-2.0MHz)
 ・82.5MHz → 80.3MHz(-2.2MHz)
 ・92.9MHz → 89.4MHz(-3.5MHz)※FM補完放送
 ・93.7MHz → 90.2MHz(-3.5MHz)※FM補完放送

 ・特に高い周波数でズレ幅が大きく、何とFM補完放送まで受信できます。
 ・FM補完放送が受信できるので、これはこれで使えるような気もする、、??
 ・周波数のズレ以外の動作は正常のようです。

■内部確認------------------------------------------------------------

Trio_kt110020Trio_kt110021Trio_kt110022Trio_kt110023Trio_kt110024
Trio_kt110025Trio_kt110026Trio_kt110027Trio_kt110028Trio_kt110029
Trio_kt110030Trio_kt110031Trio_kt110032Trio_kt110034Trio_kt110035

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・フロントエンド内OSCトリマTC8を回しても発信周波数が全く変化しない。
 ・TC8が完全に容量抜け、この機種では頻繁に遭遇する不具合です。
 ・これまでの事例に倣って外部に新トリマを設置しました。
 ・今回はハンダを染み込ませたハンダ吸取線をGND側の台座にしました。
 ・以下の調整作業を経て正常周波数に設定できました。

Trio_kt110024_2Trio_kt110040Trio_kt110041

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC8調整 → Sメーター最大
 ※OSCコイルL5の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC1,TC2,TC4,TC6調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → フロントエンドT1調整 → Sメーター最大
 ※L1~L4の調整が難しいため83MHzのみで調整
【IF調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → L2,L3調整 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → Sメーター最大かつ高調波歪最小位置にて受信
 ・L4調整 → Tメーター中点
【Wide Gain調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整 → Wide/Narrow Sメーター振れ具合を同じ位置に
【2nd OSC調整】
 ・IC4(TR4011)-1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz
【VCO調整】
 ・IC7(TR7040)付近の二つのTPを直結
 ・TP(19kHz) → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR4調整 → 19kHz±10Hz
【Pilot Cancel調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR3,L19調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整/wide】
 ・IF BAND WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR5調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST → VR9調整 → Rch漏れ信号最小
【セパレーション調整/narrow】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR6調整 → 漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル測定
 ・VR2調整 → 上記レベル-6dBに設定 ※404Hz
【タッチセンサー調整】
 ・Q13エミッタ(=R197) → 周波数カウンタ接続
 ・L18調整 → 400kHz
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → L17調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC7調整 → シグナルメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz受信 → L14,L15調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC3,TC5調整 → シグナルメーター最大
【AMメーター調整】
 ・VR12 Sメーター振れ具合調整
 ・VR11 Tメーター中点調整

Trio_kt1100

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・83MHz付近では指針と目盛りはピッタリ合います。
 ・ただ目盛り両端では多少のズレが生じます。この点はご容赦ください。

Trio_kt110008


TRIO KT-7700 修理調整記録3

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++9 ・2018年9月末、KT-7700の修理調整を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Kt770003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-7700 ¥78,000(1976年)
 ・TRIO KT-7700/KT-7500 カタログ 1976年5月版
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-8300 ※輸出機 型番注意!

Kt770002Kt770011

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観はとてもキレイな個体で目立つキズはほとんどない。
 ・FM同軸アンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓と3つのメーターを照らすオレンジ色の照明が点灯。電球切れ無し。
 ・Narrow、MPXfilter の赤色LEDインジケーター点灯。
 ・地元のFM放送局をすべて受信OK。僅かに周波数ズレ。
 ・ただTメーター中点とSメーター最大点が一致しない。
 ・MUTINGは作動するが、作動レベルがおかしい。
 ・STEREOランプ点灯するが点灯範囲がとてもシビア。
 ・しばらく受信しているとSTEREOランプ消灯してモノラル受信になる。
 ・固定/可変端子とも音声確認。
 ・MULTIPATH H出力から音声確認。
 ・故障というより調整箇所があちこちズレているようです。

Kt770004Kt770007Kt770005Kt770008Kt770009
Kt770013Kt770014Kt770015Kt770016Kt770017

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・本体底板に修理記録シール
 ・S56.6.5 アース不良 1981年

Kt770020Kt770021Kt770023Kt770024Kt770025
Kt770026Kt770027Kt770028Kt770029Kt770030
Kt770031Kt770032Kt770033Kt770034Kt770035
Kt770036Kt770037Kt770038Kt770039Kt770040

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・輸出機用サービスマニュアルに従って各部調整してみました。

Trio_kt7700_alig

【検波調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・アンテナ入力なし → VR 4調整 → Tメーター中点
 ・IF BAND=WIDE
 ・アンテナ入力なし → VR12調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
 ※OSCトリマ調整孔が背面にありますが、隙間が狭いのでこれを回すのは難しいです。
 ※+0.1MHzの周波数ズレはご容赦ください。
【フロントエンドRF調整】
 ・TP1(R77右足)→ DC電圧計セット
 ・IF BAND=NARROW
 ・76MHz 60dB 受信 → RFコイル6個調整 → 電圧最大
 ・90MHz 60dB 受信 → RFトリマ6個調整 → 電圧最大
【検波調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・アンテナ入力なし → VR 4調整 → Tメーター中点
 ・IF BAND=WIDE
 ・アンテナ入力なし → VR12調整 → Tメーター中点
【IFトリガー調整】
 ・TP1(R77右足)→ DC電圧計セット
 ・83MHz 60dB 受信 → L11調整 → 電圧最大
 ・83MHz  0dB 受信 → L10調整 → 電圧最大(※L10 フロントエンド内)
【IFトリガーレベル調整】
 ・83MHz 60dB 受信 → VR2調整 → 電圧DC1.8V
 ・アンテナ入力なし→ VR1調整 → 電圧DC0.6V
【Sメーター振れ調整】
 ・83MHz 80dB 受信 → VR3調整 → Sメーター目盛り5
【MUTING調整】
 ・MUTING=1
 ・83MHz 16dB 受信 → VR9調整 → MUTING作動
【VCO調整】
・周波数カウンタをTP2接続
 ・アンテナ入力なし → VR 7調整 → 19kHz
【OUTPUTレベル調整】
 ・FM DET OUT端子にAC電圧計セット
 ・76MHz 1kHz 100%変調 60dB 受信 → VR10調整 → 電圧AC300mV
【セパレーション調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz ST信号 60dB受信 → VR 5調整 → Lch信号最小
 ・83MHz ST信号 60dB受信 → VR 6調整 → Rch信号最小
【ステレオ歪調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz ST信号 60dB受信 → L10調整 → 高調波歪最小
【DEVIATIONメーター調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 60dB 受信 → VR 8調整 → Dメーター目盛り100%

Kt8300sche

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・故障個所は無かったです。
 ・上記再調整によって使えるようになりました。
 ・オレンジ色の照明窓がとても美しいですね。
 ・TメーターとSメーターの動きが一致して気持ちイイです。

Kt770010

TRIO L-07TII

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 ・2018年10月、L-07TIIの修理調整作業を承りました。
 ・薄型のパルスカウント検波搭載機です。
 ・以前から興味があった機種ですが実機に触れるのは初体験!

L07tii08

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO L-07TII ¥130,000(1979年頃)
 ・オーディオ懐古録 TRIO L-07TII FM STEREO TUNER ¥130,000(1979年頃)
 ・Hifi Engine Kenwood L-07T FM Stereo Tuner (1977-81) USD $625 (1979)

L07tii02L07tii13

 ・LシリーズといえばKENWOODブランドを連想しますがこれはTRIOブランド。
 ・型番から考えて元祖「L-07T」があると思うのですが、、見たことがない。
 ・TICで L-07T について分かったこと。
  ・1978, $625
  ・外観はよく似ているが、電源スイッチの形状、ラックマウント仕様が違う。
  ・パルスカウント検波ではなくクアドラチュア検波。

L07t_ticKENWOOD L-07T

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・薄型ボディなのに持ち上げるとずっしり重量感。
 ・ボディ上面が薄っすら変色、上に載せていた機器の足跡、目立つ擦り傷。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓の照明点灯、二つのメーター照明点灯。
 ・名古屋地区のFM放送局を+0.1MHzの位置で受信。
 ・Tメーター中点とSメーター最大点がわずかにズレている。
 ・STEREOランプ点灯、実際のステレオ感もOK
 ・MUTING動作OK
 ・マルチパスH端子からも音声が聞こえる。
 ・基本動作に問題なし、、、と思っていたら、、

L07tii03L07tii04L07tii05L07tii06L07tii07
L07tii14L07tii15L07tii16L07tii17L07tii10

 ・約30分ほど通電していたら突然音声が途切れた!
 ・メーターを見るとSメーターが不規則に大きく振れる。
 ・感度を失ったときにMUTINGが作動する状態。
 ・MUTINGオフにするとSメーターの振れに応じて雑音交じりの放送が聞こえる。
 ・その後Sメーターが完全に感度を失い雑音しか聞こえない。
 ・翌日になって再度通電すると、Sメーター全く振れず。受信不可。
 ・これは重症か、、、?

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・アルミ製一枚板の天板と木製サイドウッドが合体した「コの字型」ボディ。
 ・FM専用7連バリコン OSC部は密閉型
 ・IF回路はwide/narrowに加えてSメーター専用回路もあり
 ・wide回路
  2SK55→2SC535→SAF1→2SC535→uPC577H→SAF2→TA7060P→T1
 ・narrow回路
  2SC535→2SK55→CF1→TA7060P→CF2→TA7060P→TA7060P→CF3→TA7060P→TA7060P→T1
 ・Sメーター回路
  Q7(2SC535)→CF4→CF5→Q8,9,10,11,12(2SC535)→T3→IC8(NJM4558D)→Sメーター
 ・IC7:HA1137W→Tメーター駆動、Sメーター回路は未使用。
 ・第2OSC回路
 ・IC10:HA11223
 ・電源回路の横に黒いボックスは何でしょう?
 ・底板を外して裏側から黒ボックスにアクセス可能。
 ・分解してみると独立したパルスカウント検波基板が収まっていました。

L07tii20L07tii21L07tii22L07tii23L07tii24
L07tii25L07tii26L07tii27L07tii28L07tii29
L07tii30L07tii31L07tii32L07tii33L07tii34
L07tii35L07tii36L07tii37L07tii38L07tii39
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L07tii45L07tii46L07tii50L07tii51L07tii52
L07tii54L07tii55L07tii56L07tii57L07tii58

■修理記録:電源回路--------------------------------------------------

 ・Sメーターが激しく左右に振れて受信状態が不安定になる。
 ・ということはSメーター回路の故障か?
 ・しかしSメーター回路が壊れてもWide/Narrow回路と検波回路は生きているはず。
 ・wide/narrow どちらも同じ不具合症状、マルチパスH端子も同じ症状
 ・HA1137W 6ピン クアドラチュア検波信号も出ていない。
 ・まずは電源電圧チェックから着手。

  電源回路規定値 実測値
 ・ 4番端子 -13.5V -8~-9V 不安定
 ・ 6番端子  (GND) ±0V
 ・ 7番端子 +13.5V +8~+9V 不安定
 ・10番端子 + 3.7V +4.5V
 ・12番端子 + 2.5V +3.2V

Kenwood_l07tii_sche

 ・規定値に対して電圧不足かつ不安定な状態です。
 ・IC1:JRC4558D 1ピン -8~-9V 不安定
 ・IC1:JRC4558D 7ピン +8~+9V 不安定

 ・IC1:JRC4558D の足が8本とも黒く変色している、、これが怪しいか?
 ・通常なら4558を交換するところですが、、その前に、、
 ・思うところあって歯ブラシ(硬め)で足と足の隙間を磨いてみました。
 ・黒い汚れを落としてみると、何と!これで直りました。
 ・各部電圧が規定を示し、受信動作も正常になりました。
 ・どうやら黒く変質した物質が端子間を短絡させるようです。
 ・他のICやトランジスタでも同様の症状があったので丹念に清掃しました。

L07tii60L07tii61L07tii62L07tii63L07tii64

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・MUTING オフ
 ・IF BAND wide
【FM OSC調整】
 ・SSG 76MHz → OSCコイル調整 → Sメーター最大
 ・SSG 90MHz → OSCトリマ調整 → Sメーター最大
 ※OSC調整孔がユニット背面側にあるのでアクセスが難しい。
 ※背面パネルの「PASSED」シールを剥がすと丸穴がある。
 ※柄の長いセラミックドライバーがあれば調整可能。
【RF調整】
 ・SSG 76MHz → L1,L3,L4,L5,L7,L8調整 → Sメーター最大
 ・SSG 90MHz → TC1~TC6調整 → Sメーター最大
 ・SSG 83MHz → L10調整 → Sメーター最大
【Sメーター調整】
 ・SSG 83MHz → T3調整 → Sメーター最大
 ・SSG 83MHz,100dB → VR2調整 → Sメーター目盛10
 ・SSG 83MHz, 10dB → VR2調整 → Sメーター目盛 1
【Tメーター調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・SSG 83MHz → 高調波歪が最小になる位置で受信
 ・SSG 83MHz → T2調整 → Tメーター中点
【ノイズアンプ調整】
 ・Q14-G 電圧計セット
 ・離調時 → VR4調整 → 7.0~7.5V
 ・同調時 → 0V 確認のみ
【2nd IF調整】
 ・TP16 → 周波数カウンタ接続
 ・T4調整 → 1.96MHz
【MUTING調整】
 ・SSG 83MHz 20dB → VR3調整 → Muting作動位置
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・83MHz ST変調 → VR6調整 → 19kHz漏れ信号最小
【VCO調整】
 ・R107左足 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz受信 無変調 → VR5調整 → 76kHz
【セパレーション調整】
 ・wide
 ・83MHz ST信号 → VR7調整 → 漏れ信号最小
 ・83MHz ST信号 → VR8調整 → 漏れ信号最小
 ・narrow
 ・83MHz ST信号 → VR9調整 → 漏れ信号最小

L07tii

Kenwood_l07tii_bloc

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・Sメーター専用IF回路やパルスカウント検波の独立基板など凝った構成です。
 ・さすがオーディオ全盛期の高級チューナーですね。
 ・元祖「L-07T」を見てみたい。

L07tii09

TRIO KT-8000 修理調整記録5

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 ・2018年10月、故障したKT-8000が届きました。
 ・発売当時に入手したワンオーナー品が不調になったそうです。
 ・以下、作業記録です。

Kt800007

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・TRIO KT-8000取扱説明書

Kt800002Kt800011

 ・1976年 KT-9700 \150,000円 初のパルスカウント検波搭載機
 ・1977年 KT-9900 \200,000円 パルスカウント検波機の最高峰
 ・1977年 KT-8000 \ 69,800円 中級機で初のパルスカウント検波
 ・1978年 KT-8300 \ 63,000円 KT-8000の後継機。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字「1977」
 ・フロントパネルやボディは経年の汚れでくすんだ感じ。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・窓照明の右半分が暗い。二つのメーター照明はOK。
 ・選局ツマミを回すと放送局周波数付近でTメーターとSメーターが反応する。
 ・STEREOランプ点灯、受信動作自体は正常みたいです。
 ・MUTING動作正常。
 ・ところが固定/可変出力とも酷い雑音しか出ない。
 ・wide/narrowとも同じ雑音症状
 ・マルチパスH端子からは正常な音声が聞こえる
 ・76~80MHz区間で指針移動すると激しいバリバリ音が発生。
 ・バリバリ音に合わせてSメーターが激しく振れる。

Kt800001Kt800003Kt800004Kt800005Kt800006
Kt800010Kt800012Kt800013Kt800014Kt800015

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM専用7連バリコン → HA1137W → MC1496 → 1.96MHz-BPF → PC検波 → HA11223
 ・TメーターとSメーターが正常に動作している。
 ・マルチパスH端子から正常音声が聴こえる。
 ・つまり HA1137W クアドラチュア検波まで正常
 ・TP1.96MHzに周波数カウンタ接続 → 第2IF確認 → L16調整可能 → 正常
 ・HA11223-2ピン(検波信号入力)→ 正常
 ・HA11223-5ピン(Rch)、6ピン(Lch)→ ノイズ混りの酷い音×
 ・不調原因はHA11223か?
 ・窓照明用電球3個のうち中央と右端の2個がタマ切れ。

Kt800018Kt800020Kt800019Kt800021Kt800023
Kt800024Kt800025Kt800026Kt800027Kt800028
Kt800029Kt800030Kt800031Kt800032Kt800033
Kt800034Kt800035Kt800036Kt800037Kt800038

■修理記録1:電球交換-------------------------------------------------

 ・窓照明用電球 8V/30mA
 ・ジャンク箱から同等品を探して交換。
 ・電球交換のついでにフロントパネル、ガラス裏側、ツマミ類を清掃。
 ・照明に映える周波数窓が復活しました。

Kt800040Kt800041Kt800042Kt800043Kt800044

■修理記録2:HA11223の足清掃------------------------------------------

 ・HA11223を交換しようと思いましたが、その前に。
 ・真っ黒に変色した HA11223 の足を硬めの歯ブラシで丹念に清掃。
 ・何と!これで直りました!!
 ・酷い雑音が消えてキレイなFM音声が流れてきました。
 ・ICの足に付着した黒い物質が端子間を短絡させるみたいです。
 ・基板を見渡すと同様に足が変色したトランジスタ多数。
 ・これらも歯ブラシと爪楊枝で足の間を磨きました。

Kt800060

■修理記録3:バリバリノイズ--------------------------------------------

 ・76MHz~80MHz間で指針を移動すると激しいバリバリノイズ発生する。
 ・ノイズに合わせてSメーターが大きく振れる。
 ・この症状は経験的にバリコン回転軸の接触不良が怪しい。
 ・爪楊枝の先端で注意深く回転軸を清掃、仕上げに導通グリスを軽く塗布。
 ・この措置でノイズは解消しました。
 ・ときには指針を76~90MHz間を往復させてやると良いです。

Kt800051Kt800050Kt800052

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・SSG 90MHz → TC7調整 → Sメーター最大
 ・SSG 76MHz → L7間隔調整 → Sメーター最大
 ※L7調整は難しいので83MHzの一点調整実施
【RF調整】
 ・SSG 90MHz → TC1~6調整 → Sメーター最大
 ・SSG 76MHz → L1~6調整 → Sメーター最大
 ・SSG 83MHz → L11調整 → Sメーター最大
【FM同調点(HA1137W)調整】
 ・SSG 83MHz → L14調整 → 本体Tメーター中央
【IF調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・SSG 83MHz → L12調整 → Sメーター最大
 ・IF BAND=Narrow
 ・SSG 83MHz → L13調整 → Sメーター最大
【2nd IF調整】
 ・L16調整 → TPにて1.96MHz確認
【Sメーター調整】
 ・IF BAND=Wide → VR1調整 → Sメーターゼロ
 ・IF BAND=Narrow→ VR2調整 → Sメーターゼロ
 ・VR3:Sメーター振れ調整
【ノイズアンプ調整】
 ・D5 カソード側に電圧計セット
 ・離調時 →  VR8調整 → 8.3V
 ・同調時  → 0V 確認のみ
【MPX部調整】
 ・VR7:パイロットキャンセル調整
 ・VR6:VCO調整 TP(R133前足)にて76kHz確認
 ・VR4、VR5:セパレーション調整

■試聴--------------------------------------------------------------

 ・不具合が解消して正常に使える様になりました。
 ・照明に映える周波数窓、アルミパネルの光沢がステキです。
 ・FM放送を流しながらボーっと眺めているだけで幸せな気分になれます。

Kt800008

TRIO KT-8000 修理調整記録6

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 ・2018年10月、偶然にもKT-8000の記事が続きます。
 ・このKT-8000はTメーターが振れないそうです。
 ・以下、作業記録です。

Kt800008

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・TRIO KT-8000取扱説明書

Kt800002Kt800010

 ・1976年 KT-9700 \150,000円 初のパルスカウント検波搭載機
 ・1977年 KT-9900 \200,000円 パルスカウント検波機の最高峰
 ・1977年 KT-8000 \ 69,800円 中級機で初のパルスカウント検波
 ・1978年 KT-8300 \ 63,000円 KT-8000の後継機。パルスカウント検波

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓の照明点灯OK。
 ・narrow、muting、mpx filterの橙色インジケーター点灯OK。
 ・Sメーターは正常に反応するが、Tメーターが右寄りに振れたまま不動。
 ・Sメーター最大点でもmutingオンでは何も音が出ない。
 ・mutingオフにするとモノラル受信音声が聞こえる。
 ・ただしstereoランプ点灯しない。
 ・実際のステレオ感ないのでLED切れかどうかは不明。
 ・wide/narrowとも同じ症状。
 ・固定/可変出力とも同じ症状。
 ・マルチパスH端子からは受信音が聞こえる。
 ・76MHz~80MHz付近で指針を移動すると激しいノイズ発生。

Kt800001Kt800004Kt800005Kt800006Kt800007
Kt800011Kt800012Kt800013Kt800014Kt800015

■内部確認------------------------------------------------------------

Kt800020Kt800021Kt800022Kt800023Kt800024
Kt800025Kt800026Kt800027Kt800028Kt800029
Kt800030Kt800031Kt800032Kt800033

■修理記録1:Tメーター不動--------------------------------------------

 ・Tメーターが右寄りに振れたまま不動。
 ・まずはTメーターを駆動するHA1137Wを確認。
 ・FM同調点調整のL14を回してもTメーターが動かない。
 ・どうやらL14内部のコンデンサが容量抜けしているようです。
 ・対策として基板裏面に温度補償タイプのコンデンサ22pFを追加。
 ・これでTメーターが動くようになりました。
 ・以下の再調整によって正常動作となりました。

Kt800040Kt800041Kt800042Kt800043Kt800044

■修理記録2:バリバリノイズ--------------------------------------------

 ・76MHz~80MHz間で指針を移動すると激しいバリバリノイズ発生する。
 ・ノイズに合わせてSメーターが大きく振れる。
 ・この症状は経験的にバリコン回転軸の接触不良です。
 ・爪楊枝の先端で注意深く回転軸を清掃、仕上げに導通グリスを軽く塗布。
 ・この措置でノイズは解消しました。
 ・ときには指針を76~90MHz間を往復させてやると良いです。

Kt800050Kt800051Kt800052

■予防措置:HA11223の足清掃------------------------------------------

 ・前回のKT-8000の事例があったのでHA11223の足を確認。
 ・このKT-8000も真っ黒に変色しています。
 ・今回は症状は出ていませんが、予防のため歯ブラシで丹念に清掃。
 ・ICやトランジスタの足に付着した黒い物質が端子間を短絡させるケースが頻発しています。

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・SSG 90MHz → TC7調整 → Sメーター最大
 ・SSG 76MHz → L7間隔調整 → Sメーター最大
 ※L7調整は難しいので83MHzの一点調整実施
【RF調整】
 ・SSG 90MHz → TC1~6調整 → Sメーター最大
 ・SSG 76MHz → L1~6調整 → Sメーター最大
 ・SSG 83MHz → L11調整 → Sメーター最大
【FM同調点(HA1137W)調整】
 ・SSG 83MHz → L14調整 → 本体Tメーター中央
【IF調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・SSG 83MHz → L12調整 → Sメーター最大
 ・IF BAND=Narrow
 ・SSG 83MHz → L13調整 → Sメーター最大
【2nd IF調整】
 ・L16調整 → TPにて1.96MHz確認
【Sメーター調整】
 ・IF BAND=Wide → VR1調整 → Sメーターゼロ
 ・IF BAND=Narrow→ VR2調整 → Sメーターゼロ
 ・VR3:Sメーター振れ調整
【ノイズアンプ調整】
 ・D5 カソード側に電圧計セット
 ・離調時 →  VR8調整 → 8.3V
 ・同調時  → 0V 確認のみ
【MPX部調整】
 ・VR7:パイロットキャンセル調整
 ・VR6:VCO調整 TP(R133前足)にて76kHz確認
 ・VR4、VR5:セパレーション調整

Kt8000i

■試聴--------------------------------------------------------------

 ・Tメーターが左右に振れるようになりました。
 ・STEREOランプ点灯、MUTING動作OK、不具合は解消しました。
 ・照明に映える周波数窓、アルミパネルとのコントラスト、横顔がステキです。

Kt800003

MacBook Air 2018

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 ・2018年10月30日、Apple Special Event in New York
 ・まさか新型MacBook Air が発表されるなんて!!
 ・しかも既にオーダー可能で発売日(11月7日)に届くなんて!
 ・早速アップルストアでオンライン注文。
 ・2018年11月7日、発売日当日に自宅に届きました。
 ・久々に興奮した衝動買いでした(笑)

Macbook_air22

 ・実は2011年に購入した11インチMBAをまだ現役で使っていました。
 ・最近の主な用途はSwiftでiOS用アプリの開発。
 ・このブログ記事など、出先でのテキスト入力にも活用しています。
 ・11インチの小型サイズが気に入っていたのですが、、
 ・最近はバッテリーが弱ってきて、そろそろ買い替えかな~。
 ・年末に12インチMacBookを買おうかな~、まさに思案中でした。

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・色はどうしよう?
 ・ゴールドは趣味じゃない、シルバーは平凡過ぎる。
 ・悩んだ末にあまり見かけないスペースグレイをチョイス。

Macbook_air01Macbook_air02Macbook_air03Macbook_air04Macbook_air05

  ・13インチMacBook Air - スペースグレイ¥128,800
  ・1.6GHzデュアルコア第8世代
  ・Intel Core i5プロセッサ(TurboBoost使用時最大 3.6GHz)
  ・Retinaディスプレイ
  ・8GB 2,133MHz LPDDR3メモリ
  ・128GB SSDストレージ
  ・Intel UHD Graphics 617
  ・Touch ID
  ・感圧タッチトラックパッド
  ・Thunderbolt 3ポート x 2
  ・バックライトキーボード 日本語(JIS)

■新旧比較-----------------------------------------------------------

 ・画面サイズは11→13とサイズアップなのに、本体横サイズは小さくなっている。
 ・ただし本体縦サイズは大型化。
 ・レティーナディスプレイの威力!小さな文字まで美しい。
 ・タッチパッドの面積が大きくなって使いやすい。
 ・キーボードのタッチ感触が「ペチャ、ペチャ」という感じでやや微妙?
 ・キーボード透過照明は漏れ光量が無くて見た目がとても良い。
 ・トップパネルのアップルロゴが光らないのがちょっと残念。

Macbook_air10Macbook_air12Macbook_air13Macbook_air14Macbook_air16

 ・最近はドローン(Tello)プログラミングに没入中。
 ・編隊飛行が可能な Tello EDU が欲しいい、、

Tello05_2

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