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Accuphase T-101 修理調整記録3

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 ・2018年1月、ウッドケースに納まったT-101が届きました。
 ・このウッドケースはとっても高級感があります。
 ・今回のMPX-ICは LM1310N でした。
 ・以下、作業記録です。

T10107

■製品情報-------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年5月発売)
 ・オーディオ懐古録 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年)
 ・Hifi Engine Accuphase T-101 FM Stereo Tuner ※サービスマニュアルあり
 ・取扱説明書(日本語版)

T10101T10113

■動作確認--------------------------------------------------------------

 ・ウッドケース付きのT-101を初めて見ました。
 ・重厚なウッドケースは高級感たっぷり、目立つキズもなくとても綺麗。
 ・電源オン、周波数窓と二つのメーターが青色照明に浮かび上がる。
 ・アンテナ端子に接続して動作確認。
 ・名古屋地区のFM放送を受信するとSメーター、Tメーターが大きく振れる。
 ・マルチパスメーターもそれなりに動いている。
 ・三つのメーターの動き方は正常。
 ・固定/可変出力とも音声OK。マルチパスH端子、FM DET OUT端子も音声OK。
 ・MUTING動作OK、STEREOランプ点灯。
 ・特に不調箇所は無さそうです。

T10102T10103T10104T10105T10106
T10109T10110T10111T10112T10108

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・FM専用5連バリコン、WIDE系、NARROW系、レシオ検波
 ・MPX-IC:LM1310N
 ・1号機 → TA7156P、2号機 → HA1156W、今回はLM1310N です。
 ・パーツリストでは MC1310P、回路図では LM1310N、LM1310P
 ・1,2号機で接触不良があったコネクタ部分をチェックしました。
 ・今回の個体はとても綺麗で接触不良なし。
 ・念のためコネクタを抜いて接点を磨いておきました。

T10120T10122T10123T10124T10125
T10126T10127T10128T10129T10130
T10131T10132T10133T10134T10135
T10136T10137T10138T10139T10142

■調整記録-------------------------------------------------------------

・T-101サービスマニュアルの調整方法に準拠(一部アレンジあり)

T101

【検波調整1】
 ・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
 ・信号なし → IF基板 T3上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・90MHz → フロントエンド CT1調整
 ・76MHz → フロントエンド L11調整
 ・上記調整を数回繰り返す
【トラッキング調整】
 ・90MHz → フロントエンド CT2,CT3,CT4調整 → Sメーター最大
 ・76MHz → フロントエンド L11,L12,L13調整 → Sメーター最大
 ・上記調整を数回繰り返す
【Sメーター調整】
 ・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR4調整 → Sメーター目盛り5
【検波調整2】
 ・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
 ・固定出力 WaveSpectra接続
 ・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 T3下段コア調整 → 高調波歪最小
【MUTING WIDTH調整】
 ・MUTING オン
 ・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR2調整 →
 ・Tメーターを見ながら左右離調時にMUTING作動ポイントが左右対称にする
【MUTING LEVEL調整】
 ・MUTING オン
 ・83MHz 22dB,30%dev → IF基板 VR3調整 → 出力が出現する位置へ
【VCO調整】
 ・MPX基板 IC1 1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 → MPX基板 VR1調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・固定出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 100%dev → MPX基板 VR2調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【音声出力レベル】
 ・固定出力 AC電圧計接続
 ・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 VR1調整 → 2.0v

■試聴-----------------------------------------------------------------

 ・今回は LM1310N に遭遇しました。
 ・毎回新しい発見があって楽しいです。
 ・それにしてもウッドケースの重厚感、高級感、存在感が凄い!

T10108_2


KENWOOD L-01T 修理調整記録5

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 ・2018年1月、L-01Tの調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

L01t04

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年頃)
 ・Hifi engine KENWOOD L-01T※ 輸出機のサービスマニュアルが入手できます。

L01t01L01t10

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源オン、オレンジ色照明が綺麗に点灯。
 ・二つのメーター照明点灯。
 ・Muting、Direct/Normal の青い三角形表示電球が点灯しない。
 ・名古屋地区のFM局を受信OK。約-0.1MHzの周波数ズレ。
 ・STEREOランプは赤く点灯。固定出力、可変出力ともOK。可変VRにガリ。
 ・マルチパスH端子からも正常音声が聞こえる。
 ・NHK-FM受信時に「セミが鳴くような」多重放送ノイズを確認。
 ・76~82MHz間でSメータが振り切れるほどの「バリバリ」ノイズ確認。

L01t05L01t06L01t07L01t12L01t13

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・指針用電球が交換されていました。
 ・仕上がりが奇麗なので多分メーカー修理によるものと思います。

L01t20L01t21L01t22L01t23L01t24
L01t25L01t26L01t27L01t28L01t29
L01t30L01t31L01t32L01t33L01t34
L01t35L01t36L01t37L01t38L01t39

■修理記録:76~82MHz間の「バリバリ」ノイズ---------------------------

 ・経験的にこのノイズの原因はバリコン軸の接点不良です。
 ・バリコン軸と軸受部の隙間を爪楊枝先端で清掃。
 ・これだけで「バリバリ」ノイズは解消しました。
 ・仕上げに導通グリスを塗布しておきました。

L01t50L01t51L01t52

■修理記録:電球切れ--------------------------------------------------

 ・Muting、Direct/Normal の青い三角形表示電球が点灯しない。
 ・電球を外して確認してもフィラメントは切れていない。
 ・電球台座と基板部のただの接触不良でした。
 ・電球台座を左右に少し回転すると3個とも点灯しました。

L01t60L01t61L01t62L01t63L01t07_2

■調整記録------------------------------------------------------------

【FMフロントエンド】
 ・OSC調整83MHz → OSC coil
 ・トラッキング調整76MHz → L1,L2,L3,L4,L5,L6
 ・トラッキング調整90MHz → TC1,TC2,TC3,TC4,TC5,TC6
 ・IFT調整 → L17,L19,L21 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・LA1231Nクアドラチュア検波調整 → L6 → Tメーター中央
【ミューティング調整】
 ・VR2
【WIDE GAIN調整】
 ・Narrow受信 → Sメーターレベル記録
 ・Wide受信 → VR1調整 → Narrow受信時と同レベルに
【Sメーター調整】
 ・VR3
【第2IF調整】
 ・83MHz受信 → L8調整 → TP=1.96MHz ※実測1.71MHz
【VCO調整】
 ・無変調 → VR6調整 → TP(R117) → 76kHz
【Pilotキャンセル】
 ・VR7,L16調整 → 19kHz漏れ最小へ
【ステレオ歪調整】
 ・フロントエンドL21調整 → 高調波歪最小へ
【SCA調整】
 ・MEGURO DARC ENCODER MSG-2170でFM多重信号を生成
  ※L&R=80%、Pilot=10%、DARC=10%
 ・L10,L11調整 → D36カソード側DC電圧最大へ
 ・VR5調整 → IC9-1pin電圧測定 → +電圧が-電圧に変わる位置※
  ※+7.5V→安定して-6.6Vを示す位置
 ・IC9-1pin電圧が+→-に変わることでSCAフィルター回路のスイッチオン
【ノイズアンプ調整】
 ・離調状態  VR4調整 → Q6(2SC2785)エミッタ電圧 → 8V
【SUB調整】
 ・83MHz L-R信号受信 → VR8調整 → Lch最大
 ・同上  → VR9調整 → RchレベルをLchと同じに揃える
【セパレーション調整】
 ・Wide受信時 VR10→Rch、VR11→Lch
 ・Narrow受信 VR1(X13-2690基板)

L01t

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・今回も上記【SCA調整】によってFM多重放送ノイズを回避できました。
 ・漆黒のフロントパネルに映えるオレンジ照明が抜群に美しいですね。
 ・その他再調整によって良い性能を取り戻したと思います。

L01t03

TRIO KT-9900 5号機

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 ・2018年1月初め、KT-9900の故障品が届きました。
 ・外観は綺麗な状態ですがTメーターが動かないそうです。
 ・以下、作業記録です。

Kt990007

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-9900 ¥200,000
 ・オーディオの足跡 TRIO KT-9900 ¥200,000(1978年発売)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-917 ※輸出機
 ・取扱説明書 KENWOODダウンロードサイトから入手可能

Kt990001Kt990010

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルやボディに目立つキズは無く外観の状態はとても良い。
 ・背面に並ぶ端子類もサビやクスミは無くキレイな状態。
 ・底面にはメーカーサービスによる修理歴シールが見当たらない。
 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン。音が出るまで約10秒。
 ・周波数窓照明点灯。メーター照明点灯。DIMMER機能OK。
 ・Sメーターは大きく振れるがTメーターは全く動かない。
 ・DEVIATION/MULTIPATHメーターそれぞれ動作OK。
 ・IF BAND(NARROW,NORMAL,WIDE)切替OK。緑色インジケーター点灯。
 ・MUTING(OFF,10dB,20dB)それぞれ動作OK。橙色インジケーター点灯。
 ・DLLインジケーター点灯、STEREOインジケーター点灯。
 ・Tメーターが動かないこと以外は正常のようです。
 ・この原因究明から始めます。

Kt990002Kt990003Kt990004Kt990005Kt990006

■内部確認------------------------------------------------------------

Kt990020Kt990021Kt990022Kt990023Kt990024
Kt990025Kt990026Kt990027Kt990028Kt990029
Kt990030Kt990031Kt990032Kt990034Kt990035

■修理記録:Tメーター不動--------------------------------------------

 ・回路図を見るとTメーターはIC8:HA1137Wのメーター出力で動いています。
 ・Tメーター端子に電圧が出ていない。
 ・IC8:HA1137W 7ピン 10ピンの電圧が出ていない。
 ・つまりTメーター自体の故障ではない。
 ・IC8:HA1137W 11ピン Vcc電圧 14.2V OK。
 ・IC8:HA1137W 13ピン(Sメーター電圧)も電圧なし。
 ・IC8:HA1137W 6ピン クアドラチュア検波出力も音声なし。
 ・どうやらIC8:HA1137W自体の故障のようです。
 ・底板を外し、電源基板を外すとIC8:HA1137Wのハンダ面にアクセスできます。
 ・ICソケットを設置してジャンク品から取り外した中古HA1137Wに交換。
 ・これによってTメーターが動作するようになりました。

Kt990040Kt990041Kt990042Kt990043Kt990044

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・まともに使える様になったので動作確認を兼ねて調整作業実施。
 ・→調整方法(1号機の記録)

Kt99001Kt99002

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・残念ながらNHK-FMでは多重放送の影響がありました。
 ・曲間の無音部やクラシック番組のピアニシモ部で「サー」というノイズが気になります。
 ・ロックやポップスなどでは気にならないかもしれません。
 ・多重放送の影響がない民放局は良い音で受信できています。
 ・大型メーター、淡いオレンジ照明、フロントパネルのデザインは上品ですね。

Kt990008

KENWOOD D-3300T 修理調整記録3

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 ・2016年9月、D-3300Tの修理調整作業をお引き受けしました。
 ・「正常に受信するが、出てくる音が歪っぽい」という症状です。
 ・調べたところ不調原因はMPX回路のIC17:AN7418Sの故障らしい。
 ・ところが交換用部品が見つからず、捜索開始から1年以上経過。
 ・最近になってようやくAN7418Sを入手できたので再開しました。
 ・以下、作業記録です。

3300d07

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年発売)
 ・Tuner Information Center (T.I.C) KT-3300D(1987年 $525)※回路図あり
 ・取扱説明書 (国内版)

3300d023300d09

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は光沢ツヤがあってとても綺麗、新品みたいな状態です。
 ・フロントパネル、ボディ、サイドウッドともにキズが見当たりません。
 ・さて、アンテナ端子A に同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・表示部は明るく点灯。輝度劣化や文字痩せは感じません。
 ・地元FM局を受信しながら点検。
 ・オートチューニングで名古屋地区のFM局を正常受信。
 ・IF BAND切替(WIDE/NARROW)切替OK。MUTING動作OK。
 ・ステレオランプ点灯。REC CAL信号OK。
 ・プリセットメモリや他のスイッチで接触不良(タクトスイッチ不良)なし。
 ・ご指摘の症状の内、受信感度が低いとは特に感じませんでした。
 ・音が歪っぽいと感じる点は同感です。
 ・信号発生器から基準音を送信、Wavespectraで確認してみました。
 ・モノラル受信では正常です。
 ・ところがステレオ受信では酷い高調波が出ています。
 ・これはMPX回路に故障箇所がありそうです。

3300d033300d043300d053300d113300d12

■調整記録:前半--------------------------------------------------------

 ・まずは一通り受信調整しようと試みました。
【本体設定】
 ・IF BAND:WIDE
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
 ・QUIETING CONTROL:NORMAL
【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz →  L5(X05-)調整 → 3.0V±0.1V
 ・90MHz → TC5(X05-)調整 →25.0V±0.1V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dBu)受信 → L12(X86-)調整 → 0.0V±10mV
 ・TP16~TP17 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dBu)受信 → L9 (X86-)調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・76MHz(1kHz,100%変調,40dBu)→ L1~4 (X05-)調整 → 電圧最大
 ・90MHz(1kHz,100%変調,40dBu)→ TC1~4(X05-)調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dBu)→ L10,L11,L22(X05-)調整 → 電圧最大
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dBu)→ L11(X86-)調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,14dBu)→ VR1(X86-)調整 → STEREOランプ点灯
【SIGNAL METER調整】
 ・(X13-)電源スイッチ後方の小さな基板
 ・83MHz(無変調,43dBu)→ VR3(X13)調整 → 7番目のドット(最上段)点灯
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(10Hz,100%変調,80dBf) → VR2(X13)調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MPX VCO調整】
 ・TP15に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dBf) → VR5(X05-)調整 → 76.00kHz±50Hz

 ●ここで問題発生
 ●STEREOランプが点灯するものの分離度は20dB程度。ラジオ並み。
 ●WaveSpectraで波形を見ると高調波歪が酷い状況。

D3300tbebore2

 ●回路図確認しながら基板上で信号を追う。
 ●MPX回路の電解コンデンサ交換するも改善なし
  ・C126:0.47uF/50V、C127:0.22uF/50V、C128:1uF/50V、C135:100uF/10V、C136:100uF/10V
 ●怪しそうなICを交換するも改善なし
  ・IC21:4560D、IC22,23:5532DD、IC16:MC1495L
 ●こうなるとMPX回路 IC17:AN7418S(基板裏面に実装)が怪しい?
 ・AN7418Sデータシートを見ると「カーラジオ用IC」と書かれています。
 ・AN7418Sを捜索したところ、米イーベイで@8.95ドルの出品がありました。
 ・ただ日本への送料を加味するとちょっと躊躇いますね、、
 ・国内では見つからないし、さてどうしたものか??

3300d513300d503300d1023300d1033300d53

■修理記録:AN7418S交換-----------------------------------------------

 ・着手から1年以上経った2017年12月末、別件修理に必要な部品をヤフオクで落札。
 ・その出品者(業者)さんに問い合わせたところ、何とAN7418Sを手配可能とのこと!
 ・早速お願いして2018年1月末に入手することができました。
 ・金額的に高いか安いかは分かりませんが他に方法は無いので納得です。
 ・2018年1月、D-3300Tの作業を再開。
 ・IC17:AN7418Sはちょうどフレームの真下にあるのでこのままでは作業がやりにくい。
 ・シャーシを分解してフレームを外した方が良いです。
 ・慎重に作業を進めてAN7418Sを交換完了。
 ・電源オン、きれいなFM音声が聴こえてきました、、良かった、、
 ・もう一度最初から調整作業のやり直し。
 ・酷かった高調波歪が消えて本来のグッドサウンドが聴こえてきました。

3300d1043300d1063300d1083300d1093300d110

■調整記録:後半------------------------------------------------------

【MPX VCO調整】
 ・TP15に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dBf) → VR5(X05-)調整 → 76.00kHz±50Hz
【PILOT CANCEL調整1】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dBu)→ VR1(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【PILOT CANCEL調整2】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dBu)→ L20(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号,10%変調,80dBu)→
   → L19(X05-)調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR3(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR4(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR6(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR5(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR7(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整6】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR8(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整7】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR9(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整8 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR2(X86-)調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 L】
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR4(X05-)調整 → Lchもれ最小
【SEPARATION調整2 R】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR3(X05-)調整 → Rchもれ最小
【SEPARATION調整3 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR2(X05-)調整 → もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・REC CAL オン → VR4(X13)調整 → 左から4番目のドットが点灯する位置

D3300t

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・再調整によって本来の性能を取り戻したと思います。
 ・着手から1年5ヶ月、修理に要した時間の最長記録を更新しました(笑)

3300d06

Victor JT-V45 修理調整記録3

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 ・2018年2月初め、JT-V45の再調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Jtv4503

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 VICTOR JT-V45 VICTOR ¥39,800(1976年頃)
 ・取扱説明書 PDF版

Jtv4502Jtv4511

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源オン。周波数窓の照明なし、指針先端だけが緑色に光るタイプ。
 ・二つのメーター照明点灯。Tメーター中央とSメーター最大が一致。
 ・-0.1MHz程度の周波数ズレ。
 ・STEREOランプ赤く点灯。MUTING動作OK。
 ・HI-BLENDでは高域が抑えられる効果確認。
 ・333HzテストトーンOK。ピンクノイズ発生機能OK。
 ・僅かな周波数ズレ以外は特に問題なさそうです。

Jtv4501Jtv4504Jtv4505Jtv4506Jtv4507

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・7連バリコン、HA1137W クアドラチュア検波、HA1156 PLL-MPX

Jtv4522Jtv4523Jtv4524Jtv4525Jtv4526
Jtv4527Jtv4528Jtv4529Jtv4530Jtv4531

■調整記録-------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・Sメーター電圧確認 HA1137W-13ピン → R159左側端子
 ・90MHz TC7,TC6、76MHz L110,L111
【フロントエンド調整】
 ・90MHz TC1,TC2,TC3,TC4,TC5,
 ・76MHz L102,L104,L105,L106,L107
【検波調整】
 ・83MHz受信
 ・T102 → 高調波歪最小
 ・T101 → 高調波歪最小
【MUTING調整】
 ・R165
【VCO調整】
 ・R179 TP 19kHz確認
【セパレーション調整】
 ・R313
【テストトーン調整】
 ・R332 333Hzレベル調整 -6dB
 ・R140 PINK NOISEレベル調整用
  ※R140は接着剤で強力に固められているので調整不可

Victor_jtv45algn

Victor_jtv45_bd

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・故障個所は無かったです。
 ・経年変化による調整ズレを修正しました。
 ・この状態でお返ししますので引き続き動作確認をお願いします。

Jtv4508

KENWOOD KT-7020 2号機

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 ・2018年1月末、部品取り目的でKT-7020ジャンク機を入手しました。
 ・欲しい部品とはメイン基板上に縦置きされた「検波基板 X86-1020-00 B/3」。
 ・KT-7020の底面には点検口が無いので、基板を取り出すには分解するしかない、、
 ・以下、分解前の動作確認および調整記録です。

Kt702006

■製品情報----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD KT-7020
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-7020 AM/FM Stereo Tuner (1989-92)
 ※輸出機用のサービスマニュアルが入手できます。

Kt702001Kt702009

■動作確認----------------------------------------------------------

 ・外観に目立つキズは無い。純正らしきAMループアンテナが付いていました。
 ・FMアンテナとAMループアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数表示部が明るく点灯。輝度劣化や文字欠けはない。
 ・ただ選局ツマミ操作時の挙動がおかしい、、不規則に誤動作します。
 ・たとえば、、
  ・オート選局で周波数アップ方向に操作してもダウン方向に動く
  ・オート選局で周波数ダウン方向に操作してもアップ方向に動く
 ・マニュアル選局なら正常に作動する。周波数ズレなし。
 ・RF切替(DISTANCE/LOCAL)OK、IF切換(WIDE/NARROW)OK。
 ・TメーターとSメーターを表す表示もOK、STEREOランプ点灯。
 ・DEVIATIONバー点灯OK、REC CALトーンOK。
 ・AMもオート選局時の挙動がやはりおかしい。マニュアル受信はOK。
 ・TV受信機能は確認不能。
 ・オート選局機能に不具合がありますがFM/AMとも受信機能は生きています。

Kt702003Kt702004Kt702005Kt702010Kt702011

■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・過去記録にもある通り、KT-7020とKT-V990の内部構成はほとんど同じ。

Kt702020Kt702021Kt702022Kt702023Kt702024
Kt702025Kt702026Kt702027Kt702028Kt702029
Kt702030Kt702031Kt702032

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・KENWOOD KT-7020 輸出機回路図

Kt7020

【本体設定】
 ・IF BAND:WIDE
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
【VT電圧】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 実測 3.2V
 ・90MHz → TC1調整 → 実測24.4V
【検波調整】
 ・TP5~TP6 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調)受信 → L12調整 → 0.0V
 ・TP7~TP8 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調)受信 → L9調整 → 0.0V
【RF調整】
 ・D40 アノード側 DC電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz → L1,L4,L7,L10,L17調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
 ・83MHz(19kHz信号,20dB)→ VR1調整 → STEREOインジケータ点灯
【MPX VCO調整】
 ・TP19~20 周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調) → VR3調整 → 76.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号)→ L33調整 → Lch最小
【歪調整 DET】
 ・83MHz(MONO信号)→ VR3調整 → 歪率最小
【歪調整 MONO】
 ・83MHz(MONO信号)→ VR4調整 → 歪率最小
 ・83MHz(MONO信号)→ VR6調整 → 歪率最小
【歪調整 ST-L】
 ・83MHz(L信号)→ VR5(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号)→ VR7調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整】
 ・83MHz(R信号)→ VR4調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz(L信号)→ VR5調整 → R信号もれ最小
【AM VT電圧調整】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・ 531kHz → L26調整 → 実測 1.5V
 ・1602kHz → TC2調整 → 実測 8.5V
【AM RF調整】
 ・ 600kHz → L27調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → TC3調整 → Sメーター最大

Kt702007

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・調整によって受信感度、歪補正、セパレーションが大幅に改善しました。
 ・テレビ機能は使えませんが、FM/AMチューナーとして十分使えます。
 ・今回は部品取り目的だったので、分解実験を経てドナーに供しました。

702001702004702003702005702006

PIONEER F-717 修理調整記録2

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 ・2018年2月、F-717の点検と調整作業をお受けしました。
 ・AM音量が小さいとのご指摘です。
 ・以下、作業記録です。

Pioneer_f71709

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 PIONEER F-717 ¥59,800(1987年発売)
 ・オーディオ懐古録 PIONEER F-717 ¥59,800(1987年発売)
 ・Hifi Engine PIONEER F-91 輸出機のサービスマニュアルあり

Pioneer_f71701Pioneer_f71711

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルやボディに目立つキズはない。
 ・電源コードの印字:1978
 ・FM用75Ω端子はA/Bの2系統。
 ・FMアンテナA端子に同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・蛍光表示部は正常に点灯。文字痩せ、文字欠け無く輝度も十分。
 ・オートチューニングで名古屋地区のFM局を正常受信。
 ・Sメーターのレベル表示OK。STEREOランプ点灯。MUTING動作OK。
 ・同梱いただいた純正AMループアンテナを接続してAMチェック。
 ・AM局もSメーター全点灯状態で受信OK。
 ・FM/AMとも基本動作は良さそうです。

Pioneer_f71703Pioneer_f71704Pioneer_f71705Pioneer_f71706Pioneer_f71707
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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・基板上のシールドケース目立ちます。
 ・オーディオ用電解コンデンサー(緑色MUSE)がたくさん並んでいます。
 ・F-717の底面には点検口がないのでメンテナンス性は最悪です。
 ・シールドケースを外すにはボディを分解して基板を取り外す必要があります。
 ・今回はハンダ面を確認できる程度の「半分解」で止めました。

Pioneer_f71720Pioneer_f71721Pioneer_f71722Pioneer_f71723Pioneer_f71724
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 ・シールドケースを外した状態の写真は前回1号機の写真を流用しました。
 ・複雑な回路構成を理解するために信号の流れを書き込んだ図を再掲します。

F717_align3

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・SMにはRF調整、信号系の同調点調整、MUTING調整、REC LEVEL調整しか載っていません。
 ・ブロック図、回路図、回路解説を参考にして調整手順を組み立ててみました。
 ・正しい方法かどうか分からないので参考程度です。

F717_align

●FM部調整
【VT電圧調整】
 ・TP33電圧計セット
 ・90MHz → 実測値  L3調整 → 23.5V ※実測23.3V
 ・76MHz → 実測値  7.1V ※確認のみ
【RF調整】
 ・TP22(=IC108 PA5008-10ピン)電圧計セット ※Sメーター電圧確認
 ・90MHz 60dB受信 → TC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大へ
 ・76MHz 60dB受信 → L1,T1,L2調整 → 電圧最大へ
【制御用検波調整】
 ・TP24~TP26 電圧計セット ※R181両端=Tメーター出力
 ・83MHz 60dB受信 → T103a(奥)調整 → ±0V
 ・TP25(=IC108 PA5008-12ピン)WaveSpectra接続 ※クアドラチュア検波出力
 ・83MHz 60dB受信 → VR101調整 → MONO歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → T101,102調整 → MONO歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → T103b(手前)調整 → MONO歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → VR106調整 → MONO歪最小
【IF VCO調整】
 ・TP29 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 60dB受信 → L118 調整 → 13.45MHz ※実測13.41MHz
 ・TP27 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 60dB受信 → 10.7MHz ※確認のみ
【IF歪調整】
 ・TP15(=IC201 PA5008-12ピン)WaveSpectra接続
 ・83MHz 60dB受信 → VR107調整 → MONO歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → T105,T106,T107,T108,T109,T104調整 → MONO歪最小
【検波歪調整】
 ・83MHz 60dB受信 → シールドケース内T201調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → VR201,VR202調整 → 高調波歪最小
【38kHz調整】
 ・TP19 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 60dB(無変調)受信 → VR206調整 → 38kHz
【PILOT CANCEL調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 60dBステレオ受信 → VR207調整 → 19kHz漏れ最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 60dBステレオ受信 → VR204,VR209調整 → L-R調整
 ・83MHz 60dBステレオ受信 → VR205,VR208調整 → R-L調整
【Sメーター調整】
 ・VR104(=IC108 PA5008 10ピン)→ Sメーター点灯レベル調整
 ・VR102 ※VR104との関係がよく分からない
【ミューティング調整】
 ・83MHz 18dB受信 → VR103調整 → ミューティング動作位置へ
【REC LEVEL調整】
 ・REC CAL オン → 出力レベル確認(実測339Hz)→ VR302調整 → 出力レベル-6dB
 ・実測319Hz
●AM部調整
【VT電圧調整】
 ・TP33 電圧計セット
 ・522kHz → L301調整 → 2V±0.3V ※実測2.9V
 ・1629kHz → TC301調整 → 19.5V±0.5V ※実測24.5V
【受信調整】
 ・TP35 電圧計セット
 ・VR301を中央位置にセット
 ・729kHz 受信 → T301調整  → 電圧最大へ
 ・1332kHz受信 → TC302調整 → 電圧最大へ
 ・603kHz 100dB受信 → VR301調整 →4.9V±0.1V ※注意:5.2V以上にしないこと

Pioneer_f91_sche

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・FM/AMとも故障個所は無かったです。
 ・電解コンデンサーはすべてオリジナル状態でした。
 ・FMは受信感度とセパレーション値が大幅に改善しました。
 ・AM部はちょっと高過ぎたVT電圧を基準値に合わせました。
 ・AM受信時の音量が小さいとのご指摘ですが、
 ・私が持っているF-717と比較したところほぼ同じレベルでした。
 ・たぶんこれがF-717の特性だと思います。

Pioneer_f71710_2

SONY ST-JX8

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 ・2018年2月、ST-JX8の修理依頼品が届きました。
 ・依頼者様が発売当時に購入したワンオーナー品だそうです。
 ・これは何とか復活させたい、、
 ・以下、作業記録です。

Stjx809

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 SONY ST-JX8
 ・オーディオの足跡 SONY ST-JX8 ¥70,000(1981年発売)
 ・取扱説明書日本語版、PDF形式

Stjx801Stjx811

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル、ボディとも外観に目立つキズは無くとても綺麗。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。周波数表示が明るく点灯。文字痩せなし。
 ・早速オート選局で名古屋地区のFM局を受信しようとしたところ、
 ・全局とも放送周波数を素通りして受信不可。
 ・手動選局を試みると、Sメーターが最低レベルで点灯して受信OK。
 ・かろうじて受信できる程度なのでSTEREOランプ点灯しない。
 ・AM放送は背面バーアンテナで受信OK。
 ・どこか故障個所があるのか?それとも再調整だけで復活するか?

Stjx802Stjx805Stjx806Stjx807Stjx808
Stjx813Stjx814Stjx815Stjx816Stjx817

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・独立したフロントエンドユニット、レシオ検波
 ・LA1235:FM IF System
 ・uPC1223C:MPX System
 ・LA1245:AM Tuner System
 ・内部構成はST-J75とよく似た印象です。

Stjx820Stjx823Stjx824Stjx825Stjx826
Stjx821Stjx822Stjx827Stjx828Stjx829
Stjx830Stjx831Stjx832Stjx833Stjx834
Stjx835Stjx836Stjx837Stjx838Stjx839
Stjx840Stjx841Stjx842Stjx843Stjx844
Stjx845Stjx846Stjx847Stjx848

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・ネット検索ではST-JX8の資料が見つかりません。
 ・ST-J75の調整方法を参考にしながら調整手順を組み立てました。

【VT電圧確認】
 ・アンテナ入力なし
 ・TP-CV → 電圧計セット
 ・76MHz → L5調整 → 7.5V ※確認のみ
 ・90MHz → TC5調整 → 21.7V※確認のみ
【FM同調点調整】
 ・R228両端(IC201:LA1235横)電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT201調整 → 電圧0V±10mV ※実測-1.8V
【レシオ検波調整】
 ・TP-NULL~GND 電圧計セット
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz受信 → IFT202(黒:左)調整 → 電圧0V±10mV ※実測+1.1V
 ・83MHz受信 → IFT202(赤:右)調整 → 歪率最小
【フロントエンド調整】
 ・IC201:LA1235-13ピン(またはJW51)電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz受信 →  CT1~CT4,IFT101調整 → 電圧最大
  ※L1~L4がボンドで固められているので調整不可
  ※83MHzでCT1~CT4を合わせる方法で調整しました
【ミューティング調整】
 ・83MHz 20dB受信 → RT201調整 → 受信できる位置
【Sメータレベル調整】
 ・83MHz 80dB受信 → RT203調整 → Sメーター全点灯位置
【VCO調整】
 ・TP-76K(R307左足)~GND 周波数カウンタセット
 ・83MHz(無変調)→ RT302調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力 WaveSpectra接続
 ・83MHz(ST)→ RT301調整 → 19kHz漏れ信号最小
 ・83MHz(ST)→ L301調整 → 19kHz漏れ信号最小 ※左右バランス注意
【セパレーション調整】
 ・83MHz(ST-Lch)→ RT305調整 → Rch最小
 ・83MHz(ST-Rch)→ RT355調整 → Lch最小
【OUTPUTレベル調整】
 ・音声出力端子 TP62 AC電圧計セット
 ・83MHz(60dB)受信 → RT305調整 → Lch 0.775V
 ・音声出力端子 TP64 AC電圧計セット
 ・83MHz(60dB)受信 → RT306調整 → Rch 0.775V
【REC CAL調整】
 ・音声出力レベル測定
 ・REC CALオン → RT202調整 → 音声出力レベル-6dB
 ※実測366Hz
【AM VT電圧調整】
 ・CT401 CT402
 ・L401 バーアンテナ
 ・RT401(AM SIG)電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・IFT401、IFT402
 ・RT402(AM MUTE)

Stjx8

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・精悍なフロントマスクがカッコいいですね。
 ・FM受信の問題は、経年変化によるFM同調点のズレが原因でした。
 ・同調点以外の各調整ポイントも大幅にズレていました。
 ・再調整によって現状でのベスト状態になったと思います。
 ・アンテナ環境のセッティングをいろいろお試しください。

Stjx810


KENWOOD D-3300T 修理調整記録4

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 ・2018年1月初め、D-3300Tの故障機が届きました。
 ・某FM放送局でモニター用に使われていたものだそうです。
 ・これはある意味「由緒正しい」個体ですね。
 ・さて、作業内容をご報告します。

D3300t09

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年発売)
 ・Tuner Information Center (T.I.C) KT-3300D(1987年 $525)※回路図あり
 ・取扱説明書 (国内版)

D3300t02D3300t12

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・サイドウッド無し、側面を固定するネジ無し、底面の脚も無し。
 ・フロントパネルに白い番号シール、可変出力VRの目盛りに赤い目印シール。
 ・放送をモニターするため複数台のD-3300Tがラックに収まっていたのかな?
 ・放送局のモニタールームを妄想してしまいます。
 ・さて、アンテナ端子A に同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・表示部の文字数字が輝度劣化のため部分的に痩せて暗い。
 ・これは長期間に渡って同じ周波数を表示し続けていた証拠ですね。
 ・チューニングつまみの回転フィーリングがとても重い。
 ・もしかしたら回したことがほとんど無いのかも?
 ・地元FM局を受信しようとしたところ、
 ・オートチューニングでは局周波数をすべて素通りしてしまいます。
 ・Tuneメーター点灯しない、Signalメーターも点灯しない。
 ・RF切換 DIRECT / DISTANCE どちらでも受信しない。
 ・IF切換 WIDE / NARROW どちらも受信しない。
 ・マニュアル受信でも全く受信しない。
 ・Modulationを示す横バーが点灯しない。
 ・アンテナ端子B でも症状は同じ。
 ・REC CALトーンは一瞬音が出るがすぐに消える。
 ・これはなかなか手強そうです。

D3300t03D3300t04D3300t05D3300t06D3300t07

■原因調査------------------------------------------------------------

【電源部】
 ・長期間通電したまま酷使されていたという事からまずは電源部のチェック。
 ・電解コンデンサの液漏れやパンクなど目視で分かる不具合は無さそう。
 ・電圧の異常値は見当たらない。

【フロントエンド、RF部】
 ・VT電圧OK
 ・OSC発振周波数OK。IF信号は出ている。

【FM同調点】検波回路基板(X86-1020-00 B/3)
 ・TP10~TP11  L12(X86-)調整 → 電圧変化なし
 ・TP16~TP17  L9 (X86-)調整 → 電圧変化なし
 ・LA1231N-11ピン:Vcc → 15.1V OK
 ・LA1231N- 1ピン:IF IN → 10.7MHzOK
 ・LA1231N- 6ピン:AF OUT → クアドラチュア検波出力なし
 ・LA1231N-13ピン:S METER → 電圧なし
 ・同調コイルL9の内部コンデンサ容量抜け、またはLA1231N自体の故障か?

D3300t40_2

■修理記録:検波回路基板(X8601020-00 B/3)交換-----------------------

 ・検波回路基板(X8601020-00 B/3)を取り外す。
 ・実はD-3300Tの検波回路基板はKT-1100D、KT-V990、KT-7020と同じものです。
 ・そこで部品取り用にKT-7020を入手し、検波回路基板をD-3300Tに移植してみました。
 ・するとフロントパネルの表示管にTメーターとSメーター表示が出現!
 ・LA1231N- 6ピン:AF OUT → クアドラチュア検波出力OK、下記検波調整もOK。
  ・TP10~TP11  L12(X86-)調整 → 電圧ゼロ
  ・TP16~TP17  L9 (X86-)調整 → 電圧ゼロ
 ・まずは一歩前進ですが、音声出力端子からは非常に歪っぽい音が出てきます。
 ・一方マルチパスH端子からは正常な受信音声が聴こえます。
 ・さて、次はノイズ源の捜索。

D3300t40D3300t41D3300t42D3300t43D3300t46

■修理記録:ノイズフロアが異常に高い----------------------------------

 ・WaveSpectraで波形観察。
 ・マルチパスH端子からは正常な受信音が出ている。
 ・しかし音声出力端子からはノイズフロアが異常に高い音声が出てくる。
 ・REC CALトーンを出すと同様にノイズフロアが異常に高い。
 ・この現象の原因は電源系統のトランジスタか電解コンデンサの劣化か?
 ・まずは検波基板CN4-7ピンを辿って電解コンデンサ交換。
  ・C102 0.22uF/50V交換 → 効果なし
  ・C39 1uF/50V交換 → 効果なし
  ・C40,41 4.7uF/35V交換 → 当たり!
 ・原因は電源回路放熱板横にあるC40 4.7uF/35Vの劣化でした。
 ・音声出力端子、マルチパスH端子それぞれから正常な受信音が出るようになりました。

D3300t34

■修理記録:STEREOランプが点灯しない-----------------------------------

 ・次なる問題はステレオ放送受信時に「STEREO」ランプが点灯しないこと。
 ・実際に聴感上もステレオ感がない。
 ・VCO調整を実施してもTP(VCO)に76kHzが出現しない。
 ・IC17(AN7418S)周辺の電解コンデンサ交換
 ・C126 0.47uF/50V交換 → 効果なし
 ・C127 0.22uF/50V交換 → 当り! STEREOランプ点灯
 ・C127が短絡していました。
 ・ついでにMPX回路の電解コンデンサをすべて交換。

D3300t50

■調整記録------------------------------------------------------------

【本体設定】
 ・IF BAND:WIDE
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
 ・QUIETING CONTROL:NORMAL
 ※(X86),(X05),(X13):基板番号
【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz →  L5(X05-)調整 → 3.0V±0.1V ※実測 3.2V
 ・90MHz → TC5(X05-)調整 →25.0V±0.1V ※実測25.8V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dBu)受信 → L12(X86-)調整 → 0.0V±10mV ※実測-0.51V
 ・TP16~TP17 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dBu)受信 → L9 (X86-)調整 → 0.0V±10mV ※実測+0.48V
【RF調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・76MHz(1kHz,100%変調,40dBu)→ L1~4 (X05-)調整 → 電圧最大
 ・90MHz(1kHz,100%変調,40dBu)→ TC1~4(X05-)調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dBu)→ L10,L11,L22(X05-)調整 → 電圧最大
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dBu)→ L11(X86-)調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,14dBu)→ VR1(X86-)調整 → STEREOインジケータ点灯
【SIGNAL METER調整】
 ・(X13-)電源スイッチ後方の小さな基板
 ・83MHz(無変調,43dBu)→ VR3(X13)調整 → 7番目のドット(最上段)点灯
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(10Hz,100%変調,80dBf) → VR2(X13)調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MPX VCO調整】
 ・TP15に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dBf) → VR5(X05-)調整 → 76.00kHz±50Hz
【PILOT CANCEL調整1】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dBu)→ VR1(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【PILOT CANCEL調整2】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dBu)→ L20(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号,10%変調,80dBu)→
   → L19(X05-)調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR3(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR4(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR6(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR5(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR7(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整6】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR8(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整7】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR9(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整8 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR2(X86-)調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 L】
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR4(X05-)調整 → Lchもれ最小
【SEPARATION調整2 R】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR3(X05-)調整 → Rchもれ最小
【SEPARATION調整3 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR2(X05-)調整 → もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・REC CAL オン → VR4(X13)調整 → 左から4番目のドットが点灯する位置

D3300t

■修理記録:オートチューニングで+0.1MHzズレる--------------------------

 ・上記調整方法で各部正常に調整できました。
 ・これで良し!と思って試聴を始めたところ思わぬ不具合発覚、、
 ・上り方向のオートチューニングではFM局周波数で正常に止まる。
 ・ところが下り方向では+0.1MHzズレた周波数で止まってしまう。
 ・メモリー選局すると検波調整はズレていない。
  ・TP10~TP11  L12(X86-)調整 → 正常
  ・TP16~TP17  L9 (X86-)調整 → 正常
 ・通電から1時間ほど経つと正常周波数で止まるようになる。
 ・コントロール部周辺の電解コンデンサー交換するも効果なし。
 ・この原因がよく分かりません。
 ・FM局をメモリーに登録し、メモリー選局すれば正常に使えます。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・かなり時間がかかりましたが、FM放送を受信できるようになりました。
 ・再調整によって良い音が出ています。
 ・ただ、かなり劣化した表示部とオートチューニングの件がちょっと残念です。

D3300t08

■おまけ:D-3300TとKT-7020の基板比較----------------------------------

 ・検波回路基板と歪補正回路基板を並べてみました。
 ・検波回路基板は両者ほぼ同じ。
 ・歪補正回路を比べるとKT-7020は省略型。
 ・ただ基板は同じなので、部品を追加すればD-3300T同等の回路を作れるかも?

702005702006

YAMAHA TX-2000 修理調整記録3

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 ・2018年3月、TX-2000の修理調整作業を承りました。
 ・ステレオ受信ができない状態だそうです。
 ・再調整だけで直るか?
 ・以下、作業記録です。

Tx200008

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA TX-2000 ¥100,000(1988年発売)
 ・Hifi Engine YAMAHA TX-2000 AM/FM Stereo Tuner (1988-92)

Tx200002Tx200010

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・本体に目立つキズなし。サイドウッドも綺麗な状態。
 ・電源オン。オレンジ色の表示点灯。輝度劣化もなく眩しいほど輝いている。
 ・FMアンテナ端子はF型A/B 2系統。同軸ケーブルを接続して受信確認。
 ・オート選局、マニュアル選局で名古屋地区のFM局を正常に受信OK。
 ・受信周波数にズレなし。
 ・メモリ登録して1週間放置しても内容を保持していました。
 ・AMは手持ちの適当なループアンテナを接続して受信確認。
 ・名古屋地区のAM放送局をオート選局で正常に受信OK。
 ・FM/AMとも大きな問題なさそうです。
 ・FMがステレオにならないとのご指摘でしたが正常に動作しています??

Tx200001Tx200003Tx200004Tx200005Tx200006

■内部確認------------------------------------------------------------

Tx200020Tx200021Tx200022Tx200023Tx200024
Tx200025Tx200026Tx200027Tx200028Tx200029
Tx200030Tx200031Tx200032Tx200033

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・海外版サービスマニュアルを一部アレンジ。
【本体設定】
 ・電源投入から5分以上経過していること
 ・OSCコイル、IFTの調整には金属製ドライバーは使用しないこと
 ・まずFMセクションを調整し、次にAMセクションを調整すること
 ・MODE:AUTO ST
 ・BLEND:OFF
 ・IF MODE:NARROW
 ・RF ATT:OFF
 ・FINE TUNING ON → すなわちCSL停止状態
 ・オーディオ出力をWaveSpectra接続
【電圧確認】
 ・+30 → +29V±1V → ※実測+28.6V
 ・+12 → +12.5V±0.5V → ※実測+12.0V
 ・-12 → -12.5V±0.5V → ※実測-11.9V
 ・+ 6 → + 6V±0.5V ※実測+6.0V
【VT電圧確認】
 ・L17の足に DC電圧計接続
 ・受信周波数 90MHz → T8調整 → 24.9V
 ・受信周波数 76MHz → 7.3V ※確認のみ
【FMフロントエンド調整】
 ・VR10の足 DC電圧計セット
 ・77.00MHz(SSG) 無変調 60dB受信 → FINE TUNING 電圧最大となる周波数を探す
 ・77.00MHz(TX2000)にて電圧最大
 ・この状態で T1,T2,T3,T4調整 → 電圧最大
 ・89.00MHz(SSG) 無変調 60dB受信 → FINE TUNING 電圧最大となる周波数を探す
 ・89.00MHz(TX2000)にて電圧最大
 ・この状態で VC1,VC2,VC3,VC4調整 → 電圧最大
【レシオ検波調整】
 ・VR10の足 DC電圧計セット
 ・83.00MHz(SSG) 70dB 無変調 →  FINE TUNING 電圧最大となる周波数を探す
 ・83.00MHz(TX2000)にて電圧最大
 ・基板上のFM S端子~GND間にDC電圧計セット
 ・83.00MHz(TX2000)位置で受信した状態 → T7調整 → 電圧ゼロ
 ※既に調整済みらしくFINEチューニングのズレなし
 ※以下、信号発生器 83.00MHz送信 → TX2000 83.00MHz受信
【モノラル歪調整】
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz 100%変調 → VC5,VR9調整 → Mono歪最小
【PLL入力位相調整】
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO(L-R) → T10,T12調整 → Lch出力最大
【ステレオ歪調整】NARROW
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO(L-R) → VR3,4,5,6調整 → STEREO歪最小
【ステレオ歪調整】WIDE
 ・IF MODE:WIDE
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO(L-R) → T5,6,13,VR1,2,7,8調整 → STEREO歪最小
【セパレーション調整】WIDE
 ・IF MODE:WIDE
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → VR13調整 → L→R漏れ信号最小
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → VR14調整 → R→L漏れ信号最小
【セパレーション調整】NARROW
 ・IF MODE:NARROW
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → VR11調整 → L→R漏れ信号最小
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → VR12調整 → R→L漏れ信号最小
【パイロット信号キャンセル調整】WIDE
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → VR15,T11調整 → 19kHz成分最小
 ・左右chのバランスに注意
【シグナルメーター調整】WIDE
 ・83.00MHz(TX2000) 80dB 1kHz STEREO → VR10調整 → レベルメーター全点灯
【ブレンドチェック】WIDE
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → 受信中にBLENDスイッチON
 ・セパレーション値が左右とも悪化することを確認
【IF オフセット調整】
 ・FINE TUNING OFF → すなわちCSL受信状態
 ・D4~K3を短絡
 ・83.00MHzの表示が「30.0」という表示に変わる。
 ・VR17調整 → 周波数表示を微調整
 ・調整後はD4~K3を開放
 ※D4~K3を短絡すると登録したメモリー内容がリセットされる
AM部
【VT電圧確認】
 ・ 522kHz受信 → L17電圧=3.3V ※確認のみ
 ・1620kHz受信 → L17電圧=24.0V ※確認のみ
【RF、IF調整】
 ・1053kHz受信(名古屋CBCラジオ)→ PK1調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz受信(名古屋CBCラジオ)→ T9調整 → Sメーター最大

Tx2000_2

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・ステレオにならないという現象は再現できませんでした。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・それにしてもYAMAHAデザインはとにかくカッコいいですね。

Tx200007

TRIO KT-9700 修理調整記録

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 ・2018年3月、KT-9700の修理調整作業を承りました。
 ・Lchから雑音が聴こえるそうです。
 ・以下、作業記録です。

Kt970011

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-9700 ¥150,000 1976年
 ・Hifi Engine KENWOOD Model 600T $650 1976

Kt970002Kt970014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字 1976。
 ・年代相応の汚れ、フロントパネルにいくつか目立つキズ。
 ・背面パネル左右に取り付けられたプラスチック製のガード部品が破損。
 ・可変出力のLch端子が破損。ボディ後部の角に凹み。
 ・過去に落下事故があったかもしれません?
 ・さてFMアンテナを接続して電源オン。Tメーターの照明電球が切れている。
 ・SメーターとTメーターの動きは正常。
 ・IFバンド切替に応じてインジケーター点灯。STEREOランプ点灯。
 ・MPX filterの赤色LEDが点灯しない。
 ・固定出力端子で名古屋地区のFM局受信を確認。
 ・マルチパスH端子からも放送が聞こえる。
 ・とりあえず正常に受信しているようです。
 ・ご指摘事項のノイズはまだ確認できません。

Kt970003Kt970004Kt970005Kt970006Kt970007
Kt970008Kt970009Kt970015Kt970016Kt970018

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・X01-1250-10:RF 基板
 ・X02-1090-10:IF 基板
 ・X02-1110-10:検波基板
 ・X04-1090-10:MPX基板
 ・X13-2370-10:スイッチ基板
 ・X00-1810-10:電源基板

Kt970020Kt970025Kt970027Kt970030Kt970036
Kt970039Kt970044Kt970045Kt970046Kt970049

■修理記録:可変出力端子修理------------------------------------------

 ・Lch端子が大きく変形しています。
 ・力技で元の位置に戻しました。
 ・Lchから雑音というのはこれが原因かも?

Kt970019Kt970050Kt970051Kt970052Kt970053

■修理記録:電球交換--------------------------------------------------

 ・切れていたTメーター照明電球を取り外し。
 ・ジャンク箱にあった中古電球に交換。
 ・次にMPX FILTERの赤色LEDの交換するため基板を分解。
 ・KT-9700のインジケーター基板を分解するのは初体験です。
 ・IF BAND用の緑色LEDとSTEREO、MUTING、MPX FILTERを示す赤色LEDが並んでいます。
 ・赤色LEDは独特の凸型。同時期のTRIO製チューナーでよく見るタイプです。
 ・他機種では何回か同等部品に交換したことがあります。
 ・ただ、KT-9700では凸型LEDが基板にハンダ付けされていました。
 ・手持ちの凸型LEDと交換しようとしましたがサイズが微妙に合いません。
 ・残念ですが、MPX FILTERを使う場面は少ないのでこのままにしておきます。

Kt970070Kt970071Kt970072Kt970060Kt970061
Kt970054Kt970062Kt970063Kt970064Kt970065
Kt970066Kt970067Kt970068Kt970069Kt970007_2

■調整記録------------------------------------------------------------

【OSC調整】
 ・SSG 83.0MHz → フロントエンドOSC調整 → Sメーター最大
 ※一点調整のため両端では多少のズレが発生します
【RF調整】
 ・SSG 76.0MHz → L1,L3,L4,L5,L7,L8,L9 → Sメーター最大
 ・SSG 90.0MHz → TC1,TC2,TC3,TC4,TC5,TC6,TC7 → Sメーター最大
【IFT調整】
 ・SSG 83.0MHz → フロントエンドL12調整 → Sメーター最大
 ・歪最小になるIF周波数=10.73MHz
【Tメーターオフセット調整】
 ・IF基板(X02-1090-10)12番端子に周波数カウンタ接続
 ・IFバンド=WIDE
 ・SSG 83.0MHz → 選局ツマミを回して1.994MHz(*)を示す位置へ
 ・検波基板(X02-1110-10) VR1調整 → Tメーター中点
  ※本機の実測IF周波数=10.73MHz
  ※本機の水晶発振子= 8.736MHz
  ※第2IF周波数10.73-8.736=1.994MHz
  ※本来は10.7-8.736=1.964MHzですが実機に合わせました。
【IF歪調整】
 ・IFバンド=WIDE
 ・SSG 83.0MHz → Tメーター中点へ
 ・IF基板(X02-1090-10) L15,L16,L17,L18調整 → 高調波歪最小
 ・IFバンド=NARROW
 ・SSG 83.0MHz → Tメーター中点へ
 ・IF基板(X02-1090-10) L19調整 → 高調波歪最小
【ミューティング調整】
 ・IF基板(X02-1090-10) D1カソード側にDC電圧計セット
 ・SSG 83.0MHz → L20調整 → 電圧最大
 ・ミューティングスイッチ40dB → VR1調整
 ・ミューティングスイッチ20dB → VR2調整
【Sメーター調整】
 ・IF基板(X02-1090-10) D9カソード側にDC電圧計セット
 ・SSG 83.0MHz → L21調整 → 電圧最大
 ・SSG 83.0MHz 20dB → VR3調整 → SメーターMIN調整
 ・SSG 83.0MHz 90dB → VR4調整 → SメーターMAX調整
【出力調整】
 ・MPX基板(X04-1090-10) R2右足にAC電圧計セット
 ・SSG 83.0MHz 100%変調信号 → VR1調整 → 500mV
【VCO調整】
 ・MPX基板(X04-1090-10) TP 周波数カウンタ接続
 ・SSG 83.0MHz → VR2調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・固定出力端子をWaveSpectraに接続
 ・IFバンド=WIDE
 ・SSG 83.0MHz ST信号 → VR3調整 → Rch
 ・SSG 83.0MHz ST信号 → VR4調整 → Lch
【DEVIATIONメーター調整】
 ・SSG 83.0MHz 100%変調信号 → VR5調整 → DEV.メーター100%位置へ

Kt9700new

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・ご指摘事項の「Lchから雑音」は確認できませんでした。
 ・破損していた端子の影響があったかもしれません??
 ・各部調整して良い音で受信できるようになったと思います。

Kt970010

TRIO KT-7000

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 ・2018年3月、KT-7000の修理調整作業を承りました。
 ・昭和の香り漂うレトロチューナーです。
 ・以下、作業記録です。

Kt700011

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-7000 ¥61,000(1970年頃)
 ・Hifi Engine Kenwood KT-7000 AM/FM Stereo Tuner (1969)
 ・取扱説明書(英語版)に回路図が掲載されていました。

Kt700001Kt700014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・左右に配置された二つのメーターが独特の印象を醸し出しています。
 ・製造から約48年、さすがに外観はキズや汚れが目立ちます。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓の照明点灯、二つのメーター照明点灯、FM/AMインジケーターランプ点灯。
 ・MUTING、MPX FILTERインジケーターランプ点灯。ランプ切れなし。
 ・とりあえず名古屋地区のFM局を受信しましたが、いろいろ問題あり。
 ・Sメーター最大点とTメーター中点が一致しない。
 ・周波数目盛りと指針のズレが大きい。
 ・STEREOランプが点灯しない。
 ・Tメーター中点を外れた位置でSTEREOランプが点灯することもある。
 ・MUTINGインジケーターは点灯するが実際には作動していない。
 ・一方AMは背面バーアンテナで感度良く受信OK。

Kt700003Kt700004Kt700005Kt700006Kt700007
Kt700008Kt700009Kt700015Kt700016Kt700017

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・UA1122K:FM4連AM3連バリコン搭載フロントエンド基板
 ・UA1211J:FM IF基板
 ・AU1408J:FM MPX基板
 ・UA1218J:AM IF RF基板
 ・UA12123:FM METER IF基板(底面)
 ・大きなクリスタルフィルター×2個、型番不明IFアンプ×5個
 ・輸出機の回路図ではMPX基板とAF基板が分かれていますが、実機では一枚基板でした。
 ・フロントパネルを分解し、ガラス窓の内側を磨きました。

Kt700020Kt700021Kt700022Kt700023Kt700024
Kt700025Kt700026Kt700027Kt700028Kt700029
Kt700030Kt700031Kt700032Kt700033Kt700034
Kt700035Kt700036Kt700037Kt700041Kt700043

■調整記録------------------------------------------------------------

Hfe_kenwood_kt7000_schematics_3

【電源確認】
 ・+24V → +26.8V ※確認のみ
 ・+19V → +20.4V ※確認のみ
 ・+14V → +13.1V ※確認のみ
【フロントエンドOSC調整】
 ・OSC調整:76MHz受信 → L4調整 → Sメーター最大
 ・OSC調整:90MHz受信 → CT4調整 → Sメーター最大
【フロントエンドRF調整】
 ・RF 調整:76MHz受信 → L1,L2,L3調整 → Sメーター最大
 ・RF 調整:90MHz受信 → CT1,CT2,CT3調整 → Sメーター最大
 ・IFT調整:83MHz受信 → L5調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整】→MPX回路へ
 ・L12[黒]調整 → 何も受信しない状態でTメーター中点へ
 ・83MHz受信 → IF基板 L11[赤、黒]調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz受信 → L12[赤]調整 → 歪最小
【ミューティング調整】→Sメーター、STEREOランプ駆動
 ・IF回路D8カソード → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → IF基板L13[赤、黒]調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → IF基板VR3調整 → ミューティング作動レベル設定
【FM Sメーター調整】
 ・底面、メーターユニットの小さな基板 2番端子に電圧計セット
 ・83MHz受信 → T1調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → VR2調整 → Sメーター振れ具合調整
【MPX調整】
 ・MPX基板ダイオードD9カソード側にDC電圧計接続
 ・83MHz受信 → MPX基板L7調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → MPX基板VR1調整 → STEREOランプ点灯位置
 ・2~3時間動作確認のため放置
 ・もしSTEREOランプが消灯していたら、、
 ・83MHz受信 → MPX基板VR2調整 → STEREOランプ点灯位置
 ・MPX基板ダイオードD4カソード側にDC電圧計接続
 ・83MHz受信 → MPX基板L1,L2調整 → 電圧最大
 ・83MHz(SUB信号)受信 → MPX基板L3調整 →Lch出力最大
【セパレーション調整】
 ・固定出力をWavespectraで波形観察
 ・83MHz(ST信号)受信 → MPX基板VR3調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz(ST信号)受信 → MPX基板VR4調整 → Rch漏れ信号最小
 ・83MHz(ST信号)受信 → MPX基板L8,L9調整 → 38kHz信号最小
【AM調整】
 ・AM調整 600kHz:IF基板L12,L13,L15,背面バーアンテナ調整 → Sメーター最大
 ・AM調整1400kHz:フロントエンドCT8,CT7,CT6調整 → Sメーター最大
 ・AM調整1000kHz:L14調整 → Sメーター最大

Kt7000

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・ガラス窓の内側を磨いたので外観は良好です。
 ・FM/AMとも正常に受信できるようになりました。
 ・ただ気になる点があります。
  ・左右の音量レベル差 ※Lchの音が約3db大きい
  ・長時間使っていると同調点がズレてくる
 ・さすがに部品劣化が進んでいるようです。
 ・電解コンデンサーやトランジスタは全数交換した方が良さそうです。
 ・今回はオーバーホールではなく調整だけで作業終了としました。

Kt700012

Apple iPad 6th Generation

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 ・2018年3月末、新型iPad(第6世代)とApple Pencilを購入しました。
 ・Pro以外でも専用ペンが使えることがとっても魅力的でした。
 ・私は仕事でもプライベートでも手書きノートアプリを愛用しています。
 ・iOS用アプリでは用途により「GoodNotes」と「Noteshelf」を使い分けています。
 ・どちらも Apple Pencil をサポートしており、実際の使い勝手は期待以上でした。
 ・趣味の場面では PDF版回路図への書き込みに重宝しています。
 ・作業中に細い配線を辿ったり測定値を書き込んだりするのにピッタリです。
 ・従来のタッチペンを使った記入に比べて細かい作業にストレスがありません。
 ・この機会に買い足した周辺機器の記録を残します。

Ipad600_2

Applepen01Applepen02Applepen03Applepen04Ipad608

■スマートカバー------------------------------------------------------

 ・薄型ボディを損なうことのない スマートカバーは必須アイテムです。
 ・第5世代用のスマートカバーがそのまま使えました。

Cover01Cover03Ipad604Cover05Cover06

■Apple Pencil用充電スタンド------------------------------------------

 ・Apple Pencil はとても役立つツールですが、、
 ・ただペンがコロコロ転がってデスク上で収まりが悪いことが難点でした。
 ・そこでデスク上に常設できる「ペン立て」を探しました。
 ・ホテルのフロントにあるようなボールペン1本を立てるスタンドのつもりでしたが、、
 ・ところがアマゾンで探すと 充電スタンドという商品が多数ヒット。
 ・なるほど「充電機能も備えたペン立て」という商品です。
 ・USBケーブルを繋いでおけばペンのお尻を挿して充電できます。
 ・どれも同じような製品なので一番安い商品をチョイス。
 ・手のひらサイズながら意外にズッシリ重くて安定感がありました。
 ・充電時に外すキャップの置き場所もあって紛失防止に役立ちそう。
 ・Apple Pencilは 15秒の充電で30分使える。満充電まで約1時間30分。
 ・結局もう一個買い足して、自宅と職場にそれぞれに設置しました。

Ipad601

Stand01Stand02Stand03Stand04Stand05
Stand06Stand07Stand08

■Apple Pencil用グリップ(マグネット付き)----------------------------

 ・ペン表面は丸くてツルツルなので長時間持ち続けるのはちょっと辛い。
 ・100円ショップで買った黒いゴム製グリップを装着したものの、見た目が超ダサい。
 ・そんな状況の中、アマゾンで見つけた グリップを買ってみました。
 ・持った感じは100円グリップと大差ないですが、デザイン的には大違い!
 ・グリップ断面を見ると台形になった部分があり、ここに磁石が入っています。
 ・かなり強力な磁力を持っており、金属にしっかりくっつきます。
 ・スマートカバーの磁石部分に付けておくのが一番しっくりくる使い方でした。
 ・Apple Pencilを持ち上げると、そのままiPad本体が持ち上がるほど超強力です。
 ・両面テープ付きの金属プレート2枚が付属品として入っていました。
 ・必要な場所に金属プレートを貼ればApple Pencilをくっつけておけます。

Applepen05_2

Ipad602Ipad603Ipad604_2Ipad605Ipad608_2
Applepen10Applepen11Applepen12Applepen13Applepen15

PIONEER SX-S30

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 ・2018年3月末、価格コムの最安店で新品アンプを買いました。
 ・NETWORK STEREO RECEIVER SX-S30
 ・パイオニア製品で型番に「SX-」を見ると昭和時代のレシーバーを連想しますね。

Sx3071

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・PIONEER SX-S30 / 2chオーディオコンポーネントシリーズ、2016年11月発売、定価65,000円
  ※PIONEERサイトでは「ピュアオーディオ」の製品として紹介されています。
 ・PIONEER SX-S30 取扱説明書
 ・プレスリリース 2016年10月20日
  ※オンキョーサイトに掲載されていました。

Sx3001Sx3002

【主な特長】
 ・クラスDアンプ搭載、85W×2ch
 ・HDMI端子×4系統、ARC対応のHDMI端子も装備
 ・ネットワークプレーヤー機能搭載
 ・Wi-Fi 2.4GHz/5GHz対応
 ・ラジコ、インターネットラジオ、NAS音楽ファイルも再生可能
 ・FMチューナー(ワイドFM対応)、PHONO入力
 ・AirPlay、Bluetooth接続にも対応
 ・PIONEERの音場補正技術「MCACC」搭載
 ・付属マイクで音量差、距離補正、スピーカーの低域再現能力を自動測定
 ・サブウーハーのクロスオーバー周波数も設定
 ・HDMI CEC機能でTVリモコンで電源のON/OFF、音声切替、音量調整など操作可能

Sx3003Sx3004Sx3005Sx3006Sx3007

■導入経緯------------------------------------------------------------

 ・実は自宅のリスニングルームに4K対応55インチTVを導入しました。
 ・SONY BRAVIA 55X9000E
 ・アマゾンで汎用壁掛け金具を調達して自力で壁面に取り付けました。
 ・壁掛けの仕上がりは大満足ですが、予想通り薄型TVの音はイマイチでした。
 ・サウンドバーという製品もあれこれ試聴しましたが何かしっくりこない。
 ・そこで次に外部スピーカーを繋ぐためにアンプ探し。
 ・大掛かりなホームシアターを構築するつもりはないので巨大なAVアンプは対象外。
 ・安価なAVアンプの中から外観重視で PIONEER VSX-S520が目に留まりました。
 ・薄型サイズでお手頃価格、クラスDアンプ、ネットワーク機能も充実しています。
 ・HDMI×4系統、ARC対応でTVの電源に連動する機能がとても魅力的。
 ・さあVSX-S520を買おう! と決めかけたときに SX-S30 の存在に気付きました。
 ・「テレビ中心のシステムで使う複合型2chアンプ」とでも言えば良いでしょうか。
 ・両機を比較すると外観と機能はほぼ同じ。違いはSP出力仕様のようです。
 ・SX-S30 は2ch仕様バナナプラグ対応大型スピーカー端子。
 ・スピーカー端子がたくさんあってもどうせリア用スピーカーは繋がないし、、
 ・2ch仕様でHDMI切替機能を持つアンプを探しましたがこれ以外に無さそう。
 ・思案の末、価格コム最安店(2018年3月末時点)に注文しました。

Sx3040_2

■内部記録------------------------------------------------------------

 ・見てもよく分かりませんが設置する前に内部の記念撮影。

Sx3020Sx3021Sx3022Sx3023Sx3024
Sx3025Sx3026Sx3027Sx3028Sx3029

■使ってみて----------------------------------------------------------

 ・まずは本体ファームウェアのアップデートからスタート。
 ・その後付属マイクをリスニングポイントに設置して音場測定から設定を完了。
 ・HDMI(ARC)でテレビ接続するとTVの電源ON/OFFに連動してSX-S30がON/OFFする。
 ・テレビ音声は SX-S30 に接続したスピーカーから流れる。
 ・テレビリモコンの音量操作で SX-S30 の音量を操作できる。
 ・ワイドFM対応チューナー内蔵で選局はリモコン操作で楽々。
 ・自宅NASに溜め込んだFLACファイルをリモコン操作で簡単再生。
 ・スマホのSpotifyアプリから SX-S30 に接続してストリーミング再生。
 ・Spotify Connectを使うにはプレミアム契約が必須のようです。
 ・無料会員だからか、Chromcast built-inが起動してSX-S30にCastしています。
 ・最近はBGM音源がFMからSpotifyに変わりつつあります。
 ・本格的なプリメインアンプではなく多目的に使える便利な一台でした。

Sx3040Sx3041Sx3060Sx3061Sx3066
Sx3072Sx3073Sx3074Sx3075Sx3076

 ・課題は、、、
 ・本体ディスプレイ部に表示される情報量が少ないので詳細確認はTV画面が必要。
 ・ただこの件は後述する「リモコンアプリ」で解消しました。
 ・NASの音楽ファイルに設定してある「ジャケット写真」が表示できない。
 ・ラジコのエリア判定が「東京」になっていること。たぶん IPv6 のせい?

■リモコンアプリ------------------------------------------------------

 ・Remote App / iPad/Android用リモコンアプリ
 ・スマホ又はタブレットに「Remote App」アプリを導入。
 ・戦力外になった「iPad mini2」にインストールし「リモコンPad」に仕立てました。
 ・設定は初回起動時に接続する機器名(SX-S30)を選択するだけ。
 ・入力切替、ボリューム調整、リスニングモード選択などがiPadから操作できる。
 ・Spotify、TuneIn、radikoなどのストリーミング音楽番組を操作できる。
 ・最大の利点は設定状況を確認するためにテレビをONにする必要が無いこと。
 ・さらに SX-S30 のディスプレイ部は常時「消灯」状態で運用可能。
 ・通常操作はリモコンPadだけで十分でした。
 ・これで Raspberry Pi で組み立てた Volumioは不要になりそうです。

Pioneer01_2Pioneer02_2Pioneer03_2Pioneer04_2Pioneer05_2Pioneer06_2Pioneer07_2

 ・課題は、
 ・NASの音楽ファイルを再生するときリモコンPad上にジャケット写真が表示できない。

■アレクサで音声コントロール------------------------------------------

 ・先に購入した Amazon Echo Dotと連携して音声でアンプやテレビを操作したい。
 ・例えば「アレクサ、テレビ」とか「アレクサ、FM」と話しかけて操作したい。
 ・この件は「家電リモコン」を追加することで実現できました。
 ・詳細は別記事にまとめます。

Eremote02

■備忘録:本体再起動---------------------------------------------------

 ・NASの音楽ファイルやSpotifyを操作しているうちに異常発生。
 ・HDMI(ARC)に接続したテレビからの音声が出なくなった。
 ・他の入力はすべて正常に音が出るのにテレビ音声だけが出ない状態。
 ・電源オンオフを試してもやはりテレビ音声だけが出ない。
 ・本体表示部を見ると、本来は[HDMI] [ARC]が点灯するはずが[DIGITAL]になっている。
 ・[DIGITAL]=「光デジタル入力」に固定されたままで変更できない。
 ・取扱説明書を読むと異常時の対応方法が記載されていました。
 ・今回は【第1段階:本体再起動】で復旧できました。

【第1段階:本体再起動】
 ・スタンバイ状態で電源ボタンを5秒以上長押し
 ・本体設定内容は再起動後も保持される

【第2段階:電源コードの抜き差し】
 ・本体再起動で解決できない場合

【第3段階:本体リセット】
 ・リモコンのホームボタンでホーム画面を出す
 ・「システム設定」→「その他」→「初期設定に戻す」→ENTERボタン
 ・本体設定内容は初期化される

Sx3070

eRemote mini / LinkJapan

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 ・2018年4月初め、アレクサ対応「家電リモコン」を買いました。
 ・先に購入したAmazon Echo Dot と連携して家電を音声コントロールしたい。
 ・アマゾンで探すと同様のリモコン製品はいろんな種類がありますね。
 ・でも評価にばらつきがあってまだまだ発展途上の製品みたいです。
 ・実験目的と割り切って特に根拠なく本製品を選んでみました。

Eremote01

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・eRemote mini / LinkJapan
 ・eRemote mini / 製品仕様書
 ・eRemote mini / 設定マニュアル

 ・箱には手のひらサイズの小さな本体と電源用USBケーブルが入っているだけ。
 ・マニュアルは上記サイトで確認します。

■設定上の注意点------------------------------------------------------

 ・スマホ又はタブレットに「eHome」アプリを導入する。
 ・出場機会を失った「iPad mini2」にインストールし「リモコン専用Pad」に仕立てました。
 ・設定はすべて「eHome」アプリから行う。
 ・接続できるWifiは2.4GHz帯のみ。5GHz帯は使用不可。
 ・アカウント登録としてメールアドレスを設定。
 ・上記メールアドレス宛に認証コードが送られてくる。
 ・認証コードを入力し、その後パスワード設定。

Eremote03Eremote05Eremote06Eremote07Eremote09

■リモコン学習--------------------------------------------------------

 ・家電タイプ(エアコン、テレビ、照明、カスタマイズパネル)を選択。
 ・エアコンとテレビはメーカー選択から簡単に登録できました。
 ・ただ自動で登録できたのは電源オンオフなどの主要ボタンだけ。
 ・特にテレビでは様々な機能ボタンを個別に登録する必要あり。
 ・「カスタマイズパネル」を選択し、アンプ(PIONEER SX-S30)リモコンを登録。
 ・この状態で iPad mini2 が「マルチリモコンPad」に変身しました。
 ・これだけでも便利なのですが、やはり次はアレクサの出番です。

■アレクサとの連携----------------------------------------------------

 ・「アレクサ、テレビ」と言えばテレビの電源が入る。
 ・「アレクサ、NHK」と言えばテレビのチャンネルがNHKに切り替える。
 ・こんな風に音声操作することが目標です。
 ・ネット上で紹介されている先人達の記録を参考にして試行錯誤しました。

【ポイント】
 ・使いたいリモコンのボタンをそれぞれ「照明ON」として登録すること。
 ・アレクサ側でそれぞれのボタンを「定型アクション」として呼び出すこと。
【eRemote miniの設定】
 ・テレビリモコンの電源ボタンを「照明機器」の「オン」ボタンに登録する
 ・学習操作で照明オンに登録し、明、暗、オフは登録せずスキップ。
 ・デバイス名を「照明」から「テレビ」に変更
【アレクサの設定】
 ・アレクサアプリ→「スマートホーム」→「デバイスを追加」
 ・または「アレクサ、デバイスを探して」と指示して新規デバイスを認識させる
 ・アレクサアプリ→「定型アクション」→「新規登録」
 ・実行条件「アレクサ、テレビ」
 ・アクション「スマートホーム」→「テレビ」

 ・これによって「アレクサ、テレビ」と言えばテレビの電源が入ります。
 ・「分かりました」と返事をしてくれるところが可愛い。
 ・テレビの電源が入ることによってHDMI(ARC)接続したSX-S30の電源も連動してオンになる
 ・SX-S30に接続したスピーカーからテレビ音声が流れてきます。
 ・チャンネル変更は「アレクサ、NHK」などと話しかける
 ・SX-S30の入力切換も「CD」とか「FM」などで切り替えられるように登録。
 ・「アレクサ、テレビ」と言えばテレビの電源が切れる。
 ・テレビの電源OFFに連動してアンプの電源も切れる。

Remote01Remote02Remote03Remote04Alexa01Alexa02Alexa03

■使用感など----------------------------------------------------------

 ・初期設定に時間がかかりましたが、とりあえずやりたかったことが実現しました。
 ・「アレクサ、ただいま」→ 照明ON、エアコンON、テレビON (=アンプON)
 ・帰宅時の静かな室内では誤作動なく便利に使えています。
 ・ただテレビや音楽が流れている状態だとアレクサが聞き取りにくいようです。
 ・本体をできるだけ近くに置くなど設置場所の工夫が必要な感じ。
 ・あと気になる点は、、
 ・スマートスピーカーには「アマゾン直通マイク」もセットという事。
 ・「室内の音声がすべてアマゾンに筒抜け」と考えるとちょっと怖いかも、、

■備忘録:音声操作 定型アクションリスト------------------------------

【テレビリモコン】
 ・「アレクサ、テレビ」 → テレビ電源ボタン
 ・「アレクサ、トーカイ」 → チャンネル[1]東海テレビ
 ・「アレクサ、イーテレ」 → チャンネル[2]NHK Eテレ
 ・「アレクサ、NHK」  → チャンネル[3]NHK 総合
 ・「アレクサ、チューキョー」 → チャンネル[4]中京テレビ
 ・「アレクサ、CBC」  → チャンネル[5]CBCテレビ
 ・「アレクサ、メ~テレ」 → チャンネル[6]メーテレ
 ・「アレクサ、アイチ」 → チャンネル[10]テレビ愛知
 ・「アレクサ、チャンネルツギ」 → チャンネル[+]ボタン
 ・「アレクサ、チャンネルマエ」 → チャンネル[-]ボタン
 ・「アレクサ、チデジ」 → 地デジ切換ボタン
 ・「アレクサ、ビーエス」 → BS切換ボタン
 ・「アレクサ、ビデオ」 → 録画リストボタン
  ※「アレクサ、ツギ」を登録しようとしたところ「次」は登録不可でした。
  ※「アレクサ、マエ」を登録しようとしたところ「前」は登録不可でした。
【アンプリモコン】
 ・「アレクサ、アンプ」 → 電源ボタン
 ・「アレクサ、オオキク」 → 音量[+]ボタン
 ・「アレクサ、チイサク」 → 音量[-]ボタン
 ・「アレクサ、ショーオン」 → 消音ボタン
 ・「アレクサ、エフエム」 → 入力切換[TUNER] 
 ・「アレクサ、ティービー」 → 入力切換[TV]
 ・「アレクサ、シーディー」 → 入力切換[CD]
  ※アレクサは「チューナー」という言葉が認識できないようです。
  ※代わりに「エフエム」と登録しました。
【照明リモコン】
 ・「アレクサ、ショーメー」 → 照明オンボタン
 ・「アレクサ、ケシテ」   → 照明オフボタン
【エアコンリモコン】
 ・「アレクサ、エアコン」 → 電源オンボタン
 ・「アレクサ、レーボー」 → 運転切換ボタン[冷房]
 ・「アレクサ、ダンボー」 → 運転切換ボタン[暖房]
 ・「アレクサ、ジョシツ」 → 運転切換ボタン[除湿]


KENWOOD KT-V990 修理調整記録

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 ・2018年3月初め、部品取り目的でジャンク機を入手しました。
 ・「通電のみ確認」という格安品でしたが幸いにも正常動作しました。
 ・以下、分解前に一通り調整した記録です。

Ktv99009

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-V990 ¥59,800(1987年頃)
 ・KENWOOD KT-990D 回路図

Ktv99002Ktv99012

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・目立つキズもなく外観の状態は良いです。
 ・アンテナを接続して電源オン。
 ・FL管点灯。明るさは十分。文字痩せ、文字欠けなし。
 ・オート選局で名古屋地区のFM放送局を正常に受信しました。
 ・バー表示タイプのTメーター、Sメーターの動作OK。周波数ズレなし。
 ・STEREOランプ点灯OK。
 ・RF切替(LOCAL/DISTANCE)、IF切替(WIDE/NARROW)OK。
 ・REC CALトーンOK。
 ・純正ループアンテナで名古屋地区のAM放送を受信できました。
 ・基本的な動作に不具合は無さそうです。

Ktv99003Ktv99004Ktv99005Ktv99006Ktv99007
Ktv99001Ktv99011Ktv99013Ktv99014Ktv99015

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・LA1231N FM IF System
 ・LA3350 PLL MPX
 ・LA1245 AM Tuner

Ktv99020Ktv99021Ktv99022Ktv99023Ktv99024
Ktv99025Ktv99026Ktv99027Ktv99028Ktv99029
Ktv99030Ktv99031Ktv99032Ktv99033Ktv99034
Ktv99035Ktv99036Ktv99037Ktv99038Ktv99039
Ktv99040Ktv99041Ktv99042Ktv99043Ktv99044
Ktv99046Ktv99047Ktv99048Ktv99049Ktv99051

■調整記録------------------------------------------------------------

【本体設定】
 ・ACTIVE RECEPTION OFF
 ・RF SELECTOR DISTANCE
 ・IF BAND WIDE
●FM部
【VT電圧】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 確認のみ※実測3.1V
 ・90MHz → TC1調整 → 確認のみ※実測25.0V
【FM同調点調整】
 ・TP5~TP6 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V
【RF調整】
 ・D42(検波基板CN3 4ピン)DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,40dB)→ L1,L4,L7,L10 調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・D42(検波基板CN3 4ピン)DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,40dB)→ L17調整 → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・TP7~TP8 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12調整 → 0.0V
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L11調整 → 0.0V
【MPX VCO調整】
 ・TP20に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR3調整 → 19kHz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,80dB)→ L33調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DET】※DCC基板
 ・83MHz(MONO信号,400Hz,100%変調,80dB)→ VR3調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】※DCC基板
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR4調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】※DCC基板
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR6調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO/L】※DCC基板
 ・83MHz(L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR5調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO/SUB】※DCC基板
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整】
 ・83MHz(R信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR4調整 → Lchもれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR5調整 → Rchもれ最小
●AM部
【VT電圧】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・ 531kHz → L26調整 → 確認のみ※実測1.4V
 ・1602kHz → TC2調整 → 確認のみ※実測8.0V
【受信簡易調整】
 ・ 729kHz(NHK第一)→ L27調整 → シグナルメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)→ TC3調整 → シグナルメーター最大
 ・1053kHz(CBCラジオ)→ L28調整 → シグナルメーター最大

Ktv990

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・RF=DISTANCEでの受信感度は抜群に良好です。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。

Ktv99010

■分解記録------------------------------------------------------------

 ・検波基板と歪補正回路が載ったDCC基板を取り出しました。
 ・どちらもKT-7020と同じものでした。
 ・ただD-3300Tの基板とは微妙な相違点があります。
 ・なかなか楽しい勉強材料です。

Ktv99060Ktv99061Ktv99063Ktv99064Ktv99065
Ktv99066Ktv99067

Technics ST-9030T 修理調整記録3

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 ・2018年4月末、30Tの修理調整作業を承りました。
 ・受信できるが雑音が入るそうです。

St9030t07

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Technics ST-9030T ¥80,000(1977年頃)
 ・hifiengine Technics ST-9030 ※回路図、調整手順、取扱説明書

St9030t02St9030t10

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・可変出力端子が付け替えられていました。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓と二つのメーターがオレンジ照明に浮かびます。
 ・周波数ズレなし。Tメーター中点とSメーター最大点が合致。
 ・メーター動作を見るとFM放送を正常に受信しているようです。
 ・しかし出てくる音にひどい雑音が混入します。
 ・雑音に連動してステレオランプが明滅。
 ・IF BAND wide/auto を切り替えても同じ雑音が発生する。
 ・Muting オンオフを切り替えても同じ雑音が発生する。
 ・固定端子/可変端子とも同じ雑音が聴こえる。
 ・マルチパスH端子(MPX OUT)からも同じ雑音が聴こえる

St9030t01St9030t03St9030t04St9030t05St9030t06
St9030t09St9030t11St9030t12St9030t13

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・可変出力端子以外は改造や部品交換歴はなさそうです。

St9030t20St9030t21St9030t22St9030t23St9030t24
St9030t25St9030t26St9030t27St9030t28St9030t29
St9030t30St9030t31St9030t32St9030t33St9030t34

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・回路図を見ながら原因を推定する。
 ・二つのメーターは正常動作している → 検波回路までは正常
 ・IF基板15番端子(Wide側検波音声) → MPX基板20番端子 → 正常音声
 ・IF基板10番端子(Narrow側検波音声)→ MPX基板21番端子 → 正常音声
 ・IC501(4558D)6番、7番端子 → 雑音混入確認

Technics_st9030tfix

 ・雑音発生源はIF切換回路か?
 ・Wide/Narrowともに同じ雑音なので TR307,308(2SK30A)が怪しい?
 ・FET TR307,TR308 (2SK30A) を新品に交換 → 正解!
 ・雑音が消えてキレイなFM音声が流れてきました。
 ・原因はWide/Narrowを切り替えるTR307,308(2SK30A)故障でした。

St9030t40St9030t41

■調整記録------------------------------------------------------------

【本体設定】
 ・MPX hi-blend=off
 ・Servo tuning=off
 ・IF selector=auto
 ・TP302とTP303を短絡するとスイッチ状態に関わらず強制narrowとなる
【レシオ検波調整1】
 ・入力信号なし
 ・TP201~GND DC電圧計セット → T201(narrow緑)調整 → 電圧ゼロ
 ・TP101~GND DC電圧計セット → T102(wide緑)調整 → 電圧ゼロ
【OSC調整】
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG76MHz → L8調整 → Sメーター最大
 ・SSG90MHz → CT8調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG76MHz → L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7調整 → Sメーター最大
 ・SSG90MHz → CT1,CT2,CT3,CT4,CT5,CT6,CT7調整 → Sメーター最大
 ・SSG83MHz → T1調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整2】
 ・入力信号なし
 ・TP101~GND DC電圧計セット → T102(wide緑)調整 → 電圧ゼロ
 ・TP201~GND DC電圧計セット → T201(narrow緑)調整 → 電圧ゼロ
【出力レベル調整】wide
 ・IF selector=wide
 ・音声出力端子にAC電圧計セット
 ・SSG83MHz 1kHz 100% → VR504調整 → 1.4v
【モノラル歪調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・IF selector=wide
 ・SSG83MHz 1kHz 100% → T102(wide赤)調整 → 歪最小
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG83MHz 1kHz 100%変調 → T201(wide赤)調整 → 歪最小
【出力レベル調整】narrow
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・音声出力端子にAC電圧計セット
 ・SSG83MHz 1kHz 100% → VR503調整 → 1.4v
【ミューティング調整】
 ・Servo tuning=auto
 ・TP102~GND DC電圧計セット
 ・SSG83MHz 1kHz → T202,T203調整 → 電圧最大
 ・SSG83MHz 1kHz 60dB → VR402調整 → 同調を外したとき局間ノイズが消える位置へ
 ・SSG83MHz 1kHz 20dB → VR401調整 → ミューティング作動位置へ
【Sメーター調整】
 ・SSG83MHz 1kHz 100% → VR501調整 → Sメーター指針
【VCO調整】
 ・TP601 周波数カウンタ接続
 ・SSG83MHz無変調 → VR602調整 → 19kHz±30Hz
【左右レベル調整】
 ・SSG83MHz 1kHz ST変調 → VR702調整 → 左右chのレベルを同じ
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・SSG83MHz 1kHz ST変調 → VR601,L601,L602調整 → パイロット信号(19kHz)最小
【サブキャリアキャンセル調整】
 ・SSG83MHz 1kHz ST変調 → CT701調整 → サブキャリア信号(38kHz)最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR701調整 → 漏れ信号最小
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR703調整 → 漏れ信号最小
【ハイブレンド調整】
 ・音声出力端子にAC電圧計セット
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR502調整 → 左右レベルを確認
 ・MPX high-blend=on
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR502調整 → 左右レベル同一
【Auto IF セレクター調整】
 ・TP101 200kHz正弦波注入
 ・TP301 オシロスコープ接続 → T302調整 → 200kHz波形最大
 ・TP101 300kHz正弦波注入
 ・TP301 オシロスコープ接続 → T301調整 → 300kHz波形最大
 ・上記作業を数回繰り返す

St9030t

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・調整ズレはほとんど無かったです。
 ・ガンメタボディとオレンジ照明の組み合わせがとてもイイですね。

St9030t08

SONY ST-S333ESX

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 ・2018年5月初め、ST-S333ESXの修理調整作業を承りました。
 ・これまで ESXII は何台も見てきましたが「元祖333ESX」は初体験です。
 ・以下、作業記録です。

333esx07

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESX ¥49,800(1986年頃)
 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年頃)

333esx02333esx09

■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・外観は経年の汚れが目立つものの目立つキズは無い。
 ・背面端子類もくすんでいるがそんなに悪い状態ではない。
 ・さて、FMアンテナ端子を接続して受信テスト。
 ・電源オンで表示部点灯。
 ・文字欠けはないが、輝度が劣化したセグメントあり。。
 ・オート選局では名古屋地区のFM局を受信できない。
 ・マニュアル選局では受信できたがSTEREOランプ点灯しない。
 ・IF BAND切替OK、MUTING切替OK、REC CALトーンOK。
 ・手持ちの適当なAMループアンテナを接続してAM受信テスト。
 ・AMはオート選局で名古屋地区のAM局をすべて受信。
 ・AMは問題なさそうです。

333esx03333esx04333esx05333esx10333esx11

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディを開けると基板上面に大量のホコリが堆積した状態。
 ・今まで見てきた中で最高レベルの「ホコリ量」でした。
 ・約30年分?のホコリをエアーでき飛ばしてブラシ清掃。
 ・油汚れやヤニ汚れが無かったで助かりました。
 ・後継機ESXIIと比べると基板の形状や部品の配置がずいぶん異なります。
 ・でも基板上の部品番号をよく見ると333ESXIIとほとんど同じ。
  ・LA1235 FM IF SYSTEM
  ・CXA1064=LA3450
  ・LA1245 AM TUNER
 ・ESXとESXIIの違いは、、
  ・ESXには FMステレオインジケーター調整VRがない
  ・ESXには CAL TONE調整VRがある

333esx20333esx21333esx22333esx23333esx24
333esx25333esx26333esx27333esx28333esx29
333esx30333esx31333esx32333esx33333esx34
333esx35333esx36333esx37333esx38

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・まずは333ESXIIの調整方法を参考にして各部調整してみました。
 ・部品番号はほとんど同じです。

333esx

【FM同調点調整】
 ・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測-2.95V
 ▲調整後ベスト値-0.45V → 0Vに調整できない

■修理記録:FM同調点--------------------------------------------------

 ▲LA1235のFM同調点が調整しきれない。
 ▲この状態でFM局をオート受信すると-0.1MHzの周波数ズレを生じる。
 ・原因はIFT205内部コンデンサの容量抜けか?
 ・IFT205は333シリーズ共通の部品。
 ・基板だけ保管している333ESGから同じIFT205を取り外して移植。
 ・これで同調点電圧のゼロ調整が完了できました。

333esx40333esx41333esx42333esx43333esx44

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測-0.45V
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内ジャンパ線 JW3 → 電圧計セット
 ・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.1V
 ・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測 8.0V
【SST回路調整】
 ・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
 ・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V 実測1.0mV
 ・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測14.1V
【トラッキング調整】
 ・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
 ・76MHz L101,L102,L103
 ・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
 ・TP201をGNDに落とす
 ・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測-114mV
 ・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
 ・Wide受信、MUTINGオフ
 ・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
 ・RT201、RT202 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 電圧最大へ
  ・IFT101調整 電圧最大へ
 ・SSG出力80dBにセット
  ・IFT203、RT201を交互に調整 歪最小へ
 ・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
  ・IFT202調整 電圧計最大へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204、RT202を交互に調整 歪最小へ
【パイロットキャンセル】
 ・RT304、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RT301 R→L ※調整後実測62dB
 ・RT302 L→R ※調整後実測64dB
【Sメーター調整】
 ・RT205
【MUTINGレベル調整】
 ・RT204
【CAL TONE】
 ・テストトーン 404Hz確認
 ・RT303調整 → 音声レベル-6dB設定
【AM調整】
 ・RT401 Sメーター調整
 ・RT402 AUTOSTOP調整

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・回路構成がESXIIとほとんど同じという事が新発見でした。
 ・カタログの特性値を比較してもほとんど同じです。
 ・キチンと調整すればまだまだ使えますね。

333esx06

Victor T-X500

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 ・2018年5月初め、T-X500の故障機が届きました。
 ・初体験機種です。

Tx50011

■製品情報-----------------------------------------------------------

オーディオの足跡 VICTOR T-X500 ¥39,800(1984年11月発売)

Tx50002Tx50014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・F型端子にFM同軸ケーブル接続して受信確認。
 ・オート選局ではすべてのFM放送局を素通りして受信不可。
 ・マニュアル選局でFM放送を受信するがSTEREOランプ点灯せず。
 ・AM放送は背面ループアンテナで受信OK。オートチューニング可能。
 ・メモリー登録できるが、電源コンセントを抜くと消失する。

Tx50003Tx50004Tx50005Tx50006Tx50007
Tx50008Tx50009Tx50015Tx50016Tx50017

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・5連バリキャップの豪華フロントエンド
 ・CF×2個 → LA1235 → LA3400
 ・LA1235 → クアドラチュア検波、MUTING、Sメーター
 ・LA3400 → PLL-MPX
 ・LA1245 → AMチューナーシステム

Tx50020Tx50021Tx50022Tx50023Tx50024
Tx50025Tx50026Tx50027Tx50028Tx50029
Tx50030Tx50031Tx50032Tx50033Tx50034
Tx50035Tx50036Tx50037

■調整記録-------------------------------------------------------------

 ・資料がないので回路構成を追いながら調整方法を模索しました。

【VT電圧調整】
 ・TP501 → 電圧計セット
 ・90MHz → TC104調整 → 22.5V ※確認のみ
 ・76MHz → L104調整 → 7.3V ※確認のみ
【FM同調点調整】
 ・TP101 → DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → T102(奥側)コア調整 → 電圧ゼロ 実測-655mV
 ・83MHz受信 → T102(前側)コア調整 → 高調波歪最小
 ▲T102(奥側)で電圧ゼロ調整できない
【トラッキング調整】
 ・IC101:LA1235-13pin → DC電圧計セット
 ・90MHz → TC101,102,103,105調整 → 電圧最大
 ・76MHz → L101,102,103,105調整 → 電圧最大
 ・83MHz → T101調整 → 電圧最大

Tx50000

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・FM同調点調整でT102(奥側)コアで電圧ゼロに調整できない。
 ・同調点が検出できないのでオート選局が動作しない。
 ・原因はT102内部のコンデンサー容量抜けか?
 ・本機には底面点検口がないので、基板を外して裏返す必要があります。
 ・試しに温度補償型コンデンサー22pFを基板面に直付け。
 ・これによってFM同調点のゼロ点調整が出来ました。
 ・オート選局で受信できるようになりました。
 ・基板を外したついでにメモリー保持用のキャパシタを交換しました。

Tx50040Tx50041Tx50042Tx50043Tx50044

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・TP101 → DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → T102(奥側)コア調整 → 電圧ゼロ
 ・83MHz受信 → T102(前側)コア調整 → 高調波歪最小
【セパレーション調整】
 ・83MHzステレオ受信 → R171調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → R156調整 → Sメーター(dB表示)調整
 ・dB表示の精度はあまり良くないです。
 ・50~70dB辺りが正しく表示されるように調整しました。
 ・それでも目安程度です。
【Muting調整】
 ・83MHz受信 → R155調整 → Muting動作設定
【AM調整】
 ・R313 → DC電圧計セット
 ・ 729kHz(NHK)受信 → T301調整 → 電圧最大
 ・1332KHZ(東海)受信 → TC301,TC302調整 → 電圧最大
 ・R313調整 →  Sメーター(dB表示)調整

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・最近検波回路の故障、特にコンデンサの容量抜けによく遭遇します。
 ・製造から30年超ですからそろそろ部品の寿命でしょうか。

Tx50012

SONY ST-JX500

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 ・2018年5月初め、ST-JX500の故障機が届きました。
 ・初めて見る機種です。

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-JX500 ¥42,000(1982年8月21日発売)

Sonyjx50002Sonyjx50014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・F型端子にFMアンテナ接続。
 ・電源スイッチオンで表示部点灯。
 ・オート選局では周波数が自動でアップダウンしない。
 ・マニュアル選局でFM放送を受信するが出てくる音声が極端に小さい。
 ・STEREOランプ点灯せず、実際のステレオ感もない。
 ・メモリー登録できるが、電源コンセントを抜くと消失する。
 ・AM放送は背面バーアンテナで受信できる。
 ・AMはオート選局可能。

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■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・ユニット式のフロントエンド
 ・CF×3個 → レシオ検波 → LA3390
 ・LA1235 → 同調点検出、MUTING、Sメーター
 ・LA3390 → PLL-MPX IC
 ・LA1245 → AMチューナーシステム
 ・ST-J75、ST-JX8と同様にレシオ検波搭載機でした。
 ・ただ調整箇所は少なく、かなり低コスト化された印象です。

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■調整記録-------------------------------------------------------------

 ・回路図など資料が見つかりません。ST-J75を参考にして調整しました。
【FM同調点調整】
 ・R117両端(IC101:LA1235-7pin~10pin)にDC電圧計セット
 ・IFT101調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測-380mV
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド横ジャンパ線 JW3 → 電圧計セット
 ・90MHz フロントエンド内OSCコア調整 → 23.2V ※確認のみ
 ・76MHz 7.3V ※確認のみ
【PLL BIAS調整】
 ・TP1(PLL) → DC電圧計セット
 ・76MHz受信 → RT401調整 TP1電圧 → 0V 実測1.0mV
 ・90MHz受信 → TP1電圧 → 14V確認 ※調整前実測14.1V
【トラッキング調整】
 ・IC101:LA1235-13pin → DC電圧計セット
 ・83MHz 受信 → フロントエンド内IFTコア調整 → 電圧最大
 ※フロントエンド内の空芯コイルは調整不可
【レシオ検波調整】
 ・TP2 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT103調整 → 電圧ゼロ ※実測+480mV
 ・83MHz受信 → IFT102調整 → 高調波歪最小 ※歪波形変化なし
 ▲調整後ベスト値+480mV
 ▲音声レベルが上がらない

Sonyjx50000

■修理記録-----------------------------------------------------------

 ・IC101:LA1235-10pin → クアドラチュア検波出力を直接確認
 ・ここからは正常レベルのFM音声が聞こえる。
 ・レシオ検波後の増幅アンプ4558D入力端子確認 → 音声レベルが低い
 ・ということはレシオ検波回路の故障。
 ・原因はレシオ検波コイルIFT103内部のコンデンサ容量抜けでした。
 ・手元に同等部品が無かったのでハンダ面に温度補償型コンデンサーを直付け。
 ・試行錯誤の結果、8pF+15pFを追加したところレシオ検波調整で電圧ゼロ達成。
 ・レシオ検波出力が最大になり、さらにSTEREOランプ点灯しました。

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 ・メモリーバックアップ用のコイン電池(CR2035)が死んでいる。
 ・基板から外し、電池ホルダーを外付けで設置しました。

■調整記録-----------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・TP2 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT103調整 → 電圧ゼロ
 ・83MHz受信 → IFT102調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・TP3 VCO → 周波数カウンタ接続
 ・アンテナ入力なし → RT202調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・83MHzステレオ受信 → RT201調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → RT101調整 → Sメーターバーグラフの点灯状況調整
【Muting調整】
 ・83MHz受信 → RT102調整 → Muting動作設定
【AM調整】
 ・RT301 → DC電圧計セット
 ・ 729kHz(NHK)受信 → L301調整 → 電圧最大
 ・1332KHZ(東海)受信 → CT301,CT302調整 → 電圧最大
 ・RT302調整 → オートストップ位置調整
 ・RT301調整 → Sメーターバーグラフの点灯調教調整

■未解決不具合-------------------------------------------------------

 ・FMでオートサーチが作動しない。周波数がアップダウンしない。
 ・FMでMutingが作動しない。

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・未解決不具合がありますが、とりあえず使える状態になりました。
 ・マニュアル選局でFM放送局を受信し、メモリー登録してください。
 ・メモリー選局なら不具合は気になりません。

Sonyjx50012

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