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TRIO KT-7300

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 ・2017年8月初め、TRIO KT-7300の修理調整作業を承りました。
 ・KT-7300の実機を見るのは初めてです。
 ・以下、作業記録です。

Kt730010

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・TRIO アンプ・チューナー総合カタログ 1979年2月版
 ・Hifi Engine Kenwood KT-7500 AM/FM Stereo Tuner (1977-79) ※輸出機

Kt7300_2

 ※トリオ製品の輸出機型番がホントに分かりにくい
  ・国内機 KT-7300 → 輸出機 KT-7500
  ・国内機 KT-7500 → 輸出機 KT-7300
  ・国内機 KT-7700 → 輸出機 KT-8300

Kt730001Kt730003

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字は「1977」。
 ・フロントパネルのデザインはKT-7700に似ている。
 ・でもチューニングつまみやスイッチレバーのデザインはKT-8000と同じ。
 ・外観に目立つキズなく保存状態は良さそう。
 ・FM用F型端子が無いのが残念。300Ω端子にアンテナ接続。
 ・電源オンで周波数窓の照明点灯。二つのメーター照明点灯、タマ切れなし。
 ・名古屋地区のFM放送局受信OK。STEREOランプ点灯。多少の周波数ズレあり。
 ・Tメーター中点とSメーター最大が一致しない。
 ・固定/可変出力端子ともOK。マルチパスH端子出力OK。
 ・IF BANDを切り替えて Narrow 受信にすると Sメーターの振れが大幅に弱くなる。
 ・そのせいか、NarrowではMUTING作動して音が出なくなる。
 ・背面のAMバーアンテナで名古屋地区のAM放送局受信OK。
 ・FM回路、特にNarrow側の IFアンプが劣化しているか??

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM5連AM2連バリコン搭載フロントエンド
 ・IFバンド Wide/Narrow切換
 ・Wide側  CF1個×IFアンプ
 ・Narrow側 Wide + CF4個、IFアンプ(LA1222)追加
 ・HA1137W  FM IF System
 ・HA1196  PLL FM Stereo Demodulator
 ・HA1197  AM Radio Receiver System
 ・VR1:ミューティング調整(Wide)
 ・VR2:ミューティング調整
 ・VR3:Sメーター調整
 ・VR4:VCO
 ・VR5:セパレーション(Narrow)
 ・VR6:セパレーション(Wide)

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■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IF BAND → Narrow
 ・83MHz 1kHz受信 → L4,T5調整 → Sメーター最大
 ・IF BAND → Narrow
 ・アンテナ入力なし → L8(下段)調整 → Tメーター中点
 ・IF BAND → Wide
 ・アンテナ入力なし → L3調整 → Tメーター中点
 ・IF BAND → Narrow
 ・83MHz 1kHz受信 → L8(上段)調整 → 高調波歪最小
【FM OSC調整】
 ・IF BAND → Wide
 ・指針を83MHz目盛り位置にセット
 ・83MHz受信 → CT5調整 → Sメーター最大
  ※本来は90MHz→CT5、76MHz→T6
  ※T6はボンドで固められているので調整不可
【RF調整】
 ・IF BAND → Wide
 ・90MHz受信 → CT4,CT3,CT2,CT1調整 → Sメーター最大
 ・76MHz受信 → T4,T3,T2,T1調整 → Sメーター最大
 ※受信感度が大幅に向上しました。
【MUTING調整】
 ・IF BAND → Narrow
 ・83MHz 20dB → VR2調整 → MUTING作動位置
 ・IF BAND → Wide
 ・83MHz 20dB → VR1調整 → MUTING作動位置
【Sメーター調整】
 ・IF BAND → Wide
 ・83MHz 40dB → L3調整 → Sメーター振れ最大
 ・83MHz 80dB → VR3調整 → Sメーター振れ調整
【MPX VCO調整】
 ・R45後足 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → VR4調整 → 76KHz
【セパレーション調整】
 ・IF BAND → Narrow
 ・83MHz 60dB → VR5調整 → 漏れ信号最小
 ・IF BAND → Wide
 ・83MHz 60dB → VR6調整 → 漏れ信号最小
【AM部】
 ・ 600kHz受信 → L11,バーアンテナ調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → CT6,CT7調整 → Sメーター最大
 ・1000kHz受信 → CF6調整 → Sメーター最大

Kt7300Kenwood_kt7500_sche

 ・当初はNarrow側の受信感度が大幅に低いのでIFアンプの故障を疑いました。
 ・でもRF調整によって受信感度が大幅アップし、Wide側との感度差は解消しました。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・動作確認時に懸念した故障箇所は無かったです。
 ・HA1137Wによるクアドラチュア検波、HA1196による復調回路。
 ・Wide、STEREO歪率0.08%、セパレーション左右とも約60dB。
 ・TRIO製チューナーとしては最小構成ですが、聴感上は全く問題なし。
 ・再調整の結果クアドラチュア検波の良い性能を取り戻したと思います。
 ・この美しい照明窓が癒しのひと時ですね。
 

Kt730011


CRAIG SERIES 5000

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 ・2017年7月、CRAIG社製レシーバーの修理調整作業を承りました。
 ・クレイグ?? 耳慣れないメーカー名です。
 ・どんな機種なの?

Craig500011

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・CRAIG Electronics
 ・CRAIG History ※社史のページにSERIES5000の写真あり

Craig500002Craig500004

 ・調べてみると CRAIG Electronics社は1963年創業のアメリカ企業。
 ・eBayで検索するとレシーバーやデッキなどオーディオ製品が多数ヒットします。
 ・ホームページで社史を見ると「SERIES 5000」の写真がありました。
 ・セットになるレコードプレーヤーやスピーカーもあったようです。

Craig500001Craig500003Craig500005Craig500006Craig500007

 ・本体サイズ:実測492(W)×138(H)×330(D)突起物含まず。電源電圧100V
 ・受信周波数帯 FM 76~90MHz、AM 540~1600kHz
 ・背面端子:PHONO、AUX、TAPE MON、TAPE REC、FM DETOUT
 ・スピーカーA/B 2系統。4本接続した場合マトリクス式4chとして使える。
 ・メーカー名や型番を記載したパネルは文字が消えて全く読めない。

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 ・本機の背面には MADE IN JAPAN の印字、 FM周波数帯や電源電圧は日本仕様です。
 ・ということは、日本国内で生産された製品。
 ・依頼者様の情報によると「興北電気」という会社が国内で製造していたそうです。
 ・ネット検索しても詳細情報が見つかりません。

■動作確認+内部調査--------------------------------------------------

 ・上部ボディはウッドケース。
 ・本体を持ち上げて傾けると内部で「カラカラ」と何かが転がる音がする。
 ・音の正体を調べるため、通電する前にボディと底板を外して内部調査。
 ・「カラカラ」音の原因は電線を束ねるプラスチック部品の割れた欠片でした。
 ・基板上面は大量に堆積したホコリによって部品がまったく見えない状態。
 ・まずはホコリをエアーで吹き飛ばし、部品が見えるようにブラシで清掃。
 ・小さなフロントエンドFM3連AM2連バリコン →レシオ検波→アナログMPX。
 ・FM/AM回路に調整用VRが一つもない。

 ・電源コードの印字1974、電源に接続してPOWERオン。
 ・青緑色の窓照明点灯。指針照明点灯。二つのメーター照明点灯。
 ・入力ソースを示す橙色インジケーター点灯。電球切れは無さそう。
 ・照明が点灯した雰囲気は1970年代前半のPIONEER製レシーバーとよく似ている。
 ・これはテンションが上がる!

 ・プッシュ式スピーカーターミナルのバネ機構が固着して動かない。
 ・これではスピーカーを接続したテストができない。
 ・とりあえずヘッドホン端子で音を聞きながら動作確認続行。
 ・300Ω端子にアンテナを接続、名古屋地区のFM放送局受信OK。
 ・赤色のSTEREOランプ点灯。聴感上のステレオ感もあり。
 ・本体内部に配置されたバーアンテナで地元AM放送局受信OK。
 ・TAPE端子にCDプレーヤー接続、音出しOK。音質OK。
 ・AUX端子にCDプレーヤー接続、音出しOK。音質OK
 ・PHONO端子にレコードプレーヤー接続、音出しOK。音質はそこそこ。
 ・音量、バランス、BASS、TREBLE 各調整VRはスムーズに回る。僅かにガリ。
 ・ヘッドホン端子からの音出し確認OK。
 ・TAPE REC端子からも音出し確認OK。
 ・スピーカーからの音出し確認はできないものの各機能は動作している模様。

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■修理記録:スぺーカーターミナル--------------------------------------

 ・プッシュ式スピーカー端子のプッシュ部分がビクとも動かない。
 ・バネ機構がサビて固着しているのか?
 ・まずは配線を外してターミナル基板を取り外す。
 ・基板から端子を取り外し、試しに1個を分解。
 ・固着原因はやはり錆でした。バラバラに分解してパーツを丹念に磨く。
 ・合計8個の端子を分解清掃して組み直しました。
 ・多少の引っ掛かり感はありますが、スピーカー接続ができるようになりました。

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■動作確認(再)------------------------------------------------------

 ・スピーカーから音が出るようになったので、再度動作確認。
 ・音量、バランス、TREBLE、BASS各調整VRにガリ無し。
 ・ラウドネス、ハイ/ローフィルターの効果を確認。
 ・スピーカー4本をA/B両系統に接続すると、切り替えスイッチで疑似4chとして使える
 ・MAIN、REMOTE、MATRIX、BALANCE、それぞれインジケーター点灯。
 ・特に不具合なし、、これはもう奇跡的!!

Craig500040Craig500041Craig500042Craig500043

■調整記録------------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・アンテナ入力なし → T104(上段)調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・指針を76MHz目盛り位置にセット
 ・76MHz受信 → L103調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TC101調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・76MHz受信 → L101,L102調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TC102,TC103調整 → Sメーター最大
【FM検波調整】
 ・83MHz 1kHz受信 → T102調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz 1kHz受信 → T103調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz 1kHz受信 → L104(下段)調整 → 高調波歪最小
【MPX調整】19kHz,38kHz調整
 ・WaveSpectraにて観察
 ・83MHz 1kHz SUB信号 → T108調整 → Lchレベル最大
 ・83MHz 1kHz SUB信号 → T109調整 → Lchレベル最大
 ※セパレーション調整VRなし → 左右chとも約40dB程度
【AM部】
 ・ 600kHz受信 → T105,T107調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC OSC,TC ANT調整 → Sメーター最大
 ・1000kHz受信 → T106調整 → Sメーター最大
【アンプ部】
 ・Q201(E) → VR0201調整 → 0.6v
 ・Q202(E) → VR0202調整 → 0.6v
 ※とりあえず左右レベルを揃えただけ

Craig5000

【電波強度とSメーターの振れ具合】
 ・Sメーターが全く振れないレベルでもSTEREOランプ点灯しFM放送を受信できます。
 ・一般的な機種では、Sメーターの振れ具合を調整する半固定抵抗VRがあるのですが、、
 ・本機のFM回路はとてもシンプル構成で調整用VRが一つもありません。
 ・電波強度に応じた各種動作をまとめておきました。

Craig_50002_3

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・MUTINGレベル調整VR、Sメーター振れ調整VR、セパレーション調整VRなし。
 ・当時の価格は分かりませんが、たぶん入門機クラスと思われます。
 ・それでも2メーター装備のフロントマスクが高級感を醸し出しています。
 ・FMステレオではセパレーションは約35dBほど確保。
 ・各機能とも正常、特に不都合は感じません。
 ・これは大切に残しておきたい逸品ですね。

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Craig500012

YAMAHA CT-400

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 ・2017年9月、部品取り目的でジャンク品を入手しました。
 ・兄弟機のCT-800、CT-600はここで取り上げたことがあります。
 ・末っ子のCT-400は初体験。

Yamaha_ct40007

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA CT-400 ¥40,000(1976年頃)
 ・YAMAHA アンプ&チューナーカタログ 1975年11月版

Yamaha_ct40002Yamaha_ct40010

■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・ボディ全体に経年の汚れがあるが幸い目立つキズはない。
 ・クリーニングすればグッドコンディションに戻りそう。
 ・電源オン、二つのメーター照明点灯。
 ・あれ?指針の照明は無いのか?
 ・300Ω端子にFMアンテナを接続して動作確認。
 ・名古屋地区のFM局でSメーターとTメーターが振れて音声が流れる。
 ・僅かな周波数ズレ。STEREOランプ点灯。実際のステレオ感もあり。
 ・MONO/STEREO切替OK。MUTING作動OK。
 ・背面AMバーアンテナで名古屋のAM局受信OK。
 ・FM/AMとも特に不具合は無さそう。

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■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・ウッドケースから引き出してみると中身は超スカスカ。
 ・スチール枠の上にチューナー基板、側面に小さな電源トランス。
 ・FM3連AM2連バリコン搭載ユニットは 同時期のレシーバー CR-400 と同じ。
 ・レシオ検波、LA3310 を使ったMPX回路。
 ・周波数窓を照らす電球なし、指針照明もなし。
 ・さすがコストダウン機。

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■調整記録-----------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・FM電波を受信しない状態
 ・T101(上段コア)調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
 ・83MHz 受信 → TCo調整 → Sメーター最大
  ※Lo調整不可のため83MHzのみで調整
【フロントエンドRF調整】
 ・83MHz 受信 → TCA,TCR調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 受信 → IFT → Sメーター最大
  ※LA,LR調整不可のため83MHzのみで調整
【レシオ検波歪調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 受信 → T101(下段コア)→ 歪最小
【19kHz調整】
 ・IC301 LA3311 14pin WaveSpectra接続
 ・83MHz Pilot信号 受信 → T302(GE6056)調整 → 19kHzレベル最大
 ・IC301 LA3311 13pin WaveSpectra接続
 ・83MHz Pilot信号 受信 → T301(GE6069)調整 → 38kHzレベル最大
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → VR301調整 → 漏れ信号最小
【AM OSC調整】
 ・600kHz 受信 → T201調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TCo(AM) 調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・600kHz 受信 → バーアンテナ → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TCA(AM)調整 → Sメーター最大

Yamaha_ct400

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・白木のウッドケースにアルミパネルが良くマッチしています。
 ・外観は上記機 CT-600、CT-800とほぼ同じ雰囲気です。
 ・窓照明が無いことが残念ですが、FM/AMとも不満なく使えます。

Yamaha_ct40008

■研究:LA3310とLA3311-----------------------------------------

 ・実はMPX用IC:LA3311 を部品取りしようと思って入手したのですが、
 ・CT-400ではMPX回路に LA3310 が使われていました。
 ・上位機の CT-600 ではほぼ同じMPX回路に LA3311 が使われています。
 ・同時期のYAMAHA製レシーバー CR-400、CR-600でも LA3311 が使われています。
 ・LA3310 と LA3311 の違いは何だろう??
 ・データシートはどちらも見つかりません。
 ・サービスマニュアルや回路図中で見つけた情報を以下にまとめておきます。

 ・YAMAHA CR-200E(ステレオレシーバー) 回路図より
Yamaha_la3_2

 ・Marantz 2215(ステレオレシーバー) サービスマニュアルより
Marantz2215

 ・YAMAHA CR-400(ステレオレシーバー) 回路図より
Yamaha_la1_2

 ・YAMAHA CR-400(ステレオレシーバー) サービスマニュアルより
Yamaha_la2

 ・互換品情報
Yamaha_la4

 ・互換品情報によると LA3311=ECG1225、LA3310=ECG1230
 ・両者の内部構成は同じで Vcc電圧に違いがあるようです。
  ・CR-600 LA3311-9pin電圧=実測12.2V ※以前の調整記録より
  ・CR-400 LA3311-9pin電圧=実測12.1V ※実機確認
  ・CT-400 LA3310-9pin電圧=実測10.8V ※実機確認

SONY ST-S333ESXII 修理調整記録7

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 ・2017年9月、333ESXIIの修理調整を承りました。
 ・333ESシリーズの原点ともいえる名機です。
 ・以下、作業内容のご報告です。

333esxii04

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
 ・SONY ES テクノロジーカタログ 1987年10月発行
 ・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・天板、フロントパネル、サイドウッドともほぼ無傷。
 ・放熱口から内部を覗くと大量のホコリが堆積している。
 ・オート選局で-0.2MHzの周波数で名古屋地区FM局を受信。
 ・IF BAND切替OK。MUTING動作OK。STEREOランプ点灯。
 ・CAL TONE出力 OK。
 ・FM放送は聴けるが、サ行の発音が割れる状態。
 ・手持ちのループアンテナでAM受信確認OK。
 ・チューニングつまみがグラグラ状態。

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・放熱口から見えたように大量のホコリが堆積している。
 ・エアーでホコリを飛ばして内部清掃。
 ・復調回路IC:CX1064
 ・最終オーディオ回路LPF:アクティブ型

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■修理記録:チューニングつまみ修正------------------------------------

 ・チューニングつまみがグラグラ状態。
 ・フロントパネルを外し確認。
 ・つまみの軸を固定するナットが緩んでいる。
 ・これをスパナで増し締めして完了。

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■修理記録・ハンダクラック修正----------------------------------------

 ・ハンダ面を確認してハンダクラックを数カ所発見。
 ・不具合としては発症していませんが予防措置としてクラック箇所を修正。

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測-2.45V
 【VT電圧調整】
 ・IC803-5pin電圧測定
 ・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.1V
 ・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測7.9V
【SST回路調整】
 ・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
 ・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V 実測1.2mV
 ・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測14.1V
【トラッキング調整】
 ・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
 ・76MHz L101,L102,L103
 ・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
 ・TP201をGNDに落とす
 ・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測-625mV
 ・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
 ・Wide受信、MUTINGオフ
 ・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
 ・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 電圧最大へ
  ・IFT101調整 電圧最大へ
 ・SSG出力80dBにセット
  ・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
 ・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
  ・IFT202調整 電圧計最大へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯
【パイロットキャンセル】
 ・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RT301 R→L ※調整後実測63dB
 ・RT302 L→R ※調整後実測66dB
【Sメーター調整】
 ・RT204
【MUTINGレベル調整】
 ・RT205
【CAL TONE】
 ・Peak Level-4.2dB 298Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RT401 Sメーター調整
 ・RT402 AUTOSTOP調整

<調整結果>
 ・FM同調点が大きく外れていていました。
 ・PLL検波調整にズレが大きかったです。
 ・セパレーション値も大幅に改善しました。

■修理記録・PLL検波 CT201交換----------------------------------------

 ・調整後の試聴で更なる不具合を確認。
 ・不定期に「ガサゴソ」という雑音が発生します。
 ・ゴキブリが紙の上を這っているような不快な音が音声に被る状態です。
 ・これは経験的にPLL検波回路にある CT201 の劣化が怪しい感じ。
 ・CT201(容量不明)を20PFの赤色トリマに交換。
 ・回路図やパーツリストにCT201の容量記載ありませんが 20pFでよさそうです。
 ・交換後、再度調整実施。
 ・1週間に渡って動作確認していますが不快な雑音は解消したようです。

333esxii50333esxii51

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・再調整によってFM/AMとも良い性能を取り戻したと思います。
 ・1987年発売、もう30年も前になるんですね、、
 ・当時は ESXII → ESG → ESA → ESJ → 5ES と新製品を買い替えていました。
 ・何ともバブリーなオーディオ全盛期でした。

333esxii03

YAMAHA CR-400

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 ・2017年8月、ヤマハ製レシーバーCR-400の修理を承りました。
 ・ステレオランプが点灯しない状態だそうです。
 ・ちょっと難航しましたが何とか作業完了しました。
 ・以下、作業記録を残します。

Yamaha_cr40006

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA CR-400 \59,000(1974年頃)
 ・Hifi Engine Yamaha CR-400 FM/AM Receiver (1977)

Yamaha_cr40001Yamaha_cr40011

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・白木のウッドボディに凹みやキズは無くとても綺麗な状態。
 ・フロントパネル、スイッチ、ツマミも光っている。
 ・外観は既に清掃済みのよう。
 ・電源オン、メーターと指針の照明点灯。
 ・300Ω端子に外部アンテナを接続してFM受信チェック。
 ・僅かな周波数ズレあるものの名古屋地区のFM局を受信。
 ・ただし、ご指摘の通りステレオランプが点灯しない。
 ・聴感上もステレオ感ない。
 ・Tメーターの振れ幅がとても小さい。僅かに左右に振れる程度。
 ・背面バーアンテナで名古屋地区のAM局受信OK。
 ・PHONO端子にレコードプレーヤー接続、音出しOK。
 ・AUX端子にCDプレーヤー接続、音出しOK。
 ・音量調整VR、音質調整VRに僅かにガリ音あり。何度も回すうちに解消。
 ・プリアンプ部、パワーアンプ部は問題なさそう。
 ・問題はFM放送がステレオにならないこと。

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM3蓮AM2連バリコン、セラミックフィルター、レシオ検波。
 ・上位機CR-600と比較すると、回路構成が随分シンプルになっている。
 ・LA3311:MPX用IC ※CR-600、CT-600と同じ。

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■調整記録------------------------------------------------------------

 ・ステレオランプが点灯しない原因はMPX部の調整ズレか?
 ・まずは輸出機用サービスマニュアルを参考にして各部調整してみました。

Yamaha_cr400

【レシオ検波調整】
 ・FM電波を受信しない状態
 ・T101(上段コア)調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
 ・83MHz 受信 → TCo調整 → Sメーター最大
  ※Lo調整不可のため83MHzのみで調整
【フロントエンドRF調整】
 ・83MHz 受信 → TCA,TCR調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 受信 → IFT → Sメーター最大
  ※LA,LR調整不可のため83MHzのみで調整
【レシオ検波歪調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 受信 → T101(下段コア)→ 歪最小
【MPX調整】
 ・IC301 LA3311 14pin WaveSpectra接続
 ・83MHz ST変調 → T302(GE6056)調整 → 19kHz信号最大
 ・IC301 LA3311 13pin WaveSpectra接続
 ・83MHz ST変調 → T301(GE6069)調整 → 38kHz信号最大

 ※STEREO受信時、T302調整で19kHz信号を最大にできる
 ※しかしLA3311 13pinに38kHz信号が出現しない
 ※調整要領と回路図において T301とT302の記述が混乱している。
 ※ここでは以下の定義で記載します。
  T301=GE6069 (Yellow)
  T302=GE6056 (Orange)

【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → VR301調整 → 漏れ信号最小
 ※そもそもステレオ分離できていないので調整不可
【AM OSC調整】
 ・600kHz 受信 → T201調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TCo(AM) 調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・600kHz 受信 → バーアンテナ → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TCA(AM)調整 → Sメーター最大
【メインアンプ調整】
 ・アンプ基板 TP1~GND DC電圧計セット → VR601調整 → 0V±30mV
 ・アンプ基板 TP3~GND DC電圧計セット → VR602調整 → 0V±30mV
 ・アンプ基板 TP2~TP1 DC電圧計セット → VR603調整 → 25mV±5mV
 ・アンプ基板 TP4~TP3 DC電圧計セット → VR604調整 → 25mV±5mV

Yanaha_cr400_sche

  ※VR603 基板上の印字はVR605
  ※MPX調整以外は調整完了。

■修理記録:STEREOランプが点灯しない-------------------------------------

 ・調整ズレが原因ではなかった、、ということは部品故障か?
 ・STI(+)端子電圧 → 10.9V
 ・STI(-)端子電圧 → 11.3V ※STEREO/MONO時で電圧変化なし
 ・IC301:LA3311- 9ピン電圧=12.9V → OK
 ・IC301:LA3311- 4ピン電圧=10.9V → ST/MO 同値で変化なし
 ・IC301:LA3311-14ピン電圧=12.2V、周波数カウンタ19kHz確認
 ・IC301:LA3311-13ピン電圧= 3.2V、周波数カウンタ38kHz確認できず

 ・ステレオにならない原因はIC301:LA3311-13ピンに38kHz信号が出現しないこと
 ・回路図を確認しながらIC301周辺のトランジスタと電解コンデンサを交換
 ・TR105:2SC458 → 2SC1815Y ※BCE→ECB配列注意
 ・TR106:2SC458 → 2SC1815Y ※同上
 ・C122:1uF/25v → 1uF/50v
 ・C123:33uF/6.3 → 33uF/25v
 ・C124:33uF/6.3 → 33uF/25v
 ・C302:4.7uF/25 → 4.7uF/50v
 ・C304:4.7uF/25 → 4.7uF/50v
 ・C303:470uF/16 → 470uF/25v
 ・C318:47uF/6.3 → 47uF/25v

Yamaha_cr40050Yamaha_cr40051Yamaha_cr40052Yamaha_cr40060

 ・以上のトランジスタ、電解コンデンサ交換でも改善なし
 ・38kHzが出現しない原因は IC30:LA3311自体の故障か?
 ・LA3311をネット検索しましたがどうやら新品入手は困難。
 ・LA3311は上位機CR-600と単体チューナーCT-600で見たことがあります。
 ・ジャンク機を探して部品取りするか?

■修理記録:CT-400入手-----------------------------------------------

 ・CR-600、CT-600のジャンク品をヤフオクで探していると手頃な価格のCT-400発見。
 ・MPX部はたぶんCR-400と同じだろう、、と予想してジャンク品ゲット。
 ・手元に届いて内部を確認したところ、予想通りMPX部の回路構成はほぼ同じ。
 ・ただ使われているICは LA3311ではなく LA3310でした。
 ・LA3311とLA3310の違いは何?

Yamaha_ct40001Yamaha_ct40020Yamaha_ct40021Yamaha_ct40031Yamaha_ct40032

■研究記録:LA3310とLA3311の違い-----------------------------------------

 ・LA3310搭載機種:YAMAHA CT-400
 ・LA3311搭載機種:YAMAHA CT-600、CR-600、CR-400
 ・データシートはどちらも見つかりません。
 ・サービスマニュアルや回路図中で見つけた情報を CT-400記事にまとめました。
 ・互換品情報によると LA3311=ECG1225、LA3310=ECG1230
 ・両者の内部構成は同じで Vcc電圧に違いがあるようです。
  ・CR-600 LA3311-9pin電圧=実測12.2V ※以前の調整記録より
  ・CR-400 LA3311-9pin電圧=実測12.1V ※実機確認
  ・CT-400 LA3310-9pin電圧=実測10.8V ※実機確認

■修理記録:LA3311→LA3310交換----------------------------------------

 ・若松通商で LA3310(@294円)を発見。
 ・LA3311が見つからない状況なので、代替品としてLA3310を使ってみる。
 ・Vcc電圧に違いがあるようですが、とりあえずLA3310に交換。
 ・ICソケットを介してLA3310装着 → MPX部の再調整実施。
【MPX調整】
 ・IC301 LA3311 14pin WaveSpectra接続
 ・83MHz ST変調 → T302(GE6056)調整 → 19kHz信号最大
 ・IC301 LA3311 13pin WaveSpectra接続
 ・83MHz ST変調 → T301(GE6069)調整 → 38kHz信号最大
 ・13pinに38kHz信号が出現してSTEREOランプ点灯。
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → VR301調整 → 漏れ信号最小
 ・めでたくステレオ分離できるようになりました。

Yamaha_cr40061Yamaha_cr40063Yamaha_cr40064Yamaha_cr40065Yamaha_cr40010

■修理記録:レシオ検波コア交換----------------------------------------

 ・当初から気になっていたのですが、
 ・Tメーターの振れ幅がとても小さく中点からわずかに左右に振れる程度。
 ・FM受信音の音声出力レベルがちょっと低い。
 ・レシオ検波コア(T101:GE6025)はダイオード+コンデンサ内蔵タイプ。
 ・このT101が劣化しているかも?
 ・ドナーCT-400に同じT101:GE6025があったのでCR-400に移植。
 ・Tメーターが左右に大きく振れるようになりました。

Yamaha_cr40070Yamaha_cr40071Yamaha_cr40072Yamaha_cr40073Yamaha_cr40074
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■修理記録:電球交換--------------------------------------------------

 ・二つのメーターを3個の電球でライトアップしています。
 ・正面から見て一番左側の電球が切れていました。
 ・ヤマハ製チューナーから部品取りした同じ電球に交換。
 ・微妙に明るさが違うかも? でも見た目が随分良くなりました。

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・LA-3310 と LA3311 のVcc電圧の違いがちょっと気になります。
 ・LA-3310 を 12V電圧で使い続けて大丈夫か?という心配です。
 ・私のBGM環境に置いて1週間ほど酷使してみましたが今のところ問題なさそう。
 ・この状態でお返ししますので、引き続き動作確認をお願いします。
 ・再度不調になった場合は再修理を承ります。
 ・予想外に難航した修理作業でしたが LA3310とLA3311の違いが勉強になりました。

Yamaha_cr40007

Accuphase T-101

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 ・2017年9月、アキュフェーズT-101の故障品をお預かりしました。
 ・1974年発売、FM専用チューナーの高級機です。
 ・今回初めて実機に触れる機会をいただきました。
 ・以下、作業記録です。

Accut10110

■製品情報-------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年5月発売)
 ・オーディオ懐古録 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年)
 ・Hifi Engine Accuphase T-101 FM Stereo Tuner ※サービスマニュアルあり
 ・取扱説明書(日本語版)※同梱していただいた取説をPDF化しました。

Accut10101Accut10112

■動作確認-------------------------------------------------------------

 ・外観はとても綺麗。きっと大切に使われているんでしょう。
 ・重量11kg、持ち上げるとアンプ並みに重い。
 ・電源オン、周波数窓と二つのメーターが青色照明に浮かび上がる。
 ・75Ω同軸ケーブルをアンテナ端子に接続して動作確認。
 ・名古屋地区のFM放送を受信するとSメーター、Tメーターが大きく振れる。
 ・マルチパスメーターもそれなりに動いている。
 ・三つのメーターの動き方を見ると正常に受信しているようです。
 ・しかし固定/可変出力とも全く音が出ない。
 ・マルチパスH端子、FM DET OUT端子からも音声が出てこない。
 ・MUTINGオフの状態で離調しても局間ノイズが聞こえない。
 ・STEREOランプ点灯しない。
 ・IFバンド切替、MUTING切替などのインジケーターが点灯しない。
 ・依頼者様によると、使用中に突然インジケーター消灯し音が出なくなったそうです。
 ・これは電源回路が怪しいか?

Accut10102Accut10103Accut10104Accut10105Accut10108
Accut10113Accut10114Accut10115Accut10116Accut10118

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・ブロックごとに配置された基板、その基板上に整然と並んだパーツ類。
 ・さすが高級機、という感じです。
 ・FM専用5連バリコン、WIDE系、NARROW系、レシオ検波

Accut10120Accut10121Accut10122Accut10123Accut10124
Accut10125Accut10126Accut10127Accut10129Accut10130
Accut10131Accut10134Accut10135Accut10137Accut10138
Accut10139Accut10140Accut10141Accut10142Accut10143
Accut10144Accut10145Accut10146Accut10147Accut10148
Accut10149Accut10150Accut10151Accut10152Accut10153

 ・MPX-IC:TA7156P → パーツリストでは MC1310P、回路図では LM1310N、LM1310P
 ・TA7156P のデータシートは見つかりません。
 ・しかし状況証拠から TA7156P=MC1310P(LM1310N、LM1310P)です。
 ・MC1310 と MC1310P の違いは不明ですが、
 ・ようやく東芝製互換品に巡り合えました。

Accut10135_2

【MC1310互換品】
 ・PA1310BA1310SN76115、HA1156、LM1310、CA1310、AN115、、、

■修理記録:音が出ない原因を探る---------------------------------------

【症状】
 ・Sメーター、Tメーターは正常に動作している。
 ・マルチパスメーターも動いている
 ・ということは、検波回路までは正常
 ・でもマルチパスH端子(FM DET OUT端子)から音が出ない
 ・ミューティング回路が動作していない
 ・フロントパネルのスイッチに連動したインジケーター(電球)が点灯しない

Accuphase_t101_sche

 ・まずは電源回路から調査開始
 ・電源基板 6番端子:+16v   / 実測 16.2v ※異常なし
 ・電源基板 7番端子:-16.2v / 実測-16.7v ※異常なし
 ・電源基板 8番端子:+7.0v  / 実測 6.96v ※異常なし

 ・続いてMPX基板の7vラインを点検。
 ・フロントパネルのスイッチに連動したインジケーター(電球)が点灯しない、ということは
 ・MPX基板 11番端子:+7.0v を確認。
 ・電圧測定のためテスター棒の先端を11番端子に当てた瞬間!!
 ・「カチッ」リレー動作音が聞こえたと思ったら、、
 ・何とFM放送が聞こえてきました!!
 ・固定端子、可変端子ともFM放送が聞こえる。
 ・マルチパスH端子、FM DET OUT端子からもFM放送が聞こえる。
 ・STEREOインジケーターが赤く点灯。
 ・気が付けば、切換スイッチに連動したインジケーターが青く点灯している。
 ・離調時のMUTING動作OK、、
 ・さっきまでの不調が嘘のよう、、何故か?直ってしまいました。。

Accut10160Accut10161Accut10147_2Accut10162Accut10163

 ・その後、11番端子に再度触れても、ちょっと押しても正常動作を続けています。
 ・11番端子の接触不良では無さそう。
 ・何らかの理由でMPX基板の7V回路が動作していなかった?
 ・原因不明です?

■調整記録-------------------------------------------------------------

・T-101サービスマニュアルの調整方法に準拠(一部アレンジあり)

Accut101

【検波調整1】
 ・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
 ・信号なし → IF基板 T3上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・90MHz → フロントエンド CT1調整
 ・76MHz → フロントエンド L11調整
 ・上記調整を数回繰り返す
【トラッキング調整】
 ・90MHz → フロントエンド CT2,CT3,CT4調整 → Sメーター最大
 ・76MHz → フロントエンド L11,L12,L13調整 → Sメーター最大
 ・上記調整を数回繰り返す
【Sメーター調整】
 ・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR4調整 → Sメーター目盛り5
【検波調整2】
 ・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
 ・固定出力 WaveSpectra接続
 ・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 T3下段コア調整 → 高調波歪最小
【MUTING WIDTH調整】
 ・MUTING オン
 ・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR2調整 →
 ・Tメーターを見ながら左右離調時にMUTING作動ポイントが左右対称にする
【MUTING LEVEL調整】
 ・MUTING オン
 ・83MHz 22dB,30%dev → IF基板 VR3調整 → 出力が出現する位置へ
【VCO調整】
 ・MPX基板 IC1 1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 → MPX基板 VR1調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・固定出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 100%dev → MPX基板 VR2調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【音声出力レベル】
 ・固定出力 AC電圧計接続
 ・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 VR1調整 → 2.0v

■試聴-----------------------------------------------------------------

 ・私としては MC1310の東芝製互換品に巡り会えたことが大きな成果です。
 ・しかし不具合の原因は分からないままです。
 ・各部再調整して良い性能を取り戻したと思います。
 ・この状態でお返ししますので、引き続き動作確認をお願いします。
 ・不具合が再発した場合はご連絡ください。

Accut10111

IPv6プラス 対応記録

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 ・今年の7月頃からでしょうか、、
 ・自宅のインターネット回線が目立って遅くなった感じです。
 ・特に夜20時以降は悲惨な状態。例えば、、
  ・Yahooトップページの表示で画像が遅れてやってくる
  ・YouTubeの動画再生で画面がカクカクする
  ・アプリのダウンロード速度が異常に遅い。
  ・Speedテストアプリでは速くても下り10Mbps。
  ・とても光回線の速度とは思えない!
 ・ルーターや無線アクセスポイントの不調を疑いましたが問題なし。
 ・そもそも早朝や日中は遅さを感じない。
 ・あれこれ試行錯誤の結果、IPv6対応で改善しました。
 ・各種手続きの備忘録として残します。

■自宅環境-----------------------------------------------------------

 ・回線:NTT西日本 光ネクスト(マンションスーパーHS隼プラン1)
 ・プロバイダ:@nifty
 ・契約プラン:@nifty光ライフ with フレッツ
 ・ホームGW:RT-500KI
 ・RT-500KI 取扱説明書

 ・フレッツ光ネクスト隼 開通記録 2014年3月15日

■Niftyへの手続き----------------------------------------------------

 ・Nifty IPv6プラス
 ・2017年10月24日23:00 ネット申し込み
 ・2017年10月25日 9:30 開通のお知らせ

 ・実は10月25日の朝6時ころ、気が付いたらRT-500KIのPPPランプが消えていた。
 ・PPP消灯にも関わらずネット接続できてスピードが速かった!
 ・既にNTT側のIPv6回線工事は済んでいたようです。
 ・RT-500KIの設定画面を確認したら接続設定がIPv6用に変わっていた。
 ・IPv4の設定を引き継いで自動で設定されるようです。

Rt500ki

 ・2017年10月27日 NTT西日本から契約変更のお知らせが届く
 ・申し込んだプロバイダが代理人となってNTTへ工事依頼が行くようです。

■IPv6 開通確認-------------------------------------------------------

 ~ニフティのQ&Aより抜粋~
 ・v6プラス開通の確認方法について
 ・接続中のブロードバンドルーターのPPPランプをご確認ください。v6プラスでインターネット接続中は、PPP接続は確立しませんので、PPPランプが消灯していればv6プラスが開通しています。

 ・IPv6テストサイト
 ・KDDIホームページ:トップページ右上にIPv6のバッジが表示される
 ・IIJmioホームページ:トップページ右上にIPv6のバッジが表示される

Ipv6

■考察---------------------------------------------------------------

 ・IPv4 PPPoE → IPoE + IPv4 over IPv6
 ・今回改めてIPv6の仕組みを勉強しました。
 ・費用は無料。速度改善に効果あり。

TRiO KT-2200 修理調整記録2

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 ・2017年8月、KT-2200の故障品を寄付していただきました。
 ・外観は KT-1100 とソックリ、でも中身は KENWOOD L-03T と同じ。
 ・以下、作業記録です。

Kt220008

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ回顧録 TRiO KT-2200
 ・オーディオの足跡 TRiO KT-2200 ¥99,800円(1983年頃)
 ・KT-2200 取扱説明書 PDF形式

Kt220002Kt220010

■動作確認------------------------------------------------------------

<ご指摘の不具合状況>
 ・周波数ズレ大きい
 ・低い周波数の時にステレオランプが点灯したりしなかったり
 ・点灯してもステレオにならない

<確認事項>
 ・とてもキレイな個体で、フロント・ボディともキズはほぼ見当たらない。
 ・電源オン。二つのメーター照明点灯。赤い指針点灯。
 ・RF DISTANCEで名古屋地区のFM放送を受信OK。
 ・同調後にチューニングつまみから指を離すとサーボロックランプ点灯。
 ・+0.2MHzほどの周波数ズレ。IF BAND切替OK。
 ・ご指摘通りSTEREOランプが点灯しない。
 ・聴感上もステレオ感がない。
 ・RF DIRECTにするとSメーターの振れが弱くなるがFM局受信はOK。
 ・Sメーター最大点とTメーター中点が一致しない。
 ・REC CAL音OK。SメーターとDEVIATIONメーターの切替OK。
 ・MUTING動作OK。スライド式VRでMUTINGレベル可変OK。
 ・固定/可変出力OK。可変VRにガリなし。マルチパスH端子からも音声確認。
 ・インジケーター類すべて点灯。基本動作OK。
 ・問題はSTEREOランプが点灯しないこと。

Kt220003Kt220004Kt220005Kt220006Kt220007
Kt220001Kt220011Kt220012Kt220013Kt220014

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM5連AM3連バリコン搭載。※AMバリコンは未使用
 ・IF段に多くのコイルが並んでいます。
 ・TR7040:MPX-IC KT-1100にも同じICが使われている。

Kt220020Kt220021Kt220022Kt220023Kt220024
Kt220025Kt220026Kt220027Kt220028Kt2200291

■調整記録------------------------------------------------------------

【機器の設定】
 ・RF=DISTANCE
 ・サーボロック OFF
【IF VCO6.2MHz調整】
 ・TP=IC2 JRC1496 8ピン(R16右側)周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 90dB Sメーター最大位置で受信 → L20調整 → 6.2MHz
【検波調整1】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 90dB Sメーター最大位置で受信 → L26調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 90dB 受信 → OSCトリマ調整 → ダイヤル指針83MHz
  ※コイル調整は難度高いのでノータッチ
【フロントエンドRF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 50dB 受信 → RFトリマ3個調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 無変調 50dB 受信 → T1調整 → Sメーター最大
  ※コイル調整は難度高いのでノータッチ
【検波調整2】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → Tメーター中点確認
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → L25調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → VR2調整 → 高調波歪最小
【IF WIDE調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz MONO 1kHz 60dB 受信 → L4,L5,L6,L7,L8,L9,L10,L11,L12調整
    → Sメーター最大 かつ高調波歪最小
【IF WIDE調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz ST 1kHz 60dB 受信 → L16,L17,L18調整 → 高調波歪最小
【IF NARROW調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz 1kHz 60dB 受信 → L14,L15調整 → 高調波歪最小
【NARROW GAIN調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 無変調 40dB 受信 → Sメーター目盛り記録
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 40dB 受信 → VR1調整→ Sメーター目盛りWIDE時と同じ
【VCOフリーラン周波数調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・TP R163上側に周波数カウンタ接続
 ・無信号 → VR6調整 → 152kHz±100Hz
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz パイロット信号 60dB 受信 → VR5調整 → 19kHz最小
 ・83MHz パイロット信号 60dB 受信 → L37調整 → 19kHz最小
 ・左右バランスに注意
【セパレーションWIDE調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR7調整 → Lch漏れ最小
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR8調整 → Rch漏れ最小
【セパレーションNARROW調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR9調整 → L/Rch漏れ最小
【Sメーター調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 無変調 60dB 受信 → VR3調整 → Sメーター目盛り4.25
【DEVIATION調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz MONO 1kHz 60dB 受信 → VR4調整 → Dメーター目盛り100%

Kt2200algn

<調整結果>
 ・部品の故障はなかったです。
 ・VCO調整によってSTEREOランプが点灯しステレオ受信できました。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・発売当時、このフロントマスクはずいぶん斬新なデザインだと思いました。
 ・美しい照明窓は無いけれど、バリコンチューナーの未来形という感じでした。
 ・ただ、残念ながらバリコンチューナーに未来は無かった、、

Kt220009


KENWOOD L-03T

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 ・2017年10月初め、L-03Tの修理調整を承りました。
 ・中身はKT-2200と同じと分かっていますが、L-03T実機に触れるのは初体験。
 ・以下、作業記録です。

Kenwood_l03t06

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD L-03T ¥120,000
 ・オーディオの足跡 KENWOOD L-03T ¥120,000 (1983年発売)

Kenwood_l03t02Kenwood_l03t11

■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・外観の状態はあまり良くない。
 ・フロントパネルの角に打ちキズ多数、ボディも汚れた感じ。
 ・背面のFMアンテナ端子が陥没している。
 ・音声出力端子が外れているのか?端子がグラグラしている。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・メーター照明点灯、指針が赤く点灯。
 ・名古屋地区のFM局受信OK。-0.2MHzほどの周波数ズレ。
 ・IF BAND切替OK、RF切換OK。MUTING動作OK。
 ・STEREOランプ点灯、SERVO LOCK動作もOK、DEVIATIONメーターOK
 ・ところがLchの音が出ない。REC CALトーンもLchの音が出ない。
 ・グラグラのLch端子に触れると音が出る。
 ・これは接触不良がありそう。

Kenwood_l03t01Kenwood_l03t03Kenwood_l03t04Kenwood_l03t05Kenwood_l03t09
Kenwood_l03t10Kenwood_l03t12Kenwood_l03t13Kenwood_l03t14Kenwood_l03t15

■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・音声出力端子のプラスチック部分が割れている。
 ・FMアンテナ端子も同様に破損。
 ・どちらも無理な抜き差しが原因と思います。
 ・まずは端子の修理から着手。

Kenwood_l03t20Kenwood_l03t21Kenwood_l03t22Kenwood_l03t23Kenwood_l03t25
Kenwood_l03t26Kenwood_l03t27Kenwood_l03t28Kenwood_l03t29Kenwood_l03t30
Kenwood_l03t31Kenwood_l03t32Kenwood_l03t33Kenwood_l03t34Kenwood_l03t35_2

■修理記録:アンテナ端子交換-----------------------------------------

 ・相当無理な力が加わったらしく、FM75Ω端子が陥没しています。
 ・これは交換するしかないです。
 ・背面パネルから外してみたらプラスチック部分が割れてました。
 ・ジャンク箱にあった同型端子と交換。

Kenwood_l03t50Kenwood_l03t24_2Kenwood_l03t51Kenwood_l03t53Kenwood_l03t52

■修理記録:マルチパス端子、音声出力端子補修-------------------------

 ・マルチパス端子と音声出力端子は同一ユニット部品です。
 ・内側から見るとプラスチック製台座部分が見事に割れています。
 ・FMアンテナ端子同様に無理な力が加わったみたいです。
 ・ジャンク箱に同型部品はありましたが、ただ金メッキ端子の部品が無い。
 ・L-03Tの高級感を保つために金メッキ端子は残しておきたい。
 ・ということで、割れたブラスチック部品を強力接着剤で固める。
 ・さらにヒビ割れに沿って補強部品を強力接着剤で固定しました。
 ・端子はピカールで磨いておきました。

Kenwood_l03t40Kenwood_l03t41Kenwood_l03t43Kenwood_l03t45Kenwood_l03t46

■調整記録-----------------------------------------------------------

 ・Σ回路以外はKT-2200と同じ。調整方法もKT-2200を共通です。

L03t

【機器の設定】
 ・RF=DISTANCE
 ・サーボロック OFF
【IF VCO6.2MHz調整】
 ・TP=IC2 JRC1496 8ピン(R16右側)周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 90dB Sメーター最大位置で受信 → L20調整 → 6.2MHz
【検波調整1】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 90dB Sメーター最大位置で受信 → L26調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 90dB 受信 → OSCトリマ調整 → ダイヤル指針83MHz
  ※コイル調整は難度高いのでノータッチ
【フロントエンドRF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 50dB 受信 → RFトリマ3個調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 無変調 50dB 受信 → T1調整 → Sメーター最大
  ※コイル調整は難度高いのでノータッチ
【検波調整2】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → Tメーター中点確認
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → L25調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → VR2調整 → 高調波歪最小
【IF WIDE調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz MONO 1kHz 60dB 受信 → L4,L5,L6,L7,L8,L9,L10,L11,L12調整
    → Sメーター最大 かつ高調波歪最小
【IF WIDE調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz ST 1kHz 60dB 受信 → L16,L17,L18調整 → 高調波歪最小
【IF NARROW調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz 1kHz 60dB 受信 → L14,L15調整 → 高調波歪最小
【NARROW GAIN調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 無変調 40dB 受信 → Sメーター目盛り記録
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 40dB 受信 → VR1調整→ Sメーター目盛りWIDE時と同じ
【VCOフリーラン周波数調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・TP R163上側に周波数カウンタ接続
 ・無信号 → VR6調整 → 152kHz±100Hz
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz パイロット信号 60dB 受信 → VR5調整 → 19kHz最小
 ・83MHz パイロット信号 60dB 受信 → L37調整 → 19kHz最小
 ・左右バランスに注意
【セパレーションWIDE調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR7調整 → Lch漏れ最小
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR8調整 → Rch漏れ最小
【セパレーションNARROW調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR9調整 → L/Rch漏れ最小
【Sメーター調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 無変調 60dB 受信 → VR3調整 → Sメーター目盛り4.25
【DEVIATION調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz MONO 1kHz 60dB 受信 → VR4調整 → Dメーター目盛り100%

■試聴---------------------------------------------------------------

Kenwood_l03t07

 ・ちょうど同時期にKT-2200の調整作業を行っていました。
 ・KT-2200とL-03Tを並べた記念写真です。
 ・外寸、内部構成、は全く同じ。違いはΣドライブ回路と銅メッキシャーシ。

L03tkt220009

L03tkt220001L03tkt22000
L03tkt220002L03tkt220003L03tkt220004L03tkt220005L03tkt220006

YAMAHA T-1 修理調整記録2

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 ・2017年10月、バリコンチューナーT-1の調整作業を承りました。
 ・この時期のヤマハ製チューナーはシンプルなデザインが魅力です。
 ・以下、作業記録です。

Yamaha_t117

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-1 ¥60,000円
 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-1 ¥60,000 (1977年頃)
 ・Hifi Engine YAMAHA T-1
 ・YAMAHA T-1 取扱説明書 (PDF形式)
 ・YAMAHA T-1 回路図

Yamaha_t102Yamaha_t113

■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・フロントパネルはキレイです。キズは見当たりません。
 ・天板も艶があって光っています。天板後部に僅かに引っかきキズ。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。エメラルドグリーンの美しい照明点灯。
 ・指針の照明、メーター照明も点灯。タマ切れなし。
 ・DXインジケーター点灯、STEREOランプ点灯。
 ・名古屋地区のFM局を+0.3MHzの周波数ズレで受信。
 ・FM/AMとも不具合は無さそう。
 ・ただ、メーター針の塗装がボロボロ状態。

Yamaha_t103Yamaha_t104Yamaha_t105Yamaha_t106Yamaha_t107
Yamaha_t101Yamaha_t112Yamaha_t114Yamaha_t115Yamaha_t116

■内部確認-----------------------------------------------------------

Yamaha_t120Yamaha_t121Yamaha_t122Yamaha_t123Yamaha_t124
Yamaha_t125Yamaha_t126Yamaha_t127Yamaha_t128Yamaha_t129
Yamaha_t130Yamaha_t131Yamaha_t132Yamaha_t133Yamaha_t134
Yamaha_t135Yamaha_t136Yamaha_t137Yamaha_t138Yamaha_t139
Yamaha_t142Yamaha_t143Yamaha_t144Yamaha_t145Yamaha_t146

■修理記録:メーター指針再塗装---------------------------------------

 ・TメーターとSメーターの指針を見ると塗料がボロボロ状態。
 ・この時期のヤマハ製チューナーに共通の症状です。
 ・メーターを分解してタッチペンで赤く塗り直しました。
 ・詳しい手順と注意事項は 1号機記事参照

Yamaha_t150Yamaha_t151Yamaha_t153Yamaha_t154Yamaha_t156

■調整記録-----------------------------------------------------------

Yamaha_t1

【レシオ検波調整】
 ・何も受信しない状態 → T201上段コア調整 → Tメーター中点へ
【FM OSC調整】
 ・76MHz受信 → Lo 調整 → Sメーター最大、Tメーター中点
 ・90MHz受信 → TCo調整 → Sメーター最大、Tメーター中点
【FM RF調整】
 ・76MHz受信 → LA,LR1,LR2 調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TCA,TCR1,TCR2 調整 → Sメーター最大
 ・83MHz調整 → IFT 調整 → Sメーター最大
【レシオ検波歪調整】
 ・83MHz受信 → T201下段コア調整 → 高調波歪最小
【IF歪調整】
 ・83MHz受信 → VR201,CF201,CF204調整 → 高調波歪最小
【FM-Sメーター振れ調整】
 ・83MHz受信 → VR202 → Sメーター振れ具合調整
【VCO調整】
 ・83MHz Pilot → VR204調整 → 19kHz
 ・83MHz SUB信号 → VR205調整 → Lch信号レベル最大
【パイロットキャンセル】
 ・83MHz受信 → VR203、T206調整 → 19kHz漏れ信号最小、左右バランス注意
【セパレーション調整】
 ・83MHzステレオ受信 → VR206調整 → セパレーション最大
【REC CAL確認】
 ・REC CAL 287Hz -3dB ※確認のみ

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・故障箇所は無かったです。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・エメラルドグリーンに映える周波数窓、うっとりしていつまでも眺めていられます。

Yamaha_t111

Accuphase T-101 修理調整記録

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 ・前回記事の続編です。
 ・前回修理から2週間ほどで音が出なくなる症状が再発したそうです。
 ・やはり不具合原因がどこかにある。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・再度お送りいただいて動作確認したところ、前回とは異なる不具合を次々に確認。

<不具合例>
 ・STEREOランプは点灯するものの、出てくる音が酷く歪んでいる現象。
 ・音は出るがSTEREOランプが消灯し、モノラルになる現象。
 ・前回同様に二つのメーターは振れるのに音が出ない現象。
 ・MUTINGをオフにすると受信するが、MUTINGオンでは音が出ない現象。
 ・なぜこんなにも多くの不具合が出てくるか??

Accut10170Accut10171Accut10172Accut10173Accut10174
Accut10175Accut10176Accut10177Accut10178Accut10179

<原因究明>
 ・回路図に記載のある電圧値に基づいて各部電圧測定。
 ・前回はテスター棒の先端をMPX基板11番端子にあてた瞬間に直りましたが、
 ・今回も同様にMPX基板の11番端子のテスター棒を当てて、、残念、変化なし。
 ・調査過程でMPX基板8番端子の電圧が1V~3Vで不規則に変動し安定しない症状を確認。
 ・MPX基板8番端子=IF基板1番端子
 ・IF基板1番端子も1V~3Vで安定しない。
 ・IF基板1番端子=IC6(TA7061)8番端子=約4Vで安定している。
 ・どうやら基板を接続するコネクタ部の接触不良が怪しいかも?
 ・試しにIF基板とMPX基板を繋ぐコネクタピンを外してみる。
 ・このコネクタピンは裏側から引き抜ける構造でした。
 ・基板のハンダを確認したところハンダ不良なし。
 ・ということは、コネクタピンとソケット部の接触不良が原因か?
 ・裏側からコネクタピンを引き抜き、一本ずつ洗浄。
 ・コネクタピンの抜き差し作業を各50回繰り返す。
 ・再設置して電源オンしたところ、正常にステレオ音声が出ました。
 ・IF基板とMPX基板にある計5個のコネクタを外して同様に処置。

Accut10180

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・原因は基板同士を接続するコネクタピンの接触不良だったようです。
 ・処置後は安定して動作しています。たぶんこれで大丈夫でしょう。
 ・青色に浮かび上がる周波数窓が美しい、、見惚れてしまいます。

Accut10110

PIONEER F-780 修理調整記録

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 ・2017年11月、久しぶりにパイオニア製パルスカウント検波機に触れる機会をいただきました。
 ・今回は改めて調整方法をまとめてみました。
 ・以下、作業記録です。

Pioneer_f78009

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・PIONEER アンプ・チューナー総合カタログ 1981年4月版
 ・オーディオの足跡 PIONEER F-780 ¥49,800(1981年発売)
 ・オーディオ懐古録 PIONEER F-780 ¥49,800
 ・Hifi Engine PIONEER F-9 (1981-82)
 ・パイオニア パルスカウント検波チューナー比較 F-700/F-500/F-780/F-120/F-120D

Pioneer_f78002Pioneer_f78014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は多少のキズがあるもののそんなに悪くない印象です。
<依頼者様からの情報>
 ・不定期にノイズ発生
<確認事項>
 ・受信中に「ボソッ、ボソボソ」と短いノイズが不定期に発生。
 ・FM受信音にノイズが被る感じです。
 ・ステレオ受信時に左右同時にノイズ発生。
 ・IF BAND WIDE/NARROW ともにノイズ発生

Pioneer_f78003Pioneer_f78004Pioneer_f78005Pioneer_f78006Pioneer_f78007
Pioneer_f78013Pioneer_f78015Pioneer_f78016Pioneer_f78017Pioneer_f78018

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FMフロントエンド:4連バリキャップ
 ・PA3007:FM IF AMP & DET
 ・PA5001:2ND OSC & MIXER
 ・PA5002:DIGITAL DET
 ・PA4006:FM MPX & MUTING
 ・HA1138:AM TUNER IC

Pioneer_f78020Pioneer_f78021Pioneer_f78022Pioneer_f78023Pioneer_f78024
Pioneer_f78025Pioneer_f78026Pioneer_f78027Pioneer_f78028Pioneer_f78029
Pioneer_f78030Pioneer_f78031Pioneer_f78032Pioneer_f78033Pioneer_f78034
Pioneer_f78035Pioneer_f78036Pioneer_f78037Pioneer_f78038Pioneer_f78039

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧調整】
 ・TP21電圧測定(VT電圧)
 ・90MHz TC4調整 → TP21電圧 25V ※調整前実測 25.0V
 ・76MHz L2 調整 → TP21電圧 7.0V ※調整前実測  6.9V
【トラッキング調整】
 ・TP22電圧測定(Sメーター電圧)
 ・76MHz受信 → T2,T3,L1調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → TC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → T5調整 → 電圧最大
【NARROW GAIN調整】
 ・TP22電圧測定(Sメーター電圧)
 ・83MHz受信 → VR1調整 → WIDE/NARROWで同じ電圧に
【FM同調点調整】
 ・TP23~TP24 電圧計セット
 ・83MHz受信 → T7調整 → 電圧ゼロ
【パルスカウント検波調整】
・83MHz受信 → T9調整 → TP11周波数 1.26MHz
・83MHz受信 → VR3調整 → TP8~TP9電圧ゼロ
【ミューティング調整】
・83MHz受信 → VR2調整 → ミューティング作動ポイント設定
【VCO調整】
 ・TP14 周波数カウンタ
 ・83MHz変調OFF → VR6調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・83MHz変調ON → VR7調整 → 19kHz信号最小
【セパレーション調整】
 ・83MHz変調ON → VR5調整 → 左右ch漏れ信号最小
【REC CAL調整】
・83MHz受信 → オーディオ出力レベル測定
・REC LEVEL CHECK オン → VR8調整 → -6dB
【AM RF調整】
 ・TP22 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・ 522kHz受信 → バーアンテナ,T10,T11調整 → 電圧最大
 ・1602kHz受信 → TC5,TC6,TC7調整 → 電圧最大

F780Pioneer_f9_sche

■修理記録 不定期にノイズ発生----------------------------------------

 ・上記調整後の試聴中にご指摘のノイズを確認
 ・受信中に「ボソッ、ボソボソ」とノイズ発生。
 ・FM受信音に被る感じですね。
 ・ステレオ受信時に左右同時にノイズ発生。
 ・IF BAND WIDE/NARROW ともにノイズ発生

Pioneer_f78042

 ・MODEスイッチ(AUTO/MONO)操作するとノイズが発生するようです。
 ・スイッチ接点の劣化が原因かも?
 ・MODEスイッチを約100回、ON/OFFを繰り返しました。
 ・これで落ち着いたようです。ノイズが出なくなりました。
 ・念のため、他のスイッチも同様の措置を施しました。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・フロントマスクはゴールド/ブラックの独特なツートンデザイン。
 ・単体チューナーとしては異質なデザインで好き嫌いが分かれそうです。。
 ・でも同シリーズのアンプA-980/780とセットにするとカッコよく見えるから不思議。
 ・カセットデッキCT-980/970も揃えると未来感覚の新型コンポに見えました。
 ・参考:グッドデザイン年鑑 1981年

Pioneer_f78011

Technics ST-G7 修理調整記録1

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 ・年末大掃除の納戸整理で10年ぶりにST-G7が出てきました。
 ・テクニクス製パルスカウント検波チューナーです。
 ・ずっと放置していたので不具合があるかも、、
 ・ということで、もう一度しっかり調整し直した記録です。

Stg712

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Technics ST-G7 ¥73,800(1983年発売)
 ・オーディオ懐古録 Technics ST-G7 ¥73,800
 ・Hifi Engine Technics ST-G7(1984-88))※海外版サービスマニュアル
 ・ST-G7 取扱説明書(日本語版)

Stg702Stg716

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・青色背景に白文字が浮かび上がる液晶パネル、フロントパネル右下に緑色アクセント。
 ・そういえば入手時は電球切れで液晶表示が全く見えなかった。
 ・アルミ製フロントパネルとガラス製シーリングパネルの組み合わせ。
 ・メモリ選局ボタンもアルミ一枚板で出来ています。
 ・気品があるというか、上品な雰囲気を醸し出しています。
 ・約10年ぶりに通電しましたが、FM/AMとも受信できました。
 ・周波数ズレなし、STEREOインジケーター点灯。
 ・基本的な使い方を忘れてしまったので取扱説明書を読んで復習しました。

<取扱説明書より抜粋>
 ・IFオート切換
  ・希望局を受信するとマイクロコンピューターが隣接局の有無を検索判断する
  ・隣接局が無い場合は±400kHz離調55dBの高選択度normal回路を選択する
  ・隣接局がある場合は±200kHz離調25dBの狭帯域・高選択度super narrow回路が作動する
 ・FM signalボタンで FM 電波の入力レベルを dBf 表示できる。
 ・down/upボタンを短く押すとマニュアル選局。長押しでオート選局。
 ・memoryボタンを長押しするとオートスキャンして自動的にプリセットメモリに記憶。
 ・mutingボタン長押しで作動レベルを 30/40/50dBf に切換可能。

Stg703Stg704Stg705Stg706Stg708
Stg714Stg715Stg717Stg718Stg719

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・4連バリキャップ、パルスカウント検波、サンプリングホールドMPX
 ・7種類のLSI、ICを新開発したD/Aフュージョンサーキット
 ・フロントエンド、IF回路、MPX回路の3ヶ所をクォーツの精度でコントロールするトリプルクォーツコントロール
 ・ICの多くは基板裏側に実装されています。
  IC101:AN7274S/ FM/AM AMP
  IC102:AN7275S/ FM PULSE COUNT DET.
  IC301:AN7471S/ MPX
  IC302:AN6562/ Scan cut/Pilot cancel
  IC303:MN4066/ PEAK SAMPLING SWITCH
  IC304:MN4066/ MUTING/HIGH BLEND
  IC305:AN6554NS/ OPERATION AMP
  IC306:AN6554NS/ OPERATION AMP
  IC901:AN6823/ PRE SCALER
  IC902:MN1291/ PLL CONTROLLER
  IC903:MN1554STD/ MICRO COMPUTER
  IC904:MN1256/ LCD driver
  IC905:AN6552/ FM RF ATTENUATOR
  X101 :31.3MHz
  X901 :8.55MHz
  X902 :2MHz

 ・製品情報を読んでも「パルスカウント検波」という記載はありません。
 ・テクニクスでは「デジタルリニアディテクタを採用」とPRしていました。
 ・どちらの宣伝文句にしても、当時の私には理解できていなかったですけどね。
 ・IF信号(10.7MHz)→ Q103,104(3逓倍) → 32.1MHz
 ・水晶発振31.3MHz → Q105(Mixer)→ 2nd IF信号(0.8MHz)→ パルスカウント検波
 ・3逓倍したIF信号から0.8MHzの2nd IF信号を作り出しています。
 ・パルスカウント検波=トリオという印象ですが、各社それぞれ研究していたのですね。

<参考>メーカー別パルスカウント検波第2IF周波数
 ・KENWOOD製パルスカウント機(1981以前)
   [ 10.7MHz ] → [ LC発振8.74MHz ] → 1.96MHz
 ・PIONEER F-120/120D(1982/1984)
   [ 10.7MHz×2 ] → [ 水晶発振20.14MHz ] → 1.26MHz
 ・Technics ST-G7 (1983)
   [ 10.7MHz×3 ] → [ 水晶発振31.3MHz ] → 0.8MHz
 ・ALPINE/Luxman T-117(1987)
   [ 10.7MHz×3 ] → [ 水晶発振32.975MHz ] → 0.8075MHz

Stg720Stg721Stg722Stg723Stg724
Stg725Stg726Stg727Stg728Stg729
Stg730Stg731Stg732Stg733Stg734
Stg735Stg736Stg737Stg738Stg739
Stg740Stg741Stg742Stg743Stg744
Stg745Stg746Stg747Stg748Stg749

■調整記録------------------------------------------------------------

・輸出機用サービスマニュアルを基に一部アレンジ

Stg7

【VT電圧調整】
 ・TP1 DC電圧計セット
 ・76.1MHz → L6 調整 →  2.9V ※実測 2.9V
 ・89.9MHz → CT1調整 → 11.0V ※実測10.8V
【FM RF調整】
 ・VR101 DC電圧計セット
 ・83.0MHz → L1,L3,L4,T1調整 → 電圧最大
【FM同調点調整】
 ・TP101-TP102 DC電圧計セット
 ・83.0MHz → T101調整 → 電圧ゼロ
 ・TP103 - 周波数カウンタセット
 ・83.0MHz → T103調整 → 0.8MHz ※実測0.87MHz
 ・TP302 - GND DC電圧計セット
 ・83.0MHz → VR102調整 → 電圧ゼロ
【STEREOインジケータ調整】
 ・LCD表示を電波強度モードに切り替え
 ・83.0MHz,60dB → VR101調整 → 表示60dB
 ・入力30dBに対して表示22~38dBならOK ※かなりアバウト!
【パイロットキャンセル】
 ・音声出力 → WaveSpectraに接続
 ・83.0MHz → VR103,L301調整 → パイロット信号最小 ※左右バランス注意
【ステレオ歪調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraに接続
 ・83.0MHz → T1,T103調整 → 高調波歪最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraに接続
 ・83.0MHz → VR303調整 → Rch最小
 ・83.0MHz → VR304調整 → Lch最小
【CAL TONE】
 ・Peak Level-2.1dB 345Hzの波形が出ていました。確認のみ
【AM調整】
 ・AMVT電圧調整 L203調整→
 ・TP201 DC電圧計セット
 ・522kHz → L203調整 → 1.6V
 ・1629kHz → 8.3V 確認のみ
 ・729kHz(NHK第一)→ L202調整 → 最適ポジション
 ・1332kHz(東海ラジオ)→ CT201調整 → 最適ポジション
 ・1053kHz(CBCラジオ)→ T201調整 → 聞きやすい位置へ

Stg7_sche_s

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・シルバーモデルは上品な印象、色違いのブラックモデルは精悍な印象です。
 ・どちらもオーディオ棚のアクセントにイイ感じです。

Stg711

YAMAHA TX-2000 修理調整記録2

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 ・2017年11月、納戸に眠っていたYAMAHA TX-2000を整備しました。
 ・通電したのは6~7年ぶり?

Yamaha_tx200008

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA TX-2000 ¥100,000(1988年発売)
 ・Hifi Engine YAMAHA TX-2000 ※海外版サービスマニュアルあり

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・本体に目立つキズなし。サイドウッドもとても綺麗な状態。
 ・電源オン。オレンジ色の表示点灯。輝度劣化もなく眩しいほど輝いている。
 ・FMアンテナ端子はF型でA/B 2系統。同軸ケーブルを接続して受信確認。
 ・オート選局、マニュアル選局で名古屋地区のFM局を正常に受信OK。
 ・受信周波数にズレはなし。
 ・メモリ登録して1週間放置しても内容を保持していました。
 ・AMは手持ちの適当なループアンテナを接続して受信確認。
 ・名古屋地区のAM放送局をオート選局で正常に受信OK。
 ・FM/AMとも大きな問題なさそうです。

Yamaha_tx200002Yamaha_tx200003Yamaha_tx200004Yamaha_tx200005Yamaha_tx200006
Yamaha_tx200001Yamaha_tx200009Yamaha_tx200010Yamaha_tx200011Yamaha_tx200012

■内部確認------------------------------------------------------------

Yamaha_tx200020Yamaha_tx200021Yamaha_tx200022Yamaha_tx200023Yamaha_tx200024
Yamaha_tx200025Yamaha_tx200026Yamaha_tx200027Yamaha_tx200028Yamaha_tx200029
Yamaha_tx200030Yamaha_tx200031Yamaha_tx200032Yamaha_tx200033Yamaha_tx200034
Yamaha_tx200035Yamaha_tx200036Yamaha_tx200037Yamaha_tx200038Tx2000

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・海外版サービスマニュアルを一部アレンジ。

Tx2000_2

【本体設定】
 ・電源投入から5分以上経過していること
 ・OSCコイル、IFTの調整には金属製ドライバーは使用しないこと
 ・まずFMセクションを調整し、次にAMセクションを調整すること
 ・MODE:AUTO ST
 ・BLEND:OFF
 ・IF MODE:NARROW
 ・RF ATT:OFF
 ・FINE TUNING ON → すなわちCSL停止状態
 ・オーディオ出力をWaveSpectra接続
【電圧確認】
 ・+30 → +29V±1V → ※実測+28.5V
 ・+12 → +12.5V±0.5V → ※実測+12.6V
 ・-12 → -12.5V±0.5V → ※実測-12.3V
 ・+ 6 → + 6V±0.5V ※実測+6.1V
【VT電圧確認】
 ・L17の足に DC電圧計接続
 ・受信周波数 90MHz → T8調整 → 25.0V
 ・受信周波数 76MHz → 7.1V ※確認のみ
【FMフロントエンド調整】
 ・VR10の足 DC電圧計セット
 ・77.00MHz(SSG) 無変調 60dB受信 → FINE TUNING 電圧最大となる周波数を探す
 ・76.98MHz(TX2000)にて電圧最大
 ・この状態で T1,T2,T3,T4調整 → 電圧最大
 ・89.00MHz(SSG) 無変調 60dB受信 → FINE TUNING 電圧最大となる周波数を探す
 ・88.98MHz(TX2000)にて電圧最大
 ・この状態で VC1,VC2,VC3,VC4調整 → 電圧最大
【レシオ検波調整】
 ・VR10の足 DC電圧計セット
 ・83.00MHz(SSG) 70dB 無変調 →  FINE TUNING 電圧最大となる周波数を探す
 ・82.98MHz(TX2000)にて電圧最大
 ・基板上のFM S端子~GND間にDC電圧計セット
 ・82.98MHz(TX2000)位置で受信した状態 → T7調整 → 電圧ゼロ
 ※以下、信号発生器 83.00MHz送信 → TX2000 82.98MHz受信
【モノラル歪調整】
 ・82.98MHz(TX2000) 70dB 1kHz 100%変調 → VC5,VR9調整 → Mono歪最小
【PLL入力位相調整】
 ・82.98MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO(L-R) → T10,T12調整 → Lch出力最大
【ステレオ歪調整】NARROW
 ・82.98MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO(L-R) → VR3,4,5,6調整 → STEREO歪最小
【ステレオ歪調整】WIDE
 ・IF MODE:WIDE
 ・82.98MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO(L-R) → T5,6,13,VR1,2,7,8調整 → STEREO歪最小
【セパレーション調整】WIDE
 ・IF MODE:WIDE
 ・82.98MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → VR13調整 → L→R漏れ信号最小
 ・82.98MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → VR14調整 → R→L漏れ信号最小
【セパレーション調整】NARROW
 ・IF MODE:NARROW
 ・82.98MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → VR11調整 → L→R漏れ信号最小
 ・82.98MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → VR12調整 → R→L漏れ信号最小
【パイロット信号キャンセル調整】WIDE
 ・82.98MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → VR15,T11調整 → 19kHz成分最小
 ・左右chのバランスに注意
【シグナルメーター調整】WIDE
 ・82.98MHz(TX2000) 80dB 1kHz STEREO → VR10調整 → レベルメーター全点灯
【ブレンドチェック】WIDE
 ・82.98MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → 受信中にBLENDスイッチON
 ・セパレーション値が左右とも悪化することを確認
【IF オフセット調整】
 ・FINE TUNING OFF → すなわちCSL受信状態
 ・D4~K3を短絡
 ・82.98MHzの表示が「29.8」という表示に変わる。
 ・VR17調整 → 周波数表示を微調整
 ・「29.8」→「30.0」と表示されるように調整
 ・調整後はD4~K3を開放
 ※D4~K3を短絡すると登録したメモリー内容がリセットされる
AM部
【VT電圧確認】
 ・ 522kHz受信 → L17電圧=3.3V ※確認のみ
 ・1620kHz受信 → L17電圧=23.5V ※確認のみ
【RF、IF調整】
 ・1053kHz受信(名古屋CBCラジオ)→ RK1調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz受信(名古屋CBCラジオ)→ T9調整 → Sメーター最大

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・YAMAHAデザインはとにかくカッコいいですね。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。

Yamaha_tx200007

HP Pavilion Power 580

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 ・2006年頃に購入したVAIO VGC-RC51の挙動がそろそろ怪しくなってきました。
 ・元はXPマシンですがパーツ交換しながら Win7 → Win10 と進化してきた逸品です。
 ・ただ残念なことに、最近はBIOSが起動できなくなることがしばしば発生。
 ・さすがに限界と諦め、趣味用PCを新たに購入しました。

Hp01Hp03Hp04Hp05Hp06

■HP Pavilion Power 580-----------------------------------------------

 ・予算10万円、できればWindows Mixed Reality に対応したスペックが欲しい。
 ・ゲーマーではありませんが、この先VRとか試してみたいので、、
 ・あとできるだけ小型筐体希望。
 ・あれこれ探したところ、ちょっと予算オーバーでしたがこの製品を選びました。
 ・2017年11月10日、HPホームページからオーダー。
 ・「人気商品につき納期未定」、、、、、、待つこと一月超、、
 ・2017年12月20日、ようやく納品されました。

Hp07Hp08Hp09Hp10Hp11

■スペック------------------------------------------------------------

 ・ベースユニットHP Pavilion Power 580
 ・Windows 10 Pro(64bit)
 ・プロセッサ:Core i7-7700 (3.60GHz ‐ 4.20GHz / 4コア・8スレッド / 8MB)
 ・メモリ:16GB (8GBx2) PC4-19200 (2400MHz)
 ・グラフィックス:NVIDIA(R) GeForce(R) GTX 1060
 ・ストレージ(1st):256GB SSD (SATA)
 ・ストレージ(2nd):2TB ハードドライブ (SATA/5400回転)
 ・メディアカードスロット:メディアカードリーダー
 ・光学ドライブ:DVDライター
 ・無線LAN/Bluetooth:IEEE802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2
 ・キーボード & マウス:USB日本語 (109A) コンパクトキーボード & USB光学スクロールマウス

Hp12Hp13Hp14Hp15Hp16
Hp17Hp18Hp19Hp20Hp21

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・セッティングしたらもう内部を見る機会はないので、記念写真撮影。
 ・SSD:SanDisk SD8SB8U-256G-1006
 ・HDD:WESTERN DIGITAL WD20EZRZ 64MB Cache

Hp22Hp23Hp25Hp27Hp28

Happy New Year

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 ・このブログを始めて早12年目を迎えます。
 ・気が付けばもうすぐ300万アクセスに到達しそうです。
 ・実は左サイドバーの一番下にこっそりカウンターを設置してあります。
 ・今後も相変わらずジャンクチューナー整備に精を出します。
 ・2018年が皆様にとって良い年になりますように。

20180101_22018年1月1日撮影

KENWOOD L-02T

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 ・2017年10月、KENWOOD L-02Tの修理調整作業を承りました。
 ・1981年発売当時の定価30万円の超高級チューナーです。
 ・大卒初任給が10万円くらいだった頃ですから何と「給料3ヶ月分」です。
 ・実際に内部を見るのは初めてなのでとても勉強になりました。
 ・以下、作業記録です。

Kenwood_l02t17

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD L-02T FM STEREO TUNER \300,000
 ・オーディオの足跡 KENWOOD L-02T \300,000(1982年頃)
 ・Hifi Engine Kenwood L-02T FM Stereo Tuner (1982-83)
 ・KENWOOD L-02T 取扱説明書(日本語版、PDF形式)

Kenwood_l02t02Kenwood_l02t04

■特長(取扱説明書より抜粋)-----------------------------------------

 FMチューナーでは、妨害電波を排除し受信したい放送電波だけを如何に正確に受信するか、という受信機としての基本性能と、オーディオ機器の一つとして如何に忠実に放送信号を再生し音質の良さを保つか、の相反する二つの性質をバランスよく設計しなければなりません。つまり、従来は音質の良さを中心に設計しますと混信などにより受信性能が悪くなり、逆に受信性能を中心にしますとオーディオ性能が得られにくいのが常でした。L-02Tでは以下に述べる画期的な技術を駆使することにより、この両性能の両立が達成されています。

混変調歪や大入力特性に優れた性能を持つダイレクトコンバージョンシステムを搭載したRFセレクター
 放送局の増加とともに、二信号による妨害(RF相互変調)や近接大入力局による妨害(混変調歪や感度の低下)が受信感度やイメージ妨害などの一信号特性よりも重視されてきます。本機ではこれらの対策として、入力信号をRF増幅部へ通さず直接ミキサー段へ入れるダイレクトコンバージョンシステムを採用(RFセレクターの DIRECT の位置)し、強電界地域では優れた音質が得られます。また、高感度が要求される遠距離局受信用の位置も併設(RFセレクターの NORMAL の位置)し、RFセレクターで受信する局の状態に応じた選択をすることができます。

ノンスペクトラムIFシステム ― 無歪IF回路
 IF段はFMチューナーでの歪発生の根源です。IF回路は目的の電波だけを通過させ、他の電波を排除するバンドパス特性回路です。故に今までのIF回路ではどんなに良い設計をしても、これにある帯域幅を持つFM信号が通過しますとどうしても信号が変形されて歪を発生していました。本機に採用のノンスペクトラムIFシステムは、バンドパスフィルターを通過させるFM信号を、あらかじめ変調幅を持たないノンスペクトラム波に変換し、十分な選択度を確保してから元のFM信号に戻すという画期的なシステムです。
 これにより高調波ひずみ率は0.004%(MONO、1kHz、WIDE)と、今までのものとは一桁違う(当社比)スペックが得られました。

ノンステップ サンプリングホールドMPX
 ダイレクトコンバージョンRF、ノンスペクトラムIFシステムと、当社オリジナル回路の開発により、極限ともいえる忠実コンポジット信号を得た本機では、ステレオ復調部にもメスを入れました。
 L-01Tに採用して音質の良さと性能では既に定評があるサンプリングホールドMPXをさらに改善し、キャリアリークフィルター無しでキャリアケージは実に60dB以上のスペックが得られています。本機では、キャリアリークを取るためのキャリアリークフィルターを通さずに、音質を損なうことなく直接ステレオ放送を楽しめます。

クリーンサブキャリア方式によるパイロットキャンセラー回路を採用、ビートディストーションを改善
 パイロットキャンセラー回路は、高域周波数特性、位相特性を犠牲にすることなく19kHzのパイロット信号を除去させることができますが、音質上の劣化をもたらすビートディストーションを悪化させる要因をもっています。
 本機では、クリーンサブキャリア方式の応用により、ビートディストーションを抑え音質の改善をはかっています。

完全同調を維持するサーボロックシステム
 チューナーとしての性能を最大限発揮するには、とらえた電波を確実にロック(固定)しておくことです。本機では、選局ツマミを回し同調後にツマミから手を離しますと、サーボロック回路が働き最良同調点にロックします。この状態では、温度や湿度変化による局部発振周波数の変動がなく、常に完全同調の状態を保つことができます。

Σ(シグマ)ドライブ オーディオ回路
 L-08C、L-08Mにて確立されたΣドライブ回路は、本機の出力信号(VARIABLE)の伝達を接続するプリアンプ部のTUNER端子まで正確に保証します。左右独立、±2電源によってバックアップされたオーディオ部からの出力信号は、出力コードによる性能劣化も無く、確実にプリアンプ入力となります。

■操作方法確認--------------------------------------------------------

 ・操作ボタンとインジケーターがたくさんあるので、まずは取扱説明書を読んで学習。
 ・アンテナ入力2系統(A/B)、固定出力(RCA)、可変出力(Σ)、マルチパス(H/V)。
 ・アンテナ切替(A/B)、RF切替(DIRECT/NORMAL)、IF BAND切替(WIDE/NARROW)。
 ・Tメーター目盛り → 離調周波数(100Hz,200Hz,300Hz,400Hz)が読み取れる。
 ・Sメーター目盛り → 電界強度110dBfまで読み取れる。上段:NORMAL、下段DIRECT。
 ・3つ目のメーターはデビエーションとマルチパスの切替式
 ・MUTINGはフロントパネル下のVRツマミによる連続可変式。作動点 → min 約25dBf、max 約70dBf。
 ・SERVO LOCK ON → 同調ズレがあっても正確な同調点に引き込む。
 ・SERVO LOCK インジケーターの動作
 ロックスイッチがONの状態で選局ツマミを回して希望局にダイヤル指針を合わせます。このとき、このインジケーターが点灯するようにツマミを調節してください。そして選局ツマミから手を離しますと、インジケーターはより明るく点灯し、FM受信が安定動作に移ったことを示します。
 ・LPF(ローパスフィルター)スイッチ → 38kHzサブキャリア除去(録音時のトラブル回避)
 ・REC CAL → 440Hz(FM50%変調)録音レベル調節
 ・QUIETING CONTROL / MONO   → モノラル受信
 ・QUIETING CONTROL / AUTO   → 電波強度に応じてL/Rのブレンド量を自動制御
 ・QUIETING CONTROL / STEREO → オートブレンド機能オフ、常に最大セパレーション確保
 ・チューニングスケール調整ネジ(本体左側面)→ ±2mmの範囲で指針位置を調整できる

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■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・ボディサイズが予想以上に大きく重い。W480mm×D423mm、12.4kg。
 ・外観はほぼ無傷。アルミ製天板に光沢があってとても美しい。
 ・電源ケーブルは他のKENWOOD/TRIO製品と同じ。
 ・極太ケーブルとかインレット式とか、もう少し高級感があっても良かったのに、、残念、
 ・さて、アンテナA端子に75Ω同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・三つのメーターの照明点灯。指針だけが赤く浮かび上がる。周波数窓の照明無し。
 ・各種機能の動作状態を示す赤いインジケータ点灯。
 ・SERVO LOCK ON の状態で名古屋地区のFM局を受信するため操作してみる。
 ・選局ツマミを回して局周波数に近づくと SERVO LOCKインジケーターが薄く点灯。
 ・Tメーターで中点に合わせた後、ツマミから手を離すと同インジケーターが明るく点灯。
 ・82.5MHzの局周波数に対して指針位置82.6MHzで受信。
 ・STEREOインジケーター点灯、固定出力(RCA)端子からステレオ音が流れる。
 ・Sメーター目盛りが示す電界強度:LOCAL=約75dBf、NORMAL=約75dBf
 ・我が家のFM電界強度をほぼ正確に表示している。
 ・デビエーション/マルチパスメーターもそれなりに振れている。
 ・RF切替、IF BAND切替OK。MUTING作動OK。調整VRによるMUTINGレベル変化あり。
 ・QUIETING CONTROL MONO → モノラル受信OK。
 ・QUIETING CONTROL AUTO/STEREO → STREOランプ点灯。聴感上の違いが分からない。
 ・REC CALトーンOK。LPFスイッチによる効果は聴感上は分からない。
 ・短時間の動作確認では問題なさそうな感じです。
 ・Σ回路は未確認。

■不具合情報:SERVO LOCK インジケーターの点灯動作---------------------

<依頼者様からお聞きした不具合状況>
 ・同調時にサーボロックランプが薄く点灯する。
 ・その後、手を離しても薄く点灯したままで明るくならない。
 ・ボディを軽く叩くと明るく点灯する。
<本来の動作>
 ・取扱説明書の記載によると、
 ・ロックスイッチONの状態で選局ツマミを回して希望局にダイヤル指針を合わせる。
 ・希望局に同調すると SERVO LOCKインジケーターが薄く点灯する。
 ・この状態で選局ツマミから手を離すとインジケーターはより明るく点灯する。
 ・これはFM受信が安定動作に移ったことを示す。
<私の環境で確認した不具合状況>
 ・最初は問題なしと思いましたが、長時間使っていると次の不具合を確認しました。
 ・同調時にサーボロックランプが薄く点灯する。
 ・手を離すとより明るく点灯する。これは正常動作。
 ・ところがこの状態でしばらく使っていると、いつの間にか「薄点灯」になっている。
 ・ツマミに触れても点灯状態に変化なし。
 ・一旦離調して再度同調しても、薄く点灯するだけで手を離しても明るい点灯にならない。
 ・サーボロック回路に不具合がありそう?

■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・天板は2枚構成。スライド式で後方へずらして外す。天板も側板も豪華なアルミ板。
 ・底板にKENWOODサービスの修理記録シールが2枚ありました。
 ・X00-2190-00:電源回路
 ・X01-1320-00:FM専用7連バリコン搭載フロントエンド
 ・X02-1210-00:IF回路基板
 ・X04-1150-00:MPX回路基板
 ・X13-3650-00:AF回路基板

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Kenwood_l02t54Kenwood_l02t55Kenwood_l02t56Kenwood_l02t57Kenwood_l02t58
Kenwood_l02t70Kenwood_l02t71Kenwood_l02t72Kenwood_l02t73Kenwood_l02t75

■修理記録1------------------------------------------------------------

 ・回路図を見ながらサーボロック関係の回路がある [X13-3650-0000] 基板を調査。
 ・IC5-7ピン電圧 → 通常7.4V 、ツマミにタッチすると-0.68V
 ・薄点灯状態では 7.4V → タッチを感知していない?
 ・IC5-5ピン電圧(規定値1.2V)→ 通常0.9V 、ツマミにタッチすると0.75V
 ・規定値1.2Vに対して実測0.9Vは低すぎるか?
 ・L1コイル調整(時計回り2回転) → 0.9V → 1.1V
 ・この状態で動作確認中。

Kenwood_l02t70_2Kenwood_l02t73_2

■調整記録-----------------------------------------------------------

【セッティング】
 ・QUIETING:AUTO
 ・IF BAND:WIDE
 ・REC CAL:OFF
 ・LPF:OFF
 ・MUTING:OFF
 ・ANT ATT:dB
 ・DE-EMPHASIS:NORMAL
【Sメーター調整 (1)】
 ・83MHz,60dBu,Dev0 → IF基板 L15調整 → Sメーター最大
【Tメーター調整 (1)】
 ・83MHz,60dBu,Dev0 → IF基板 L12調整 → Tメーター中点
【トラッキング調整】
 ・76kHz,40dBu,Dev0 → FE基板 L1,L2,L3,L4,L5,L6,L13調整 → Sメーター最大
 ・90kHz,40dBu,Dev0 → FE基板 TC1,TC2,TC3,TC4,TC5,TC6調整 → Sメーター最大
 ・数回繰り返す
【Tメーター調整 (2)】
 ・IF BAND:NARROW
 ・電波無し、指針83MHz位置 → IF基板 L7調整 → Tメーター中点
【Sメーター調整 (2),(3)】
 ・IF BAND:NARROW
 ・RF SELECTOR:DIRECT
 ・83MHz,45dBu,Dev0 → IF基板 VR2調整 → Sメーター 50dBf
 ・83MHz,65dBu,Dev0 → IF基板 VR4調整 → Sメーター 70dBf
 ・数回繰り返す
【Sメーター調整 (4)】
 ・83MHz,65dBu,Dev0 → IF基板 VR3調整 → Sメーター 70dBf
 ・数回繰り返す
【REC CAL調整】
・REC CAL:ON
・固定出力端子にAC電圧計セット → MPX基板 VR5調整 → -6dB
・430Hz
【VCO調整】
 ・83MHz,80dBu,Dev0,Pilot → MPX基板 VR1調整 → STEREOランプが点灯する範囲の中間
【Pilotキャンセル調整】
・固定出力端子にSpaceSpectra接続
 ・83MHz,80dBu,Dev0,Pilot → MPX基板 VR2,L1調整 → 19kHz成分最小
【オフセット(OFS)調整】
・IC10-7pin ~ GND DC電圧計セット
 ・83MHz,60dBu,Dev0,Pilot → MPX基板 VR3 調整(Lch) → 0v ※実測+30mV
・IC19-7pin ~ GND DC電圧計セット
 ・83MHz,60dBu,Dev0,Pilot → MPX基板 VR4 調整(Rch) → 0v ※実測ー22mV
【マルチパスメーター調整】
 ・38kHz AM変調10%
 ・83MHz,60dBu,38kHz AM Dev10% → MPX基板 L16,L17,L18 調整 → マルチパスメーター最大
【歪調整(MONO)】
 ・83MHz,80dBu,1kHz±75kHz → IF基板 L1,L2,L3,L4,L5 → 高調波歪最小
【歪調整(STEREO WIDE)】
 ・83MHz,80dBu,1kHz±68.25kHz,SUB信号 → IF基板 L32(色なし) → 高調波歪最小
【歪調整(STEREO NARROW)】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz,80dBu,1kHz±68.25kHz,SUB信号 → IF基板 L34(色なし) → 高調波歪最小
【セパレーション調整(WIDE)】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz,80dBu,1kHz±75kHz,R信号 → IF基板 VR8 →  Lch 最小
 ・83MHz,80dBu,1kHz±75kHz,L信号 → IF基板 VR10 → Rch 最小
【セパレーション調整(NARROW)】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz,80dBu,1kHz±75kHz,R信号 → IF基板 VR9 →  Lch 最小
 ・83MHz,80dBu,1kHz±75kHz,L信号 → IF基板 VR11 → Rch 最小
【SCA調整】
 ・DARC信号を入れて音声出力波形を確認 → 影響なし
 ・VR6(Lch),VR7(Rch)ノータッチ

L02t

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・サーボロックランプの点灯は正常になったようです。
 ・しばらく動作確認を続けましたが今のところ不具合は再発しません。
 ・ただ根本的な原因が他にあるのかもしれません。
 ・この状態でお返ししますので引き続きご確認ください。

Kenwood_l02t18

Accuphase T-101 修理調整記録2

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 ・2017年12月、前回とは別のT-101故障機が届きました。
 ・今回はちょっと重症かも、、
 ・以下、作業記録です。

T10107

■製品情報-------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年5月発売)
 ・オーディオ懐古録 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年)
 ・Hifi Engine Accuphase T-101 FM Stereo Tuner ※サービスマニュアルあり
 ・取扱説明書(日本語版)

T10101T10110

■動作確認--------------------------------------------------------------

【不具合症状】
 ・Sメーターが大きく振れてFM局を受信しているみたい、しかしTメーターが全く動かない。
 ・MUTINGオンでは音が出ない。
 ・MUTINGオフにすると受信音が聞こえるが、出てくる音が極端に小さい。
 ・STEREOランプが点灯しない。
 ・音が小さいと思ってアンプの音量を上げていると突然大音量になって超ビックリ!
 ・不具合症状が多岐に渡っている感じです。

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・FM専用5連バリコン、WIDE系、NARROW系、レシオ検波
 ・MPX-IC:HA1156W
 ・前回の1号機は TA7156P でした。
 ・パーツリストでは MC1310P、回路図では LM1310N、LM1310P
 ・TA7156P=MC1310P(LM1310N、LM1310P)=HA1156W 

T10120T10121T10122T10123T10124
T10125T10126T10127T10128T10129
T10130T10131T10132T10133T10134
T10135T10136T10137T10138T10139

 ・1号機で接触不良があったコネクタ部分をチェック。
 ・すると基板を接続するコネクタの接点部分が何やら変色している。
 ・よく見ると金属部分を覆うように黒い物体が付着しています。
 ・爪楊枝の先端で突いてみると、塗料片のように剥がれる。
 ・何これ?
 ・コネクタ部分を指で触ってみると不具合症状がいろいろ変化する。
 ・不調原因は1号機と同様にコネクタ部分の接触不良みたいです。

T10150T10151T10153T10154T10155

■修理記録1:接点クリーニング------------------------------------------

 ・基板裏側からコネクタピンを引き抜く、、ところが固着していて抜けない??
 ・内部確認で見た接点の黒い物体を丁寧に剥がしてみる。
 ・何とかコネクタピン引き抜くと接点部分が黒く変色していました。
 ・先人が接点復活剤か何かを塗布したのでしょうか?
 ・接点部分をキレイに磨いてから繋ぎ直す。
 ・Tメーターが左右に大きく振れてSTEREOランプ点灯。
 ・MUTING作動して動作OKになりました。
 ・T-101の弱点はこのコネクタ部分の接触不良ですね。

T10156T10157T10170T10171T10174

■調整記録-------------------------------------------------------------

・T-101サービスマニュアルの調整方法に準拠(一部アレンジあり)
【検波調整1】
 ・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
 ・信号なし → IF基板 T3上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・90MHz → フロントエンド CT1調整
 ・76MHz → フロントエンド L11調整
 ・上記調整を数回繰り返す
【トラッキング調整】
 ・90MHz → フロントエンド CT2,CT3,CT4調整 → Sメーター最大
 ・76MHz → フロントエンド L11,L12,L13調整 → Sメーター最大
 ・上記調整を数回繰り返す
【Sメーター調整】
 ・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR4調整 → Sメーター目盛り5
【検波調整2】
 ・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
 ・固定出力 WaveSpectra接続
 ・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 T3下段コア調整 → 高調波歪最小
【MUTING WIDTH調整】
 ・MUTING オン
 ・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR2調整 →
 ・Tメーターを見ながら左右離調時にMUTING作動ポイントが左右対称にする
【MUTING LEVEL調整】
 ・MUTING オン
 ・83MHz 22dB,30%dev → IF基板 VR3調整 → 出力が出現する位置へ
【VCO調整】
 ・MPX基板 IC1 1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 → MPX基板 VR1調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・固定出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 100%dev → MPX基板 VR2調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【音声出力レベル】
 ・固定出力 AC電圧計接続
 ・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 VR1調整 → 2.0v

■修理記録2:接点直結化-------------------------------------------------

 ・上記調整調整中やその後の試聴中に当初の不具合症状が再発しました。
 ・本体を移動したり軽い振動があると接触不良が再発するみたいです。
 ・これは根本的な対策が必要です。
 ・あれこれ考えた結果、コネクタメス部品を取り外しコネクタピンと基板を直結しました。
 ・念のため巻いたワイヤをコネクタピンにハンダ付け。
 ・これであと30年は大丈夫でしょう?

T10172T10175T10176T10177T10183

■試聴-----------------------------------------------------------------

 ・接触不良の心配も無くなったので各部再調整しました。
 ・本体のシリアル番号を見ると、今回の2号機の方が番号がわずかに若いです。
 ・MPX IC → 1号機:TA7156P、2号機:HA1156W
 ・毎回新しい発見があって楽しいです。

T10108

PIONEER F-007 修理調整記録2

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 ・2017年12月初め、機器整理のため久しぶりにF-007を出してきました。
 ・動作確認したところFM受信時に雑音が混入します。
 ・英文サービスマニュアルの読み直しと原因究明の記録です。

F00706

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 PIONEER F-007 ¥95,000(1978)
 ・オーディオの足跡 Pioneer F-007 ¥95,000(1979年頃)
 ・Hifi Engine PIONEER F-28 ※輸出機サービスマニュアルあり

F00701F00708

■クォーツロックシンセサイザー方式------------------------------------

 ・F-007の特徴は何といっても独特のクォーツロック方式です。
 ・サービスマニュアルの回路説明(英文)を読んで適当に意訳しました。

  ・周波数を刻んだ目盛板の奥にコードパターンが配置されている。
  ・指針のユニット内には9個のフォトトランジスタと2個のランプを内蔵。
  ・移動する指針ユニットがコードパターンを照らしフォトトランジスタが読み取る。
  ・読み取った情報でローカル発振周波数を指定する。
  ・水晶振動子の基準周波数とローカル発振周波数を位相比較しローカル発振周波数をロック。
  ・この方式で目盛りズレがなく高い精度のチューニングができ、周波数ズレも発生しない。
  ・ローカル発振回路はバリキャップ(可変容量ダイオード)を2個搭載したツインバリキャップ。
  ・2個のバリキャップは76.1~83.2MHzと83.3MHz~89.9MHz周波数範囲を分担する。
  ・分担する範囲を狭くすることでSN比を改善している。

F00750F00751F00752F00753F00754

■Parallel Balanced Linear Detector / PBLD ----------------------------

 ・パイオニアではこの検波方式を「超広帯域直線検波」とカタログに表記しています。
 ・F-26以降では「Parallel Balanced Linear Detector:PBLD」とされます。

 【超広帯域直線検波】
  ・1974年 Pioneer TX-9900    140,000円
  ・1974年 Pioneer TX-8900     65,000円
  ・1975年 EXCLUSIVE F-3     250,000円
  ・1976年 Pioneer TX-8900Ⅱ    65,800円
 【Parallel Balanced Linear Detector / PBLD
  ・1977年 Pioneer F-26      135,000円
  ・1978年 Pioneer F-007          95,000円

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓の照明点灯。インジケータ類点灯。SメーターOK。ロックランプ点灯。
 ・STEREOランプ点灯し名古屋地区のFM放送を受信しました。
 ・問題なしか、、と思ったら、ときどき「ザザッ、ザザッ」と雑音が混入する。
 ・FM音声の上に雑音が被る感じ。
 ・IF BAND切替でWide/Narrowとも同じ雑音が混入する。
 ・マルチパスH端子からも同じ雑音が聞こえる。
 ・雑音が発生するときにメーター動作や他のインジケーターに変化はない。
 ・やはり長期間放置していると不具合が出ますね。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・フロントエンド=5連バリコン+バリキャップOSC
 ・IF回路 WIDE / NARROW 切替
 ・M5109PR PBLD検波
 ・PA3001A クアドラチュア検波(同調点検出、Sメーター駆動)
 ・PA1001A PLL MPX
 ・PA1002A AF、MUTING動作

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■修理記録:フロントエンド--------------------------------------------

 ・IF BAND切替でWide/Narrowとも同じ雑音が混入する。
 ・マルチパスH端子からも同じ雑音が聞こえる。
 ・固定出力端子をWaveSpectraに接続して波形観察。
 ・すると「ザザッ、ザザッ」という雑音に連動してノイズフロアが大きく変動する。
 ・制御用IC PA3001のクアドラチュア検波出力を直接聞いても同じ雑音が混入する。
 ・つまり雑音の発生源はフロントエンドか?

 ・まずは電源回路の規定電圧チェック。
 ・電源回路5番端子がフロントエンドの電源電圧になっている。
 ・この電圧が11.5V~12.0Vの範囲で変動し、この変動に合わせて雑音が混入している。
 ・5番端子の配線を外して電源回路単体で確認すると約12Vで安定している。
 ・5番端子の配線先はフロントエンド。ということはフロントエンドQ5/2SK61が怪しい?
 ・Q5/2SK61を取り外して確認すると3本の足が真っ黒です。
 ・交換部品が無かったので真っ黒になった足を丹念に磨いて汚れを落とす。
 ・特に足の付け根部分を短絡しないように丹念に清掃しました。
 ・この処置で雑音が発生しなくなりました。そういえば前回のF-007もQ5の故障でした。
 ・同様に同じ 2SK61を使っているQ6も同処置をしておきました。

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■調整記録------------------------------------------------------------

【シンセサイザー基板】
 ・シンセサイザー基板から同軸ケーブルを抜く
 ・TP3 周波数カウンタ接続 → TC調整 → 10.2343MHz
 ・TP6 オシロスコープ接続 → 2ND,6TH調整 → 61.4MHz波形最大
 ・シンセサイザー基板に同軸ケーブル接続
 ・指針を76.1MHzにセット
 ・TP4 オシロスコープ接続 → LPF調整 → 399.8kHz方形波
【OSC VT電圧調整】
 ・TP9 電圧計セット
 ・指針を76.1MHzにセット → L6調整 → 1.07V
 ・指針を83.2MHzにセット → TC6調整 → 7.89V
【RF調整】
 ・SSG76.1MHz 30dB無変調 → L1~L5調整 → Sメーター最大
 ・SSG89.9MHz 30dB無変調 → TC1~TC5調整 → Sメーター最大
【IF調整】
 ・SSG83.0MHz 30dB無変調 → T1調整 → Sメーター最大
【同調点調整】
 ・TP28~TP29間 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → T8調整 → 電圧ゼロ
【IF歪調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz受信 → T1調整 → 高調波歪最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz受信 → T2調整 → 高調波歪最小
【IF中心周波数調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz受信 → シンセサイザー基板TC調整 → 高調波歪最小
【PBLD検波調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整 → ※
 ※VR1を左右に大きく回し、音声が出現する範囲の中間位置にセット
【コンパレータ調整 DC Null】
 ・TP23~TP24間 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → VR5調整 → 電圧ゼロ
【MUTING調整】
 ・83MHz20dB受信 → VR2調整 → ミューティング作動
【Sメーター調整】
 ・83MHz100dB受信 → VR3調整 → Sメーター100dBf
【REC LEVEL調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 → オーディオ出力レベル記録
 ・REC LEVEL CHECKオン → VR4調整 → -6dBセット
【VCO調整】
 ・TP3 周波数カウンタ接続
 ・83MHz変調オフ → VR1調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・83MHzステレオ変調 → VR2,T1調整 → 19kHz成分最小
 ・左右バランス注意
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHzステレオ変調 → VR3調整 → 反対ch漏れ信号最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHzステレオ変調 → VR4調整 → 反対ch漏れ信号最小

F007

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・その後、フロントエンドのQ5,Q6は新品の2SK61を調達して交換しました。
 ・周波数ズレ皆無、気持ちよく同調します。
 ・歪率、セパレーションとも良い数値を示します。
 ・操作ボタンのサビ、ボディのサビが気になりますが仕方がない無いですね。

F00702

Amazon Echo Dot / Alexa

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 ・2018年1月、「アレクサ」が我が家にやって来ました。
 ・まだ試行錯誤段階ですが意外に使えそうな予感です。

Dsc09600

■購入記録------------------------------------------------------------

 ・2017年11月に招待リクエストを送ってから2ケ月ちょっと。
 ・すっかり興味も醒めた頃にようやく招待メールが届きました。
 ・定価5,980円 → 2,000円引き → 3,980円
 ・この金額なら実験機材として許容範囲内でしょう。
 ・購入手続きを済ませると翌日に「アレクサ」がやって来ました。
  <記録>
  ・2017年11月09日 招待リクエスト送信
  ・2018年01月19日 招待メール受信、購入手続き
  ・2018年01月20日 自宅に届く

■ウォーミングアップ--------------------------------------------------

 ・当家では妻が「プライム会員」、私は「家族会員」の立場です。
 ・Prime Musicを利用するため妻のアカウントで設定しました。
 ・設定自体はとても簡単でした。
 ・プライム会員で登録すると約100万曲聴き放題のPrime Musicを利用できます。
 ・月額380円プラスするとAmazon Music Unlimited(約4000万曲聴き放題)が利用可能。
 ・でもとりあえずBGMとして流しておく程度ならPrime Musicで充分と思いました。
 ・設定後に音楽再生、天気予報、タイマー設定などあれこれお試し操作。
 ・気になる点は検索結果をやたら「アマゾンで購入しますか?」と聞いてくること。
 ・迂闊に返事するとすぐに購入手続きされそうです、、

■お気に入りスキル------------------------------------------------------

 ・カテゴリー別に多くのスキルが登録されていますが、、
 ・ただスキルの全体像が分かりにくい、カテゴリー名も分かりにくい、、
 ・スキル一覧やカテゴリ一覧がネット情報と実際画面とで異なる、、
 ・試行錯誤は続きますが、今のところ使えそうだと思ったスキルを列記します。

20180127_18400620180127_16281120180127_18360120180127_16273020180127_183700

【音楽・オーディオ】
 ●ギターマガジンチューナー
 ・大昔は音叉、ちょっと前はクリップチューナー、最近はスマホのチューニングアプリ、
 ・そしてついに音声操作の「ハンズフリーチューニング」の時代になりました。
 ・「アレクサ、ギターチューナー」、「6弦」「5弦」・・「1弦」と話しかけます。
 ・各弦につき基準音が5回(4秒間隔)流れます。
 ・「6弦」「5弦」は「E」「A」でもOKでした。
 ・難点は出てくる音がちょっと小さめ、それと音感で調弦できない人には無理。

 ●クリックビート(メトロノーム)
 ・「アレクサ、クリックビート」「テンポ120」などと話しかけます。
 ・シンプルなメトロノームで楽器練習に便利。

 ●radiko.jp(ラジコ)
 ・FMファンとしてはラジオ機能も気になるところ。
 ・「アレクサ、ラジコ」と話しかけるとラジオ放送が聞こえてきます。
 ・選局は「放送局名」と話しかけます。
 ・ところが地元放送局名を指示しても「お住いの地域では再生できません」と答えます。
 ・アプリ上の住所設定は間違っていないのに何故か「関東」と認識されているようです。
 ・関東地区の放送が聞けるので、まあいいかな、、

【教育・レファレンス】
 ●キクタン(英単語学習)
 ・「アレクサ、キクタンを開いて」
 ・Basic、Advanced、Super 難易度3レベルから選択できます。
 ・キクタンはCD版も持っていますが、CD版と比較すると明らかに音が悪い。
 ・これはスピーカーのせいか? それとも無料サービスだから???

■縦置きスタンド制作---------------------------------------------------

 ・テーブルサイドに縦置きできるように「スタンド」を作ってみました。
 ・100円ショップで目に留まったはお皿を立てる木製スタンド。
 ・バーの間隔がEcho Dot本体の厚みとピッタリでした。
 ・台座を切断し、バーを短めに切り落として「縦置きスタント」が完成。
 ・なかなかイイ感じです。

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■今後の展開----------------------------------------------------------

 ・IFTTTとの連携やスマート家電リモコンとの連携。
 ・実用性はともかく、しばらく遊べそうです。

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