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SONY ST-S333ESXII 修理調整記録4

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 ・2015年5月末、SONY ST-S333ESXIIの調整依頼を承りました。
 ・電解コンデンサなどは既に交換済みとのこと。
 ・以下、作業内容のご報告です。

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
 ・1987年10月発行「SONY ES テクノロジーカタログ
 ・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・天板に擦り傷、わずかに凹みあり。フロントパネルはほぼ無傷。
 ・電源OK。FM受信OK。周波数ズレなし。AUTO選局OK。
 ・IF BAND切替OK。MUTING動作OK。STEREOランプ点灯。
 ・MPX FILTERオフにすると音が歪む感じがします。
 ・MPX FILTERオンでは違和感なし。
 ・CAL TONE出力 OK。
 ・付属AMループアンテナでAMの動作確認。
 ・AM受信OK。

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■調整記録------------------------------------------------------------

 ・依頼者様によって多くの電解コンデンサが既に交換済みでした。
 ・海外版SMの記述をベースにして一部アレンジ。

【FM同調点調整】
 ・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測315mV
 【VT電圧調整】
 ・IC803-5pin電圧測定
 ・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.2V
 ・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測7.98V
【SST回路調整】
 ・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
 ・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V
 ・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測13.9V
【トラッキング調整】
 ・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
 ・76MHz L101,L102,L103
 ・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
 ・TP201をGNDに落とす
 ・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測118mV
 ・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
 ・Wide受信、MUTINGオフ
 ・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
 ・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 電圧最大へ
  ・IFT101調整 電圧最大へ
 ・SSG出力80dBにセット
  ・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
 ・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
  ・IFT202調整 電圧計最大へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯
【パイロットキャンセル】
 ・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RT301 R→L ※調整後実測56dB
 ・RT302 L→R ※調整後実測54dB
【Sメーター調整】
 ・RT204
【MUTINGレベル調整】
 ・RT205
【CAL TONE】
 ・Peak Level-5.4dB 298Hzの波形が出ていました。-6dBに調整。
【AM調整】
 ・RT401 Sメーター調整
 ・RT402 AUTOSTOP調整

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<調整結果>
 ・特にPLL検波調整によって歪率が小さくなりました。
 ・セパレーション値も大幅に改善しました。
 ・ただ、過去のESXII事例と比較するとちょっと物足りない感じです。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・調整前後でそれぞれ基準音信号を録音した音をご確認ください。
 ・MPX FILTER オフにすると歪感がやや大きくなります。
 ・通常は MPX FILTERオン で使用した方が良いです。

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■新たな発見-----------------------------------------------------------

 ・依頼者様のご指摘で新たな発見がありました。
 ・オーディオ回路最終段のLPFが今まで見た個体とは違います。
 ・過去に見た事例と回路図ではオペアンプを使ったアクティブ型ですが、、
 ・今回の ESXIIではモジュール型のLPFでした。

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今回のST-S333ESXII
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過去のST-S333ESXII

 ・これまでESXIIを見るときはいつもMPX-ICの型番に注目していました。
 ・今回もCXA1064でしたが、ESXIIには LA3450を載せた個体もあります。
 ・実はLA3450を実装した個体を見たいと思い、ESXIIの修理調整をお引き受けしています。
 ・いつも新たな発見があって楽しいです。
 ・ありがとうございました。


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