・2015年3月中旬、333ESXIIの調整作業を承りました。
・0.2~0.3MHzの周波数ズレがあるそうです。
・以下、作業内容をご報告します。
■動作確認------------------------------------------------------------
・サイドウッドの無い個体でした。
・天板に少し擦り傷あり。フロントパネルはほぼ無傷。
・電源OK。FMは-0.2MHzの周波数ズレ。82.5MHzNHK-FMを82.3MHzで受信。
・名古屋で受信できるFM局はすべて-0.2MHzでAUTO選局OK。
・ズレた周波数でSTEREOランプ点灯。MUTING動作OK。
・IF BAND切替OK。ただしNARROW側では感度悪化しSTEREOランプ点滅。
・周波数ズレのせいか、どのFM局も歪っぽく割れた音質。
・手元にあったAMループアンテナを接続してAMも動作確認。
・AMに周波数ズレなし。名古屋のAM局はすべて受信OKでした。
・CAL TONE出力 OK。
■内部確認------------------------------------------------------------
・この個体は2012年に専門業者さんによる修理調整作業を受けているそうです。
・フロントエンドのトリマコンデンサ、数個の電解コンデンサ交換済み。
・メモリ保持用コンデンサも交換済み。アースバーのハンダ補修済み。
・IF段の歪調整用コアが割れている。
■調整記録------------------------------------------------------------
・海外版SMの記述をベースにして一部アレンジしました。
【FM同調点調整】
・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※50mV
【VT電圧調整】
・IC803-5pin電圧測定
・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※21.3V
・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※7.9V
【SST回路調整】
・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V
・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※13.9V
【トラッキング調整】
・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
・76MHz L101,L102,L103
・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
・TP201をGNDに落とす
・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ
・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
・Wide受信、MUTINGオフ
・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
・SSG出力20dBモノラル信号送信
・IFT201調整 電圧最大へ ※コア割れのため調整不能
・IFT101調整 電圧最大へ
・SSG出力80dBにセット
・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
・IFT202調整 電圧計最大へ
・SSG出力80dBステレオ信号送信
・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯
【パイロットキャンセル】
・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
・RT301 R→L
・RT302 L→R
※60dB
【Sメーター調整】
・RT204
【MUTINGレベル調整】
・RT205
【CAL TONE】
・Peak Level-5.8dB 344Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
・RT401 Sメーター調整
・RT402 AUTOSTOP調整
<調整結果>
・FMの不調原因は IFT205 FM同調点の大幅なズレでした。
・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
■試聴----------------------------------------------------------------
・名古屋で受信できるFM局を周波数通りにAUTO受信します。
・AMは死んでいる、、とのことでしたがAMも正常動作します。
・手持ちのループアンテナで受信調整したので、これを同梱しました。
・ただ、前回調整から僅か2年で0.2MHzもの周波数ズレ、ちょっと不可解です。
・人為的要素が無いとすると、別の不調原因があるかもしれません。
・今後また不具合が発生しましたらご一報ください。