・2015年3月初め、知人に教えてもらった市内のHOに行ってきました。
・情報通りジャンクコーナーにはオールドチューナーがたくさん並んでいました。
・あれこれ物色する中で ONKYO T-455 が目に留まりました。
・汚れは別として外観にキズがほとんど無く、持ち上げるとずっしり重い。
・そして何より75オームFMアンテナ端子がM型。
・通気口から内部を覗くと大量のホコリが堆積、これは素性が良さそうです。
・この時期のONKYO製品に予備知識は無かったのですがM型端子に魅かれて確保しました。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 ONKYO Integra T-455 ¥49,800(1971年頃?)
・輸出機情報 Hifi Engine ONKYO T-4055 海外版サービスマニュアル
・ラジオ技術 1973年1月号に掲載されていた広告 ※Kencraft GT-810製作記事
■動作確認------------------------------------------------------------
・ブロンズ色のアルミ製フロントパネル、ウッドボディともに目立つキズは無い。
・75ΩFMアンテナ端子がM型です。TRIO KT-9007/7007もM型端子でした。
・電源オン。青緑色の照明窓が浮かび上がる。二つのメーター照明点灯。
・「FM」のポジションランプが点灯しない。指針の照明が点灯しない。
・Sメーター最大位置とTメーター中央位置が大きくずれる。
・-0.2MHz周波数ズレ。それでもSTEREOランプ点灯。MUTING動作OK。
・AM受信OK。可変出力VRにガリなし。
・背面を見るとFM DET端子、マルチパス端子。
・見慣れない「AUDIBLE」スイッチ。これは何?
■内部清掃&確認------------------------------------------------------
・ウッドボディを開けると部品が見えないほどに大量に積もったホコリ。
・まずは内部の大掃除。フロントパネル分解清掃。なかなか凝った構造です。
・海外版サービスマニュアルと照合。回路図と実機はほぼ同じ構成でした。
・フロントエンド:FL-518J12(輸出機:FL-518U12)
・FM/AM基板:NCIF-164(輸出機:NAIF-164C)
・MPX基板:NCMX-189(輸出機:NAMX-189)
・AF基板:NCAF-190(輸出機:NAAF-190)
・電源基板:NCPS-191(輸出機:NAPS-191)
・Alps社製フロントエンド、FM4連、AM3連バリコン。レシオ検波。
・MPX回路はIC化される以前の古いタイプです。
・「AUDIBLE」スイッチ
・オンにするとマルチパスV信号が可変出力R端子から聞こえます。
・回路図で確認、実機で動作を確認しました。
■修理記録1:電球交換 FMポジションランプ-----------------------------
・電球交換のためフロントパネルを分解。
・同時期のパイオニア製品とよく似た構造です。青緑色の照明も似ている。
・回路図を見ると 6.3v 50mA仕様です。
・大量に保管している中古部品の中から明るさがちょうど良い電球を選択。
・背面からコードごと引き抜いて交換。
■修理記録2:電球交換 指針ランプ-------------------------------------
・ダイヤル指針先端に電球が納まっているようです。
・指針を壊さないように慎重に分解。ポジションランプと同じ電球に交換。
・指針が赤く光ります。
■調整記録------------------------------------------------------------
・回路図、実機基板ともにコイルの部品番号が記載ありません。
・便宜上T1~T7の仮番号を付しました。
【レシオ検波調整】
・何も受信しない状態 T1上段コア調整→Tメーター中央
【FM OSC調整】
・90MHz TCo調整→Sメーター最大
・76MHz Lo調整→Sメーター最大
【FM受信調整】
・90MHz受信 TCA,TCR1,TCR2調整→Sメーター最大
・76MHz受信 LA,LR1,LR2調整→Sメーター最大
・83MHz受信 IF→Sメーター最大
【MUTING調整】
・T2調整→ D204電圧最大
・【レシオ検波調整】
・何も受信しない状態 T201上段コア調整→Tメーター中央
【FM OSC調整】
・90MHz CT204調整→Sメーター最大
・76MHz L104調整→Sメーター最大
【FM受信調整】
・90MHz受信 CT201,CT202,CT203調整→Sメーター最大
・76MHz受信 L101,L102,L103調整→Sメーター最大
・83MHz受信 IFT→Sメーター最大
・RT202 FM Sメーター振れ調整
【MUTINGレベル調整】
・T2調整→ R160電圧最大
・VR102調整→ ミューティング動作レベル調整
【検波歪み調整】
・T1下段コア調整→高調波歪み最少
【セパレーション調整】
・19kHz信号→T3,T4,T5調整→周波数カウンタでTP測定 19kHz最大
・L+R信号送信→T6調整→Lch出力最大へ
・VR301 セパレーション調整
【FM Sメーター振れ調整】
・VR103→FM Sメーター振れ調整
【AM調整】
・OSC フロントエンドAM3、T7
・受信調整 フロントエンドAM1,AM2、バーアンテナ内コイル
・VR101→AM Sメーター振れ調整
■使用感など----------------------------------------------------------
・窓照明を見ているとパイオニア製品と似た印象ですが、
・でもブロンズ色のフロントパネルに白文字の組み合わせは特徴的ですね。
・赤く光る太めの指針も良いアクセントになっています。
・BGM機としてこのまましばらく使ってみます。