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PIONEER TX-90

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 ・2015年正月休み、ヤフオクで PIONEER TX-90 を入手しました。
 ・電源が入ることのみ確認のジャンク品です。
 ・クラシカルなデザイン、見るからに相当古そう、、
 ・でも当時の最上位機を思わせる型番に興味を持ちました。

Tx9002

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 PIONEER TX-90 ¥49,800(1969年頃)
 ・Hifi Engine PIONEER TX-900 ※輸出機の回路図あります

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は既に清掃済み?フロントパネル、ボディともとてもきれいな状態。
 ・その一方で背面端子類は激しく錆びついている。長く使われていなかった様子。
 ・FM75Ωアンテナ端子はBNC仕様、通信機並みですね。
 ・オーディオの足跡に掲載された背面写真を見ると75Ω端子がありません?
 ・BNC端子かどうかは不明ですが、輸出機の回路図には75Ω端子の掲載あり。
 ・本機のBNC端子は改造後付けされたものとは思えません。
 ・どうやらBNC端子が搭載された個体と搭載されていない個体があるようです。
 ・さらにビックリ!背面にセパレーション調整用VRがある。

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 ・電源オン。メーター照明OK。周波数窓の右半分が暗い。電球切れか?
 ・あれ? 指針 が無い!
 ・懐中電灯の光を当てると直径2mmほどの黒くて丸い物体が左右に移動している。
 ・選局つまみを回すと二つのメーターが振れてFM放送受信OK。STEREOランプ点灯。
 ・Sメーター最大振れとTメーター中央がまったく合っていない。
 ・MUTINGツマミによるミューティングレベル可変動作OK。
 ・MPX FILTERボタンで高音域がやや減衰する感じ。
 ・STEREOランプ点灯するが音声は歪感が酷い。MONOなら何とか聴ける。
 ・AMに切り替えるとTメーターの照明が消えてSメーターのみ動作。
 ・選局ツマミを回すとSメーターが振れてAM放送受信OK。

 <不具合>
 ・指針が無い?
 ・周波数窓の照明電球切れ
 ・各部調整ズレ

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・通気用スリットがたくさん開いているので内部には大量のホコリ。
 ・FM4連、AM3連、独立したバリコンユニット搭載。
 ・クリスタルフィルター → レシオ検波 → ディスクリートMPX。
 ・ユニット毎に独立した基板構成。AM部も一枚の独立基板。
 ・同時期のPIONEER製レシーバー SX-100S で使われている基板とよく似ている。

Tx9020Tx9022Tx9023Tx9024Tx9025

 ・周波数窓の内側を覗いてみると、指針に繋がる配線あり。
 ・指針はピンポイントで電球が光るタイプでした。
 ・この電球が切れていたので正面から指針が確認できなかったわけです。

Tx9026Tx9030Tx9031Tx9032Tx9033

 ・輸出機 TX-900 回路図との比較

■修理記録1:指針電球交換--------------------------------------------

 ・試しに交換用電球を基板に仮配線すると点灯。
 ・仮配線の状態で指針を動かしてみると、同調点で一層明るく点灯しました。
 ・そうか、、離調時はちょっと暗め、同調すると明るく点灯するタイプでした。
 ・ブロック図に電球仕様の記載あり。ON時50mA、OFF時34mA。
 ・ジャンク部品箱からちょうど良さそうな明るさになる電球を選んで交換完了。

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■修理記録2:周波数窓照明交換----------------------------------------

 ・周波数窓両端にヒューズ型電球が配置されていました。
 ・ガラス板に印字された周波数や目盛りを両端の電球が照らす構造です。
 ・これは同時期のソニー製品を同じ造りです。
 ・両端にある8V/0.3Aのヒューズ型電球がかなり弱っていました。
 ・手持ち在庫と交換して輝きを取り戻しました。

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■修理記録3:不良電解コンデンサ交換-----------------------------------

 ・頭が飛び出した電解コンデンサが気になります。
 ・とりあえずIF基板とMPX基板の電解コンデンサを全数交換。
 ・効果は、、よく分かりません。気休めです。

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■調整記録--------------------------------------------------------------

 【フロントエンド】
 ・OSC調整 CT4、L7
 ・RF調整 L1,L2,L4 CT,CT2,CT3
 【レシオ検波調整】
 ・何も受信しない状態でT3上段コア調整 → Tメーター中央へ
 ・フロントエンドT1、IF基板T1、T3下段コア → 高調波歪最小
 ・T2調整 → Sメーター最大振れ位置へ
 【MPX調整】
 ・L+R信号送信 → Lch出力最大へ
 ・VR1 → 左右出力レベル調整
 ・VR2 → AUTO ?
 ・本体背面VR → セパレーション調整
 【AM調整】
 ・OSC調整 
 【インジケーターユニット】
 ・VR1?
 ・VR2 FM Muting level
 ・VR3 AM Muting level

Tx90align

Tx900bdTx900fm_frontendTx900fmifTx900mpxTx900am

■試聴-----------------------------------------------------------

 ・FM/AMとも不満なく受信できるようになりました。
 ・照明に映える周波数パネル、可愛く上下に並んだ二つのメーター。
 ・製造から45年が経過した製品だなんてとても思えません。
 ・ノスタルジックな雰囲気がイイ感じです。

Tx9008


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