・2014年11月末、ヤフオクで入手したKT-8000故障機です。
・ちょうど修理中だった同型機の部品取り用、と思って入手したのですが、
・結局部品取りは不要になり、この故障機がそっくり残ってしまいました。
・入手直後の動作確認ではFM放送を全く受信できないジャンク品でした。
・でも外観がきれいだし、勉強のため故障個所を探してみました。
■製品情報------------------------------------------------------------
・製品情報 TRIO KT-8000 2号機修理記録
・KT-8000 取扱説明書
■動作確認------------------------------------------------------------
・フロントパネルやボディに目立つキズは無い。
・電源オン、周波数窓の照明が部分的に暗い。電球切れの模様。
・76MHz~80MHz区間で周波数指針を移動すると激しいバリバリノイズ発生。
・Sメーターはバリバリノイズに反応するように激しく振れる。
・Tメーターは常時右端に振り切れた状態。
・マルチパスH端子の出力は音声端子から出てくる音と同じ状態。
・FM放送は全く受信できない。
・narrow と muting のポジションランプ(赤色LED)が点灯しない。
■修理記録:76MHz~80MHz区間のバリバリノイズ------------------------
・76MHz~80MHz区間で周波数指針を移動すると激しいバリバリノイズ発生。
・Sメーターはバリバリノイズに反応するように激しく振れる。
・この現象は経験的にバリコン軸の接触不良が怪しい。
・軸の根元をルーペ観察すると固着したグリースの塊。
・爪楊枝先端で固着したグリースを剥がし、無水アルコールを含ませた綿棒でふき取る。
・軸の根元にコンタクトグリースを少量塗布して馴染ませる。
・この作業でバリバリノイズはキレイに解消。
■修理記録:Tメーターが常時右端に振り切れる-------------------------
・HA1137W横にあるL14を回しても反応なし。これはL14が怪しい。
・部品取り用に残してあった KT-8300 2号機から同等コイルを取り外して移植。
・これを新L14として回してみるとTメーターが左右に振れる。
・ラフな調整で HA1137W(クアドラチュア検波)の受信音を確認。
・パルスカウント検波~MPX回路経由でも音声出力確認。
・マルチパスH端子からも音声出力確認。
■修理記録:LED切れ-------------------------------------------------
・narrow と muting のポジションランプが点灯しない。
・ここは単純なLED切れでした。
・部品取り用KT-8300から同型LEDを移植して修理完了。
・同じ色だと思ったら、移植したLEDはオレンジ色でした。
・オリジナル赤色とは雰囲気が違うけど、まあ OK とします。
■修理記録:照明電球切れ--------------------------------------------
・周波数窓の照明が部分的に暗い。
・3個並んだ電球のうち2個が切れていました。
・同じKT-8300から部品取りした電球を移植。
■調整記録------------------------------------------------------------
・上記作業で機能的な不具合はすべて解消。
・フロントパネル分解清掃、ツマミ類も磨き上げて美しい輝きを取り戻しました。
・各部受信調整して良好な性能を取り戻しました。
・KT-8000 2号機 調整記録参照
■試聴----------------------------------------------------------------
・FM専用7連バリコン+ディスクリートパルスカウント検波+HA11223W。
・パルスカウント検波機の中では最も古いタイプ、専用ICが登場する前の機種です。
・落ち着いた外観デザイン、シンプルながら実力を備えた内部構成がグッドです。