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TRIO KT-8300 3号機

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 ・2014年10月、L-01Tを修理するためドナーとなったKT-8300です。
 ・LCフィルター(部品番号FL5)を取り外したため不動品となっていました。
 ・でもこのままでは終わらない、、そう、ここは「ガラクタ実験室」です。

Kt830000

■これまでの経緯------------------------------------------------------

 ・KENWOOD L-01T 修理記録 2014/11/16
 ・L-01Tの故障原因を探したところ、TR4010A 6~8pin間のLCフィルター故障と判明。
 ・L-01TとKT-8300のパルスカウント検波回路はほぼ同じ構成。
 ・使われているLCフィルターはKT-8300/L-01Tとも同じ型番。
 ・KT-8300(動作品)のLCフィルターをL-01Tに移植。
 ・移植によって L-01Tは復活、このKT-8300は不動品となりました。

■調査:LCフィルターの仕様を探る--------------------------------------

【部品メモ】
 ・L-01T  (FL3:部品番号L79-0080-050)
 ・KT-8300 (FL5:部品番号L79-0080-050)
 ・KT-8100 (FL3:部品番号L79-0080-050)

Kt830003Kt830004Kt830005Kt830006Kt830007

 ・故障品のLCフィルター裏側を観察するとコンデンサ3本が埋め込まれている。
 ・コイル、コンデンサともに容量が分からない。
 ・同じTR4010を搭載した以下の4機種の回路図でLCフィルターを比較しました。

機種基板写真回路図
KENWOOD
L-01T

L01tfl3_photo

L01t_fl3
TRIO
KT-8300
Kt8300fl5_photoKt8300fl5
TRIO
KT-8100
Kt8100fl3Kt8100_fl3
TRIO
KT-80
Kt80Kt80_01

【分かったこと】
 ・L-01T回路図に「LPF 250kHz」という記載あり
 ・L-01T、KT-8300、KT-8100ともLCフィルターは同型品を使っている(L79-0080-05)
 ・KT-80ではL5(4.7mH),C25(100pF),C26(100pF)でフィルターが構成されている。
 ・KT-80のLC同調周波数を計算すると → 約232kHz

■実験1:LCフィルターを省略する--------------------------------------

 ・そもそもこのLCフィルターは必要なのか?
 ・フィルターを取り外した状態で前後の回路を直結してみました。
 ・結果は、、問題のノイズは消えました。
 ・ただ下図のとおり酷い高調波が発生して実用になりません。
 ・LCフィルターが省略できないことを確認。

Kt830020Kt830021_2

Kt8300withoutlpf

■実験2:LCフィルター自作--------------------------------------------

 ・解体処分して基板だけ保管しているジャンクチューナーから部品調達
 ・実験用基板の上にL(8.2mH),C(47pF)×2 を配置。
 ・計算上の共振周波数=256kHz
 ・これを代用品として設置。
 ・結果は、、、大成功!! ノイズが消えて綺麗なFM音声が流れてきました。

Kt830012Kt830013

 ・宙に浮いた実験用基板では心許無いので基板にパーツを直付け。
 ・これで不動品が復活しました、、かな?

Kt830025Kt830026

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・ノイズが消えてFMをキレイに受信しています。
 ・WaveSpectraで基準信号の波形を見ても特に異常は無いようです。
 ・次はLCフィルターに使ったパーツの品質が気になるところ。
 ・別のジャンク機で使用する部品を変えながら実験継続予定。

Kt830031Kt830033Kt830034Kt830035Kt830036

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