・2014年11月、ヤフオクでKT-8100中古品を入手しました。
・KT-8100のパルスカウント検波部はL-01TやKT-8300と同じ構成です。
・実験用部品取り機として確保しました。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 TRIO KT-8100 ¥42,000(1978年発売)
・発売時期はKT-8300(¥63,000)と同じ。でも周波数窓のデザインは微妙に異なる。
・KT-8300とともにパルスカウント検波部が専用IC化(TR4010)された世代です。
・Hifi Engine KENWOOD KT-615 海外版SM、回路図
■パルスカウント検波機の系譜------------------------------------------
・cooltune様のサイトにTRIO/KENWOODチューナー一覧表があります。
・ここからパルスカウント検波機だけを年代順に抽出しました。
・L-01T修理時に同じ部品を探すため同世代機をまとめたものです。
・こうして並べてみると進化の歴史がよく分かります。
【1976年】パルスカウント検波チューナー登場 ※検波回路はディスクリート構成
・KT-9700 ¥150,000 FM専用9連バリコン
・KT-8000 ¥ 69,800 FM専用7連バリコン
【1978年】検波回路のIC化(TR4010/TR4010A)
・KT-9900 ¥200,000 FM専用9連バリコン
・KT-8300 ¥ 63,000 FM専用5連バリコン
・KT-8100 ¥ 42,000 FM4連AM2連バリコン
【1979年】検波回路のIC化(TR4010A)
・L-01T ¥160,000 FM専用7連バリコン ※初のKENWOODブランド機
・L-07TII ¥130,000 FM専用7連バリコン
・KT-80 ¥ 37,000 FM専用4連バリコン ※システムコンポの一部
【1980年】ニューパルスカウントシステム登場、専用IC進化(TR7020+TR4011)
・KT-1000 ¥69,800 FM5連AM3連バリコン
・KT-900 ¥49,800 FM4連AM2連バリコン
【1981年】ニューパルスカウントシステム、専用IC(TR7020+TR4011)
・KT-9X ¥64,800 FM5連バリキャップ ※唯一のシンセサイザー機
【1982年】ニューパルスカウントシステム、専用IC(TR7020+TR4011)
・KT-1100 ¥73,800 FM5連AM3連バリコン
・KT-990 ¥53,800 FM4連AM2連バリコン
■動作確認------------------------------------------------------------
・黒いボディには艶があり、とてもきれいな状態です。
・ツマミやレバーの汚れ、手垢はクリーニングで輝きを取り戻しそう。
・電源コードの印字「1980」
・電源オンOK、周波数窓の照明点灯OK、メーター照明点灯OK。
・FMアンテナ接続。周波数ズレは気にならないレベル。
・二つのメーター動作OK。SメーターMAXとTメーター中央がちょっとズレる。
・STEREOランプ(赤LED)点灯。聴感上もステレオ感あり。
・Wide/Narrowともに受信OK。MUTING動作OK。
・MPX FILTER オンにすると聴感上高音域が減衰する。
・AM放送は背面バーアンテナで受信OK。
・L-01TやKT-8300で経験したノイズは発生せず。良かった、、
■内部確認------------------------------------------------------------
・コンパクトな基板に小さめのバリコンユニット。
・FM4連、AM2連バリコン
・HA1137 FM IF SYSTEM (クアドラチュア検波)
・TR4010A パルスカウント検波
・MC1496N
・HA1196 FM MPX
・HA1197 AM SYSTEM
【TR4010に繋がるLPF確認】
・L-01TとKT-8300×2台で続けて同じ部品が故障しました。
・パルスカウント検波IC(TR4010)6~8pinに繋がるLPFです。
【部品取りメモ】
・L-01T (FL3:部品番号L79-0080-050)
・KT-8300 (FL5:部品番号L79-0080-050)
・KT-8100 (FL3:部品番号L79-0080-050)
■調整記録------------------------------------------------------------
・Mutingオフ、MPX Filterオフ
【フロントエンドOSC調整】IF=Wide
・76MHz → L4調整 → Sメーター最大
・90MHz → TC1調整 → Sメーター最大
【トラッキング調整】
・76MHz → L1,L2,L3調整 → Sメーター最大
・90MHz → TC2,TC3,TC4調整 → Sメーター最大
【IF GAIN調整】
・Narrow受信 → VR1調整 Wide受信レベルをNarrowに揃える
【FM同調点調整】
・83MHz Sメーター最大位置 → L11調整 → Tメーター中央
【高調波歪調整】
・フロントエンド内 L6調整 → 高調波歪最小
【第2OSC調整】
・83MHz → L17調整 → 1.96MHz
【VCO調整】
・VR4調整 → TP76kHz
【セパレーション調整】
・VR2 → Narrow調整
・VR3 → Wide調整
【AM調整】
・IF調整 1053kHz(CBCラジオ) → L13調整 → Sメーター最大
・729kHz(NHK第一) → L12,背面バーアンテナ → Sメーター最大
・1332kHz(東海ラジオ) → TC5,TC6調整 → Sメーター最大
■試聴----------------------------------------------------------------
・BGM用途ならFM/AMとも不満なく使えます。
・KT-8300とKT-8100を並べてみると周波数窓のデザインが微妙に違いました。
・どちらもシルバーパネルとオレンジ照明がよく似合います。