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TRiO KT-2200 修理調整記録3

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 ・2022年9月、KT-2200の故障機を寄付していただきました
 ・全く受信できないジャンク機だったので実験目的で活用させていただきました
 ・随分時間がかかりましたが、ようやく復活までこぎつけた記録です

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ回顧録 TRiO KT-2200 FM STEREO TUNER ¥99,800円
 ・オーディオの足跡 TRiO KT-2200 ¥99,800円(1983年頃)
 ・KT-2200 取扱説明書 PDF形式

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・FMアンテナを接続して電源オン
 ・指針(赤色)は明るく点灯するが二つのメーター照明がかなり暗い
 ・電球切れか?と下から覗いてみると照明電球は弱々しく点灯している
 ・指針(赤色)が見難いと思ったら、周波数目盛りを刻んだプレートがずり落ちている
 ・受信を試みるも76MHz~90MHz全区間でTメーター、Sメーターは全く振れない
 ・MUTINGオフでも聞こえるのは局間ノイズのみ
 ・名古屋地区のFM局を全く受信できません
 ・唯一、REC CALトーンは聞こえました
 ・RF切換(DIRECT/DISTANCE)インジケーター点灯OK
 ・IF切換(WIDE/NARROW)インジケーター点灯OK
 ・これは重症の予感、、

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・底板を固定するネジの内5本が不揃いの皿ネジ、これはイヤな予感、、
 ・内部を見ると基板と部品はオリジナル状態のようですが、、
 ・IF段のほとんどのコイルが最深部までネジ込まれている
 ・やはり内部を弄った先人がいたようです
 ・アンテナ端子に信号発生器の出力上限(120dB)を注入しても反応なし
 ・OSCトリマコンデンサの故障なら±2MHzで受信できそうですが、、
 ・フロントエンド内OSCトリマを回しても全区間で変化なし
 ・次に信号発生器で生成した10.7MHz信号をIF回路入口に直接注入
 ・すると弱々しいFM信号を受信できました
 ・試しにIF段のコイルをいくつか回したところ受信感度が大きく向上、
 ・電源回路を確認したところ各電圧は規定値を示していた
 ・故障個所はフロントエンドのOSCトリマ、さらに全体に大幅な調整ズレか?

■修理記録:周波数目盛の取付修理---------------------------------------

 ・周波数目盛を刻んたプレートが右下がりに傾いている
 ・フロントパネルを分解、目盛りを刻んたパネルを一旦取り外し
 ・劣化した両面テープを取り除き無水アルコールで粘着剤を丁寧に除去
 ・対候性の強力両面テープで固定し直しました
 ・作業中にインジケーター部のプラ枠が外れてしまったので強力接着剤で再固定
 ・ついでにフロントパネルの徹底洗浄もできました

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■修理記録:フロントエンド交換-----------------------------------------

 ・いつもならフロントエンド上面にトリマコンデンサ(TC5)を追加するのですが、
 ・今回はちょうどTC5交換済みのKT-1000フロントエンド取外し品があったので、
 ・久しぶりにフロントエンドユニットを丸ごと交換しました
 ・結果、後述の調整作業によってFM放送を受信できるようになりました
 ・本機から取り外したフロントエンドユニットはトリマコンデンサ(TC5:10pF)交換
 ・バリコンの回転軸には緑青色の劣化グリスが大量に付着していたので
 ・エレクトロニッククリーナーと爪楊枝を駆使して緑青物質を除去
 ・最後に軸部にコンタクトグリスを塗布して再生完了、次回の修理用部品として保管

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【自己流フロントエンドユニット換装方法】
 ・バリコン糸を完全に解くと復旧が面倒なので、最小限の作業で済むよう工夫しています
 ・まずバリコン翼が完全に閉じた状態(76MHz以下)にする
 ・周波数窓周囲の小プーリーから糸が脱落しないように養生テープで各所仮固定
 ・バリコン軸の大プーリーも糸が解けないように養生テープで仮固定
 ・大プーリーを取り外し、本体を裏返しても動かないよう適当な場所に養生テープで仮固定
 ・フロントエンドユニットを固定するハンダを外す
 ・特に金属フレーム部は60Wのハンダごてを使って手早く作業を進める
 ・動作確認済みの新ユニットを取り付ける
 ・新ユニットのバリコン軸に大プーリーを取り付ける
 ・すべての養生テープを外して動作確認、、指針の移動に問題ないことを確認
 ・大プーリーを固定するとき、糸がシャーシと平行になるよう設置することがポイント
 ・こうすると大プーリーに外向きテンションが掛からず脱落防止になります

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■修理記録:サーボロック回路修理---------------------------------------

 ・フロントエンド交換後に仮調整して動作確認を再開
 ・FM放送を受信できるようになったが、、しかし SERVO LOCKランプが点灯しない
 ・Tメーターが中点に引き込まれる動作も見られない
 ・回路図を追いながらタッチセンサー回路を確認
 ・Q40:2SC945→ 2SC1815交換 
 ・これでSERVO LOCKランプ点灯、Tメーターが中点に引き込まれる動作も復旧
 ・と思ったら、試運転中にSERVO LOCKランプが消灯する現象が再発
 ・どうやら本体が温まってくるとSERVO LOCKランプが消灯するようです
 ・ヒートガンでテストしてみました
  →Q40付近を温めると同じ症状が発生する
  →IC22付近を温めても症状は発生しない
 ・Q40は交換済みなので周辺の抵抗やコンデンサを次々に交換してテスト繰り返し
 ・最終的にC121,C123(0.022uF)をフィルムコンデンサに交換したところで動作安定

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■修理記録:メーター照明LED化-------------------------------------

 ・メーター照明がかなり暗い、フィラメント電球が寿命を迎えているようですが、
 ・電球がメーター内部に組み込まれているので電球交換はかなり面倒です
 ・さらに普通のLEDに交換しても点照明になるので照明ムラが気になってしまう、、
 ・そこで今回は PIONEER F-700 で実践したLEDライトテープを試してみました
 ・用意したのはアマゾンで調達した12v用の白色LEDテープ(5m)、非防水タイプ
 ・テープ幅7mm、1m当たり60個のLED素子(2835)、5mで300個のLED素子
 ・ネット情報によると5m当たりの消費電力9.6w
 ・両面テープ付き、適当な長さにカットして使えるので自由度が高くとにかく安い!

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 ・ホームセンターで樹脂製L字型アングル(10mm×10mm)を購入
 ・アングル長15cm、LEDテープは点灯素子が9個取れる位置でカット
 ・SメーターとTメーターの裏側に強力両面テープで固定
 ・メーター形状に合わせてアングルに切込みを入れると固定位置が安定する
 ・接着面を無水アルコールで入念に脱脂してから対候性強力両面テープで貼り付け
 ・フィラメント電球をメーター内部に残したまま配線だけ切断して撤去

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 ・LED用電源はメーター近くにある基板コネクタCN4-1pinから借用
 ・これは電源回路のC139+端子(8.0v)に直接繋がっています
 ・LEDテープは12v仕様ですが、これくらいが明る過ぎずちょうど良い感じ
 ・白色照明になったのでメーター指針(緑色)がクッキリ際立ちます
 ・LED素子9個に流れる電流は実測 3mA でした
 ・借用対策として念のため電源部の電解コンデンサ容量アップ
  →C139:100uF/10v → 470uF/25v
  →C137:470uF/16v → 1000uF/50v
  →同時にマイナス電源側も容量アップ
  →C138:220uF/10v → 470uF/25v
  →C137:470uF/16v → 1000uF/50v

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■調整記録------------------------------------------------------------

【過去記事に倣って各部再調整】

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・久しぶりにフロントエンド交換まで実践できた有意義な連休でした
 ・LEDライトテープの耐久性など気になる所はありますが、
 ・でもメーター全体が浮かび上がるイイ感じに仕上がったと自画自賛

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