・2023年6月、ヤフオクでST-5140のジャンク機を落札しました
・動機は付属のウッドケースが欲しかったから
・あとST-5130をメンテするための部品取り機として使えるという期待もあり
・開始価格で入札しておいたらそのまま落札に至りました
・ウッドケースが付いていても最上位機以外は人気ないですね、、
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SONY ST-5140 ¥49,800
・Hifi Engine SONY ST-5140 AM/FM Stereo Tuner (1971-74)
・TA-1140/ST-5140 カタログ 1971年版
■動作確認------------------------------------------------------------
・結論から言うと極めて保存状態の良い掘り出し物でした
・たぶん購入当初からウッドケースに収まったまま50年を経過した個体と想像します
・ウッドケースは底面から本体付属のゴム足を長めのビスで固定してあります
・ウッドケースから取り外して動作確認スタート
・電源コードの印字「1970」、製造番号が二桁なのでかなり初期の製品です
・そう、50年以上前の製品、それでも本体側面を留める銀色ネジに光沢あり、
・さらに底板と底板を留めるネジにもサビは無く光沢あり
・周波数窓周囲の銀色のフレームも傷やサビは無い、これは状態が極めて良い
・フロントパネルとスイッチノブには経年の汚れがあるが洗浄すれば綺麗になりそう
・外観チェックに続いてFMアンテナを接続して電源オン
・周波数窓左右の照明が点灯しない、二つのメーター照明は点灯OK
・指針と目盛りに-0.2MHz程度の周波数ズレでFM放送受信OK
・Sメーター最大点とTメーター中点が一致しない
・Sメーターの動き方がぎこちない、針が引っ掛かっている感じ??
・FM/AMインジケーター点灯、FM放送受信時にはSTEREOインジケーター点灯
・実際のFMステレオ感あり、MUTING動作OK
・AM放送は背面バーアンテナで受信OK
■修理記録:電源コードのべたつき対策----------------------------------
・この時期のSONY製品の電源コードはベタベタ、ネバネバ状態ですよね
・修理ではありませんが私のベタベタ対策は、
・ティッシュ感覚で使える使い捨てのマイクロファイバークロスが便利です
・これに無水アルコールを含ませてコードの根元から先端まで強くシゴキます
・丹念に何往復も拭き取っているうちに芯線の折癖も修正できて一石二鳥
・マイクロファイバークロスは清掃全般に重宝しています
■修理記録:照明電球交換----------------------------------------------
・ヒューズ型 T6.3×30(8v/0.3A)が左右2本とも切れていました
・このタイプの電球は大量に保管しているのでサクッと交換
・周波数を刻んだガラス板両端に塗布されている緑色塗料もキレイに健在でした
・緑色照明に浮かぶ美しい周波数窓が復活しました
■修理記録:Sメーター補修---------------------------------------------
・Sメーターは作動するのですが針の動き方がちょっとおかしい?
・途中で引っ掛かるようなおかしな動き方です
・メーターを分解したところ、針の後ろにある円弧を刻んだ板が外れていました
・板が浮いた状態になっていて針が引っ掛かっていたようです
・ここは接着剤で補修しておきました
■調整記録------------------------------------------------------------
【FMフロントエンド調整】
・OSC調整 CT104,L104
・トラッキング調整 CT101,CT102,CT103 / L101,L102,L103
・IFT調整 IFT101
【レシオ検波調整】
・T201上段コア Tメーター中央
・T201下段コア 高調波歪最小
【MUTING調整】
・T202 D212電圧最大
・RT201 MUTINGレベル調整
【Sメーター調整】
・RT202 Sメーター振れ具合調整
【MPX調整】
・T401 スイッチング信号調整(※SUB信号注入 → Lch出力最大へ)
・RT401 セパレーション調整
■試聴----------------------------------------------------------------
・今まで数多くのST-5130/5140/5150を見てきましたが保存状態は最高クラス
・部品交換を一切しない状態でFM/AMとも正常に受信しています
・セパレーション値は約45dB、カタログ値の40dBを超えています
・ネジ、ガラス板、周波数窓フレーム、MPXユニットなど使える部品満載です
・貴重な部品取り機としてこのまま保管します
■おまけ:木製ケース比較--------------------------------------------
・当時のカタログに木製ケースの品番と定価が掲載されています
→ユーラシアンチーク仕上木製ケース TAC-1 ¥4,600円 ※底面まで覆う箱型ケース
→ウォールナット仕上木製ケース TAC-1N ¥3,000円 ※よく見かけるコの字型ケース
→TAC-1N / ST-5150への装着例
・実はST-5130が収まったウッドケースと同じ TAC-1 を入手したつもりでした
・比較すると本体サイズと放熱口の形状は同じですが
・実際に並べてみると別物に見えます。こんなに違いがあるとはちょっと予想外
★箱の作り方:5130 → 木口が見える、5140 → 木口が見えない(45度カット)
★突板の材質:5130 → ライトブラウン色、5140 → ダークブラウン色
→オーディオの足跡 SONY ST-5000 ¥88,000(1967年発売)
・今回入手したケースはST-5000(Fが付かない)に装着された TAC-1 と同じに見えます
・つまり TAC-1 には旧タイプと新タイプがあって今回入手したのは旧タイプ?
・また面白い事(しょーもない事)に気が付いてしまいました