Quantcast
Channel: BLUESS Laboratory
Viewing all articles
Browse latest Browse all 568

TRIO KT-900 修理調整記録4

$
0
0

 ・2023年4月、中古店のジャンクコーナーでKT-900に遭遇しました
 ・ジャンクの理由はフロントパネルの強化ガラスにヒビが入っていること
 ・このままでは本機の魅力が台無しですが、
 ・実は過去に解体処分したKT-900のガラスパネルを保管しているんですね、、
 ・ガラス交換だけで修復できる、、そんな目論見でした

Kt90004_20230917082501

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-900 ¥49,800(1980年頃)
 ・オーディオ懐古録 TRIO AM-FM STEREO TUNER ¥49,800円(1980)
 ・Hifi Engine Kenwood KT-900 AM/FM Stereo Tuner (1980-82)

Kt90002_20230917082601Kt90016

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・前述のとおりフロントパネルの強化ガラスにヒビ割れあり
 ・幸いな事にフロントパネルは前傾していない、つまりプラ部品は壊れていない
 ・電源オン、照明ランプ点灯、周波数指針点灯。電球切れは無さそう
 ・名古屋地区のFM放送局を受信しようとすると、、
 ・-2MHz程度ズレた位置で放送を受信しました
 ・ズレた位置でLOCKインジケーター点灯、STEREOインジケーター点灯
 ・ステレオ音声が聞こえてきます
 ・適当なループアンテナを接続してAM放送も受信OK
 ・REC CAL トーンは発信音が正常に聞こえる
 ・問題はFMの周波数ズレですね

■修理記録:トリマコンデンサ交換--------------------------------------

 ・フロントエンド内OSCトリマコンデンサー(TC4)を回しても変化なし
 ・これを撤去し、ユニット外側に新トリマー(10pF)を直付け
 ・直径3mm穴の開いた圧着端子に新トリマを固定しました
 ・下記受信調整によって周波数ズレは解消しました

Kt90024_20230917082501

■修理記録:フロントパネル強化ガラス交換------------------------------

 ・フロントパネルの分解清掃と同時にガラス板を交換しました
 ・古いパーツでもいつか役に立つ日が来るかもしれない、、
 ・そう思うと捨てられないジャンクパーツが増え続ける一方です

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・TR7020-2Pin → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → 新TC4調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
 ・TR7020-2Pin → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大
 ・83MHz 受信 → T1調整 → 電圧最大
【クアドラチュア検波調整】
 ・83MHz 受信 → 電圧最大状態
 ・TR7020-3Pin-11Pin → 電圧計セット(Tメーター)
 ・83MHz 受信 → L4調整 → 電圧ゼロ(Tメーター中点)
【WIDE GAIN調整】
 ・TR7020-2Pin → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz Narrow受信 → Sメーター電圧記録
 ・83MHz Wide受信 → VR1調整 → 上記電圧と同じ
【高調波歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → T1(フロントエンド内)調整 → 高調波歪最小
【パルスカウント検波調整】
 ・TR4011-1Pin → 周波数カウンタセット
 ・83MHz受信 → L5調整 → 1.965MHz
【VCO調整】
 ・R56左足 → 周波数カウンタ接続
 ・SSG 83MHz 無変調 → VR5調整 → 76kHz
【セパレーション Narrow調整】※Narrow調整を先に行なうこと
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Narrow → VR4調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【セパレーション Wide調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Wide → VR3調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル記録
 ・83MHz受信 → VR2調整 → -6dB設定 ※439Hz
【AM受信調整】
 ・AMループアンテナ → 接続端子注意 [AM]~[GND]
 ・600kHz → L11,L12調整 → Sメーター最大点灯
 ・1400kHz → TC1,TC2調整 → Sメーター最大点灯

Kt90023_20230917082501

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・照明に浮かび上がる独特の雰囲気を取り戻しました
 ・KT-990/900のガラス製フロントパネルはとっても素敵です
 ・これもまた次なる部品取り用に保管します

Kt90009_20230917082501

Viewing all articles
Browse latest Browse all 568

Trending Articles