・2023年6月、ジャンク機を寄付していただきました
・ありがとうございます、実験機材の寄付は大歓迎です
・初対面の機種なので興味津々、、
■製品情報------------------------------------------------------------
【A&D システムコンポ GXシリーズ】
DA-F755:タイマー機能付きTV/FM/AMチューナー
DA-U555:ステレオプリメインアンプ
DA-E750:グラフィックイコライザー
DT-W550:ダブルRECリバースデッキ
DP-750:コンパクトディスクプレーヤー
・昭和末期、総額20万円超の高級システムコンポの一員だったようですが詳細不明
・当ブログの過去記事に外観がよく似たシリーズ機がありました
・A&D DA-F830:2013年3月記事
・AKAI AT-M712:2013年1月記事
■動作確認------------------------------------------------------------
・外観はすり傷、打ち傷、エッジ部に塗装はげ、なかなかのジャンク状態
・見た目は DA-F830、AT-M712 にそっくりですね
・TV兼用のF端子に同軸ケーブルを接続して受信テスト開始
・電源オン直後は時計表示の「12:00」
・表示部の輝度が劣化していて濃淡のムラあり
・後述の時計セット方法で時刻設定は正常に完了
・続いてFM/AMの受信確認してみると、
・UP/DOWNボタンで周波数は上下に変化するが、肝心の放送は全く受信できない
・FM/AMともSTEREOインジケーターとTUNEDインジケーターが全区間で常時点灯
・FM/AMともに不調なので電源系統の不調か?あるいはMPU不調か?
■内部確認------------------------------------------------------------
・IC2:LA1265 FM/AMチューナーIC、FMクアドラチュア検波
・UC3:uPC1235 FM-MPX ※データシート未確認
・IC4:LA3800 TVシステム ※データシート未確認
・IC5:LC7217 PLL-IC
・回路構成、部品番号は DA-F830 と全く同じでした
・DA-F830との相違点は
→ DA-F755には電源スイッチのパイロットランプ(緑色LED)がない
→ DA-F755には電源回路のヒューズ(3本)がない
→ DA-F755で使われる電解コンデンサーは多くが並グレード品
・つまり同じ回路構成で部品のグレードによって差を付けているようです
・こうなると上位機 DA-F930 の内部構造に興味が湧いてきます
・ネット検索でDA-F930の外観写真を見るとサイドウッドが付属していますが、
・まさか、違いはサイドウッドの有無だけとか??
■修理記録------------------------------------------------------------
・FM/AMとも不調なのでまずは電源回路が怪しい??
・調べてみると放熱板が付いたTR29がグラグラ状態でした
・指先で放熱板に触れると基板後部のリレーから「カチッ」と動作音が聞こえる
・これはハンダクラックですね、、ただ本機の底面には点検口がないので
・基板のハンダ面を確認するには分解して基板を裏返すしかありません
・面倒臭いなと思いつつ、いざ分解してみると
・メイン基板とフロントパネル側基板はコネクタで繋がっていて分解は簡単でした
・TR29のハンダクラックを補修して元に戻す
・基板を組み直して電源オン、、あれ?? 今度は表示部に何も表示されない??
・スイッチ類を操作しても全く無反応?? これは本格的に壊したか??
・そう思っているときボディ上面の印字に気が付きました
・「通電後、必ずリアパネルのRESETボタンを押してください」
・改めて背面パネルを見ると「RESET」ボタンがありました
・これを押してみると、、
・時計表示が現れてFM/AM受信が復旧していました、やれやれ一安心
■調整記録------------------------------------------------------------
※試行錯誤で調整手順を組み立てました、間違っているかも?
※VR6横のジャンパ線JW44 Sメーター電圧
※TP6をGNDに落とすとMUTING OFF
【VT電圧】
・TP1 → 電圧計セット
・76MHz → 1.5v ※確認のみ
・90MHz → 6.2v ※確認のみ
【IF調整】
・TP9 → 周波数カウンタ接続
・83MHz受信 → T0調整 → 10.7MHz
※VR7が関係している模様 → とりあえずVR7は左一杯に回した状態に
【検波調整】
・TP3~TP4 → 電圧計セット
・83MHz 1kHz受信 → T7調整 → 電圧ゼロ
・83MHz 1kHz受信 → T8調整 → 高調波歪最小
【MUTING調整】
・83MHz 20dB受信 → VR5調整 → MUTING作動位置へ
【シグナルインジケーター調整】
・83MHz 70dB受信 → VR6調整 → フル点灯位置へ
【VCO調整】
・TP5 → 周波数カウンタ接続
・83MHz 無変調受信 → VR3調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHzST信号受信 → VR4調整 → 左右の漏れ信号最小
【AM調整】
・適当なAMループアンテナ接続
・VR6横のジャンパ線JW44 → 電圧計セット ※Sメーター電圧
・729kHz(NHK第一)受信 → T5調整 → 電圧最大
・1332kHz(東海ラジオ) → C1調整 → 電圧最大
■時計セット方法------------------------------------------------------
【時刻設定】
・[POWER ON]→OUTLET点灯
・[TIME ADJ]→赤M点灯
・[<DOWN/REV] [UP/FWD>]:長押しで1分単位、時間が繰り上がると1時単位早送り
・時報に合わせて[MEMORY]押す
【タイマーセット】
●毎日繰り返し設定
・[EVERY DAY]
・オン時刻設定:[<DOWN/REV] [UP/FWD>]→[EVERY DAY]
・オフ時刻設定:[<DOWN/REV] [UP/FWD>]→[EVERY DAY]
●一度限り設定
・[ONCE]
・オン時刻設定:[<DOWN/REV] [UP/FWD>]→[ONCE]
・オフ時刻設定:[<DOWN/REV] [UP/FWD>]→[ONCE]
●[EVERY DAY]と[ONCE] 併用可能
【スリープタイマー】1分~1時間59分
・[SLEEP]
・[<DOWN/REV] [UP/FWD>]1分単位で設定可能
【気付き事項】
・時計は12時表示。
・曜日を指定したタイマー動作は出来ない。
・メモリーチャンネルも選べない。
■試聴----------------------------------------------------------------
・表示部の輝度が劣化していますがFM/AMチューナーとしては十分使えます
・外観のデザインはどことなく DA-F9000 に通じる上品さを感じますね
・いつか上位機の DA-F930と比較できるといいな、、