・2022年11月、近所の中古ショップで購入したKT-8300ジャンク機です
・もし直せなくても部品取り機として活用できるので、
・目安として3,000円位までならつい買ってしまいます
・入手したままずっと放置状態でしたがGW休暇でようやく作業できました
■製品情報------------------------------------------------------------
オーディオの足跡 TRIO KT-8300 ¥63,000(1978年発売)
・Hifi engine Kenwood KT-815 AM/FM Stereo Tuner (1979-80)
■動作確認------------------------------------------------------------
・外観は経年の汚れがあるものの目立つ傷はない
・FMアンテナを接続して電源オン、照明窓の電球切れは無さそう
・名古屋地区のFM局で受信テスト開始
・Tメーターは放送局周波数付近で中点を示し、Sメーターも大きく振れる
・しかし出てくる音には激しいノイズが被っている
・STEREOインジケーターは全区間で意味なく明滅する
・固定端子、可変端子とも状況は同じ
■内部確認------------------------------------------------------------
・バリコン軸の接点部分に緑青色のサビが浮き出ている
・LA1222、HA1137W、HA11223Wの足が真っ黒に変色
・修理歴シールは見当たりませんがハンダ痕を見ると、
・パルスカウント検波回路のフィルタFL3(L79-0080-05)が交換済みのよう
・FL3の故障も怪しい気がします
■修理記録:接点洗浄---------------------------------------------------
・真っ黒に変色したICやトランジスタの足を硬めの歯ブラシで磨く
・次にエレクトロニッククリーナー液を歯ブラシに吹き付けて磨く
・特に足の付け根付近を丹念に磨く
・以上の作業で激しい雑音はスッキリ解消しました
・何だか、あっけない感じでした
・続いてフロントエンド内、バリコン軸の接点を爪楊枝の先端で清掃
・次に最近不具合事例の多い切換スイッチの接点不良対策を実施
・フロントパネルのプッシュスイッチを操作してON/OFFを繰り返す
・スイッチの隙間からエレクトロニッククリーナーを噴射しさらにON/OFFを繰り返す
・パルスカウント検波回路のFL3は問題なさそうです
■調整記録------------------------------------------------------------
【FM OSC調整】
・マルチパスV端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
・83MHz 受信 → TCo調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
・マルチパスV端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
・83MHz 受信 → TCA1,TCA2,TCR1,TCR2調整 → 電圧最大
【Tメーター調整1】
・SSG 83MHz 1kHz 60dB
・83MHz M0NO → T2調整 → Tメーター中点
【Tメーター調整2】
・SSG 83MHz 1kHz 60dB
・83MHz M0NO サーボロックON → VR10調整 → Tメーター中点
【Sメーター調整】
・SSG 83MHz 1kHz 60dB
・83MHz MONO → VR4調整 → Sメーター「目盛り4.8」
【WIDE GAIN調整】
・SSG 83MHz 1kHz 60dB
・83MHz MONO NARROW受信 → Sメーター目盛り位置を確認
・83MHz MONO WIDE受信 → VR1調整 → SメーターNARROWと同じ位置
【DISTORTION調整】
・固定出力端子 → WaveSpectra接続
・SSG 83MHz 1kHz 60dB
・83MHz MONO → L8(フロントエンド内)調整 → 歪最小
【パルスカウント検波調整】
・R91左足 → 周波数カウンタセット
・SSG 83MHz 無変調 60dB
・83MHz受信 → T6調整 → 1.96MHz
【MUTING調整】
・SSG 83MHz 1kHz 30dB
・83MHz MONO → VR2調整 → MUTING開始位置確認
【VCO調整】
・R97後足 → 周波数カウンタ接続
・SSG 83MHz 無変調 60dB
・83MHz受信 → VR5調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
・固定出力端子 → WaveSpectra接続
・SSG 83MHz 60dB Pilot信号
・83MHz ST受信 → VR6調整 → 19kHz信号最小
【WIDE セパレーション調整】
・固定出力端子 → WaveSpectra接続
・83MHz WIDE Rch → VR7調整 → 反対chへの漏れ信号最小
・83MHz WIDE Lch → VR8調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【NARROW セパレーション調整】
・固定出力端子 → WaveSpectra接続
・83MHz NARROW L/R → VR9調整 → 反対chへの漏れ信号最小
■試聴---------------------------------------------------------------
・再調整によって良い音で受信できるようになりました
・フロントパネルを分解したついでに指針を蛍光オレンジ色で再塗装
・見た目がすっきり整った感じです