・2023年4月、またPIONEER F-700の故障機を入手しました
・GW休暇10連休で修理+プチ改造実験した記録です
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 Pioneer F-700 ¥65,000(1979年発売)
・Hifi Engine PIONEER F-700 (1981)
・F-700/F-500カタログ 1980年4月版
・F-700 取扱説明書
■動作確認------------------------------------------------------------
・ボディに多少の擦り傷あるが、フロントパネルはきれいな状態
・電源オン、周波数窓の照明点灯、DEVメーター照明が点灯しない
・名古屋地区のFM局受信を試みるが全く受信しない
・Sメーターは全く振れない
・指針に組み込まれたTメーターインジケーターも点灯しない
・REC CALトーンOK、IF BAND切換インジケーター点灯
・試しに信号発生器に繋いで100dBの電波を注入したところ
・何と、Sメーターが大きく振れてSTEREOランプ点灯
・受信感度が大幅に低下しているようです
■内部確認------------------------------------------------------------
・ボディ後方開口部付近に溜まった大量の埃を清掃
・フロントパネルを分解して徹底清掃
・プッシュボタンの緑青色のサビ落とし
・FMアンテナ端子から強力電波(100dB)を注入すると正常動作する
・ということはRF回路またはIF回路で信号の増幅が出来ていない
・試しにIF回路初段のR27に10.7MHzを直接注入したところ正常に動作
・つまりフロントエンド内で信号増幅できていないということ
■修理記録:ヒューズ抵抗交換-----------------------------------------
・ヒューズ抵抗はこの時期の製品の定番故障箇所と言っていいですね
・回路図を見ると保安指定部品 22Ω(1/4W)
・すべて新品に交換したところ受信動作が正常になりました
・R6 (22Ω) → 351Ω
・R7 (22Ω) →1.2kΩ
・R15(22Ω) → 542Ω
・R17(22Ω) → 214Ω
・R24(22Ω) → 54Ω
・R25(22Ω) → 123Ω
・R152(22Ω) → 292Ω
・R160(22Ω) → 371Ω
・R163(22Ω) → 358Ω
■修理記録:照明電球LED化---------------------------------------------
・DEVメーター照明電球が切れているので交換が必要です
・ジャンク機から取り外した中古電球は大量に保管していますが、
・今回はGW休暇特別企画?(ヒマだったので)としてLED化にチャレンジしました
→周波数窓照明:T10ウエッジ球(8v300mA)×3個
→交換用電球としてアマゾンで自動車用12v仕様のT10ウエッジLEDを調達
→BORDAN T10 LED 爆光 ホワイト 車検対応 無極性 10SMD 12V 1.2W 色温度6000
→既存の電球を外して付け替えるだけでお手軽ですが、
→同じT10タイプでも全長が大きいと透明アクリル内部に納まらないので要注意
→メーター照明:直径4mmの麦球(8v100mA)×2個
→単発のLEDだと点照明になってしまうので今回はLEDライトテープを試してみました
→用意したのはアマゾンで調達した12v用の白色LEDテープ(5m)、非防水タイプ
→テープ幅7mm、1m当たり60個のLED素子(2835)、5mで300個のLED素子
→ネット情報によると5m当たりの消費電力9.6w
→両面テープ付き、適当な長さにカットして使えるので自由度が高い
・L字型アングル(10mm×10mm)長さ11cm、LEDテープは点灯素子が6個の位置でカット
・最初はアルミ製アングルで計画したのですが、樹脂製の方が加工が容易でした
・LEDテープの±端子に電線をハンダ付けし、熱収縮チューブを巻いて保護
・アングル表面を念入りに脱脂してしてからLEDテープを接着
・底板側からアングルをメーターにセットし両面テープで固定
・メーター裏側の隙間に点灯素子がちょうど2個づつ配置される形になりました
・ラグ板上に小さな専用電源回路(半整流+電解コンデンサ)を製作
・電源スイッチの後ろにある小さな基板横にネジ止め固定
・電源トランスから出ているAC8.6v が DC+10.6v になりました
・窓照明用のLEDにはこのDC10.6vを直結
・メーター照明にはちょっと明る過ぎたので220Ω抵抗を挟んで接続
・実測電流 窓照明 39mA、メーター照明 7mA
■調整記録------------------------------------------------------------
【同調点調整】
・TP3~TP4 → 電圧計セット
・無信号 → T5調整 → ±0v
【FM OSC調整】
・IF BAND=NARROW
・目盛り位置76MHzに指針セット
・76MHz 無変調 70dB 受信 → L6調整 → Sメーター最大
・目盛り位置90MHzに指針セット
・90MHz 無変調 70dB 受信 → TC6調整 → Sメーター最大
【RF調整】
・IF BAND=NARROW
・目盛り位置76MHzに指針セット
・76MHz 無変調 40dB 受信 → L1,L2,L3,L4,L5調整 → Sメーター最大
・目盛り位置90MHzに指針セット
・90MHz 無変調 40dB 受信 → TC1,TC2,TC3,TC4,TC5調整 → Sメーター最大
・83MHz 100%変調 40dB 受信 → L7調整 → Sメーター最大
・83MHz 100%変調 40dB 受信 → VR1調整 → Sメーター最大
・VR2近くの2個のFET(Q4,Q5)S端子 → 電圧計セット
・83MHz 100%変調 40dB 受信 → VR2調整 → 0v
※VR1:相互変調調整
※VR2:キャリアバランス調整
【IF調整】
・IF BAND=NARROW
・目盛り位置83MHz付近でSメーター最大位置に指針セット
・83MHz 100%変調 40dB 受信 → T1,T4調整 → Sメーター最大
・Sメーターの目盛りを記録
・IF BAND=WIDE
・VR3調整 → Sメーターの目盛りをNARROW時と同じ位置に
【FM同調点調整】※クアドラチュア検波
・IF BAND=WIDE
・83MHz 100%変調 70dB 受信 → T4調整 → Tメーター中点 ※確認のみ
【ミューティング調整】
・VR4調整
【Sメーター振れ調整】
・VR5調整
【パルスカウント検波調整】
・TP8~TP7(GND) → 周波数カウンタ接続
・83MHz 100%変調 70dB 受信 → T7調整 → 1.26MHz
・音声出力端子 → WaveSpectra接続
・83MHz 100%変調 70dB 受信 → TC7調整 → 歪率最小
【変調度メーター調整】
・IF BAND=WIDE
・83MHz 100%変調 70dB 受信 → VR6調整 → Deviationメーター100%
【REC LEVEL調整】
・83MHz 100%変調 70dB 受信 → 信号レベル記録
・REC LEVEL オン → VR12調整 -6dB設定 ※実測322Hz
【VCO整】
・IF BAND=WIDE
・TP9 → 周波数カウンタ接続
・無信号 → VR7調整 → 76Hz
【STEREO歪率調整】
・音声出力端子 → WaveSpectra接続
・IF BAND=WIDE
・83MHz 100%変調 70dB 1kHz ST受信 → T1調整 → 歪率最小
・83MHz 100%変調 70dB 400Hz ST受信 → L29調整 → 歪率最小
・IF BAND=NARROW
・83MHz 100%変調 70dB 400Hz ST受信 → T4調整 → 歪率最小
【パイロット信号キャンセル調整】
・IF BAND=WIDE
・音声出力端子 → WaveSpectra接続
・83MHz ST信号 60dB 受信 → VR8調整 → 19kHz最小
・左右バランスに注意
【セパレーション調整】
・IF BAND=WIDE
・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR9調整 → Lch漏れ最小
・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR10調整 → Rch漏れ最小
【セパレーション調整】
・IF BAND=NARROW
・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR11調整 → L/Rch漏れ最小
■試聴+記念撮影-------------------------------------------------------
・この時代のヒューズ抵抗は全数要チェックですね
・照明の色によって雰囲気がずいぶん変わりますね
・先に修理したオリジナルF-700と並べてみました
・電球色の温もりも捨て難い感じ、、さて次は何色にしましょうか