・2023年2月、ST-J60故障機が届きました
・FM/AMとも音が出ないそうです
・以下、作業記録です
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■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SONY ST-J60 ¥54,800(1978年発売)
・Hifi Engine Sony ST-J60 FM Stereo Tuner (1979-80)
※型番は同じ、見た目も同じですがFM専用機のため部品配置が異なる
・Hifi Engine Sony ST-P7J FM Stereo Tuner (1979-81)
※見た目は別物ですがFM回路はほとんど同じ
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■動作確認------------------------------------------------------------
・FM同軸アンテナを接続して電源オン
・周波数表示OK、オート選局で名古屋地区のFM局周波数で自動停止する
・シグナルインジケーターはフル点灯するが、しかし音が出ない
・STEREOインジケーターも点灯しない
・FMエアチェック信号(CAL TONE)は正常に音が出る
・AMも背面バーアンテナによるオート選局で名古屋地区のAM局で自動停止する
・でも音は出てこない
・FM/AMとも受信動作は正常なのに音が出ない、、MUTING周りの不調か?
■内部確認-------------------------------------------------------------
・Alps社製フロントエンド
・IC101:LA1231 FM-IF system
・IC301:KB4437 FM-MPX ※PIONEER PA1001と同じ
・IC201:LA1240 AM System
・底面に点検口がないので部品交換は面倒です
・電源系統のチェック、特にヒューズ抵抗確認
・333シリーズと同様に多数のヒューズ抵抗が並んでいますがどれも異常なし
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■修理記録:KB4437交換-------------------------------------------------
・シグナルインジケーターがフル点灯してオート選局OK → IC101(LA1231)まではOK
・IC101(LA1231)-6ピン(AF出力)→クアドラチュア検波の音が聞こえる
・IC301(KB4437)-2ピン(FMコンポジット信号入力)→ OK
・IC301(KB4437)-2ピン→ AM受信に切り換えるとAM放送が聞こえる!!
・IC301(KB4437)-4ピン(Lch出力)→ 出力なし
・IC301(KB4437)-5ピン(Rch出力)→ 出力なし
・IC301(KB4437)-15pin → VCO76kHz観測不能
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・周囲の部品を調べるも故障部品は見当たらない
・どうやらKB4437自体が壊れている可能性が高い?
・ジャンク箱に保管してあったKB4437(取り外し品)に交換 → 当たり!
・STEREOインジケーターが点灯してFM音声が流れてきました
・さらにAM受信音も聞こえるようになった!
■調整記録----------------------------------------------------------------
【VT電圧確認】
・アンテナ入力なし
・フロントエンド一番手前のTP → 電圧計セット
・76MHz → L104調整 → 3.0V ※実測3.1V
・90MHz → CT104調整 → 21.0V ※実測22.4V
【FM同調点調整】
・R115両端(IC101:LA1231横)→ 電圧計セット
・83MHz受信 → IFT101(赤)調整 → 電圧0V±10mV ※実測-420mV
【フロントエンド調整】
・IC101:LA1231-13ピン(またはRT401)電圧計セット ※Sメーター電圧
・76MHz受信 → L101,102,103調整 → 電圧最大
・90MHz受信 → CT101,102,103調整 → 電圧最大
・83MHz受信 → IFT001調整 → 電圧最大
【クアドラチュア検波調整】
・R115両端(IC101:LA1231横)→ 電圧計セット
・83MHz受信 → IFT101(赤)調整 → 電圧0V±10mV ※再調整
・83MHz受信 → IFT101(緑)調整 → 高調波歪を最小
【ミューティング調整】
・83MHz 20dB受信 → RT101調整 → MUTING ON になる位置
【Sメータレベル調整】
・83MHz 60dB受信 → RT401調整 → Sメーター全点灯位置
【VCO調整】
・IC301(KB4437)-15pin → 周波数カウンタセット
・83MHz 無変調 → RT301調整 → 76kHz±100Hz ※実測値75.1kHz
【パイロットキャンセル調整】
・音声出力 WaveSpectra接続
・83MHz(ST)→ RT301調整 → 19kHz漏れ信号最小 ※左右バランス注意
【セパレーション調整】
・音声出力 WaveSpectra接続
・83MHz(ST-Lch)→ RT303調整 → 反対ch漏れ信号最小
【OUTPUTレベル調整】
・音声出力端子 → AC電圧計セット
・83MHz(60dB)受信 → RT305調整 → Lch 0.775V
・83MHz(60dB)受信 → RT355調整 → Rch 0.775V
【REC CAL調整】
・音声出力 WaveSpectra接続
・音声出力レベル測定
・CAL TONEオン → RT402調整 → 音声出力レベル-6dB ※実測416Hz
【AM VT電圧調整】
・ 531kHz → T201調整 → ※実測1.25V
・1611kHz → CT202調整 → ※実測25.3V
【AM 受信調整】
・729kHz(NHK第一)受信 → バーアンテナ内調整 → Sメーター最大
・1332kHz(東海ラジオ)受信 → CT201調整 → Sメーター最大
・909kHz(NHK第二)受信 → IFT201,202,203 → Sメーター最大
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■試聴----------------------------------------------------------------
・今回使った KB4437 は Harman Kardon T610 に載っていたパーツです
・10年以上も前に分解した基板ですが、ついに役立つ日がやって来ました!
・ガラクタも保管しておくといつか良いことがある、、かもね?
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