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SONY ST-5130初期型 修理調整記録4

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 ・2022年9月、ST-5130を寄付していただきました
 ・故障品の寄付は大歓迎です
 ・以下、年末年始休暇に行った作業の記録です

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-5130 ¥69,800(1972年頃)
 ・Hifi Engine SONY ST-5130 AM/FM Stereo Tuner (1971-74)
 ・製品カタログ 1971版

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観を見た第一印象は「とってもキレイ!」
 ・正面パネル、ツマミ類、ボディ、背面パネルすべてピカピカです
 ・電源コードは普通はベタベタ変質しているのにツルツルです
 ・丁寧に清掃済みのようで50年前の製品とはとても思えません!
 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン!
 ・外観の美しさに反して周波数窓左右の照明電球が切れている
 ・二つのメーター照明は本来は緑色のはずが電球色、
 ・しかも色合いが左右でで違う
 ・FM/AM切換時に点灯するインジケーターのうち「AM」が点灯しない
 ・肝心の受信状態は? まずは名古屋地区のFM局で受信テスト開始
 ・MUTINGオンで受信できるFM局なし
 ・MUTINGオフにすると名古屋地区のFM局を受信OK
 ・ただFM受信周波数にズレがあり
 ・Tメーター中点とSメーター最大点が一致しない
 ・STEREOランプ点灯、しかしステレオ感が無いような?
 ・聞こえてくる音声は歪っぽい音、高調波歪が多い感じ?
 ・続いて名古屋地区のAM局で受信テスト開始
 ・背面バーアンテナを本体に固定する台座部品が破損している
 ・でもAM受信には影響なさそう
 ・AMインジケーターは点灯しないがSメーターが大きく振れてAM受信OK
 ・とりあえずFM/AMとも受信していることを確認しました

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディを開けて内部チェック、やはりきれいに清掃済みでした
 ・基板、部品、配線それぞれ艶があって美しい
 ・妙な艶まであるのでクリーナーで洗浄されたようです
 ・ヘッドホン基板を見ると回路構成が簡易版です
 ・ツマミの形状、電源ケーブルの印字「1971」から判断して「初期型」ですね
 ・ただ電源基板の電解コンデンサーが4個並んでいる初期型は初めて見たかも?
 ・ハンダ面を見たところ部品の交換歴はなさそう

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■修理記録:ガラス板交換----------------------------------------------

 ・パネル、周波数窓の銀色のフレーム、ガラス板は既にピカピカ状態です
 ・ただガラス板を磨き過ぎたようで、周波数目盛りの一部が剥げていました
 ・これはガラス板を交換するしかないですが、
 ・実は過去に解体したST-5130/5140/5150のパーツを大量保管しています
 ・この中から無傷のガラス板に交換しました

■修理記録:電球交換--------------------------------------------------

 ・続いて左右の照明電球交換
 ・これも大量保管しているヒューズ型電球に交換
 ・AMインジケーターが点灯しない原因はケーブルが外れていたこと
 ・AM電球に繋がるケーブルがラグ板のハンダ付け位置で外れていました
 ・内部清掃時に誤って引っ掛けてしまったかも?
 ・ハンダ付けを修正して無事に点灯OK

■修理記録:MPX回路--------------------------------------------------

 ・調整手順に従って仮調整したところステレオ分離に不具合あることが判明
 ・STEREOインジケーターは点灯するのにステレオ分離できていません
 ・つまり19kHz信号の抽出と38kHz信号の生成までは正常ということ
 ・その次のスイッチング不良と見立てて回路図を見ながら部品を確認
 ・調査の結果、原因は C414(4700pF)の故障でした
 ・4700pFのコンデンサーが 0.4Ωの抵抗と化していました
 ・これを新品フィルムコンデンサー(472)に交換
 ・無事にステレオ分離できるようになりました
 ・後述の受信調整でセパレーション約45dBとなりました

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■修理記録:セレクタスイッチ洗浄-------------------------------------

 ・最近オールド機でトラブルが多いのはセレクタスイッチの接点不良
 ・長年の使用によって接点が汚れて接触不良を起こす事例です
 ・本機では特に不具合はありませんが予防処理しておきました
 ・接点にエレクトロニッククリーナーを軽く噴射し何度も操作を繰り返す
 ・綿棒で拭き取った後、エアダスターで乾燥させる
 ・接点に薄くコンタクトグリスを塗布して馴染ませる

■調整記録-----------------------------------------------------------

【FMフロントエンド調整】
 ・OSC調整 → CT105,L105
 ・トラッキング調整 → CT101,CT102,CT103,CT104 / L101,L102,L103,L104
 ・IFT調整 → IFT101
【レシオ検波調整】
 ・T201上段コア → 検波調整
 ・T201下段コア → 高調波歪調整
【MUTING調整】
 ・T202 → D209電圧最大
 ・RT202 → MUTINGレベル調整
【Sメーター調整】
 ・RT201 → FM Sメーター調整
【MPX調整】
 ・T401 → スイッチング信号調整(※SUB信号注入 → Lch出力最大)
 ・RT401 → セパレーション調整
【AM調整】
 ・OSC調整 → CT302,T301
 ・トラッキング調整 → CT301,L801(バーアンテナ内コイル)
 ・RT301 → AM Sメーター調整

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・50年前の製品とはとても思えないですね
 ・このデザインと雰囲気がステキです

■改造記録-----------------------------------------------------------

 ・さて、いつもならこれで作業終了ですが、
 ・今回は全球LED化を実践してみました

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■改造記録:Sメーター、Tメーター移植-------------------------------

 ・ST-5130/5140のメーターは照明透過タイプではないのでちょっと物足りません
 ・これに対して同時期のST-5150/5150Dでは照明透過タイプが使われています
 ・サイズと取り付け方法は同じなのでST-5150のメーターと交換
 ・ちなみにST-5150Dのメーターには「MULTIPATH」の文字があるのでパスしています

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■改造記録:全球LED化-------------------------------------------------

【オリジナル電球の仕様】
 ・PL5,PL6:周波数窓両端の照明電球:8v/300mA T6.3×30mm
 ・PL1,PL4:Tメーター、Sメーター照明電球:8v/150mA E10
 ・PL2,PL3,PL7:インジケータ(FM,AM,STEREO)電球:4.5v/40mA,φ4mm

【整流回路の製作】
 ・電源トランスから照明電球に繋がる青色線(AC8v)を流用して電源回路製作
 ・ダイオードブリッジと電解コンデンサーで整流回路作成(AC8v → DC9.4v)

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【周波数窓照明LED】
 ・TORIBIO 10個セット T6.3×30mm LED 3SMD 5050 12V 28mm~30mm
 ・10個で820円、アマゾンで購入、似たような商品が多数見つかります
 ・極性あり、点灯しない場合は向きを変えてセットし直す
 ・12v用ですが周波数目盛、数値が鮮やかな緑色の発色になりました

【メーター照明LED】
 ・uxcell E10スクリューベースLED電球(白) DC 12V 0.25W フラットヘッド
 ・10個 1677円、アマゾンで購入
 ・極性に合わせて電球ソケットの配線を付け替える必要あり
 ・電球色から暖白色になったので透過色(緑色)の発色が鮮やかになりました
 ・電球先端が凹型なのでディフューザー効果が期待できる?
 ・定格12v用ですがちょうどよい明るさになりました

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【(FM,AM)インジケーター用LED】
 ・3mmウォームホワイトLED 70° OSM5YK3Z72A(100個入)
 ・100個 1300円、秋月電子で購入
 ・制限抵抗交換:R801,R802 75Ω → 2.2kΩ 交換
 ・黄赤線→+、黒青線→-

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【(STEREO)インジケーター用LED】
 ・FM/AM用に使ったLEDと同じ
 ・ラグ板に制限抵抗 2.2kΩを直列追加
 ・さらに並列に1.5kΩ抵抗追加(離調時も薄く点灯してしまうため)

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■改造記録:FMアンテナ端子--------------------------------------------

 ・FMアンテナ端子はF型ですが、端子サイズが微妙に小さいのが難点
 ・そこで端子を通常品に交換しました
 ・同軸ケーブルの接続安定感が大幅アップします

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■改造記録;指針タッチアップ------------------------------------------

 ・初期型の指針は白色、後期型はオレンジ色です
 ・そこで白い周波数指針を蛍光オレンジ色に塗装してみました
 ・視認性がグッとアップしましたが、、
 ・自光式では無いので暗い部屋では見え難いままでした

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■試聴----------------------------------------------------------------


 ・あと残すは電解コンデンサーの交換くらいでしょうか
 ・でも音に特に不満は無いので今回はここまで
 ・オリジナルの雰囲気を保ったままいい具合に仕上がりました

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