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PIONEER F-780 修理調整記録2

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 ・2022年7月、F-780の故障機を寄付していただきました。
 ・何と言ってもPIONEER製パルスカウント検波を搭載したシンセ機です。
 ・以下、作業記録です。

F78003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 PIONEER F-780 ¥49,800(1981年発売)
 ・オーディオ懐古録 PIONEER F-780 ¥49,800
 ・Hifi Engine PIONEER F-9 (1981-82)
 ・PIONEER アンプ・チューナー総合カタログ 1981年4月版

F78002F78014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観はかなり汚れた状態、加えて打ち傷多数
 ・プッシュボタンにプラ錆び、特にFM/AM切換スイッチが無残な状態
<提供者様からの事前情報>
 ・周波数UPボタンが反応しない
 ・受信中に不定期にノイズ発生
<確認事項>
 ・周波数DOWNボタンで76.0MHzまで選局できる。
 ・しかし周波数UPボタンが反応しないのでが90MHzに向かって上昇しない
 ・現状ではメモリボタンに登録された83.0MHzから下方向へのみ選局可能な状態
 ・それでも名古屋地区のFM局は受信できました
 ・IFバンド(WIDE/NARROW)切換OK、STEREOインジケーター点灯
 ・REC LEVELトーンOK
 ・不定期なノイズは確認できません

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FMフロントエンド:4連バリキャップ
 ・PA3007:FM IF AMP & DET
 ・PA5001:2ND OSC & MIXER
 ・PA5002:DIGITAL DET
 ・PA4006:FM MPX & MUTING
 ・HA1138:AM TUNER IC

■修理記録:周波数アップボタンが反応しない-----------------------------

 ・不調原因はタクトスイッチの故障か?
 ・フロントパネルを分解してスイッチ基板を取り外す
 ・スイッチ基板のハンダ面を見ると周波数アップボタンだけ腐食状態でした
 ・試しに腐食したハンダを除去してハンダを盛り直す
 ・結果は、、周波数アップボタンが復活しました
 ・タクトスイッチ自体は壊れていなかったです
 ・これで周波数 UP/DOWN が自在に操れるようになりました

F78005F78041F78043F78047F78049

■修理記録 不定期にノイズ発生----------------------------------------

 ・この機種の記録を読み直すと切換スイッチの接触不良がありました
 ・ノイズ原因はスイッチ接点の劣化が原因かも?
 ・フロントパネルを分解したついでにプッシュスイッチも洗浄しました
 ・と言っても隙間からエレクトロニッククリーナーを注入しON/OFFを繰り返しただけ

■調整記録------------------------------------------------------------

F780

【VT電圧調整】
 ・TP21電圧測定(VT電圧)
 ・90MHz TC4調整 → TP21電圧 25V ※調整前実測 25.0V
 ・76MHz L2 調整 → TP21電圧 7.0V ※調整前実測 6.9V
【トラッキング調整】
 ・TP22電圧測定(Sメーター電圧)
 ・76MHz受信 → T2,T3,L1調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → TC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → T5調整 → 電圧最大
【NARROW GAIN調整】
 ・TP22電圧測定(Sメーター電圧)
 ・83MHz受信 → VR1調整 → WIDE/NARROWで同じ電圧に
【FM同調点調整】
 ・TP23~TP24 電圧計セット
 ・83MHz受信 → T7調整 → 電圧ゼロ
【パルスカウント検波調整】
・83MHz受信 → T9調整 → TP11周波数 1.26MHz
・83MHz受信 → VR3調整 → TP8~TP9電圧ゼロ
【ミューティング調整】
・83MHz受信 → VR2調整 → ミューティング作動ポイント設定
【VCO調整】
 ・TP14 周波数カウンタ
 ・83MHz変調OFF → VR6調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・83MHz変調ON → VR7調整 → 19kHz信号最小
【セパレーション調整】
 ・83MHz変調ON → VR5調整 → 左右ch漏れ信号最小
【REC CAL調整】
・83MHz受信 → オーディオ出力レベル測定
・REC LEVEL CHECK オン → VR8調整 → -6dB
【AM RF調整】
 ・TP22 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・ 522kHz受信 → バーアンテナ,T10,T11調整 → 電圧最大
 ・1602kHz受信 → TC5,TC6,TC7調整 → 電圧最大

F78000

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・外観が残念な状態ですが受信機能は動作するようになりました
 ・使い道はありませんがこのまま保管しておきます

F78009

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