・2022年9月、ST-5000Fのメンテナンス依頼をお引き受けしました。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオ懐古録 SONY ST-5000F \98,000(1969年)
・オーディオの足跡 SONY ST-5000F \98,000(1971年頃)
・Hifi Engine Sony ST-5000F FM Stereo Tuner (1969-77)
・SONY ST-5000F 回路図 (国内機)
・SONY ST-5000F 掲載カタログ 1974年5月版
■動作確認------------------------------------------------------------
・電源コードの印字「1974」
・フロントパネルに小さな打ち傷があるものの全体的には奇麗な状態。
・FMアンテナを接続して電源オン。
・わずかに周波数ズレあるものの各FM放送局を受信OK。
・Sメーター最大点でTメーターが中点を示す。
・STEREOランプ点灯、実際のステレオ感もあり。
・大きな故障個所はなさそうです。
■内部確認------------------------------------------------------------
・ボディ内部は既に清掃済みのようでホコリもなくきれいな状態でした。
・各シールドケースを開けたところ基板もきれいな状態でした。
・裏面の電源基板やMPX基板も艶があってとても綺麗です。
・調整用の半固定抵抗の白いネジロック剤が割れていいました。
・つまり清掃済み、再調整済みの個体だと思います。
・照明窓が暗いように感じますが電球切れはありません。
■調整記録------------------------------------------------------------
【電源電圧調整】
・TP24V,TP12V DC電圧計セット
・電源基板 VR001調整 → 24V,12Vそれぞれ確認
【OSC調整】※フロントエンド
・76.0MHz受信 → L105調整 → Sメーター最大
・90.0MHz受信 → CT105調整 → Sメーター最大
【RF調整】※フロントエンド
・76.0MHz受信 → L101,L102,L103,L104調整 → Sメーター最大
・90.0MHz受信 → TC101,TC102,TC103,TC104調整 → Sメーター最大
・この作業を数回繰り返す。
【IFT調整】※フロントエンド
・83.0MHz受信 → IFT101調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整】※検波基板
・83.0MHz受信 → 指針をSメーター最大位置へ移動
・IFT301調整 → Tメーター中点へ(離調点が左右対称)
・Tメーターが中点からズレた場合 → IFT301横のR319調整 → 中点に
【Sメーター振れ調整】※IF基板
・83.0MHz 80dB受信 → RT211調整 → Sメーターが90%振れる位置に。
【ミューティング調整】※ミューティング基板
・83.0MHz受信 → RT103調整 → MUTING作動位置へ
【セパレーション調整】※MPX基板
・83.0MHz 80dB受信 → RT537調整 → セパレーション最大位置へ
■試聴----------------------------------------------------------------
・実際に調整ズレはほとんどなかったです。
・オリジナルの状態で残っている個体はもはや貴重品ですね。
・大切に使っていきたい逸品です。