Quantcast
Channel: BLUESS Laboratory
Viewing all articles
Browse latest Browse all 568

TRiO KT-1100 修理調整記録10

$
0
0

 ・2021年9月、シルバーモデルのKT-1100故障機が届きました。
 ・以下、作業記録です。

Kt110003_20221120091301

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-1100 ¥73,800(1982年発売)
 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-1100 AM-FM STEREO TUNER ¥73,800
 ・Hifi Engine Kenwood KT-1100 AM/FM Stereo Tuner (1983)

Kt110002_20221120091301

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・二つのメーター照明点灯、赤い指針点灯。
 ・選局ツマミを回しながら目盛り80.7MHz(FM-AICHI)に指針セット
 ・TメーターとSメーターが振れて受信OK
 ・選局ツマミから指を話すとLOCKランプ点灯、STEREOランプ点灯
 ・RF切換、IFバンド切換OK、REC CALトーンOK
 ・あれ、ちゃんと受信できるじゃん、、と思っていたら
 ・放送を聞いているうちに何か違和感が、、
 ・そう、流れてくる音楽はNHK-FM(82.5MHz)の番組です??
 ・これは、、ちょうど-1.8MHzの周波数ズレです
 ・82.5MHzのNHK-FM局を目盛り80.7MHz付近で受信できている訳です
 ・名古屋地区で受信できるFM局はすべて-1.8MHz低い位置で受信できました
 ・ズレた位置での受信動作は正常です
 ・AMは適当なループアンテナで受信OK
 ・問題はOSCトリマですね

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・メーカーサービスの修理歴を示すシールは見当たらない
 ・ハンダ面を見ても作業痕は見当たらない
 ・フロントエンド内のOSCトリマを仮調整したところ周波数ズレを修正できました
 ・トリマコンデンサは生きていました

Kt110001_20221120091401Kt110005_20221120091401Kt110020_20221120091401Kt110022_20221120091401Kt110021_20221120091401

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC8調整 → Sメーター最大
 ※OSCコイルL5の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC1,TC2,TC4,TC6調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → フロントエンドT1調整 → Sメーター最大
 ※L1~L4の調整が難しいため83MHzのみで調整
【IF調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → L2,L3調整 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → Sメーター最大かつ高調波歪最小位置にて受信
 ・L4調整 → Tメーター中点
【Wide Gain調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整 → Wide/Narrow Sメーター振れ具合を同じ位置に
【2nd OSC調整】
 ・IC4(TR4011)-1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz
【VCO調整】
 ・IC7(TR7040)付近の二つのTPを直結
 ・TP(19kHz) → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR4調整 → 19kHz±10Hz
【Pilot Cancel調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR3,L19調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整/wide】
 ・IF BAND WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR5調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST → VR9調整 → Rch漏れ信号最小
【セパレーション調整/narrow】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR6調整 → 漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル測定
 ・VR2調整 → 上記レベル-6dBに設定 ※422Hz
【タッチセンサー調整】
 ・Q13エミッタ(=R197) → 周波数カウンタ接続
 ・L18調整 → 400kHz
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → L17調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC7調整 → シグナルメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz受信 → L14,L15調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC3,TC5調整 → シグナルメーター最大
【AMメーター調整】
 ・VR12 Sメーター振れ具合調整
 ・VR11 Tメーター中点調整

Kt110000

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・幸いにも再調整だけで復活しました。

Kt110004_20221120091301

Viewing all articles
Browse latest Browse all 568

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>