・2022年9月、ESAゴールドモデルが元箱に入った状態で届きました。
・発売当時に購入されたワンオーナー品とのこと。
・でも30年近く経ってさすがに調子が悪いそうです。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESA ¥55,000(1991年発売)
・Hifi engine SONY ST-770ES? FM Stereo / FM-AM Tuner (1991-92)
■動作確認------------------------------------------------------------
・大切にされてきた個体だけあってボディはとても綺麗な状態です。
・本体に目立つキズなし、背面端子類も艶があります。
・さて、FMアンテナを接続して電源オン。
・周波数表示点灯。文字欠けや輝度劣化は感じられない。
・IF BANDやRF切換などボタン操作に応じてインジケーター点灯OK。
・WIDE/NARROWなど微妙な輝度の違いあり
・RF=NORMAL、WIDEの状態でオート選局機能を試すと、、
・上り方向では名古屋地区のFM局をすべて素通りして受信不可。
・下り方向では-0.1MHzの周波数で受信してSTEREOランプ点灯。
・受信感度が弱くてSメーターが下から2~3セグメント点灯する程度。
・続いて適当なAMループアンテナを接続して名古屋地区のAM局をテスト受信。
・AMはオート選局で名古屋地区のAM放送局を受信OK。
・REC CALトーン OK。
・問題はFM同調点のズレ、感度低下ですね。
■内部確認:----------------------------------------------------------
・メモリ保持用電気二重層コンデンサは交換済み
・電源部電解コンデンサーが熱に炙られて外皮が収縮している
・ハンダ面を見ると定番のアースバーにハンダクラック多数
・音声出力端子にもハンダクラックあり
・まずは調整手順に従ってFM同調点とフロントエンドを仮調整してみました。
→IFT251調整によって周波数ズレは解消しました
→CT101,CT102,CT103調整で最大電圧がビシッと決まらない
■修理記録:----------------------------------------------------------
・音声端子のハンダにアクセスするには背面パネルを外すと作業が楽です。
・ついでのアンテナ端子のハンダも盛り直して修正。
・続いて電源部電解コンデンサ交換 330uF/50v → 330uF/63v
・トリマコンデンサ3個交換 CT101,102,103(青色10pF)→ Panasonic製 10PF
■調整記録------------------------------------------------------------
【FM同調点調整】
・IF BAND = WIDE
・IC251(LA1235)7pin~10pin → 電圧計セット
・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ ※実測 1.12V
【VT電圧調整】
・フロントエンド内JW8 → 電圧計セット
・アンテナ入力なし
・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測21.1V
・76MHz → 確認のみ → 8.0V±1.0V ※調整前実測 7.9V
【トラッキング調整】
・IF BAND = NARROW
・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)→ 電圧計セット
・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
・76MHz受信 → L101,L102,L103 → 電圧最大
【PLL検波調整】
・IF BAND = WIDE
・TP201を短絡 ※これによってIF回路をパス
・TP271 → 電圧計セット
・83MHz受信 → IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測326mV
・CT271調整 → 歪最小 ※Wavespectraにて波形確認
・TP201を開放
【IF歪調整】
・IF BAND = WIDE
・MUTING = OFF
・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)→ 電圧計セット
・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
・83MHz 40dBモノラル信号受信
・IFT201調整 → 電圧最大
・83MHz 40dBステレオ信号受信
・IFT202調整 → 電圧最大
・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
・83MHz 80dBモノラル信号受信
・IFT203調整 → 歪最小へ
・83MHz 80dBステレオ信号受信
・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
・IF BAND = WIDE
・MUTING = OFF
・83MHz 20dB受信 → RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
・IF BAND = WIDE
・MUTING = ON
・83MHZ 25dB受信 → RV252調整 → MUTING作動位置へ
【IF NARROWゲイン調整】
・IF BAND = NARROW
・83MHz 80dB受信 → RV203調整 → NARROWゲイン調整
【Sメーター調整】
・83MHz受信 → RV241調整 → Sメーター点灯レベル調整
【パイロットキャンセル】
・83MHz ST信号受信 → RV303,L301調整 → 19kHz信号漏れ最小 ※左右バランス確認
【セパレーション調整】
・83MHz ST信号受信 → RV301 R→L ※調整後実測72dB
・83MHz ST信号受信 → RV302 L→R ※調整後実測66dB
【CAL TONE】
・Peak Level-6dB 395Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
・RV401 Sメーター調整
・RV402 AUTOSTOP調整
■試聴---------------------------------------------------------------
・やはり333シリーズはフロントパネルのデザインがイイですね。
・再調整で良い性能が復活したと思います。