・2022年7月、久しぶりにT-7がやって来ました。
・精悍なブラックモデルです。
■製品情報-----------------------------------------------------------
・オーディオ懐古録 YAMAHA T-7 NATURAL SOUND AM/FM STEREO TUNER ¥69,800円
・Hifi Engine Yamaha T-7 Natural Sound AM/FM Stereo Tuner (1980-82)
■動作確認------------------------------------------------------------
・純正AMループアンテナ付属。
・PAL-F変換プラグを介してFMアンテナを接続して電源オン。
・名古屋地区のFM局付近に合わせるとSメーターインジケーター点灯。
・赤い指針点灯、指針両側の黄色いチューニングインジケーターも点灯。
・選局ツマミに触れるとチューニングインジケーターが少し暗くなる。
・同調して指を離すと再び明るく点灯、OTSも動作OK。
・およそ+0.2MHzの位置でFM放送を受信。STEREOランプ点灯。
・メモリ登録と自動選局も一応動作しますが、、
・ただ意図しない動き方もするのでちょっと不安定?
・付属のAMループアンテナで名古屋地区のAM局を受信。
・Sメーターは全く点灯しないので受信不能かと思ったら、、
・小さな音量で受信できていました。感度低下か?
■内部確認-------------------------------------------------------------
・底面の固定ネジにロック剤が残っていました。
・「ピキッ」と音を立ててネジが緩みます。
・これは久しぶりの未開封の逸品です。
・基板には足元から粉を噴いている電解コンデンサが数個
・電源部のトランジスターを指で触れるとグラグラ状態
・足が黒化したICも、、
■修理記録:電源部-----------------------------------------------------
・電源部の放熱板付きトランジスタTR75(2SB544)がグラグラ状態でした。
・TR75を含む電源部トランジスタのハンダを盛り直し。
・放熱板付きTR81(2SD400)周辺の電解コンデンサが弱っています。
・熱に炙られてスリーブが後退している状態です。
・交換すると同時に熱の影響を避けるように傾けて配置しました。
・C232,C233,C235,C237,C251:10uF/25v → 10uF/50v
■修理記録:AM受信-----------------------------------------------------
・信号発生器から120dBのAM電波を送信するとSメーター振れて受信できる
・AM OSC調整もできる、ということはRF部の故障か?
・まずLA1240周辺で粉を噴いている電解コンデンサを交換
・C165:0.22uF/50v → 0.22uF/50v
・C163:1uF/50v → 1uF/50v
・C160,C164,C253:10uF/25v → 10uF/50v
・C167:100uF/16v → 100uF/50v
・しかし不具合は解消しない
・次はアンテナコイルT109を同等品に交換するも変化なし
・LA1240の足をエレクトロニッククリーナーで磨くも変化なし
・こうなると残る可能性はLA1240自体の故障のみ
・ジャンク箱にあったT-6の基板からLA1240を移植 → 正解!
・シグナルインジケーターがフル点灯してAM放送を受信するようになりました
・不調原因は LA1240の故障でした
・最後に他のICやトランジスタの足もクリーナーで洗浄しておきました。
■調整記録--------------------------------------------------
【本体スイッチ設定】
・FUNCTION = FM
・RX MODE = AUTO DX
・MUTE/OTS = OFF
・BLEND = OFF
・REC CAL = OFF
【検波調整】
・IC111 20pin(またはR282)-GND → 電圧計セット
・ダイヤル指針83MHz付近にセット → T103調整 → 電圧ゼロ
【FM OSC調整】
・IC102 (LA1231) 13pin → 電圧計セット
・83MHz受信 → フロントエンドTC1調整 → 電圧最大
※OSCコイルL7の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
・IC102 (LA1231) 13pin → 電圧計セット
・83MHz受信 → フロントエンドTCA,TCR1,TCR2調整 → 電圧最大
※RFコイルL1~L5の調整が難しいため83MHzのみで調整
【Mono歪調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz → TC101調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
・IC113 1pin-14pin → 2.2MΩを介して直結
・これにより強制ステレオモードになり本体ステレオランプ点灯
・R226(19kHz TP)→ 周波数カウンタ接続
・83MHz → VR108調整 → 19kHz±10Hzに。
【ST SUB調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz SUB → T112調整 → Lchレベル最大
【Stereo歪調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz ST → VR101 VR102 VR103,T102調整 → 高調波最小
【Pilot Cancel調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz ST → T113,VR109調整 → 19jHz漏れ信号最小
【セパレーション調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz ST → VR105調整 → Lch漏れ信号最小
・83MHz ST → VR106調整 → Rch漏れ信号最小
【シグナルインジケーター点灯調整】
・83MHz 100dB → VR112調整 LED全点灯
・83MHz 0dB → VR111調整 LED全消灯
【AM OSC調整】
・ 600kHz受信 → T110調整 → シグナルメーター最大
・1400kHz受信 → AMOSC調整 → シグナルメーター最大
【AM RF調整】
・ 600kHz受信 → T109調整 → シグナルメーター最大
・1400kHz受信 → AMANT調整 → シグナルメーター最大
【プリセットチューニング上限位置調整】
・90.5MHz受信 → プリセット5に登録
・80MHz付近でプリセット5を押し指針移動開始
・このとき90.2MHz付近で自動停止するようにVR113を調整する
【プリセットチューニング下限位置調整】
・75.5MHz受信 → プリセット1に登録
・80MHz付近でプリセット1を押し指針移動開始
・このとき75.8MHz付近で自動停止するようにVR114を調整する
■試聴-----------------------------------------------------------------
・FM/AMとも気持ちよく受信できるようになりました。
・ただ、モータードライブによる自動選局機能はちょっと不安定。
・この件はご容赦ください。