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YAMAHA T-7 修理調整記録5

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 ・2022年7月、久しぶりにT-7がやって来ました。
 ・精悍なブラックモデルです。

T703_20220918131401

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-7 NATURAL SOUND AM/FM STEREO TUNER ¥69,800円
 ・Hifi Engine Yamaha T-7 Natural Sound AM/FM Stereo Tuner (1980-82)

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・純正AMループアンテナ付属。
 ・PAL-F変換プラグを介してFMアンテナを接続して電源オン。
 ・名古屋地区のFM局付近に合わせるとSメーターインジケーター点灯。
 ・赤い指針点灯、指針両側の黄色いチューニングインジケーターも点灯。
 ・選局ツマミに触れるとチューニングインジケーターが少し暗くなる。
 ・同調して指を離すと再び明るく点灯、OTSも動作OK。
 ・およそ+0.2MHzの位置でFM放送を受信。STEREOランプ点灯。
 ・メモリ登録と自動選局も一応動作しますが、、
 ・ただ意図しない動き方もするのでちょっと不安定?
 ・付属のAMループアンテナで名古屋地区のAM局を受信。
 ・Sメーターは全く点灯しないので受信不能かと思ったら、、
 ・小さな音量で受信できていました。感度低下か?

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・底面の固定ネジにロック剤が残っていました。
 ・「ピキッ」と音を立ててネジが緩みます。
 ・これは久しぶりの未開封の逸品です。
 ・基板には足元から粉を噴いている電解コンデンサが数個
 ・電源部のトランジスターを指で触れるとグラグラ状態
 ・足が黒化したICも、、

■修理記録:電源部-----------------------------------------------------

 ・電源部の放熱板付きトランジスタTR75(2SB544)がグラグラ状態でした。
 ・TR75を含む電源部トランジスタのハンダを盛り直し。
 ・放熱板付きTR81(2SD400)周辺の電解コンデンサが弱っています。
 ・熱に炙られてスリーブが後退している状態です。
 ・交換すると同時に熱の影響を避けるように傾けて配置しました。
 ・C232,C233,C235,C237,C251:10uF/25v → 10uF/50v

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■修理記録:AM受信-----------------------------------------------------

 ・信号発生器から120dBのAM電波を送信するとSメーター振れて受信できる
 ・AM OSC調整もできる、ということはRF部の故障か? 
 ・まずLA1240周辺で粉を噴いている電解コンデンサを交換
  ・C165:0.22uF/50v → 0.22uF/50v
  ・C163:1uF/50v → 1uF/50v
  ・C160,C164,C253:10uF/25v → 10uF/50v
  ・C167:100uF/16v → 100uF/50v
  ・しかし不具合は解消しない
 ・次はアンテナコイルT109を同等品に交換するも変化なし
 ・LA1240の足をエレクトロニッククリーナーで磨くも変化なし
 ・こうなると残る可能性はLA1240自体の故障のみ
 ・ジャンク箱にあったT-6の基板からLA1240を移植 → 正解!
 ・シグナルインジケーターがフル点灯してAM放送を受信するようになりました
 ・不調原因は LA1240の故障でした
 ・最後に他のICやトランジスタの足もクリーナーで洗浄しておきました。

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■調整記録--------------------------------------------------

【本体スイッチ設定】
 ・FUNCTION = FM
 ・RX MODE = AUTO DX
 ・MUTE/OTS = OFF
 ・BLEND = OFF
 ・REC CAL = OFF
【検波調整】
 ・IC111 20pin(またはR282)-GND → 電圧計セット
 ・ダイヤル指針83MHz付近にセット → T103調整 → 電圧ゼロ
【FM OSC調整】
 ・IC102 (LA1231) 13pin → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC1調整 → 電圧最大
 ※OSCコイルL7の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
 ・IC102 (LA1231) 13pin → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → フロントエンドTCA,TCR1,TCR2調整 → 電圧最大
 ※RFコイルL1~L5の調整が難しいため83MHzのみで調整
【Mono歪調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → TC101調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・IC113 1pin-14pin → 2.2MΩを介して直結
 ・これにより強制ステレオモードになり本体ステレオランプ点灯
 ・R226(19kHz TP)→ 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR108調整 → 19kHz±10Hzに。
【ST SUB調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz SUB → T112調整 → Lchレベル最大
【Stereo歪調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR101 VR102 VR103,T102調整 → 高調波最小
【Pilot Cancel調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → T113,VR109調整 → 19jHz漏れ信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR105調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST → VR106調整 → Rch漏れ信号最小
【シグナルインジケーター点灯調整】
 ・83MHz 100dB → VR112調整 LED全点灯
 ・83MHz 0dB → VR111調整 LED全消灯
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → T110調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → AMOSC調整 → シグナルメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz受信 → T109調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → AMANT調整 → シグナルメーター最大
【プリセットチューニング上限位置調整】
 ・90.5MHz受信 → プリセット5に登録
 ・80MHz付近でプリセット5を押し指針移動開始
 ・このとき90.2MHz付近で自動停止するようにVR113を調整する
【プリセットチューニング下限位置調整】
 ・75.5MHz受信 → プリセット1に登録
 ・80MHz付近でプリセット1を押し指針移動開始
 ・このとき75.8MHz付近で自動停止するようにVR114を調整する

T770

■試聴-----------------------------------------------------------------

 ・FM/AMとも気持ちよく受信できるようになりました。
 ・ただ、モータードライブによる自動選局機能はちょっと不安定。
 ・この件はご容赦ください。

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