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SONY ST-5000F 修理調整記録5

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 ・2022年7月、ST-5000Fのメンテナンス依頼をお引き受けしました。
 ・以下、作業記録です。

St5000f05

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 SONY ST-5000F \98,000(1969年)
 ・オーディオの足跡 SONY ST-5000F \98,000(1971年頃)
 ・Hifi Engine Sony ST-5000F FM Stereo Tuner (1969-77)
 ・SONY ST-5000F 回路図 (国内機)
 ・SONY ST-5000F 掲載カタログ 1974年5月版

St5000f02St5000f10

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルの角に小さな打ち傷があるものの全体的には奇麗な状態です。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓の照明電球は切れているのか? ちょっと暗い感じ?
 ・わずかに周波数ズレあるものの各FM放送局を受信OK。
 ・Sメーター最大点でTメーターが中点を示す。
 ・STEREOランプ点灯、実際のステレオ感もあり。
 ・大きな故障個所はなさそうです。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディ内部、シールドケース上に大量の埃が堆積していました。
 ・ブラシとエアーで丹念に清掃しておきました。
 ・たばこのヤニ汚れが無いのは幸いです。
 ・各シールドケースを開けたところ、基板はとても綺麗な状態でした。
 ・裏面の電源基板やMPX基板も艶があってとても綺麗です。
 ・内部を弄られた痕跡はないようです。
 ・今まで見てきたST-5000Fの中で保存状態が最も良い個体です。
 ・背面パネルのサビついたネジだけ見栄えが悪いので交換しておきました。

St5000f20St5000f22St5000f23St5000f26St5000f30

■修理記録:電球交換--------------------------------------------------

 ・清掃を兼ねてフロントパネルを分解。
 ・電球切れを疑いましたが、ヒューズ型電球は左右とも点灯していました。
 ・Tメーター、Sメーター用の電球も点灯していました。
 ・ただ電球が黒ずんでいたので新しい電球に交換しました。
 ・周波数を刻んだガラスパネルを取り外して裏側まで磨きました。
 ・煤で曇っていたガラスパネルの透明感がグッと増しました。
 ・フロントパネルやツマミ類も洗浄しておきました。
 ・それでも明るい部屋では照明に気付かないかもしれません、、
 ・部屋を少しく暗くすると美しい緑色照明が浮かび上がります。

St5000f41

■調整記録------------------------------------------------------------

【電源電圧調整】
 ・TP24V,TP12V DC電圧計セット
 ・電源基板 VR001調整 → 24V,12Vそれぞれ確認
【OSC調整】※フロントエンド
 ・76.0MHz受信 → L105調整 → Sメーター最大
 ・90.0MHz受信 → CT105調整 → Sメーター最大
【RF調整】※フロントエンド
 ・76.0MHz受信 → L101,L102,L103,L104調整 → Sメーター最大
 ・90.0MHz受信 → TC101,TC102,TC103,TC104調整 → Sメーター最大
 ・この作業を数回繰り返す。
【IFT調整】※フロントエンド
 ・83.0MHz受信 → IFT101調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整】※検波基板
 ・83.0MHz受信 → 指針をSメーター最大位置へ移動
 ・IFT301調整 → Tメーター中点へ(離調点が左右対称)
 ・Tメーターが中点からズレた場合 → IFT301横のR319調整 → 中点に
【Sメーター振れ調整】※IF基板
 ・83.0MHz 80dB受信 → RT211調整 → Sメーターが90%振れる位置に。
【ミューティング調整】※ミューティング基板
 ・83.0MHz受信 → RT103調整 → MUTING作動位置へ
【セパレーション調整】※MPX基板
 ・83.0MHz 80dB受信 → RT537調整 → セパレーション最大位置へ

St5000f40

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・アルミパネルの質感やデザイン性は50年近く前の製品とは思えない!
 ・歪率0.1%(STEREO)、セパレーション左右とも約45dB
 ・出てくる音は当時の最高音質、でも今となってはごく普通の音です。
 ・電解コンデンサやトランジスタを交換すれば性能・音質アップしそうですが、、
 ・せっかくオリジナル状態を留めているので現状維持します。

St5000f03

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