・2022年3月、約4年前に修理した333ESGが戻ってきました。
・最近、受信感度がかなり低くなってきたそうです。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESG ¥49,800(1989年発売)
・1987年10月発行「SONY ES テクノロジーカタログ」
■動作確認------------------------------------------------------------
・FMアンテナを接続して電源オン。
・表示部点灯。文字欠けや輝度劣化は感じられない。
・IF BANDやRF切換などボタン操作に応じてインジケーター点灯OK。
・オート選局で名古屋地区のFM局を受信できました。
・周波数ズレなし、STEREOランプ、機能切換スイッチOK
・ただシグナルインジケーターの点灯レベルが低い、というか弱い。
・付属のAMループアンテナで名古屋地区のAM局をテスト受信。
・AMはオート選局で受信OK。
■内部点検------------------------------------------------------------
・シグナルインジケーター点灯レベル調整 → RV241
・RV241を最大回してもインジケーターは半分程度しか点灯しない。
・メーター回路の問題ではなく、受信感度自体が落ちているようです。
■調整記録------------------------------------------------------------
【FM同調点調整】
・IF BAND = WIDE
・IC251(LA1235)7pin~10pin間電圧計セット
・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ
【VT電圧調整】
・フロントエンド内JW8 電圧計セット
・アンテナ入力なし
・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測21.1V
・76MHz → 確認のみ → 8.0V±1.0V ※調整前実測 8.1V
【トラッキング調整】
・IF BAND = NARROW
・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
・76MHz受信 → L101,L102,L103 → 電圧最大
★CT101,102,103の反応が過敏で最大値が定まらない
★最大電圧が2.5v程度とかなり低い。本来は5v以上あるはず。
【PLL検波調整】
・IF BAND = WIDE
・TP201を短絡 ※これによってIF回路をパス
・TP271 電圧計セット
・IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測+4.2V
・CT271調整 → 歪最小 ※Wavespectraにて波形確認
・TP201を開放
★CT27を回すと激しい雑音が発生する
【IF歪調整】
・IF BAND = WIDE
・MUTING = OFF
・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
・SSG出力40dBモノラル信号送信
・IFT201調整 → 電圧最大
・SSG出力40dBステレオ信号送信
・IFT202調整 → 電圧最大
・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
・SSG出力80dBモノラル信号送信
・IFT203調整 → 歪最小へ
・SSG出力80dBステレオ信号送信
・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
・IF BAND = WIDE
・MUTING = OFF
・SSG83MHz 出力20dB
・RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
・IF BAND = WIDE
・MUTING = ON
・SSG83MHz 出力25dB
・RV252調整 → MUTING調整
【IF NARROWゲイン調整】
・IF BAND = NARROW
・RV203調整 → NARROWゲイン調整
【Sメーター調整】
・RV241調整
【パイロットキャンセル】
・RV303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
・RV301 R→L ※調整後実測64dB
・RV302 L→R ※調整後実測68dB
【CAL TONE】
・Peak Level-6dB 398Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
・RV401 Sメーター調整
・RV402 AUTOSTOP調整
■修理記録:上記調整過程で気になった箇所-----------------------------
★CT101,102,103の反応が過敏で最大値が定まらない
★最大電圧が2.5v程度とかなり低い。本来は5v以上あるはず。
→ CT101,CT102,CT103(10pF)→ Panasonic製 10PF
→ 交換後の調整で電圧最大値がビシッと決まりました。
→ 調整時の最大電圧が5v以上を示すようになった
→ シグナルインジケーターが全灯するようになった
★CT27を回すと激しい雑音が発生する
→ 繰り返しグリグリ回してもノイズは解消しない
→ 新しいトリマコンデンサ(20pF)に交換しました
■試聴---------------------------------------------------------------
・上記修理作業後にもう一度調整作業をやり直しました。
・FM/AMとも気持ちよく受信できています。
・先日も333ESJでフロントエンドのトリマコンデンサを全交換しました。
・そろそろ部品の寿命が尽きてくる頃みたいです。
・MURATA製トリマコンデンサ(青色10pF)は既に入手不可みたいです。
・秋月電子では代替品(白色10pF)が入手可能。
・最近よく使っているPanasonic製(ECV1ZW10X53T (10pF) は鈴商で入手可能。