・2022年3月、333ESXIIのメンテナンスを承りました。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
・SONY ES テクノロジーカタログ 1987年10月発行
・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル
■動作確認------------------------------------------------------------
・電源とアンテナを接続して動作確認。
・オート選局で受信するとー0.1MHzの周波数で名古屋地区のFM局を受信。
・ズレた周波数でシグナルインジケーターフル点灯、STEREOランプ点灯。
・MUTING機能OK、IF BAND切換OK。REC CALトーンOK、メモリ登録動作OK。
・添付されていたAMループアンテナでAM放送の受信確認。
・純正アンテナとは異なるようですが、AM受信は問題なし。
・問題点はFM同調点のズレですね。
■調整記録------------------------------------------------------------
【FM同調点調整】
・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ
【VT電圧調整】
・IC803-5pin電圧測定
・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.5V
・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測 8.2V
【SST回路調整】
・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V 実測1.0mV
・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測14.0V
【トラッキング調整】
・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
・76MHz L101,L102,L103
・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
・TP201をGNDに落とす
・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測-45mV
・CT201調整 歪最小
★CT201を回すと激しいノイズが発生する
★ノイズが収まるまでに数秒の時間を要する
【IF歪調整】
・Wide受信、MUTINGオフ
・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
・SSG出力20dBモノラル信号送信
・IFT201調整 電圧最大へ
・IFT101調整 電圧最大へ
・SSG出力80dBにセット
・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
・IFT202調整 電圧計最大へ
・SSG出力80dBステレオ信号送信
・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯
【パイロットキャンセル】
・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
★L301に軽く触れるだけで激しいノイズが発生する
【セパレーション調整】
・RT301 R→L ※調整後実測62dB
・RT302 L→R ※調整後実測60dB
【Sメーター調整】
・RT204
【MUTINGレベル調整】
・RT205
【CAL TONE】
・Peak Level-3.9dB ※343Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
・RT401 Sメーター調整
・RT402 AUTOSTOP調整
■修理記録:上記調整過程で気になった箇所-----------------------------
★CT201を回すと激しいノイズが発生する
→ 繰り返しグリグリ回してもノイズは解消しない
→ 新しいトリマコンデンサ(20pF)に交換しました
→ パーツリストを見ても容量不明ですが 20pF で良さそうです
★L301に軽く触れるだけで激しいノイズ発生
→ L301近くのアースバーに見事なハンダクラック発見
→ ハンダの盛り直し、他箇所も同様に処置しました
■試聴---------------------------------------------------------------
・上記修理作業後にもう一度調整作業をやり直しました。
・FM/AMとも気持ちよく受信できています。