・2021年12月、KT-7020の部品取り用の故障機をいただきました。
・以下、部品取り前の整備記録です。
■製品情報----------------------------------------------------------
・Hifi Engine KENWOOD KT-7020 AM/FM Stereo Tuner (1989-92)
■動作確認----------------------------------------------------------
・縦置きされていたのか? 右側面が傷だらけ。
・でもフロントパネルはまずまずのコンディション。
・FMアンテナとAMループアンテナを接続して電源オン。
・周波数表示部が明るく点灯。輝度劣化や文字欠けはない。
・ただ選局ツマミの回転フィーリングがちょっと重い
・周波数ズレなし。RF切替(DISTANCE/LOCAL)OK、IF切換(WIDE/NARROW)OK。
・TメーターとSメーターを表す表示もOK、STEREOランプ点灯。
・DEVIATIONバー点灯OK、REC CALトーンOK。
・TV受信機能は確認不能。
・FM/AMとも受信機能は生きていました。
■内部確認-----------------------------------------------------------
・過去記録にもある通り、KT-7020とKT-V990の内部構成はほとんど同じ。
・特に不良個所は見当たりません。
■調整記録------------------------------------------------------------
【本体設定】
・IF BAND:WIDE
・RF SELECTOR:DISTANCE
【VT電圧】
・TP3~TP4 DC電圧計セット
・アンテナ入力なし
・76MHz → L14調整 → 実測 3.1V
・90MHz → TC1調整 → 実測25.1V
【検波調整】
・TP5~TP6 DC電圧計セット
・83MHz(無変調)受信 → L9調整 → 0.0V
・TP7~TP8 DC電圧計セット
・83MHz(無変調)受信 → L12調整 → 0.0V
【RF調整】
・D40 アノード側 DC電圧計セット(Sメーター電圧)
・83MHz → L1,L4,L7,L10,L17調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
・83MHz(19kHz信号,20dB)→ VR1調整 → STEREOインジケータ点灯
【MPX VCO調整】
・TP19~20 周波数カウンタ接続
・83MHz(無変調) → VR3調整 → 19.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
・音声出力をWavespectraで観察
・83MHz(SUB信号)→ L33調整 → Lch最大
【歪調整 DET】
・83MHz(MONO信号)→ VR3調整 → 歪率最小
【歪調整 MONO】
・83MHz(MONO信号)→ VR4調整 → 歪率最小
・83MHz(MONO信号)→ VR6調整 → 歪率最小
【歪調整 ST-L】
・83MHz(L信号)→ VR5(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整 STEREO】
・83MHz(SUB信号)→ VR7調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整】
・83MHz(R信号)→ VR4調整 → L信号もれ最小
・83MHz(L信号)→ VR5調整 → R信号もれ最小
【AM VT電圧調整】
・TP3~TP4 DC電圧計セット
・ 531kHz → L26調整 → 実測 1.5V
・1602kHz → TC2調整 → 実測 8.5V
【AM RF調整】
・ 600kHz → L27調整 → Sメーター最大
・1400kHz → TC3調整 → Sメーター最大
■試聴----------------------------------------------------------------
・調整によって特に受信感度が大幅に向上しました。
・高調波歪補正、セパレーション特性も大きく改善しました。
・本機の検波回路基板は KT-1100DやD-3300Tと同じです。
・貴重な部品取り機として活用させていただきます。