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SONY ST-S333ESJ 修理調整記録2

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 ・2022年2月、STEREOインジケータが点灯しないというESJが届きました。
 ・以下、作業記録です。

St333esj04

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESJ ¥55,000(1993年発売)
 ・Hifi Engine Sony ST-S707ES ? AM/FM Stereo Tuner (1993-94) ?

St333esj02 St333esj12

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・まず驚いたのは外観の美しさ、こんなにキレイな個体は珍しい、、
 ・フロントパネルはピカピカ、サイドウッドはツルツル光沢があります。
 ・さて、FMアンテナを接続して名古屋地区のFM放送を受信テスト開始。
 ・残念ながらオート選局ではすべてのFM局を素通りして受信不可。
 ・マニュアル選局を試してみると-0.1MHzの周波数で受信可能
 ・ズレた周波数でSTEREOインジケーター点灯
 ・IF BAND切換OK、REC CALトーンOK
 ・手持ちの適当なAMループアンテナを接続してAM放送の受信も確認。
 ・名古屋地区のAM局を受信できました。
 ・原因はFM受信の調整ズレのようです。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディを開けると、外観の美しさに反して部品が見えないほど大量のホコリが堆積!
 ・掃除機でホコリを吸ってからベランダに持ち出しエアダスターとブラシで大掃除。
 ・ペンキを塗る「刷毛」を基板清掃用のブラシとして使っています。
 ・大小の刷毛を使い分けると抵抗やコンデンサーの隙間も掃除できて便利です。
 ・タバコのヤニ汚れが無ければこれで十分綺麗になります。
 ・さて基板清掃が済んだところで内部確認
 ・IFT251 をちょっと回してみると周波数ズレが修正できました。

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■修理記録:ハンダクラック--------------------------------------------

 ・受信テストしながら気が付いたのがアンテナ端子の接触不良。
 ・FMアンテナA端子が不安定です。
 ・点検口を開け、背面パネルを外してハンダ面を確認。
 ・アンテナ端子の基板面に見事なハンダ割れがありました。
 ・これを補修し、さらに音声出力端子とアースバーにハンダを盛り増し。
 ・これで良さそうです。

St333esj25 St333esj26 St333esj27 St333esj28 St333esj29

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・IC251(LA1235)7pin~10pin間電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測-0.92v
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内JW8 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測20.4V
 ・76MHz → 確認のみ → 8.0V±1.0V ※調整前実測 7.1V
【トラッキング調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103 → 電圧最大
 ★CT102,CT103の反応が過敏で最大値が決まらない
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・TP201を短絡 ※これによってIF回路をバイパス
 ・TP271 電圧計セット
 ・IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測+0.72vV
 ・CT271調整 → 歪最小 ※WaveSpectraにて波形確認
 ・TP201を開放
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力40dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 → 電圧最大
 ・SSG出力40dBステレオ信号送信
  ・IFT202調整 → 電圧最大
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
 ・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
 ・SSG出力80dBモノラル信号送信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・SSG83MHz 出力20dB
 ・RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
 ・IF BAND = WIDE
  ・MUTING = ON
  ・SSG83MHz 出力25dB
  ・RV252調整 → MUTING調整
 ・IF BAND = NARROW
  ・RV203調整 → MUTING調整
【Sメーター調整】
 ・RV241調整
【パイロットキャンセル】
 ・RV303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RV301 R→L ※調整後実測64dB
 ・RV302 L→R ※調整後実測68dB
【CAL TONE】
 ・Peak Level-5.5dB 383Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RV401 Sメーター調整
 ・RV402 AUTOSTOP調整

St333esj00

■修理記録:トリマコンデンサ交換--------------------------------------

 ・受信中にシグナルインジケーターの点灯具合が微妙に変動する
 ・さらにボディが温まってくると受信レベルが低下するようです。
 ・調整時に気になったフロントエンドのトリマコンデンサを3個とも交換しました。
 ・ CT101,CT102,CT103(10pF)→ Panasonic製 10PF
 ・交換後の調整で電圧最大値がビシッと決まりました。
 ・受信中に微妙に変動する現象はなくなりました。

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・安定してFM放送を受信できるようになりました。
 ・再調整によって歪率、セパレーションとも大幅に改善しました。
 ・これでまたFM放送を楽しめると思います。

St333esj03


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