・2021年12月、T-2の故障機が届きました。
・STEREOランプが点灯するのにステレオ感がないそうです。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオ懐古録 YAMAHA T-2 \130,000
・オーディオの足跡 YAMAHA T-2 \130,000(1978年頃)
・Hifi Engine YAMAHA T-2 / Analogue FM Stereo Tuner (1978-83)
■動作確認------------------------------------------------------------
・FMアンテナを接続して電源オン
・おや? 周波数窓と二つのメーターが青白く浮かび上がる。
・本来は電球色のはずですが? もしかしてLED化されているかも?
・さて、名古屋地区のFM局で受信テスト開始。
・Tメーター中点とデジタル表示の周波数が一致、STEREOランプ点灯。
・Sメーター最大点とTメーター中点が僅かにズレるが受信OK。
・フロントパネルに並んだ各種切り換えスイッチの動作テスト。
・MUTING動作OK、REC CALトーンOK
・続いて標準信号発生器から基準信号を送って動作確認。
・STEREO受信できているがセパレーションは20dB程度と低い。
・BLENDスイッチ(AUTO-OFF)を切り換えてもセパレーション値に変化なし。
■内部確認------------------------------------------------------------
・まず気になった照明電球周りを確認。
・オリジナルは14.5v/80mAの麦球で緑色キャップを被せているはず。
・確認したところ、やはりすべてLEDに交換されていました。
・ただ青色LEDかと思ったら、意外に白色LEDでした。
・白色LEDにオリジナルの緑色キャップを被せています。
・周波数窓とメーターが青く見えるのは緑色キャップの効果のようです。
・14.5vの麦球は手持ちがないのでこのままにしておきます。
・青色照明も気品があって良い感じです。
■修理記録:BLENDスイッチが反応しない---------------------------------
・BLENDスイッチ(AUTO-OFF)による切り換えが反応しない?
・セパレーション値が低いのはBLENDスイッチが常時オンの状態でした。
・T-2回路図を見ながらBLEND切換回路を考察。
・TR35(2SA733),TR368(2SC1918),TR37(2SA733),TR38(2SK30A)
・このうちTR38(2SK30A)の足が真っ黒に変色していることを確認。
・試しに硬めの歯ブラシで足を軽く磨いたところ、、、
・突然セパレーション値が40dB程度まで改善しました。
・原因はTR38(2SK30A)の劣化ですね。
・この後、TR38(2SK30A)を新品交換しました。
■修理記録:メーター指針再塗装----------------------------------------
・二つのメーター指針の塗装がボロボロでした。
・これはT-1やT-2で定番の劣化現象です。、
・メーターを分解して指針を再塗装しました。
・ボロボロ塗料片はカッターナイフの先端で軽く触れるだけで剥がれます。
・作業は慎重に! 誤って針を曲げたら、、一巻の終わりです。
■調整記録------------------------------------------------------------
【機能設定】
・フロントパネルスイッチ設定
・RF MODE=HI SENSITIVITY
・IF MODE=LOCAL
・AUTO BLEND=OFF
【同調点調整】
・SSGより10.7MHz注入 → T201上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
・指針を83MHzにセット
・83MHz 変調オフ 70dB → フロントエンド OSCトリマ調整
【トラッキング調整】
・76MHz mono 1kHz 50dB → RFコイル調整 → Sメーター最大
・90MHz mono 1kHz 50dB → RFトリマ調整 → Sメーター最大
【検波歪調整】
・音声出力端子 → WaveSpectra
・83MHz mono 1kHz 60dB → T201下段コア調整 → 歪み最小
・83MHz mono 1kHz 60dB → VR203調整 → 歪み最小
【VCO調整】
・TP 19kHz に周波数カウンタ接続
・83MHz 無変調 60dB → VR204調整 → 19kHz±20Hz
【PLL調整】
・音声出力端子 → WaveSpectra
・83MHz stereo 1kHz L-R 60dB → T202調整 → Lch音声レベル最大
【ステレオ歪調整1】
・IF MODE=LOCAL
・音声出力端子 → WaveSpectra
・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR201,CF201調整 → 歪み最小
・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR202,CF204調整 → 歪み最小
【ステレオ歪調整2】
・IF MODE=DX
・音声出力端子 → WaveSpectra
・83MHz stereo 1kHz 60dB → CF202,CF203調整 → Sメーター最大、歪み最小
【パイロットキャンセル歪調整】
・音声出力端子 → WaveSpectra
・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR205,T203調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整】
・音声出力端子 → WaveSpectra
・83MHz stereo 1kHz 60dB → 別基板VR402調整 → セパレーション調整
・83MHz stereo 1kHz 60dB → 別基板VR401調整 → 左右同レベル
【Sメーター調整】
・83MHz 無変調 80dB → VR206調整 → Sメーター振れ調整
【REC CAL調整】
・REC CALスイッチオン → Tメーターが中点を示すことを確認
■試聴----------------------------------------------------------------
・周波数窓とメーター窓が青色に浮かび上がります。
・これはこれで気品があってイイ感じです。