・2021年10月、近所のリサイクルショップでジャンク機を入手しました。
・調整手順を再確認することが目的です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 ONKYO Integra T-417 ¥65,000(1979年発売)
・オーディオ懐古録 ONKYO Integra T-417 Quartz Locked FM Stereo Tuner ¥65,000
・FM専用7連バリコン搭載、クォーツロック方式、3連メーター、なかなかマニアックな機種です。
■動作確認------------------------------------------------------------
・ボディに多少の擦り傷があるものの、フロントパネルはまずまずの状態。
・電源オン、周波数スケールの照明点灯。
・指針の移動に伴って「バリバリ」という激しいノイズ発生
・このノイズと連騰してSメーターとTメーターが左右に不規則に振れる
・メーターの振れ具合が安定しないので同調点が分からない
・Sメーター最大点とTメーター中点が一致しない
・これはFM同調点など調整ポイントが大幅にズレている予感、、
・前回1号機とほとんど同じ不具合症状です。
■修理記録:指針移動に伴うバリバリノイズ------------------------------
・この現象はバリコン軸のグリス劣化が原因です。
・バリコン回転軸とシャーシの軸受け部の固化したグリスを爪楊枝の先端で清掃
・固化したグリスを除去後、コンタクトグリスを薄く塗布して完了。
・76~90MHz区間を何度も往復させてグリスを馴染ませる。
・これで指針移動に伴う不快なノイズは解消しました。
■修理記録:周波数指針再塗装------------------------------------------
・フロントパネルを分解して周波数窓の内側を磨きました。
・ついでに周波数指針を再塗装、蛍光オレンジでタッチアップ。
・見映えがグッと良くなりました。
■調整手順見直し------------------------------------------------------
・前回1号機を調整したときはR154とR177の調整方法が曖昧でした。
・そこで今回は以下の記述内容と配線面を見ながら試行錯誤で調整法を見直しました。
・以下、オーディオ回顧録様 からの引用です
~T-417のIF部では検波器出力のS/Nを検出し、電波事情に応じて自動的に切換わる帯域幅自動2段切換回路を搭載していました。S/Nの高い局ではWIDEポジションとなり、群遅延時間±0.2us(Fo±110kHz)以内という広帯域にわたってフラットな特性の4素子リニアフェーズフィルターが動作、さらに正確な逆特性の位相等化フィルターの採用と相まって、きわめてフラットな特性により低歪み(0.05%/400Hz)が実現されていました。S/Nの低い局では自動的にNARROWポジションとなり、8素子リニアフェーズフィルターがさらに加わることにより、85dB(400kHz離調)という高選択度が実現されていました。~
・帯域幅自動2段切換回路(AUTO SELECTIVITY)WIDE/NARROW自動切換
・電波が弱い状態(30dB=低S/N状態)でWIDE/NARROW切換ポイントを設定する
・これに合わせてミューティング作動ポイントも設定する
・サービスマニュアルが無いのでこれが正しい方法かどうかは分かりません?
■調整記録------------------------------------------------------------
【クリスタルロック基板調整】
・MUTING OFF、タッチセンサー OFF
・クリスタルロック基板 X~S → DC電圧計セット
・SSG 10.7MHz 90dB 無変調 → メイン基板 R101 に注入
・L751調整 → 電圧ゼロ
・R715調整 → Tメーター中点調整
【OSC調整】
・SSG76MHz → L008調整 → Sメーター最大
・SSG90MHz → TC007調整 → Sメーター最大
【RF調整】
・SSG76MHz → L001~L006調整 → Sメーター最大
・SSG90MHz → TC001~TC006調整 → Sメーター最大
・SSG83MHz → L007調整 → Sメーター最大
【IF調整】
・SSG83MHz → L101,L102調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整】
・R125両端 DC電圧計セット
・SSG83MHz → L106(左側)調整 → 電圧ゼロ
・SSG83MHz → L106(右側)調整 → 高調波歪最小【IFレベル調整】
・SELECTIVITY 反応レベルの調整か?
・S/N比が悪化したときにNarrowに切り換えるレベルを調整するみたいです??
・R177調整
・調整方法が分かりません。とりあえず最大位置に設定 → 常時 Wide受信状態
【ミューティング調整】
・SSG83MHz 1kHz 20dB → R154調整 → ミューティング作動位置へ
【IFレベル、MUTING調整】
・NOISE DEDUCTION OFF
・SSG 83MHz,30dB(弱い電波を受信することで低S/N比状態を想定)
・SELECTIVITYスイッチ → AUTO
・R154調整 → IF BAND WIDE点灯位置に
・SELECTIVITYスイッチ → NARROW
・R177調整 → MUTING作動位置に
【VCO調整】
・TP-2 → 周波数カウンタ接続
・SSG83MHz無変調 → R213調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
・音声出力をWaveSpectraで観測
・SSG83MHz 1kHz ST信号 → R223調整 → 19kHz信号最小
【セパレーション調整】
・音声出力をWaveSpectraで観測
・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → R240調整 → 漏れ信号最小
【DEVIATION調整】
・SSG83MHz 1kHz 100%変調 → R804調整 → DEVメーター指針100%
【REC CAL調整】
・固定音声出力をWaveSpectraで観測
・SSG83MHz 1kHz ST信号 → 音声レベル記録
・REC CAL オン → R858調整 → 基準音-6dB
■試聴----------------------------------------------------------------
・NOISE REDUCTION 切換スイッチ → 常時OFF推奨
・良い音で受信できています。