・2021年10月初め、ブラックモデルのST-S5ESが届きました。
・今となっては貴重なAM-STEREO対応機です。
・以下、作業記録です。
■製品情報-------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SONY ST-SA5ES ¥55,000(1995年発売)
■動作確認-------------------------------------------------------------
・外観はとても綺麗、、というか、まるで新品みたい!
・フロントパネル、ボディ、背面端子までツルピカ光沢があります。
・ブラックフェイスは精悍な印象です。
・使用感を感じないとても綺麗な個体です。
・保管状態がとても良かったのですね。
・さて、おもむろに電源オン、アンテナA端子で名古屋地区のFM局を受信。
・オート選局で主な放送局を受信しました。
・STEREOランプ点灯、実際のステレオ感もあり。
・RF切換、IF BAND切換、REC CALトーン OK。
・PURE CIRCUITインジケーターは点灯するがレベルがちょっと弱い?
・微弱電波の放送局を受信しているような音がします。
・付属のAMループアンテナで名古屋地区のAM局を受信。
・CBCラジオ(1053kHz)を受信すると、あれ??STEREOが点灯しない??
■2021年1月11日、CBCラジオ AMステレオ終了 ---------------------------
・AM STEREOインジケーターが点灯しない??
・最初はAM回路の故障かと思いましたが、調べてみると、、
・2021年1月11日をもってCBCラジオのAMステレオ放送は終了していました。
・いつもはAM放送は聞かないので、この件は全く知りませんでした。
・CBCラジオの撤退であとAMステレオ放送を続けているのは全国で3局のみとか、、
・ニッポン放送、ラジオ大阪、和歌山放送
・残った局も次の放送設備更新時に順次消えてゆくのでしょうね。
・もうAMステレオインジケーターが点灯することはないのか、、
・そう思うとちょっぴり寂しい気分、、(どうせ聞かないくせに、、)
■内部確認------------------------------------------------------------
・外観と同様に内部もとてもきれいな状態、金属部品が輝いています。
■調整記録-------------------------------------------------------------
【FM同調点調整】
・IF BAND = WIDE
・IC251(LA1235)7pin~10pin間電圧計セット
・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測-310mV
【VT電圧調整】
・フロントエンド内JW8 電圧計セット
・アンテナ入力なし
・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測21.3V
・76MHz → 確認のみ → 8.0V±1.0V ※調整前実測 7.5V
【トラッキング調整】
・IF BAND = NARROW
・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
・76MHz受信 → L101,L102,L103 → 電圧最大
【PLL検波調整】
・IF BAND = WIDE
・TP201を短絡 ※これによってIF回路をバイパス
・TP271 電圧計セット
・IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測-336mV
・CT271調整 → 歪最小 ※WaveSpectraにて波形確認
・TP201を開放
【Narrow Gain調整】
・IF BAND = WIDE
・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
・83MHz,60dB受信 → 電圧記録
・IF BAND = NARROW
・83MHz,60dB受信 → RV203調整 → 同じ電圧に
【IF歪調整】
・IF BAND = WIDE
・MUTING = OFF
・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
・SSG出力40dBモノラル信号送信
・IFT201調整 → 電圧最大
・SSG出力40dBステレオ信号送信
・IFT202調整 → 電圧最大
・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
・SSG出力80dBモノラル信号送信
・IFT203調整 → 歪最小へ
・SSG出力80dBステレオ信号送信
・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
・IF BAND = WIDE
・MUTING = OFF
・SSG83MHz 出力20dB
・RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
・IF BAND = WIDE
・MUTING = ON
・SSG83MHz 出力25dB
・RV252調整 → MUTING調整
・IF BAND = NARROW
・RV203調整 → MUTING調整
【Sメーター調整】
・RV241調整 ★最大位置でも点灯レベルが低め?
【パイロットキャンセル】
・RV303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
・RV301 R→L ※調整後実測56dB
・RV302 L→R ※調整後実測58dB
【CAL TONE】
・Peak Level-4.5dB 440Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
・RV401 Sメーター調整
・RV402 AUTOSTOP調整
■修理記録:FMシグナルレベルが低い-------------------------------------
・上記受信調整によって受信感度は向上しました、、でもちょっと物足りない?
・試しにフロントエンドのRFアンプとミキサーを新品交換してみました。
・Q101/2SK241/RF AMP
・Q102/3SK122/FM MIX
・LA1235-13pin で測定するSメーター電圧が少し上昇しました。
・でも劇的は変化はなかったです。交換後の状態にしておきます。
■試聴-----------------------------------------------------------------
・中身はST-S333ESJと同じ、でも外観の印象がかなり違います。
・シャンパンゴールド仕様とブラック仕様、この選択は迷いますね。