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YAMAHA TX-2000 修理調整記録5

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 ・2021年8月、TX-2000の故障品が届きました。
 ・受信感度が大幅に落ちているそうです。
 ・以下、作業記録です。


Tx200004_20211017130401

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA TX-2000 ¥100,000(1988年発売)
 ・Hifi Engine YAMAHA TX-2000 AM/FM Stereo Tuner (1988-92)

Tx200002_20211017130501Tx200007_20211017130501

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・本体に目立つキズなし。サイドウッドも綺麗な状態。
 ・電源オン。オレンジ色の表示点灯。輝度劣化もなく眩しいほど輝いている。
 ・FMアンテナ端子はF型A/B 2系統。同軸ケーブルを接続して受信確認。
 ・オート選局、マニュアル選局で名古屋地区のFM局を正常に受信OK。
 ・上り方向、下り方向ともに周波ズレなし。
 ・ただ、シグナルインジケーターの点灯具合がかなり低い。
 ・電波強度75~80dBに対してインジケーターは目盛り30程度までしか点灯しない。
 ・AMは手持ちの適当なループアンテナを接続して受信確認。
 ・名古屋地区のAM放送局をオート選局で正常に受信OK。
 ・AMではシグナルインジケーターが最大まで点灯する。
 ・FMの受信感度が低下しているのか??

■調整記録------------------------------------------------------------

Tx200020_20211017131101Tx200021_20211017131001Tx200022_20211017131001Tx200023_20211017131001Tx200024_20211017131001
Tx200025_20211017131001Tx200026_20211017131001Tx200027_20211017131001Tx200028_20211017131001Tx200029_20211017131001

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・海外版サービスマニュアルを一部アレンジ。
【本体設定】
 ・電源投入から5分以上経過していること
 ・OSCコイル、IFTの調整には金属製ドライバーは使用しないこと
 ・まずFMセクションを調整し、次にAMセクションを調整すること
 ・MODE:AUTO ST
 ・BLEND:OFF
 ・IF MODE:NARROW
 ・RF ATT:OFF
 ・FINE TUNING ON → すなわちCSL停止状態
 ・オーディオ出力をWaveSpectra接続
【電圧確認】
 ・+30 → +29V±1V → ※実測+28.6V
 ・+12 → +12.5V±0.5V → ※実測+12.0V
 ・-12 → -12.5V±0.5V → ※実測-11.9V
 ・+ 6 → + 6V±0.5V ※実測+6.0V
【VT電圧確認】
 ・L17の足に DC電圧計接続
 ・受信周波数 90MHz → T8調整 → 24.9V
 ・受信周波数 76MHz → 7.3V ※確認のみ
【レシオ検波調整】
 ・基板上のFM S端子~GND間にDC電圧計セット
 ・83.00MHz受信 → T7調整 → 電圧ゼロ
【FMフロントエンド調整】
 ・VR10の足 DC電圧計セット
 ・76.00MHz受信 → T1,T2,T3,T4調整 → 電圧最大
 ・90.00MHz受信 → VC1,VC2,VC3,VC4調整 → 電圧最大
【モノラル歪調整】
 ・固定出力端子をWaveSpectra接続
 ・83.00MHz(mono)受信 → VC5,VR9調整 → 高調波歪最小
【PLL入力位相調整】
 ・83.00MHz(SUB)受信 → T10,T12調整 → Lch出力最大
【ステレオ歪調整】
 ・IF MODE:Narrow
 ・83.00MHz(stereo) → VR3,4,5,6調整 → 高調波歪最小
【ステレオ歪調整】
 ・IF MODE:Wide
 ・83.00MHz(stereo) → T5,6,13,VR1,2,7,8調整 → 高調波歪最小
【セパレーション調整】
 ・IF MODE:Wide
 ・83.00MHz(stereo) → VR13調整 → L→R漏れ信号最小
 ・83.00MHz(stereo) → VR14調整 → R→L漏れ信号最小
【セパレーション調整】
 ・IF MODE:Narrow
 ・83.00MHz(stereo) → VR11調整 → L→R漏れ信号最小
 ・83.00MHz(stereo) → VR12調整 → R→L漏れ信号最小
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・IF MODE:Wide
 ・83.00MHz(stereo) → VR15,T11調整 → 19kHz成分最小
 ・左右chのバランスに注意
【シグナルインジケーター調整】
 ・IF MODE:Wide
 ・83.00MHz(stereo)80dB → VR10調整 → シグナルインジケーター全点灯
 ★VR10を全開にしてもシグナルメーターが40%程度しか点灯しない
 ★本来なら全点灯するはず?
【ブレンドチェック】
 ・受信中にBLENDスイッチON
 ・セパレーション値が左右とも悪化することを確認
【IF オフセット調整】
 ・FINE TUNING OFF → すなわちCSL受信状態
 ・D4~K3を短絡
 ・83.00MHzの表示が「30.0」という表示に変わる。
 ・VR17調整 → 周波数表示を微調整
 ・調整後はD4~K3を開放
 ※D4~K3を短絡すると登録したメモリー内容がリセットされる
AM部
【VT電圧確認】
 ・ 522kHz受信 → L17電圧=3.3V ※確認のみ
 ・1620kHz受信 → L17電圧=24.0V ※確認のみ
【RF、IF調整】
 ・1053kHz受信(名古屋CBCラジオ)→ PK1調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz受信(名古屋CBCラジオ)→ T9調整 → Sメーター最大

★シグナルインジケーターの点灯具合以外は正常に調整できました。

Tx200000_20211017130401

■修理記録:フロントエンド Q1、Q2交換------------------------------------

 ・VR10全開状態でシグナルインジケーター点灯レベルテスト
  ・SSG 60dB → 20%
  ・SSG 80dB → 50%
  ・SSG100dB → 80%
 ・回路図を見ながら考察タイム
 ・フロントエンド → LA1266 → シグナルインジケーター駆動電圧 → LA1266-16ピン
  ・原因予想1:フロントエンドRFアンプQ1,Q2で十分に増幅できていない
  ・原因予想2:LA1266内蔵のIFアンプで増幅できていない
 ・まずは原因1の確認から。
  ・Q1,Q2に型番印字は無いがサービスマニュアルのパーツリストで確認 → 3SK101
  ・Q1,Q2(3SK101) → 手持ちの同等品 3SK74 交換
  ・結果は、、当たり!!
  ・シグナルインジケーターがフル点灯しVR10による点灯具合調整が可能になりました。

Tx200041Tx200042Tx200044Tx200045Tx200046
Tx200055

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・再度すべての調整項目をやり直して作業完了しました。
 ・こちらでのランニングテストで特に問題ありません。
 ・それにしてもYAMAHAデザインはとにかくカッコいいですね。

Tx200003_20211017130401

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