・2021年4月、α707シリーズ最終型「R」を見る機会をいただきました。
・中身は、、やはり同じでした。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SANSUI TU-α707R ¥53,800(1991年頃)
・Hifi engine SANSUI TU-X711 Digital Synthesizer Tuner (1989-90)
【国内機】
※TU-α707 ¥59,800(1986年頃)
※TU-α707i ¥59,800(1987年頃)
※TU-α707EXTRA ¥54,700(1989年頃)
※TU-α707R ¥53,800(1991年頃)
【輸出機】
※TU-X701:TU-α707/707i
※TU-X711:TU-α707EXTRA/TU-α707R
■動作確認-------------------------------------------------------------
・電源コードの印字「1991」
・ボディに目立つキズはなくフロントパネルは状態が良い。
・フロントパネル両サイドの飾り部品は無い。
・電源オン、周波数など表示部点灯。文字痩せは無さそう。
・オート受信で名古屋地区のFM放送局を受信できました。
・シグナルメーターフル点灯、STEREOランプ点灯。
・IF BAND切換OK、RF切換OK、MUTING動作OK。REC CALトーンOK。
・手持ちのAMループアンテナで名古屋地区のAM放送も受信OK
・基本動作は問題なさそうです。
■内部確認-------------------------------------------------------------
・TU-α707(1986)→ TU-α707i(1987)→ TU-α707EXTRA(1989)→ TU-α707R(1991)
・電源コードの印字「1991」
・TU-α707i、TU-α707EXTRA、TU-α707、TU-α707R の中身は同じでした。
・ボディサイドの飾り部品、サンスイロゴが違うだけです。
・SLDD - (Super Linear Digital Decorder)
・つまり初代α707にして既に【PLL検波 + LA3450】の完成形になっていた訳です。
・当時定価5万円前後で買える機種としては最高スペックだったと思います。
■調整記録--------------------------------------------------------------
・FM MODE → MONO
・IF BAND → WIDE
【基準周波数調整】
・IC1(LC7217)-1ピン~GND → 周波数カウンタ接続
・TC1調整 → 7.200000MHz±100Hz
【FM同調点調整】QD検波
・TP1~TP2 → 電圧計セット
・83MHz受信 → T4調整 → 0V±10mV
【FM VT電圧調整】
・JW3~GND → 電圧計セット
・90MHz(電波無し)→ 22.9V ※確認のみ
・76MHz(電波無し)→ 3.2V ※確認のみ
※OSCコイルは調整が難しいのでノータッチ
【FM RF調整】
・IC3(LA1235)-13ピン、またはVR5端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
・83MHz受信 フロントエンド内RFコイル調整 → 電圧最大
※RFコイルの調整は難しいのでノータッチ
【WIDE/NARROW GAIN調整】
・IC3(LA1235)-13ピン、またはVR5端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
・VR2,VR3 → 時計回り一杯に回す
・IF BAND → NARROW
・83MHz,30dB受信 → T2調整 → 電圧最大(電圧を記録)
・IF BAND → WIDE
・83MHz,30dB受信 → T1調整 → NARROW時と同じ電圧に
【PLL検波調整】
・TP3~TP4 → 電圧計セット
・電波入力なし → T5 調整 → 0V
・電波入力なし → TC1調整 → 0V ※微調整
・音声出力端子 → WaveSpectra接続
・83MHz,30dB受信 → T6調整 → 0V
・83MHz,70dB受信 → VR6調整 → 高調波歪最小
【Sメーター調整】
・83MHz,15dB受信 → VR5調整 → インジケーター最下段点灯位置へ
【REC LEVEL調整】
・83MHz,60dB受信 → VR9調整 → 信号レベル-6dBに設定
【PILOT CANCEL調整】
・音声出力端子 → WaveSpectra接続
・83MHz,60dB,ST受信 → T8,VR10調整 → 19kHz成分最小
【WIDE セパレーション調整】
・音声出力端子 → WaveSpectra接続
・83MHz,60dB,Lch受信 → VR7L調整 → Rch漏れ信号最小
・83MHz,60dB,Rch受信 → VR7R調整 → Lch漏れ信号最小
【NARROW セパレーション調整】
・音声出力端子 → WaveSpectra接続
・83MHz,60dB,L/R受信 → VR8調整 → 反対ch漏れ信号最小
【AUTO STOPレベル調整】
・83MHz,30dB,ST受信 → VR1調整 → オートサーチ選局で停止する位置
【MUTING レベル調整】
・83MHz,20dB,ST受信 → VR4調整 → STEREOインジケーター点灯、音声が出る位置
【AM VT電圧調整】
・R1~GND → 電圧計セット
・ 531kHz(電波無し)→ T1調整 → 1.5V±10mV
・1629kHz(電波無し)→ TC1調整 → 20V±10mV
【AM RF調整】
・ 603kHz受信 → T3 調整 → Sメーター最大
・1404kHz受信 → TC2調整 → Sメーター最大
【AM Sメーター調整】
・VR1
【AM AUTO STOP調整】
・VR2
■試聴------------------------------------------------------------------
・故障箇所は無く再調整だけで復活しました。
・オーディオ全盛期、当時はサンスイ製チューナーに全く興味は無かったですが、
・α707シリーズはどれもお勧め機種です。