・2020年12月、懲りもせず故障品を入手しました。
・外観はとても綺麗、でも受信不可だそうです。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオ懐古録 SONY ST-JX8
・オーディオの足跡 SONY ST-JX8 ¥70,000(1981年発売)
・取扱説明書 日本語版、PDF形式
■動作確認------------------------------------------------------------
・フロントパネル、ボディとも外観に目立つキズは無くとても綺麗。
・FMアンテナを接続して電源オン。周波数表示が明るく点灯。文字痩せなし。
・早速オート選局で名古屋地区のFM局を受信しようとしたところ、
・全局とも放送周波数を素通りして受信不可。
・手動選局を試みると、Sメーターが最低レベルで点灯して受信OK。
・かろうじて受信できる程度なのでSTEREOランプ点灯しない。
・AM放送は背面バーアンテナで受信OK。
・どこか故障個所があるのか?それとも再調整だけで復活するか?
■内部確認------------------------------------------------------------
・独立したフロントエンドユニット、レシオ検波
・LA1235:FM IF System
・uPC1223C:MPX System
・LA1245:AM Tuner System
・内部構成はST-J75とよく似た印象です。
■調整記録------------------------------------------------------------
【VT電圧確認】
・アンテナ入力なし
・TP-CV → 電圧計セット
・76MHz → L5調整 → 8.1V ※確認のみ
・90MHz → TC5調整 → 21.5V※確認のみ
【FM同調点調整】
・R228両端(IC201:LA1235横)電圧計セット
・83MHz受信 → IFT201調整 → 電圧0V±10mV ※実測-1.9V
【レシオ検波調整】
・TP-NULL~GND 電圧計セット
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz受信 → IFT202(黒:左)調整 → 電圧0V±10mV ※実測+0.8V
・83MHz受信 → IFT202(赤:右)調整 → 歪率最小
【フロントエンド調整】
・IC201:LA1235-13ピン(またはJW51)電圧計セット ※Sメーター電圧
・83MHz受信 → CT1,CT2,T101,T102調整 → 電圧最大
※L101~L105がボンドで固められているので調整不可
※83MHzでCT1,CT2を合わせる方法で調整しました
【ミューティング調整】
・83MHz 20dB受信 → RT201調整 → 受信できる位置
【Sメータレベル調整】
・83MHz 80dB受信 → RT203調整 → Sメーター全点灯位置
【VCO調整】
・TP-76K(R307左足)~GND 周波数カウンタセット
・83MHz(無変調)→ RT302調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
・音声出力 WaveSpectra接続
・83MHz(ST)→ RT301調整 → 19kHz漏れ信号最小
・83MHz(ST)→ L301調整 → 19kHz漏れ信号最小 ※左右バランス注意
【セパレーション調整】
・83MHz(ST-Lch)→ RT305調整 → Rch最小
・83MHz(ST-Rch)→ RT355調整 → Lch最小
【OUTPUTレベル調整】
・音声出力端子 TP62 AC電圧計セット
・83MHz(60dB)受信 → RT305調整 → Lch 0.775V
・音声出力端子 TP64 AC電圧計セット
・83MHz(60dB)受信 → RT306調整 → Rch 0.775V
【REC CAL調整】
・音声出力レベル測定
★REC CALオン → RT202調整 → 音声出力レベル-30dbしか出ない
【AM VT電圧調整】
・CT401 CT402
・L401 バーアンテナ
・RT401(AM SIG)電圧計セット(Sメーター電圧)
・IFT401、IFT402
・RT402(AM MUTE)
■修理記録:REC CAL RT202交換-----------------------------------------
・上記調整過程でREC CALトーンが調整不可でした。
・RT202を回してもレベルが変化しません。
・RT202(104)にテスターを当てて抵抗値を測ったところ変化しない??
・RT202自体が壊れているようです。
・ジャンク箱から同型のVRを捜して交換、これで調整できるようになりました。
■試聴----------------------------------------------------------------
・受信不可の原因は調整ズレでした。
・シンプルなフロントマスクが精悍です。
・再調整によって現状でのベスト状態になったと思います。