・2021年1月初め、L-07TIIが届きました。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 TRIO L-07TII ¥130,000(1979年頃)
・オーディオ懐古録 TRIO L-07TII FM STEREO TUNER ¥130,000(1979年頃)
・Hifi Engine Kenwood L-07T FM Stereo Tuner (1977-81) USD $625 (1979)
■動作確認------------------------------------------------------------
・天板に擦り傷があるものの割とキレイな個体です。
・電源オン、周波数窓と二つのメーター照明点灯。
・FM同軸ケーブルを接続して名古屋地区のFM局を受信すると、
・局周波数付近でSメーターが大きく振れ、Tメーターが中点を示す。
・STEREOランプ点灯。MUTING動作OK。
・WIDE/NARROW切換OK。
・マルチパスH端子の音声もOK。
・特に問題なさそうです。
■内部記録------------------------------------------------------------
・ICやトランジスタの足が真っ黒に変色しています。
・硬めの歯ブラシで磨き、足と足の間をクリーニング。
■修理記録------------------------------------------------------------
・電源トランス横の金属ボックスに収まったパルスカウント検波基板を取り出す。
・IC3(HA1457)を取り外すと真っ黒に変色。
・念のためこれを手持ちの HA1457W に交換。
■調整記録------------------------------------------------------------
・MUTING オフ
・IF BAND wide
【FM OSC調整】
・76MHz → OSCコイル調整 → Sメーター最大
・90MHz → OSCトリマ調整 → Sメーター最大
※OSC調整孔がユニット背面側にあるのでアクセスが難しい。
※背面パネルの「PASSED」シールを剥がすと丸穴がある。
※柄の長いセラミックドライバーがあれば調整可能。
【RF調整】
・76MHz → L1,L3,L4,L5,L7,L8調整 → Sメーター最大
・90MHz → TC1~TC6調整 → Sメーター最大
・83MHz → L10調整 → Sメーター最大
【Sメーター調整】
・83MHz → T3調整 → Sメーター最大
・VR1 → MAX回しきる
・83MHz,100dB → VR2調整 → Sメーター目盛10
・83MHz, 10dB → VR1調整 → Sメーター目盛 1
【Tメーター調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz → 高調波歪が最小になる位置で受信
・83MHz → T2調整 → Tメーター中点
【ノイズアンプ調整】
・Q14-G 電圧計セット
・離調時 → VR4調整 → 7.0~7.5V
・同調時 → 0V 確認のみ
【2nd IF調整】
・TP16 → 周波数カウンタ接続
・T4調整 → 1.96MHz
【MUTING調整】
・83MHz 20dB → VR3調整 → Muting作動位置
【パイロット信号キャンセル調整】
・83MHz ST変調 → VR6調整 → 19kHz漏れ信号最小
【VCO調整】
・R107左足 → 周波数カウンタ接続
・83MHz受信 無変調 → VR5調整 → 76kHz
【セパレーション調整】
・wide
・83MHz ST信号 → VR7調整 → 漏れ信号最小
・83MHz ST信号 → VR8調整 → 漏れ信号最小
・narrow
・83MHz ST信号 → VR9調整 → 漏れ信号最小
■試聴----------------------------------------------------------------
・特に故障個所は無かったです。
・再調整によって良い音を奏でるようになりました。