・2020年5月、知人からジャンク品を譲り受けました。
・目的は T-429 との違いを確かめること。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 ONKYO Integra T-429R ¥69,800 (1982年頃)
・オーディオ懐古録 ONKYO Integra T-429R SERVO LOCKED FM STEREO TUNER ¥69,000
■動作確認------------------------------------------------------------
・フロントパネルやボディに目立つキズはない。
・しかしプッシュボタンやは背面端子のサビがちょっと残念。
・外観はT-429とほぼ同じ、ただ電源ボタンの形状と材質がちょっと違う。
・さて同軸アンテナを接続して電源オン。
・周波数窓の照明点灯、3つのメーター照明点灯、指針照明点灯。
・IF切換点灯。3個のインジケーター(STEREO、TINED、LOCKED)点灯。
・インジケーター(LED)発光部の形状がT-429と微妙に違う。
・MUTING切換OK、AIR CHECK信号(REC CALトーン)OK。
・選局ツマミに手を触れるとタッチセンサーが反応する。
・選局ツマミから手を離すとTメーターが中点に引き込まれる。
・このときのTメーター中点がセンターからややズレている。
・固定出力端子OK。可変端子のLchから音が出ない。
・背面端子 T-429にあった SERVO SENSOR L/R がマルチパス端子H/Vに変わっている。
■内部確認------------------------------------------------------------
・7連バリコン搭載フロントエンド、3SK73×2
・IF BAND切換 WIDE/NARROW
・WIDE選択時のみFM SERVO(FM帰還)が作動する
・Q105/LA1235:クアドラチュア検波 → Tメーター、Sメーター駆動
・L106周辺にレシオ検波回路 → たぶん「広帯域ウルトラリニア検波器」
・「検波出力信号の一部をFMサーボ回路を通して局発へフィードバック(帰還)」
・Q105/LA1235 IF-OUT(8pin)→L106→Q511/TC4066BP→Q501/NJM4560D→R019→OSC回路
・IF BAND選択と SERVO ON/OFF に応じて回路が切り換わる。
・NARROW → LA1235によるクアドラチュア検波
・WIDE → 広帯域ウルトラリニア検波(レシオ検波)
・WIDE+SERVO → 広帯域ウルトラリニア検波(レシオ検波)+ FM帰還(SERVO)
・Q208/HA11223W:PLL-MPX IC
・HA11223W の復調信号出力は使われていない。
・「高速C-MOSスイッチングMPX」
・Q210/uPD4011BC,Q211/TC4066BP
■T-429/T-429R比較----------------------------------------------------
【正面から見て左側基板】
・429Rでは電源ICに放熱板が付いている
・MPX回路はまったく同じ
【正面から見て右側基板】
・特にフロントエンド周辺が大きく異なる
・フロントエンドの部品配置が変わっている
・BOOSTER OUT/IN スイッチの取付位置が変わっている
・「局発部に独立電源」→ 電源回路から直接供給されている
・「振動を防ぐスタビライザー」→ フロントエンド裏面に金属製補強板
・Q105:HA1137W → LA1235 変更
・Sメーター調整VR
■調整記録------------------------------------------------------------
・MUTING LOCK → OFF
【FM同調点調整】
・IF BAND NARROW
・R101手前 → 10.7MHz注入 → L103調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
・76.0MHz → L006調整 → Sメーター最大
・90.0MHz → TC007調整 → Sメーター最大
【RF調整】
・BOOSTER → IN
・IF BAND → NARROW
・76.0MHz → L001,002,003,004,008,009調整 → Sメーター最大
・90.0MHz → TC001,002,003,004,005,006調整 → Sメーター最大
・83.0MHz → L005調整 → Sメーター最大
【NARROW:クアドラチュア検波調整】
・IF BAND → NARROW
・FM SERVO → OFF
・83.0MHz → 周波数目盛り83MHz付近のSメーター最大位置で受信
・83.0MHz → L103調整 → Tメーター中点
・83.0MHz → L104調整 → 高周波歪最小
【WIDE:レシオ検波調整】
・IF BAND → WIDE
・FM SERVO → OFF
・83.0MHz → L101調整 → 高調波歪最小
・83.0MHz → L106(左右コア)調整 → 高調波歪最小
※R148(レシオ検波出力レベル)調整方法不明?とりあえず最大に設定
【WIDE:FM SERVO調整】
・IF BAND → WIDE
・FM SERVO → ON
・TP1 → 周波数カウンタ接続 → R109調整 → 8.3MHz 粗調整
・TP1 → 周波数カウンタ接続 → L012調整 → 8.3MHz 微調整
※この時TP2=10.15v、TP3=10.700MHz
【AFC(Tメーター中点)調整】
・83.0MHz受信 → R146調整 → 引き込まれたTメーター指針を中点に
【Sメーター調整】
・83MHz → R157調整 → Sメーター振れ調整
【VCO調整】
・TP201 → 周波数カウンタ接続
・83.0MHz 無変調 → R246調整 → 76.0kHz
【パイロットキャンセル】
・固定出力端子 → WaveSpectra接続
・83.0MHz,ST → L201,R274調整 → 19kHz信号最小
・左右chのバランスに注意
【セパレーション調整】
・固定出力端子 → WaveSpectra接続
・83.0MHz,ST → R212 → Lch漏れ信号最小
・83.0MHz,ST → R213 → Rch漏れ信号最小
【変調度調整】
・83.0MHz,ST → R275 → DIVIATIONメーター 100%
【REC CAL】
・83.0MHz,ST → 固定出力レベル記録
・AIR CHECK → ON → -6dB ※465Hz
■試聴----------------------------------------------------------------
・照明に映える周波数窓とメーター、インジケーターが美しい。
・ウットリ感満載でずっと眺めていられます。
・T-429で確認したNHK-FMのノイズですが、やはりT-429Rでも発生しました。
・MPX回路が全く同じなので当然と言えば当然のですが、、
・ただ、NHK-FMでも全くノイズを感じないときもあります。
・時間帯によるのか?番組によるのか?よく分からない状況です?