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PIONEER F-120 修理調整記録3

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 ・2020年5月、F-120の修理調整を承りました。
 ・不定期にノイズが出るそうです。
 ・以下、作業記録です。

F12007_20200607143001

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 PIONEER F-120 ¥45,000(1982年発売)
 ・Hifi Engine PIONEER F-90 Digital Synthesizer Tuner (1983-85)

F12002F12014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・F-120を見るのは実に久しぶり。
 ・依頼者様から不具合発生時の録音ファイルをお送りいただきました。
 ・それを聴くと、、
  ・正常受信中に時々雑音が混入する。
  ・変調度が大きくなるときに雑音が発生するような気がする?
 ・私のリスニング環境で約1週間試聴しましたが、、
 ・残念ながらノイズ発生場面に遭遇できませんでした。
 ・待っていても仕方ないと思い、まずは一通りの調整作業を行いました。

 ・下記調整によって
 ・受信感度が大幅に向上しました。
 ・本機にはSメーターがありませんが、感覚的には
 ・50%程度しか振れないSメーターが振り切れるようになった、、感じです。
 ・FM同調点が大きくずれていました。

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■内部確認------------------------------------------------------------

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■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP19 → 電圧計セット
 ・90MHz → L5調整 → 24.5V
 ・76MHz → 7.9V ※確認のみ
【RF調整】
 ・TP16 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・76MHz受信 → L1,L2,L3調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → TC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → T2調整 → 電圧最大
【IF WIDE GAIN調整】
 ・TP16 → 電圧計セット
 ・VR101 → 中央位置にセット
 ・83MHz WIDE受信 → T101調整 → 電圧最大
 ・83MHz NARR受信 → VR101調整 → WIDE/NARROW同一電圧
【MUTING調整】
 ・83MHz30dB受信 → VR102調整 → MUTING作動
【FM同調点(クアドラチュア検波)調整】
 ・TP17~TP18 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → T103調整 → 電圧ゼロ
【パルスカウント検波調整】
 ・R308(TP1.26MHz) → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → T104,T105調整 → 電圧最大(実測1.275MHz)
【DCバランス調整】
 ・TP10~TP11 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → VR301調整 → 電圧ゼロ
【VCO調整】
 ・TP14 → 周波数カウンタ、電圧計接続
 ・83MHz無変調 → VR304調整 → 38kHz
 ・83MHz無変調 → L308調整 → 電圧最大
【PILOTキャンセル調整】】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST受信 → L306,VR305調整 → 19kHz信号最小
【STEREO歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST受信 → T2,T101調整 → 歪率最小
【セパレーション調整:WIDE】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST受信 → VR302,VR303調整 → 反対ch漏れ信号最小
【セパレーション調整:NARROW】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST受信 → VR305調整 → 反対ch漏れ信号最小
【REC LEVEL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル記録
 ・REC LEVEL オン → VR501調整 → -6dB
【AM VT電圧調整】
 ・TP19 → 電圧計セット
 ・ 522kHz → L202調整 → 2.0V
 ・1611kHz → TC202調整 → 24.5V
【AM RF調整】
 ・TP15 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・ 729kHz受信 → L201調整 → 電圧最大
 ・1332kHz受信 → TC201調整 → 電圧最大

F120

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・周波数表示LEDのセグメントが部分的に点灯したり消灯したりと不安定。
 ・基板との黒い接続ケーブルを指で押すと症状が再現できました。
 ・分解して基板を確認したところハンダクラックを発見。
 ・接続部分のハンダをすべて修正しておきました。
 ・この機種特有のメモリボタンの弱点は既に補修済みでした。

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■試聴---------------------------------------------------------------

 ・不具合の再現は出来なかったですが、再調整によって問題は解消したと思います。
 ・この状態でお返ししますので、依頼者様の環境でお確かめください。
 ・問題があれば再修理再調整をお引き受けします。

F12009_20200607143001

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