・2019年4月初め、YAMAHA T-70の調整作業を承りました。
・STEREOランプが点灯しないそうです。
・以下、作業記録です。
■製品情報-----------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 YAMAHA T-70 ¥62,000(1983年頃)
・Hifi Engine Yamaha T-70 AM/FM Stereo Tuner (1981-83)
■動作確認-----------------------------------------------------------
・電源コードの印字:1982
・フロントパネルやボディに目立つキズ無し。
・FMアンテナ端子がPAL型。PAL→F変換プラグを介してアンテナ接続。
・電源オン、ブラックマスクに赤色LED表示が精悍な印象を醸し出しています。
・オート選局で名古屋地区のFM放送局の受信チェック。
・すると放送周波数よりも0.1MHz低い周波数で放送を受信。
・ズレた周波数でシグナルメーター点灯、STEREOランプ点灯。
・マニュアル受信で本来の放送周波数にセットするとモノラルで受信。
・FM同調点がズレているようです。
■内部確認-----------------------------------------------------------
・4連バリキャップ搭載フロントエンドパック
・DX/LOCAL切換(WIDE/NARROW)
・レシオ検波
・IG03210=LA2300
・LA3380 MPX用
・LA1245 AM用
■イニシャルステーションのセット方法----------------------------------
・電源オン時に受信する放送局を「イニシャルステーション」と呼んでいます。
・あらかじめFM放送局をメモリー登録しておく。
・電源オン時に受信したいFM放送局を受信する。
・MEMORYボタンを長押しする。
・MEMORYボタンが点滅し始めたら指を離す。
■調整記録-----------------------------------------------------------
【VT電圧調整】
・フロントエンドB2端子 → 電圧計セット
・76MHz → OSCコイル調整 → 3.0V
・90MHz → OSCトリマ調整 → 21.0V
【RF調整】
・IG03210 15ピン → 電圧計セット ※Sメーター電圧
・76MHz → フロントエンド内コイル調整 → 電圧最大
・90MHz → フロントエンド内トリマ調整 → 電圧最大
【レシオ検波調整】
・TM~NVCC → 電圧計セット
・83MHz → T102調整 → 電圧0V ※実測+1.2V
・83MHz MONO → VR103,VC101調整 → モノラル歪最小
【VCO調整】
・VR104の足に周波数カウンタ接続
・83MHz無変調 → VR104調整 → 76kHz
※サービスマニュアルの方法では上手く測定できない
【MPX調整】
・83MHz SUB信号 → T103調整 → Lch信号レベル最大
【ステレオ歪調整】
・83MHz ST信号 → T1,T101,VR101,VR102調整 → 高調波歪最小
【パイロット信号キャンセル】
・83MHz ST信号 → T104,VR107調整 → 19kHz信号最小
【セパレーション調整】
・83MHz ST信号 → VR105調整 → Rch信号最小
・83MHz ST信号 → VR106調整 → Lch信号最小
【FM CSL調整】
・TP1-TP2 ダイオードを介して接続
・83MHz受信 → VR401調整 → 表示 30.0
【REC CAL】
・342kHz -5dB 確認のみ
【AM調整】
・受信範囲:518kHz~1615kHz
・VR108の足に電圧計セット
・ 729kHz(NHK第一放送受信)→ T105調整 → 電圧最大
・1332kHz(東海ラジオ受信)→ VC102調整 → 電圧最大
・1053kHz(CBCラジオ受信)→ VR108調整 → シグナルメーター調整
■試聴---------------------------------------------------------------
・特に故障箇所は無かったです。
・再調整だけで良い性能を取り戻したと思います。
・DX/LOCALを切り換えできますが、DXモードでは高調波歪が高めです。
・セパレーションも悪化するので「常時LOCALモード」での受信をお勧めします。