・2018年6月初め、ST-S333ESGの調整作業を承りました。
・同調点がズレているみたいです。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESG ¥49,800(1989年発売)
・1987年10月発行「SONY ES テクノロジーカタログ」
・Hifi Manuals ST-S333ESG 海外版サービスマニュアル
■動作確認------------------------------------------------------------
・外観はかなり綺麗な個体。
・フロントパネルや天板に目立つキズは無くサイドウッドも光沢あり。
・FMアンテナを接続して電源オン。
・表示部点灯。文字欠けや輝度劣化は感じられない。
・IF BANDやRF切替などボタン操作に応じてインジケーター点灯OK。
・オート選局で名古屋地区のFM局を受信すると+0.1MHzの周波数で受信。
・上り方向、下り方向ともに+0.1MHzの周波数ズレ。
・ズレた周波数でSTEREOランプ点灯、Sメーターも点灯。
・続いて手持ちのAMループアンテナを接続して名古屋地区のAM局をテスト受信。
・AMはオート選局で名古屋地区のAM放送局を受信OK。
・FM同調点が調整ズレを起こしています。
■内部確認------------------------------------------------------------
■調整記録------------------------------------------------------------
【FM同調点調整】
・IF BAND = WIDE
・IC251(LA1235)7pin~10pin間電圧計セット
・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測685mV
【VT電圧調整】
・フロントエンド内JW8 電圧計セット
・アンテナ入力なし
・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測21.6V
・76MHz → 確認のみ → 8.0V±1.0V ※調整前実測 8.1V
【トラッキング調整】
・IF BAND = NARROW
・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
・76MHz受信 → L101,L102,L103 → 電圧最大
【PLL検波調整】
・IF BAND = WIDE
・TP201を短絡 ※これによってIF回路をパス
・TP271 電圧計セット
・IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測218mV
・CT271調整 → 歪最小 ※Wavespectraにて波形確認
・TP201を開放
【IF歪調整】
・IF BAND = WIDE
・MUTING = OFF
・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
・SSG出力40dBモノラル信号送信
・IFT201調整 → 電圧最大
・SSG出力40dBステレオ信号送信
・IFT202調整 → 電圧最大
・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
・SSG出力80dBモノラル信号送信
・IFT203調整 → 歪最小へ
・SSG出力80dBステレオ信号送信
・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
・IF BAND = WIDE
・MUTING = OFF
・SSG83MHz 出力20dB
・RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
・IF BAND = WIDE
・MUTING = ON
・SSG83MHz 出力25dB
・RV252調整 → MUTING調整
【IF NARROWゲイン調整】
・IF BAND = NARROW
・RV203調整 → NARROWゲイン調整
【Sメーター調整】
・RV241調整
【パイロットキャンセル】
・RV303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
・RV301 R→L ※調整後実測64dB
・RV302 L→R ※調整後実測68dB
【CAL TONE】
・Peak Level-4dB 407Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
・RV401 Sメーター調整
・RV402 AUTOSTOP調整
■試聴---------------------------------------------------------------
・やはりFM同調点が大きく外れていていました。
・再調整によってオート選局時で正常動作します。
・それにしても30年前の製品とは思えないですね。