・2018年5月末、KT-3030の調整作業を承りました。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 KENWOOD KT-3030 ¥120,000(1984年頃)
・オーディオ懐古録 KENWOOD KT-3030 ¥120,000
・KENWOODカタログ(1985年1月版) KT-3030 / KT-2020 / KT-1010II / KT-880
・Hifi Engine KENWOOD KT-1100SD FM Stereo Tuner (1984)
■動作確認------------------------------------------------------------
・名古屋地区のFM放送局はすべて受信OK。周波数ズレなし。
・SIGNALメーター点灯。Tメーター動作OK。
・DEVIATIONメーター点灯。STEREOランプ点灯。
・RF SELECTOR DIRECT/DISTANCE切替OK。
・IF BAND 切替スライドVRに伴ってWide/Narrow表示切替OK。
・MUTING動作OK、REC CALトーンOK。
・固定/可変出力とも出音確認。可変VRにガリ無し。
・マルチパスH端子からもFM音声確認。
・メモリ登録動作OK。
・電源プラグを抜いて1週間後もメモリ保持していました。
■内部確認------------------------------------------------------------
・電源部の電解コンデンサーがオーディオグレード品に交換済みでした。
■調整記録------------------------------------------------------------
・輸出機KT-1100SDのサービスマニュアルをベースにして一部アレンジ。
・IF BAND スイッチ記号:(左端)N2 ← N1 ← (中央) → W2 → W1(右端)
【本体設定】
・RF SELECTOR:DISTANCE
・IF BAND:W1(右端位置)
【VT電圧】
・TP1~TP2 DC電圧計セット
・アンテナ入力なし
・76MHz → L6調整 → 3.0V ※実測 2.7V
・90MHz → TC6調整 →24.0V ※実測22.5V
【検波調整】
・TP7~TP8 DC電圧計セット
・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → L21調整 → 0.0V ※実測420mV
【RF調整】
・Multipath V端子 DC電圧計セット
・76MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1~L5調整 → 電圧最大
・90MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ TC1~TC5調整 → 電圧最大
【IFT調整】
・Multipath V端子 DC電圧計セット
・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L11,L12調整 → 電圧最大
・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→L14,L18調整 → 電圧最大
【MPX VCO調整】
・TP9に周波数カウンタ接続
・83MHz(無変調,80dB) → VR12調整 → 76.0kHz
【PILOT CANCEL調整1】
・音声出力をWavespectraで観察
・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dB)→ VR11調整 → 19kHz信号最小
・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dB)→ L26 調整 → 19kHz信号最小
・左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
・音声出力をWavespectraで観察
・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ L28調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DET】
・83MHz(MONO信号,400Hz,100%変調,80dB)→ VR1調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR2調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR4調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO/L】
・83MHz(L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR3調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO/SUB】
・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR5調整 → 歪率最小
【歪調整6 STEREO/MAIN】
・83MHz(MAIN信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR6調整 → 歪率最小
【歪調整7 STEREO/L】
・83MHz(L信号,10kHz,90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整8 W2】
・IF BAND=W2
・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR8調整 → 歪率最小
【歪調整9 N1】
・IF BAND=N1
・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR9調整 → 歪率最小
【歪調整10 N2】
・IF BAND=N2
・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR10調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 W1】Super Wide
・IF BAND=W1
・83MHz(R信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR13調整 → Lchもれ最小
・83MHz(L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR14調整 → Rchもれ最小
【SEPARATION調整2 W2】Wide
・IF BAND=W2
・83MHz(R/L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR15調整 → もれ最小
【SEPARATION調整3 N1】Narrow
・IF BAND=N1
・83MHz(R/L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR16調整 → もれ最小
【SEPARATION調整4 N2】Super Narrow
・IF BAND=N2
・83MHz(R/L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR17調整 → もれ最小
【SIGNAL METER調整】
・83MHz(無変調,70dB)→ VR18調整 → 7番目のドット(最上段)点灯
【TUNING METER調整】
・83MHz(MAIN信号,1kHz100%変調)→ 2階基板VR2調整 → ※
※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MODULATION METER調整】
・83MHz(MAIN信号,1kHz100%変調)→ 2階基板VR1調整 → ※
※MODURATIONメーター100%位置で点灯
■試聴----------------------------------------------------------------
・故障個所は無かったです。
・特にセパレーション値が大幅に改善しました。
・受信感度は抜群に良好です。
・通常時はRF=DISTANCE。
・電波が強すぎる場合はRF=DIRECT。
・通常時 IF BAND= WIDE側(右端)。
・近接局の影響がある場合は順次NARROW側へ調整。