・2017年11月、久しぶりにパイオニア製パルスカウント検波機に触れる機会をいただきました。
・今回は改めて調整方法をまとめてみました。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・PIONEER アンプ・チューナー総合カタログ 1981年4月版
・オーディオの足跡 PIONEER F-780 ¥49,800(1981年発売)
・オーディオ懐古録 PIONEER F-780 ¥49,800
・Hifi Engine PIONEER F-9 (1981-82)
・パイオニア パルスカウント検波チューナー比較 F-700/F-500/F-780/F-120/F-120D
■動作確認------------------------------------------------------------
・外観は多少のキズがあるもののそんなに悪くない印象です。
<依頼者様からの情報>
・不定期にノイズ発生
<確認事項>
・受信中に「ボソッ、ボソボソ」と短いノイズが不定期に発生。
・FM受信音にノイズが被る感じです。
・ステレオ受信時に左右同時にノイズ発生。
・IF BAND WIDE/NARROW ともにノイズ発生
■内部確認------------------------------------------------------------
・FMフロントエンド:4連バリキャップ
・PA3007:FM IF AMP & DET
・PA5001:2ND OSC & MIXER
・PA5002:DIGITAL DET
・PA4006:FM MPX & MUTING
・HA1138:AM TUNER IC
■調整記録------------------------------------------------------------
【VT電圧調整】
・TP21電圧測定(VT電圧)
・90MHz TC4調整 → TP21電圧 25V ※調整前実測 25.0V
・76MHz L2 調整 → TP21電圧 7.0V ※調整前実測 6.9V
【トラッキング調整】
・TP22電圧測定(Sメーター電圧)
・76MHz受信 → T2,T3,L1調整 → 電圧最大
・90MHz受信 → TC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大
・83MHz受信 → T5調整 → 電圧最大
【NARROW GAIN調整】
・TP22電圧測定(Sメーター電圧)
・83MHz受信 → VR1調整 → WIDE/NARROWで同じ電圧に
【FM同調点調整】
・TP23~TP24 電圧計セット
・83MHz受信 → T7調整 → 電圧ゼロ
【パルスカウント検波調整】
・83MHz受信 → T9調整 → TP11周波数 1.26MHz
・83MHz受信 → VR3調整 → TP8~TP9電圧ゼロ
【ミューティング調整】
・83MHz受信 → VR2調整 → ミューティング作動ポイント設定
【VCO調整】
・TP14 周波数カウンタ
・83MHz変調OFF → VR6調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
・83MHz変調ON → VR7調整 → 19kHz信号最小
【セパレーション調整】
・83MHz変調ON → VR5調整 → 左右ch漏れ信号最小
【REC CAL調整】
・83MHz受信 → オーディオ出力レベル測定
・REC LEVEL CHECK オン → VR8調整 → -6dB
【AM RF調整】
・TP22 電圧計セット(Sメーター電圧)
・ 522kHz受信 → バーアンテナ,T10,T11調整 → 電圧最大
・1602kHz受信 → TC5,TC6,TC7調整 → 電圧最大
■修理記録 不定期にノイズ発生----------------------------------------
・上記調整後の試聴中にご指摘のノイズを確認
・受信中に「ボソッ、ボソボソ」とノイズ発生。
・FM受信音に被る感じですね。
・ステレオ受信時に左右同時にノイズ発生。
・IF BAND WIDE/NARROW ともにノイズ発生
・MODEスイッチ(AUTO/MONO)操作するとノイズが発生するようです。
・スイッチ接点の劣化が原因かも?
・MODEスイッチを約100回、ON/OFFを繰り返しました。
・これで落ち着いたようです。ノイズが出なくなりました。
・念のため、他のスイッチも同様の措置を施しました。
■試聴----------------------------------------------------------------
・フロントマスクはゴールド/ブラックの独特なツートンデザイン。
・単体チューナーとしては異質なデザインで好き嫌いが分かれそうです。。
・でも同シリーズのアンプA-980/780とセットにするとカッコよく見えるから不思議。
・カセットデッキCT-980/970も揃えると未来感覚の新型コンポに見えました。
・参考:グッドデザイン年鑑 1981年