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KENWOOD L-03T

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 ・2017年10月初め、L-03Tの修理調整を承りました。
 ・中身はKT-2200と同じと分かっていますが、L-03T実機に触れるのは初体験。
 ・以下、作業記録です。

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■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD L-03T ¥120,000
 ・オーディオの足跡 KENWOOD L-03T ¥120,000 (1983年発売)

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■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・外観の状態はあまり良くない。
 ・フロントパネルの角に打ちキズ多数、ボディも汚れた感じ。
 ・背面のFMアンテナ端子が陥没している。
 ・音声出力端子が外れているのか?端子がグラグラしている。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・メーター照明点灯、指針が赤く点灯。
 ・名古屋地区のFM局受信OK。-0.2MHzほどの周波数ズレ。
 ・IF BAND切替OK、RF切換OK。MUTING動作OK。
 ・STEREOランプ点灯、SERVO LOCK動作もOK、DEVIATIONメーターOK
 ・ところがLchの音が出ない。REC CALトーンもLchの音が出ない。
 ・グラグラのLch端子に触れると音が出る。
 ・これは接触不良がありそう。

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■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・音声出力端子のプラスチック部分が割れている。
 ・FMアンテナ端子も同様に破損。
 ・どちらも無理な抜き差しが原因と思います。
 ・まずは端子の修理から着手。

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■修理記録:アンテナ端子交換-----------------------------------------

 ・相当無理な力が加わったらしく、FM75Ω端子が陥没しています。
 ・これは交換するしかないです。
 ・背面パネルから外してみたらプラスチック部分が割れてました。
 ・ジャンク箱にあった同型端子と交換。

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■修理記録:マルチパス端子、音声出力端子補修-------------------------

 ・マルチパス端子と音声出力端子は同一ユニット部品です。
 ・内側から見るとプラスチック製台座部分が見事に割れています。
 ・FMアンテナ端子同様に無理な力が加わったみたいです。
 ・ジャンク箱に同型部品はありましたが、ただ金メッキ端子の部品が無い。
 ・L-03Tの高級感を保つために金メッキ端子は残しておきたい。
 ・ということで、割れたブラスチック部品を強力接着剤で固める。
 ・さらにヒビ割れに沿って補強部品を強力接着剤で固定しました。
 ・端子はピカールで磨いておきました。

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■調整記録-----------------------------------------------------------

 ・Σ回路以外はKT-2200と同じ。調整方法もKT-2200を共通です。

L03t

【機器の設定】
 ・RF=DISTANCE
 ・サーボロック OFF
【IF VCO6.2MHz調整】
 ・TP=IC2 JRC1496 8ピン(R16右側)周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 90dB Sメーター最大位置で受信 → L20調整 → 6.2MHz
【検波調整1】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 90dB Sメーター最大位置で受信 → L26調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 90dB 受信 → OSCトリマ調整 → ダイヤル指針83MHz
  ※コイル調整は難度高いのでノータッチ
【フロントエンドRF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 50dB 受信 → RFトリマ3個調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 無変調 50dB 受信 → T1調整 → Sメーター最大
  ※コイル調整は難度高いのでノータッチ
【検波調整2】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → Tメーター中点確認
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → L25調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → VR2調整 → 高調波歪最小
【IF WIDE調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz MONO 1kHz 60dB 受信 → L4,L5,L6,L7,L8,L9,L10,L11,L12調整
    → Sメーター最大 かつ高調波歪最小
【IF WIDE調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz ST 1kHz 60dB 受信 → L16,L17,L18調整 → 高調波歪最小
【IF NARROW調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz 1kHz 60dB 受信 → L14,L15調整 → 高調波歪最小
【NARROW GAIN調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 無変調 40dB 受信 → Sメーター目盛り記録
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 40dB 受信 → VR1調整→ Sメーター目盛りWIDE時と同じ
【VCOフリーラン周波数調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・TP R163上側に周波数カウンタ接続
 ・無信号 → VR6調整 → 152kHz±100Hz
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz パイロット信号 60dB 受信 → VR5調整 → 19kHz最小
 ・83MHz パイロット信号 60dB 受信 → L37調整 → 19kHz最小
 ・左右バランスに注意
【セパレーションWIDE調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR7調整 → Lch漏れ最小
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR8調整 → Rch漏れ最小
【セパレーションNARROW調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR9調整 → L/Rch漏れ最小
【Sメーター調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 無変調 60dB 受信 → VR3調整 → Sメーター目盛り4.25
【DEVIATION調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz MONO 1kHz 60dB 受信 → VR4調整 → Dメーター目盛り100%

■試聴---------------------------------------------------------------

Kenwood_l03t07

 ・ちょうど同時期にKT-2200の調整作業を行っていました。
 ・KT-2200とL-03Tを並べた記念写真です。
 ・外寸、内部構成、は全く同じ。違いはΣドライブ回路と銅メッキシャーシ。

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