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SONY ST-S555ESX 修理調整記録1

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 ・2016年11月末、名機ST-S555ESXの故障品が届きました。
 ・外観がとても美しいので何とか直したい、、

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S555ESX ¥74,000(1986年発売)
 ・オーディオ懐古録 SONY ST-S555ESX FM STEREO/FM AM TUNER ¥74,000(1986)
 ・Hifi Engine SONY ST-S800ES (1988) 輸出機のサービスマニュアルあり

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・30年前の製品とは思えないほどとても綺麗な個体です。
 ・きっと大切に使われていたのでしょう。
 ・さてFMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示部は文字痩せ、文字欠けなく輝度も十分です。
 ・オート選局で名古屋地区のFM放送局を受信しました。
 ・周波数ズレなし。STEREOランプ点灯。
 ・WIDE/NARROW切替、MUTING切替、REC CALトーンなど動作OK。
 ・メモリ登録OK。その後電源オフでも1週間保持することを確認。
 ・手持ちのAMループアンテナで名古屋地区のAM放送局を受信。
 ・FM/AMとも特に問題なさそう、、、と思ったら、、

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 ・FM放送受信時に「ボソッ、ボソボソッ」と不定期に雑音が混入します。
 ・雑音発生時にSメーターの揺れやSTEREOランプの明滅現象は無い。
 ・IF BAND WIDE/NARROWどちらでも雑音発生。
 ・これは原因特定に時間がかかりそうな予感、、

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■調整記録------------------------------------------------------------

 ・まずはサービスマニュアルに従って各部調整作業を行いました。
【FM同調点調整】
 ・IC206:LA1235 7~10pin間 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・SSG83.0MHz 変調OFF 80dB → IFT208調整 → 電圧0V±20mV
【VT電圧調整】
 ・IC804 10ピン電圧計セット
 ・90.0MHz → L105調整 → 21.0V±0.2V ※実測21.5V
 ・76.0MHz → 8.0V±1.0V 確認のみ ※実測8.1V
【RF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・IC206:LA1235 13pin電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・SSG76.0MHz → L101,L102,L103,L104調整 → 電圧最大
 ・SSG90.0MHz → CT101,CT102,CT103,CT104調整 → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING=OFF
 ・音声出力端子をWaveSpectraで確認
 ・TP202 電圧計セット
 ・TP201を短絡 ※IF回路をパス
 ・SSG83.0MHz 80dB送信 → IFT207調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測415mV
 ・SSG83.0MHz 80dB送信 → CT201 調整 → 高調波歪最小
 ・SSG83.0MHz 80dB送信 → IFT205調整 → 高調波歪最小
 ・TP201を開放

 ※CT201を回すとボソボソノイズ発生。VRのガリのように劣化している感じ。
 ※これが雑音源か?

【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC206:LA1235 13pin電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・RT201、RT202 時計回り一杯に回す
 ・SSG83.0MHz出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
  ・IFT202調整 → 電圧最大
 ・RT201、RT202 回転範囲の中央位置に回す
 ・SSG83.0MHz出力80dBモノラル信号送信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
 ・SSG83.0MHz出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・SSG83MHz 出力20dB
 ・RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
 ・MUTING = ON
 ・IF BAND = WIDE
  ・SSG83.0MHz 出力25dB → RT204調整 → MUTING作動
 ・IF BAND = NARROW
  ・SSG83.0MHz 出力25dB → RT203調整 → MUTING作動
【MUTING作動範囲調整】
 ・IF BAND = WIDE
  ・MUTING = ON
 ・SSG83.0MHz → IFT208調整 → MUTING作動範囲調整
 ※UP方向、DOWN方向で同じ範囲に設定する
【Sメーター調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・SSG83.0MHz無変調80dB → RT206調整 → エレメント全点灯位置
【VCO調整1】
 ・TP302 周波数カウンタ接続
 ・SSG83.0MHz無変調 → RT301調整 → 76kHz±100Hz
【VCO調整2】
 ・IC302 9ピン電圧計セット
 ・SSG83.0MHz パイロット信号のみ → RT305調整 → 0V±0.5V
【パイロットキャンセル】
 ・SSG83.0MHzステレオ変調 → RT302、L301 19kHz信号漏れ最小 
 ・左右chのバランス確認
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・SSG83.0MHzステレオ変調 → RT303 R→L ※調整後実測62.5dB
 ・SSG83.0MHzステレオ変調 → RT304 L→R ※調整後実測61.8dB
【AM VT電圧調整】
 ・IC804 10ピン(代用 JW41)電圧計セット
 ・1602kHz → OSCトリマ調整 → 22.0V±2.0V ※実測23.8V
 ・ 531kHz → OSCコア調整 → 1.8VV±0.1V 確認のみ ※実測4.3V
【AM RF調整】
 ・SSG 603kHz → RFコア調整 → Sメーター最大
 ・SSG1395kHz → RFトリマ調整 → Sメーター最大
 ・SSG 999kHz → IFT401調整 → Sメーター最大
【CAL TONE】
 Peak Level-6dB 392Hzの波形が出ていました。

<調整結果>
 ・FM同調点が大きく外れていて周波数ズレ寸前でした。
 ・PLL検波調整にズレが大きかったです。
 ・セパレーション値も大幅に改善しました。

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■修理記録------------------------------------------------------------

 ・上記調整後も「ボソッボソッ」という雑音が発生します。
 ・ただし発生頻度が明らかに少なくなりました。
 ・怪しいのはやはりPLL検波部のトリマコンデンサCT201か?
 ・パーツ表を見てもCT201の容量記載がない。外装色からすると多分20pFか? 
 ・手持ちの赤色20pFに交換。
 ・再度調整作業をやり直して様子を見ていますが雑音発生は無くなったようです。

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■試聴---------------------------------------------------------------

 ・各部再調整によって良好な性能を取り戻したと思います。
 ・FM/AMとも良い音です。
 ・約1週間に渡って動作確認していますが、雑音は発生しなくなったようです。
 ・この状態でお返ししますので引き続き雑音状況をご確認ください。

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