・2016年9月、YAMAHA T-4DBの修理調整を承りました。
・発売当時から愛用されているワンオーナー品とのこと。
・型番からは T-4 を連想しますが、中身は T-5 に似ていました。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 YAMAHA T-4D ¥28,000(1982年頃)
・T-4DBはT-4Dのブラックモデルという意味ですね。
・価格帯からは入門機の位置付けが想像できます。
■動作確認------------------------------------------------------------
・経年の汚れがあるものの、フロントやボディに目立つキズはない。
・FMアンテナ(PAL端子)を接続して電源オン。
・周波数窓の照明が切れているのか?それとも元々照明は無いのか?
・T-7やT-9と同じTメーター一体型指針。左右の光量で同調点を判断。
・+0.4MHzほどの周波数ズレがあるものの名古屋地区のFM局を受信。
・ステレオランプ点灯。実際にステレオ感あり。
・付属のAMループアンテナで名古屋地区のAM局を受信OK。
・ただしAM周波数ズレが+500kHzほどと大きい。
・音声出力コードが基板から直出し。
■内部確認------------------------------------------------------------
・基板サイズは本体サイズの半分ほど。小さな電源トランス。
・FM3連AM2連バリコン搭載のフロントエンド。これはT-5と同型です。
・レシオ検波+LA3381によるPLL MPX。
・T-5からSメーター回路を省略した感じです。
・AMはICを使っていません。
■修理記録------------------------------------------------------------
・フロントパネル正面から見て左側に照明電球が1個ありました。
・これが切れていたので、ストック品から同等品に交換。
・緑色の目盛りと周波数が浮かび上がっていい感じになりました。
・電球切れ以外に不具合は無かったです。
■調整記録------------------------------------------------------------
【FMフロントエンド調整】
・OSC調整 TC103,L103
・RF調整 TC101,TC102 / L101,L102
※L103がボンド固定されているので83MHzにて調整
【レシオ検波調整】
・NVcc~TM間にDC電圧計セット
・T101コア調整 → 電圧ゼロ(=左右の光量一致)
・VC101調整 → 高調波歪最小
【MPX調整】
・TP19kHzに周波数カウンタ接続
・VR4 VCO
・VR3 19kHzパイロット信号最小
・VR1 セパレーション調整Lch
・VR2 セパレーション調整Rch
【AM調整】
・OSC調整 AMTC2,T103
・RF調整 AMTC1,T102
※付随回路をすべて省略した超シンプル設計です。
※その割に左右独立セパレーション調整VRだけ豪華な造り。
※セパレーション調整では60dB近く確保できました。
■試聴----------------------------------------------------------------
・緑色目盛りが浮き上る照明窓が上品な印象です。
・入門機の位置付けですが意外に良い音で鳴っています。