・2016年10月初め、L-01T の修理調整を承りました。
・以下、修理作業の記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオ懐古録 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年)
・オーディオの足跡 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年頃)
・Hifi engine KENWOOD L-01T※ 輸出機のサービスマニュアルが入手できます。
・KENWOOD L-01T 1号機の記録
・KENWOOD L-01T 2号機の記録
・KENWOOD L-01T 3号機の記録
■動作確認------------------------------------------------------------
・電源オン、オレンジ色照明が綺麗に点灯。
・Wide/Narrow、Direct/Normal の青い三角形表示もすべて点灯。
・二つのメーター照明点灯。
・名古屋地区のFM局を受信OK。ただ-0.2MHz程度周波数ズレ。
・Tメーター中点とSメーター最大点が一致しない。
・STEREOランプは赤く点灯。固定出力、可変出力ともOK。
・マルチパスH端子からも正常音声が聞こえる。
・NHK-FMを聴くと多重放送による特有のノイズを確認。
・底板に修理記録あり。1993年に電球9個が交換されたようです。
■内部確認------------------------------------------------------------
・照明用豆電球8個と指針用電球が交換されていました。
・電球にマイナス端子はすべてハンダ付けされていました。
■調整記録------------------------------------------------------------
【FMフロントエンド】
・OSC調整83MHz → OSC coil
・トラッキング調整76MHz → L1,L2,L3,L4,L5,L6
・トラッキング調整90MHz → TC1,TC2,TC3,TC4,TC5,TC6
・IFT調整 → L17,L19,L21 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
・LA1231Nクアドラチュア検波調整 → L6 → Tメーター中央
【ミューティング調整】
・VR2
【WIDE GAIN調整】
・Narrow受信 → Sメーターレベル記録
・Wide受信 → VR1調整 → Narrow受信時と同レベルに
【Sメーター調整】
・VR3
【第2IF調整】
・83MHz受信 → L8調整 → TP=1.96MHz ※実測1.85MHz
【VCO調整】
・無変調 → VR6調整 → TP(R117) → 76kHz
【Pilotキャンセル】
・VR7,L16調整 → 19kHz漏れ最小へ
【ステレオ歪調整】
・フロントエンドL21調整 → 高調波歪最小へ
【SCA調整】
・MEGURO DARC ENCODER MSG-2170でFM多重信号を生成
※L&R=80%、Pilot=10%、DARC=10%
・L10,L11調整 → D36カソード側DC電圧最大へ
・VR5調整 → IC9-1pin電圧測定 → +電圧が-電圧に変わる位置※
※+7.5V→安定して-6.6Vを示す位置
・IC9-1pin電圧が+→-に変わることでSCAフィルター回路のスイッチオン
【ノイズアンプ調整】
・離調状態 VR4調整 → Q6(2SC2785)エミッタ電圧 → 8V
【SUB調整】
・83MHz L-R信号受信 → VR8調整 → Lch最大
・同上 → VR9調整 → Rch最大
【セパレーション調整】
・Wide受信時 VR10→Rch、VR11→Lch
・Narrow受信 VR1(X13-2690基板)
■試聴----------------------------------------------------------------
・漆黒のフロントパネルに映えるオレンジ照明が抜群に美しいです。
・今回も調整によってFM多重放送ノイズを回避できました。
・その他再調整によって良い性能を取り戻したと思います。